「さっさと行くぞ!」
べジータがヒソカを急かして部屋を出る
「ちょっと待ってヨ◆気をつけないと5m越えちゃうよ?」クックック
「まて、貴様何を隠している!?」
ヒソカが後ろ手に隠し持っていたものを取り出す
「ククク…これ、着けようね?◆」
サスペンダー!
「な、なぜ貴様がそれを…!」
「いいじゃないか◆この片側をキミの服に、そしてもう片側を僕の服に…あ」
ヒュン バシイイインッ!
伸びきったサスペンダーがべジータに当たる
「ヘブッ!」
運悪く顔面に当たり悶絶するべジータ
「ごめんよ◆」
何事もなかったかのように自分の服にも片側を取り付ける
「これが外れないように歩けば5mを越えないから大丈夫◆」
「貴様わざとだな!もう許してはおけん!」
殴りかかろうとするべジータ
「いいのかい?ボクがわざと離れて不合格になったら…406番の悟空には勝てないよ◆」ニコッ
「グググッ…貴様ぁ!」
(あぁ!最高に楽しいオモチャだ◆)
興奮するヒソカと共に、べジータたちは下への道を歩き始めた
*****************************************
大岩が転がってこようが
水が噴き出そうが
落とし穴が開こうが
ヒソカとべジータは難なくクリアしていく
(ちっ、むかつく野郎だが実力だけはありやがる)
(あぁ、イイヨ…イイヨ…◆)ハァハァ
ヒソカはただべジータのお尻だけを見ていた
「…貴様!前を歩けっ!」
悪寒のするべジータはヒソカに前を歩かせる
「いいのかい?◆」ニヤッ
「さっさと行きやがれ!」
くねくねした動きをしながら歩くヒソカ
(見ているだけでイラつきやがるぜ…)
べジータはスタスタと後ろをついていく
「フフフ、油断しすぎ◆」
ヒソカはサスペンダーを引っ張ってべジータから切り離す
カチッ
その瞬間べジータは何かのスイッチを踏んでしまう
「クッ…!」
ゴオオオオオオオ
べジータは炎に包まれる
「こう見えてこの動きにもちゃーんと理由があったてこと◆仕掛けを避けて歩いてたことにも気づけないとはね◆」
「黙れっ!」
炎の中からはピンピンしたべジータが出てくる
「ふんっ、こんなのオレ様には効かん!」
「キミには、ね◆」
べジータの首から下を指差すヒソカ
「ただしキミの服には効いたようだ◆」ニヤリ
服は燃え尽き、べジータはまた全裸になっていた
「よほど裸が好きらしい◆」
「好きでなってるわけじゃない!くそぉ!また探さんといかんとは!」
「どうするんだい?恥ずかしくて動けないとでも言うかい?◆」
「オレ様はそんなことで臆したりせん!行くぞ!」
「待ってヨ◆その前にこれ着けなきゃ◆」
サスペンダーをぶら下げるヒソカ
「服がないのに着けれるかっ!」
「突起物があればこのクリップで挟めるよ◆」
そう言ってべジータの下半身に視線を移すヒソカ
「なっ!それをこのオレ様のあれに着けるだとぉおおおおおお!!!」
「冗談◆離れないように歩いてくれればいいよ◆」
クックック、と楽しそうにしながらヒソカは歩き始めた
******************************************
そして二人は小さな小部屋へと到着する
「待っていたぜヒソカ」
暗がりの中から男が1人出てくる
毛皮のコートを着た男だ
「ほぅ、ちょうどいい」
べジータは良いものを見つけたとばかり微笑む
「用があるのはヒソカだけだ。今年は試験官ではなく復讐者として来た。覚悟しろヒソカ!」
そう言って小さな曲刀を4つ回しながらヒソカへ飛ばす
ヒュンヒュンヒュンヒュン
それを紙一重でかわすヒソカ
所々かわしきれず小さな傷を作っていく
「この無限四刀流をかわし続けることはできんぞ!」
ヒュヒュヒュヒュヒュン
「うるさい」
ボボボボン
飛んでいる曲刀を気弾で消し飛ばすべジータ
「オレは急いでいるんだ。曲芸など見てられるか」
「楽しいところだったのに◆」
残念がるヒソカを他所にべジータは続ける
「じゃぁ、…脱げ」
*****************************************
ガコン
トリックタワー1階のホールの扉の1つが開く
スタスタスタ
「これで終わりか?」
「みたいだね◆」
"407番べジータ、44番ヒソカ 三次試験通過第一号!所要時間32分!"
【12】のヒソカのシーンでサスペンダー忘れてたので追記してます。