ちょっと読みごたえあるように頑張って書きました
「べジータたちも行っちまったし、んじゃオラたちも行くか」
ガギィ
鉄格子をひん曲げる悟空
「どうした?進まねぇんか?」
「オレだってあれくらい出来るぜ…」
口を尖らせるキルア
「悟空、たぶんそういう進み方じゃないと思うが…」
クラピカは半分諦めかけていた
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「お、道が分かれてっぞ」
順調に進んでいた悟空たちの前に左右に分かれた道が表れる
"右か左の道を選べ。右なら◯左ならば×を"
ピピッ
"右3、左2"
ガァァァァ
右の鉄格子がスライドして道が開ける
「左に入れたのは誰だ?こういうときは右にすべきだろう」
クラピカが声を上げる
「なんでだよ」
不思議そうなレオリオにクラピカが説明をする
「人は迷ったとき自然と左を選んでしまうもの。だからこそこういうときは左に罠が仕掛けられてある可能性が高いということだ」
「そーいうこと。な、ゴン」
キルアがさも当然のように頷き、ゴンも微妙な顔で頷く
(オレはなんとなくだったんだけどな…)
「じゃぁあれってか!?悟空とオレが馬鹿だって言いたいのか!?」
「まぁまぁレオリオ」
悟空がなだめる
「じゃぁオラとレオリオはこっちだな」
ガギィ
左の道の鉄格子をひん曲げ、悟空はササッと進んで行った
(だ、だからそういうルールじゃないんだが…)
もう声も出せないクラピカは、悟空を置いてゴン・キルアと右へ進む
「あー!ちくしょう!悟空だけ1人で行かせれっかよ!」
レオリオだけは悟空を追って左の道へと消えていった
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「うっひゃー!危ねぇ危ねぇ!」
壁一面の穴から槍が飛んでくるのをかろうじて避ける
「なんだか小さい頃にブルマと行った水中洞窟みてぇだ」
なつかしーな、と不思議と笑顔がこぼれる悟空
「も、もう大丈夫か?」
レオリオが後ろの曲がり角から顔を出す
「あぁ、でぇじょうぶだ」
ギュイイイイイイイイン
そのとき奥から機械音が聞こえてくる
ダダダダダダダダ
飛び出してきたロボットは腕についた機関銃で悟空たちを撃ちまくる
「やべぇ!」
レオリオを掴んで物陰へ飛び込む
「物騒なとこだなぁ!」
「やっぱり右の道のが良かったんだよ悟空!」
頭の上を掠めていく銃弾に首をすくめながらレオリオが叫ぶ
「ほんとなつかしーや」
なぜか心の底から嬉しそうな悟空
「クリリンも元気してっかな?…うりゃ!」
ドガァ!
近づいてきていたロボットの腹部を蹴飛ばす
ギュイン
すぐさま体勢を立て直すロボット
「こりゃぶっ壊すしかねぇか!だりゃあああ!」
ドーーーーーン
思いっきり蹴飛ばして遠くへ吹き飛ばす
バッ ギュイイイン
飛び起きたロボットはまた悟空へと向かってくる
「かぁ~めぇ~はぁ~めぇ~……波ぁああああ!」
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その頃、ゴンたちは開けた場所へと辿り着きフードを被った5人組と戦っていた
戦いの場は、底の見えない吹き抜けの50m四方の部屋の中央に、30m四方の闘技場の舞台のようなものが置かれている大広間
対岸に通路は見えるが、闘技場までの道と、闘技場から対岸までの道がない
フードの試練官たちとの戦いのときのみ道が出てくる仕様だ
試練官のスキンヘッド男、ベンドットが声をあげる
「これで2対1で君たちの勝ち越しだ!だがここは3勝せねばならん!」
「だから残り2回もオレが戦うって言ってんじゃん!」
キルアが声をあらげる
「それはルール違反だ!5vs5で、戦えるのは1人1度までだ!」
「いないもんは仕方ねーじゃん!」
なおも続けるが、ベンドットは首を横に振るだけだった
そのときフードの男が前に出る
「そんなことどうでもいい…肉が掴みたい…」
「そっちのオッサンはやる気みてだぜ」ニヤリ
キルアは笑う
コンクリートを素手で掴みとる解体屋ジョネス
「子供のシャバの肉など待ちきれ…
ズアォオオオオオオオオ
まばゆい光と轟音が木霊する
全員が目を覆う
そして目を開けたときにはジョネスは跡形もなく消え去っていた
ジョネスのいた場所の前後には巨大な穴が通路のように貫通していた
唖然とする試練官やゴンたちを他所に、呑気な声が聞こえてくる
「ふぃー!強かったなぁー!でもちょうど道ができたぞ」
そう、悟空が穴から出てきたのだった
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「オッサン誰だ?」
ベンドットに声をかける悟空
「おっ!ゴンたちじゃねぇか!おーい!」
反対側にいるゴンたちに手を振る
「今のは君が…?」
ベンドットは悟空に問いかける
「びっくりさせちまって悪ぃ悪ぃ。ちょーっと強ぇやつがいたんでかめはめ波使っちまった」
「かめはめは?」
いぶかしむベンドットにキルアが声をあらげる
「オッサン!これで3勝だろ!?早く道繋げろよ!」
「あ、あぁ…」
まだどこか現実感のないベンドットはスイッチを押して道を繋げる
そして悟空たちは合流し、更に下の階へと進んで行った
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幾度となく多数決とそれによる試練を乗り越える
巨大岩を悟空が受け止め
◯×迷路の壁を悟空が全て砕いて直進し
地雷すごろくを悟空が気弾で破壊して
ただし多数決を気にしない悟空のせいで5人はぐるぐると回る
「あり?ここ最初の部屋じゃねぇのか?」
悟空たちは一番最初の部屋まで戻っていた
そしてなんやかんやと時間をかけて最後の扉の前へと辿り着いた
"最後の別れ道。長く困難な道は45分、短く簡単な道は3分。ただし、短い道は3人しか行けません。2人が壁の手錠に手をはめてからしか開きません"
「ここまで来たら5人でクリアしたいよね」
ゴンが提案する
「いや、ここは3分の道を選ぶべきだ。もう時間は残り10分もない。せめて3人だけでも合格できる道を選ぶのが最善だ」
クラピカがゴンの提案を押さえて再提案する
「と、いうことは5人で戦って勝った3人が進めるってことね」
キルアが補足する
「要は戦えばいいんけ?オラおめぇたちと戦うのも楽しみだぞ」
(忘れてた…)
クラピカは焦る
「いや、悟空は外れてもらおう。私たち4人の中から2人選ぶ。悟空には誰一人勝てそうにないからな」
「もう時間ないしさ…行くよ!」
スゥゥ
キルアがクラピカ達を取り囲むように歩き始める
「き、キルア何人にも見える!」
驚くゴン
シャッ
キルアがレオリオに手刀を繰り出す
(あの威力はまじぃ!)
悟空がキルアの手刀の鋭さを感じとり、慌ててキルアを吹き飛ばす
ドゴォ
顔面に拳のめり込んだキルアは、意識を刈り取られていた
「あいつ危ねぇなぁ。力の使い方上手くできねぇみてぇだ」
「ご、悟空助かった…」
冷や汗を流すレオリオ
「それにしてももう時間ねぇんだろ?なんでおめぇたち戦ってんだ?」
いまいち悟空は理解していなかった
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その頃、べジータはイライラしていた
クリアから70時間以上、約3日も過ぎていた
他のテスト生達が次々合格する中、悟空だけが降りて来ないからだ
「イライラさせやがる…」
そんなべジータにヒソカが声をかける
「心配かい?◆」
「心配などではない!」
「大丈夫、もう近くまで来てるヨ◆」
「なぜ貴様がわかる!」
「なんでだろうねぇ◆」ククク
ヒソカは既にスカウターを使いこなしていた
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悟空に詳しく説明をしたクラピカ
「要は3分の道に行きてぇんだよな?」
バゴッ
当たり前だろ、と思う4人を他所に悟空は3分の道の扉を、扉の枠ごと外していた
「んじゃ行くとすっか!」
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"残り2分!"
館内アナウンスが流れる
(早くしろカカロット!)
ゴゴン
そのとき1階のホールの扉が開く
「間に合ったみてぇだぞ」
あの呑気な声と共に5人が出てきた
(来たか!)
「ふ、ふん。遅かったなカカロット」
「べジータ!おめぇその毛皮の格好…また服変えたんか?」
「悟空、君を相当心配していたらしい。一番に声をかけてくるとはな」
まだべジータのツンデレを知らないクラピカ
「オレは心配なんかしてなかったぞおおおおおお!!!」
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第三次試験 通過人数27名!
ヒソカはスカウターをこっそり使ってます。
普段はポケットの中に入れてます。
ちなみに別作品の『悟飯のハンター試験?』と同じような行動をしているのは、コピペじゃなくて親子だから、という設定と、あとはとある理由で、です。