「久しぶりだなサーゼクス」
「君は、いや、あなたは」
「大戦以来だな。そういやグレモリーの婚約はお前の家の望みか?」
「はい。血を重んじる考えが強いので今回のように納得の出来ないような事態も起こります」
はぁ、と息を吐き続ける
「別に急いで結婚することはないだろうに、出生率が低いのはわかるが、生きてる年月を考えれば望まぬ婚約などしなくてすむはずなのに」
「もっともです」
「どうせ上の老人どもが踏ん反り返って威張り散らしているだけだろう。俺が全員失脚させるか?」
「さ、さすがにそこまでは……」
「さて、ゲームだが、お前はどっちが勝つと思う?やはり妹か?」
「兄としては妹ですが、実力としては……」
「俺は絶対にフェニックスが勝つと思うぞ」
「理由をお聞きしても?」
「簡単だよ。主人の将来がかかった一戦なのに過去を恐れたり、血を嫌ったりしてる時点で論外だ。全力が出るわけがない。手を抜いている。話にならん」
「そうですか……」
開始してすぐはグレモリー眷属が優勢気味だったがすぐに塔城が落とされ、フェニックスの駒を倒したらすぐに姫島と木場が落ちる
「もう決まったな」
「まだ、試合は……」
「無駄だ。一誠はたしかに諦めないだろう。だがな一誠の身体が持つかな?この間まで人間だった奴が少し鍛えただけで神や魔王すら屠る神器の力に耐えられるとでも?」
案の定一誠はグレモリーと合流してフェニックスと対峙するが、アーシアは封じられ、一誠は倍加に身体が耐えられず血を吐き出す
それでもフェニックスに殴りかかるがカウンターを腹にもらう。グレモリーが隙を見て滅びの魔力を放つがそこは不死鳥のフェニックス、すぐに回復してしまう
それでもなお一誠はフェニックスに殴りかかろうとする
「ここまでだな」
殴りかかろうとした拳が止められ、カウンターをしようとしたフェニックスは手で制される
「もう終わりだ。これ以上は無意味危険と判断する」
「どうして!?」
「グレモリー。お前が王なら気がつくはずだ。もう一誠の体は限界だ。それによく見ろ」
「!!」
「こいつはもう気絶している。やるだけ無駄だ」
「お疲れ様イッセー……。ありがとう…朱乃、裕斗、小猫、アーシア……イッセー。ふがいない私のためによく頑張ってくれたわり私の負けよ、投了します」
「さて、お疲れ様だ。ライザー君」
「いえ、この程度は」
「婚約の件だけど君もあまり乗り気じゃないんだろう?」
「そ、そんなことは」
「見てればわかるよ最初の時から嫌々じゃなかったかな?家のことは心配しなくても俺から言ってあげるよ。グレモリーも好きな人と結ばれたいみたいだしね。君も、だろ?」
「よくわかりましたね」
「だてに長くは生きてないよ。さて、まずはサーゼクスに言いに行こう」
「はい」
サーゼクスの元へ二人で向かった
「サーゼクス」
「はい、なんですか?」
「婚約の件だけど」
「どうかしましたか?」
「ライザー君は解消したいらしい。グレモリーと同じように好きな人と結ばれたいらしい。両家の説得はできるか?難しいようなら俺も加わる」
「ええ、任せてください」
「頼んだよ」
婚約の件をサーゼクスに任せた後ライザーが人を連れてくるまで部屋で待っていた
「さて、グレモリーとフェニックスの婚約は無くなったとして。これからどう過ごしていくのやら」
そんな時ドアがノックされる
「ああ、どうぞ」
「失礼します」
入ってきたのはライザーと前に話していたライザーの妹と思わしき人物
「紹介します。妹のレイヴェル・フェニックスです」
「お初にお目にかかります。レイヴェル・フェニックスと申します」
「はじめまして、マガツキュウビだ。ああ、座ってくれ。立ったままだと来てくれたのに示しがつかない。紅茶でいいかな?」
「お構いなく」
「いいんだよこれぐらい。紅茶を三人分頼む」
了承の礼をして部下が一度部屋から出ていく
「レイヴェルさんも突然の話でごめんね。兄の婚約でドタバタした後だっていうのに」
「い、いえ。大丈夫です」
「嫌ならいいんだ。無理強いはしない。突然の話だったわけだしね」
「……か?」
「ん?」
「仮面を取っていただけますか?」
「レイヴェル!?」
レイヴェルの本性を開かせとでも言うような発言にライザーは驚くがマガツキュウビは特に気にしないようにその問いに答える
「ああ、すまない。これは流石に失礼だったね。ライザー君気にしないで普段は外して生活しているわけだし抵抗はないよ」
そう言い狐の仮面を外し素顔をあらわにする
「じゃあ、改めて自己紹介を狛ヶ津九尾。本名マガツキュウビだ」
言い終わったタイミングで部下が紅茶と茶菓子を持って部屋に入って来た。そして、会話や視線の邪魔にならないようにそれぞれの分を置いて部屋から出ていく
「どうぞ、遠慮はいらないよ」
レイヴェルとライザーはカップを手に取り口へと運び、紅茶を口に含む
「美味しい……」
「気に入ってくれたようで良かった」
「聞いてもよろしいですか?」
「ん?何をだい?」
「どうして私とマガツキュウビ様の婚約の話が出て来たのでしょうか?」
「ああ、そのことはね。グレモリーとライザー君の婚約の話になった時に俺がつい、億を超えても独り身か言ってて悲しくなるなって言ったらライザー君がレイヴェルさんを紹介しますか?と言ってくれたから今こうやって対面してるってわけだよ」
「そうでしたか……」
「ああ、もちろん。レイヴェルさんに好きな人や付き合っている人、気になる人がいたり、俺が好みじゃなければ断ってくれて構わない。今回の兄とグレモリーのように愛した人と結ばれるのが一番だからね」
「あの……」
「なんだい?」
「お言葉に甘えてこの件はお断りさせていただきたく……」
レイヴェルの回答に沈黙が訪れるがすぐに笑いが起こる
「ははははは!いいよいいよ、全然問題ない。俺は寿命は果てしなく長いからね。これからの生涯で出会いもあるさ。レイヴェルさんも頑張ってね」
「あれ……木場俺たちって結婚を決めるレーティングゲームで負けたはずだよな」
「そのはずだね……」
「なんで食事会になってんだ!?」
「僕が聞きたいよ」
「わけがわからないです……」
「あら、わけを知りたいんですの?」
「どういうわけですか朱乃さん!」
「どうやらライザー様はリアスとの婚約を嫌々受け入れていたんですがマガツキュウビ様とサーゼクス様の手伝いで婚約自体が解消されたみたいですの」
「じゃあ、この食事会は」
「マガツキュウビ様とサーゼクス様とライザー様で決めて行わせたそうですわ」
「な、なるほど」
「あれが黒の獣」
「我々の側に来るとは」
「彼がいれば再び戦いが起きようとも勝ちは決まりですな」
様々な声を聞きマガツキュウビは口を開く
「何か勘違いしている悪魔が多いようだから言っておくぞ。俺は悪魔についたわけじゃない、フェニックス家と魔王と繋がるだけだ。血などにこだわり、他者を嘲笑い愚弄するだけの無能に貸す手は持ち合わせてはいない。わかったな」
拒絶の宣言を聞き会場が静かになってしまったところにレイヴェルがマガツキュウビに耳打ちする
「ああ、忘れていた」
そう言うと仮面に手をかけ、ゆっくりと外す
顔が露わになっていくと一誠とアーシア、小猫の顔が驚愕に満ちていく
「改めて自己紹介といこう。狛ヶ津九尾、本名をマガツキュウビと言う。よろしく頼む」
「「狛ヶ津(さん)!?」」
「九尾さん!?」
「どうしたんだい?イッセー君アーシアさん、小猫ちゃん」
「どうしたってあいつ同じクラスなんだよ!」
「あ!角の席にいた男子生徒か!」
「そうそう。でも、なんで小猫ちゃんまで驚いてたんだ?学年も違うし接点はないと思うんだけど……」
「昔彼の家でお世話になっていた時期があったので……」
「そんなことがありましたの……」
そこにマガツキュウビが移動して来る
「やあ、一誠。調子はどうだ?」
「狛ヶ津、いえ、マガツキュウビ様!」
「狛ヶ津でいいよ。そっちの方が言いやすいだろう?みんなも別に狛ヶ津でいい。それに学校でマガツキュウビなんて言われたら面倒だろう?」
「じゃあ、狛ヶ津で」
「おめでとうございます。狛ヶ津さん」
「ありがとう。で、君たちに質問がある」
「何でしょうか?」
「ゲームの時手を抜いたな?姫島と塔城」
「「……」」
「別に責めているわけじゃない。だがな今後同じような時にまた手を抜いて主人や仲間を危険に晒すつもりか?今回でそれはよくわかったはずだ。よく考えておけ」
返事はないがその瞳には強い意志を感じられた
「一誠」
「お、おう、なんだ?」
「早く強くなれ」
「う……努力します」
「こんなものすぐに慣れると思うんだがな」
そう言って左手に赤龍帝の籠手を出すマガツキュウビ
「「は……?」」
「「「ええ!?」」」
「ちょ、キュウビさんどういうことですの!?」
「どうって赤龍帝の籠手だぞ?」
「そうじゃありませんの!なんで赤龍帝の籠手が二つありますの!?」
「なんだそんなことか」
「そんなこと!?」
「大戦の時に俺が二天龍を喰ったろ?」
当時見た者も話を聞いたことがある者も頷く
「二天龍から得た生体情報を元に能力を修得しただけだ」
「待ってください、それじゃ白龍皇の方も……」
「ああ、出せるぞ」
そう言って右手に白い籠手をだすマガツキュウビ
会場にいた者は声を出すことを忘れていた
「それじゃあ、狛ヶ津の神器ってその二つか?」
「違うぞ。この二つは俺の能力で復元しただけのものだ。俺の神器は、って木場に一つしか見せたことなかったな。簡単に言うとな六種の神殺しの武器だ」
「ろ、六種も?」
「一度に出せる数は一つだけどな。まあ、出す必要なんて今までなかったんだけど。獣形態で蹂躙できるし、三尾で余裕で勝てたしな」
「ん?三尾?そういえば一尾しか見たことないような」
「並みのやつなら一尾でどうにでもなる。魔王クラスになると三尾もあれば十分だ」
「じゃあ、九尾の時って」
「まあ、本気で潰す時とかかな」
会場が無言になってしまう
「大丈夫。悪魔陣営は頭の固いやつらにしか力を使わないから」
「頭の固い?」
「老害ってやつだよ。この会場のそこらへんにいる」
「キュウビさん周囲に迷惑をかけないでくださいよ?」
「そこらへんは問題ない何も無くなるんだから」
「ただのやべーやつじゃん……」
何人かが心の中で一誠に同意した
二天龍を喰ったということを利用して独力で籠手を能力付きで復元するという、やべーやつ感。しかも神器として神機を持ってます
レイヴェルを婚約者→友人に変更