ゴジラ vs ポプ子   作:外清内ダク

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エピソード4/新たなるポプ子

 

 

 

A bit time ago in a galaxy close,

close at hand....

 

 

 

 

【挿絵表示】

 

 

 

 

EPISODE IV

A NEW POP

 

It is a period of Kaiju war.

SDF Joint Task Force, striking

from Asama Jinja base, have lost

their first battle against

the Unidentified Gigantic

Creature : Godzilla.

 

During the battle, Pipimi,

a junior high school student,

achieved expeling Godzilla

temporarily to the Lunar orbit,

at the sacrifice of her own life.

 

Her best friend Popko hurries

to the planet Ouch-To aboard her

starship to see the old JD

master, who can train her

enough to get revenge on

Godzilla and restore peace

to the galaxy....

 

 

 

 

   *

 

 

 

 銀河系未知領域――惑星アウチー。

 その中にある、絶海の孤島にて。

 

 年老いた男が、崖っぷちに立っている。

 

 彼は、公爵(デューク)空歩男(スカイウォークマン)

 かつて銀河系を救った伝説のJD(ジェィディ)マスターであり、数々の女子大生(JD)を育ててきた人物だ。

 

 

 彼に会うなり、ポプ子は顔面血管むき出しにした。

 

「『(チカラ)』教えゃオッラーン!」

 

 

 空歩男(スカイウォークマン)、沈黙。

 

 ポプ子、意外に冷静。

「ほう、だんまりか」

 

 

 ポプ子はマッキー(極太)を取り出し、空歩男(スカイウォークマン)の背中に黒いマウスの絵を描いた。

 

 そして電話をかける。

 

「もしもし、ディ(検閲削除)?」

「やめろ!!!!!」

 

 

 空歩男(スカイウォークマン)は非常に焦ってポプ子を止めた。

「ただでさえ今回はグレーゾーンなのだから恐ろしいマネはつつしむように」

 

 ポプ子はスッと手を伸ばして要求した。

「『(チカラ)』」

 

 空歩男(スカイウォークマン)は背を向ける。

「JDになるには、まず高校を卒業しなくては。

 お前には、歳も力も足りないな」

 

「でも今なりたい!」

 

 ポプ子は、短い足で地面を踏み割るようにして、空歩男(スカイウォークマン)とにらみ合った。

 

 

 空歩男(スカイウォークマン)は、ポプ子の決意のまなざしを見て、

「……ついて来なさい」

 

 

   *

 

 

 連れて行かれたところは、洞窟の中だった。

 広い空間の真ん中に、大きな穴が空いていて、その下には黒黒とした水面が見える。

 

 水面がバシャリと波打った。

 どうやら水の中にサメがいるらしい。

 

 

 空歩男(スカイウォークマン)

(てきとうに恐ろしい課題を与えてやれば、あきらめるだろう)

 と考えて、笑いながら、

 

「この中に飛び込んで、あのサメに打ち勝ったなら、『(チカラ)』を教えてやろ……」

 

 バシャーン。

 

「本当に飛び込むやつがあるか!!」

 

 

 空歩男(スカイウォークマン)が大慌てで穴のそばに駆け寄る。

 見下ろしてみると、音もなく、水面は静かに波紋を立てているだけだ。

 

 しばらくして、

 

 ザバァ!!

 

 サメとともに、ポプ子が水面から飛び上がった!

 

 

 ポプ子とサメは、勢い余って水の外に飛び出てしまった。

 どちらも傷だらけだ。

 

 ポプ子は、ピチピチ跳ねているサメに手を伸ばす。

「強かったゼ、お前……!」

 

 サメがヒレを差し出す。

「フ……! お前もな……!」

 

 ふたりは固く握手を交わした。

 

 

 その姿を見て、空歩男(スカイウォークマン)は、冷や汗を浮かべていた。

 

(駄目だこいつ……早くなんとかしないと……)

 

 空歩男(スカイウォークマン)は、ポプ子の、目的のためなら手段を選ばない暴走ぶりに、(チカラ)の暗黒面の匂いをかぎとったのだ。

 

 放っておくと、ポプ子は暗黒面に堕ちるかもしれない。

 その前に自分が指導したほうがいい、と考えを改めた。

 

 

「ポプ子よ。

 

 『(チカラ)』を得るということは、オトナになるということだ。

 修行を終え、ゴジラを倒したとしても、そのときお前は、今のお前とは違う別のなにかになっているだろう。

 

 それでもいいのか?」

 

 

 ポプ子は迷わず答えた。

「OH YEAH」

 

 

 空歩男(スカイウォークマン)はうなずいた。

「よろしい。

 ――さあ、レッスンを始めよう」

 

 

   *

 

 

 というわけで、ポプ子は『(チカラ)』の修行を開始した。

 

 このあとしばらく地味な修行シーンが続きます。

 

 

 その間ヒマなので

 

 

 み な さ ま の た め に

 

 こ ん な 小 説 を ご 用 意 し ま し た。

 

 

   *

 

 

 

新コーナー

 

ボブネミミッミ

 

作:AC(アーマードコア)(ばい)

 

 

 

「今日も酷い天気」

 ポプ子の指が四層投影操作盤(クアトロコンソール)の宇宙を(はし)る。マイクロ秒単位の静観探査(スキャンモード)()()の障害を洗い出し、容赦のないレッドアラートの嵐として彼女の眼前に投影する。AP(アーマーポイント)1357、WG-MG500/E(Eサブ)残弾3掃射分、ジェネレータ及び超電導サイクルコンデンサに深刻な損傷、おまけに外は猛烈な強酸の雨――

 あらゆる情報が戦闘継続の困難を訴えていたが、それに対するポプ子の解釈はこうだ。

 ――いいね。あと40秒は()()()

 嬉しそうに舌なめずりし、同時に胸の高鳴りを努めて抑え、ポプ子はジッとモニタを見つめた。足元から順に舐め回すように丁寧に――軽量四脚の優美な曲線、コアの接続部が示す官能的くびれ、そして凶悪な腕部内蔵ガトリングガン(AW-GT2000)のそそり立つさまを。

 傭兵(レイヴン)。蒼い四脚AC(アーマードコア)の駆り手。ポプ子の同業――つまりは敵だ。

 あの蒼いの――仮に《ブルー》と呼ぼう――が何の目的でここに来たかは知る由もない。ポプ子がそうしたように、どこかの企業に依頼されてムラクモ・ミレニアム社の墜落機から新型強化人間(プラス)のレシピ・ブックを回収しにきたのか。ムラクモそのものの差し金で証拠隠滅を狙って来たのか。あるいは単にレイヴン同士の戦いに焦がれる戦闘狂か。

 どれであろうが問題ではない。

 ポプ子にとって大事なことはただ一つ。こんなに愉しめる相手とは、滅多に逢えないというシンプルな事実。

 なら存分に愉しむべきだ。

 ポプ子は操作盤(コンソール)に指を躍らせ、中量二脚AC《レッド》にパーツの分離(パージ)命令(コマンド)した。残弾僅かのミサイルポッド、外付けレーダーユニット、冷却オイル、砕けた装甲、みんな要らない。余計なものを切り捨てて、限界ギリギリまで身軽になって、()を敵に(さら)け出す。

 ACに己そのものを重ね、獣の如くポプ子が()えた。

「さあ()ぎ合おう。命の最後の一滴(ひとしずく)まで!」

 

「ほおーっ……」

 ブルーが口元に笑みを浮かべる。

「あの子はやる気だよ。いいレイヴンだ」

 敵の気迫に正面から応じ、ブルーの手が操縦桿をそっと包んだ。

 

 強酸の雨滴が絶え間なく装甲版を叩く中、赤い巨人と、青い蜘蛛は、身じろぎもせず対峙した。

 数秒後。

 レイヴンたちの集中が、豪雨の唸りを真空の静寂に呑み込んだ。

 時が、止まったかの如く、静。

 ただ――雨粒の一滴のみが、装甲の尖った先端に伝い降り――

 ()()()

 《レッド》が走る! 肉薄までミリ秒。超音速で繰り出されたレーザーブレード(ムーンライト)の斬撃が《ブルー》のコアに襲い掛かる。だが瞬時、青い装甲板がブレて見え、気付いたときには敵は背後。

 ――速ッ!

 ゾッとする死の予感と爆発しそうな興奮を同時に堪能しつつポプ子は操縦桿を薙ぎ倒す。《ブルー》の腕からばら撒かれた高速徹甲弾の嵐を人間離れした超反応で回避して、振り向きざまに反撃の機銃掃射をくれてやる。

 だが、それこそ《ブルー》の狙いだったと気付いたときにはもう遅かった。

 ポプ子の機銃が火を噴いた瞬間、その銃口に寸分もズレず《ブルー》の弾が食い込んだ。行き場を失くしたプラズマ弾が銃の内部で炸裂し、《レッド》の右腕ごと砕け散る。

 《ブルー》の銃弾はポプ子が旋回するより前に放たれていた。つまり敵はポプ子の動きを予測したのだ。1インチの狂いさえなく!

 ――こいつバケモノだ!

「……から!」

 ポプ子の脚がペダルを踏みつけ、転倒しかけの《レッド》が踏み止まる。

「面白いッ!!」

 《レッド》が不可解な動きで腕を振る。左腕のレーザーブレード(ムーンライト)から光が溢れ、三日月型の光波となって《ブルー》を襲う。ブレード光波! 発振器から出力される低速レーザー刃を本体から切り離して射出する技術。理論上は可能とされるが、実現するには神懸かり的な操作精度を要求される異端の業だ。

 さすがにこれは予測できなかったか、《ブルー》の左腕が肩のキャノンもろとも両断される。《ブルー》の機体がその反動で釘付けになる。この機を逃さずポプ子はフルブーストで突進した。迎撃に放たれる《ブルー》の銃弾を針の穴を通す機動で潜り抜け、逃げ回る《ブルー》に絡みつくように追い縋り、一瞬、ほんの一瞬の好機を探る。

 奴が、次に隙を見せた時。

 ――その一瞬でキメてやる!

 そして。

 その瞬間がやってきた。

 《ブルー》の脚が地面の起伏に跳ね上がり、機体制御が僅かにブレる。

 ポプ子、必殺の斬撃が飛ぶ。

 が。

 《ブルー》もこの一瞬を待っていた。我が胸に飛び込んでくるポプ子のコアに、ピタリと機銃の狙いを定める。

 ポプ子の脳裏に浮かぶ問い――

 ――()くか!? 退()くか!?

 ()()()()()()

「どおおおおおおりゃああああああああああああああッ!!!」

 赤の剣と青の銃火。ふたつの光が、ひとつに交わり――!

 

 弾け。

 

 そして――静かになった。

 

 嘘のような静謐の中、《レッド》のコクピット・ハッチが開き、封を開けたパウチ・パックから煮っ転がしが(ぬめ)り出るように、ポプ子の上半身が飛び出した。あまりの熱気に居てもたってもいられず、邪魔っけな保護ヘルメットを脱ぎ捨てる。

「だはァっ! つっかれたァ……」

 外の雨は、いつの間にか止んでいた。大破壊(グレートデストラクション)で汚染され尽くした地上の空が、今は、不思議と美しく澄んで見える。

 ふと見下ろすと、《ブルー》――擱座(かくざ)した四脚型ACの姿がそこにある。ポプ子のブレードで脚部とコアの継ぎ目を半ばまで引き裂かれてなお、そのフォルムは彫刻めいた美しさを保っていた。

 《ブルー》のハッチが開く。パイロットのレイヴンが、姿を現す。

「やるじゃないか」

 と、レイヴンが言う。

 ヘルメットを脱いだその姿に、ポプ子は、見惚れた。

 青い、剣のように真っ直ぐな髪。面長の顔だち。氷を思わせる冴えた眼差し。その目に見つめられ、ポプ子は心臓を射抜かれたように放心した。

「本気でやって負けるとは思わなかったよ」

 何と答えたものだろうか? ポプ子は頭の中にたくさんの回答選択肢を並べあげ、素早くひとつひとつ検討し、最終的に、それをみんな棄ててしまった。結局ポプ子の口から出たのは、なんとなく頭に浮かんだ言葉――彼女の生の言葉そのものだった。

「きっと、今日は私の日なんだよ」

 青い少女が肩をすくめる。

「じゃあ、明日は?」

「私たちふたりの日」

 その答えに、青い少女は一瞬、呆気にとられた表情を浮かべ、それから、笑い出した。嬉しくなって、ポプ子も笑った。荒廃した地上――戦争が終わった荒野――誰もいないふたりだけの場所、ふたりだけの時間。

 ひとしきり笑い尽くした後、どちらかが、問いを発した。

「ねえ、聞かせてよ。

 君の名は――?」

 

 こうして、その日の戦いは終わった。

 意気投合したふたりは連れ立って街に戻り、そのまま、コンビを組んで活動を始めることにした。

 バディ・レイヴン、ポプ子とピピ美。ふたりは後に、地下都市(アイザック・シティ)全域に悪名を轟かすことになるのだが――

 それはまた、別の話。

 

 

 

(つづく)

 

 

 

 

 

 

■次回予告■

 

 私、星降そそぐ!

 

 ついに明らかになったウェンズデイ・プロダクションの、強化アイドル製造計画――プロジェクトP!

 全国の女の子たちを機械と融合させてアイドルにしちゃうなんて!

 そんなこと許せない!

 

 でも、計画を阻止するためのゲリラライブに傭兵アイドルが乱入!

 もーっ! 邪魔しないで!

 ……って思ったら、え? 違う?

 

 やだ! だめよ! 私には大地君というひとが……!

 

次回、

 

“星色ガールドロップ project-P”

第5星「お前は俺だけのものだ!」

 

 来週も、恋にオーバードロップ!

 

 




・この作品に登場したアーマードコア

■レッド
パイロット ポプ子
HEAD HD-H10
CORE XXL-DO
ARMS AN-25
LEGS LN-1001B
BOOSTER B-PT000
FCS FBMB-18X
GENERATOR GBG-XR
BACK UNIT R RZT-333
BACK UNIT L WM-SMSS24
ARM UNIT R WG-MG500/E
ARM UNIT L LS-99-MOONLIGHT
OPTION SP-S/SCR, SP-E/SCR, SP-EH, SP-E+
●COLOR
 NIGHT SHIFT/BLOOD STRUCTURE

■ブルー
パイロット ピピ美
HEAD HD-H10
CORE XCL-01
ARMS AW-GT2000
LEGS LF-TR-0
BOOSTER B-T001
FCS QX-AF
GENERATOR GBX-XL
BACK UNIT R RZT-333
BACK UNIT L WC-01QL
ARM UNIT R -
ARM UNIT L -
OPTION SP-CND-K, SP-S/SCR, SP-E/SCR, SP-EH, SP-E+, SP-DEtq, SP-ABS/Re
●COLOR
 GENERAL BASE(15,15,32) OPTION(15,15,32) DETAIL(15,15,32) JOINT(32,32,32)
 CORE OPTION(15,15,15)


・オープニングクロール日本語版

ちょっと昔、すごい近くの銀河系で……

(ポプテピピック)

エピソード4
新たなるポプ子

カイジュー戦争の時代のこと。
浅間神社の陣地から出撃した
自衛隊統合任務部隊は、
巨大不明生物ゴジラ
に対する最初の闘いに
敗北した。

戦いのさなか、どこにでもいる
中学生ピピ美は
自分自身の命とひきかえに
ゴジラを一時的に月軌道へと
追いやることに成功した。

彼女の親友ポプ子は
いにしえのJDマスターに
教えを請うべく、宇宙船に乗り
惑星アウチーへ急ぐ。
ゴジラに復讐し、銀河に
平和を取り戻すために……
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