悟空とベジータのハンター試験?   作:KTケイティ

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すみません、別作品の『悟飯のハンター試験?
』に繋がるのは次の【17】になります


【16】四次試験 開始-自由なサイヤ戦士たち-

「久しぶりのお日様だぞぉ」

 

うーん、と伸びをする悟空

 

なんとも呑気な雰囲気の悟空に引っ張られ、テスト生たちに緊張感は見られない

 

そしてトリックタワーをクリアした悟空たちは試験官のリッポーから次の試験の説明を受けていた

 

「私が試験官のリッポー。三次試験合格おめでとう。次の四次試験は遠くに見えるあの島、ゼビル島で行われる。四次試験が終わればあとは最終試験のみ」

 

ざわざわ

 

「そう、あと2つ。でもまずは四次試験に集中してもらいます。これから、テスト生の皆さんにはここにあるクジを引いてもらう」

 

(何を決めるんだ?)

 

不安がるテスト生にリッポーは続ける

 

「狩る者と狩られる者」ニヤリ

 

箱に注目が集まる

 

「この中には今いる君たちの番号が書かれた22枚のカードが入っている。それを引いてもらい、引いたものはそのカードに書かれた番号の札を手に入れる、というルールさ」

 

そしてもう少し詳しく、とリッポーは条件を提示する

 

①自分の番号札は3点

②引いたカードの番号と同じ札も3点

③それ以外の番号札は1点

合格の条件は6点以上持って1週間後に戻ってくること

 

「じゃぁまずは三次試験の合格順から…」

 

リッポーの合図と共にべジータ、ヒソカ、の順に引いていく

 

会場は静まり返っている

 

(これは…そういうことか!番号札をっ!)

 

クラピカは焦って鞄に番号札隠す

 

(自分の番号札を知られるのはまずい。そして自分の狙っている相手を知られるのも不利。だからこその沈黙。引いたカードの番号も隠し通す!)

 

スッ

 

掌に隠すようにカードを引くクラピカ

 

「オラが最後か。よっと」

 

カードを引く悟空

 

「407番かぁ、ん?べジータの番号か!」

 

(バカやろぉおおおおおお!!)

 

心のなかで叫ぶレオリオたち

 

「ふんっ、カカロットが相手とはな。楽しくなりそうだ」

 

これまでにない笑顔を見せながら嬉々とするべジータ

 

そんなやり取りを他所にリッポーは続ける

 

「引いた番号は記録されてるから交換や変更は無理だよ。まぁ…それじゃぁゼビル島に着くまでは船旅をごゆっくり」

 

テスト生たちはお互いの番号札がばれないように隠し合う

 

ただならぬ沈黙で包まれたまま、テスト生たちを乗せて船はゼビル島へ向かった

 

******************************************

 

ゼビル島へ到着した悟空たち

 

「それでは三次試験合格順に船から降りて島へ入って頂きます!次の人は2分後に、という流れでいきます!一週間後にまたここに戻ってきてください」

 

案内役の女性から声がかかり、四次試験がスタート

 

べジータが最初に降り立つ

 

「さぁ!次のやつ降りてこい!」

 

その場から動かず船を見上げるべジータ

 

2分が過ぎ、ヒソカが降りてくる

 

「やぁ◆三次試験は楽しかったね◆」ククク

 

「き、貴様はどっかに行け!」

 

嫌悪感が込み上げヒソカを避けるべジータ

 

「さぁ、次のやつだ!」

 

カタカタカタカタ

 

全身に針を刺した301番ギタラクルが降りてくる

 

「ちっ、貴様全身に怪我してやがるのか。そんな奴とは戦えん。次だ!」

 

ギタラクルも見送り、次の参加者へと視線を移す

 

それからべジータは降りてくるテスト生に次々勝負をしかけ、ぶっ飛ばして番号札を回収する

 

「お、オレ降りたくねぇよぉ…」

 

泣き言を言ながらハンター協会関係者に突き落とされていくテスト生たち

 

「きたか…」ニヤリ

 

そしてまたべジータに番号札を取られていく

 

次はゴンの番

 

「や、やぁべジータ」

 

「せめて"さん"を付けるくらいできんのかガキめ。カカロットのガキの方がよっぽど礼儀ができてやがるぜ」

 

「…べジータさん、はもう6点集まってるよね?」

 

頬に汗を流しながらゴンが問いかける

 

「6点?なんのことだ!番号札を誰よりもたくさん集めるゲームだろう!」

 

べジータはいまいちルールがわかっていなかった

 

ゴンが一生懸命説明をしている間に、キルア、レオリオ、クラピカが降りてくる

 

「最後はオラか、よっと」

 

そして最後のテスト生、悟空が降り立つ

 

「んじゃ皆の分もカード集めっか!」

 

にっこり笑う悟空

 

「…悟空!番号札はどうした!?」

 

クラピカが悟空の胸元を見ながら声をあらげる

 

「番号札?あの丸い数字の書かれた、服に付けられたやつか?」

 

「ああ!悟空はずっと胸に着けてただろう!」

 

「ひっひーん、それならなぁ」ニヤッ

 

どうだ!とばかりに悟空は2枚のカードを見せる

 

「もうオラ合格したも当然だからな」

 

『406』『407』の二枚のカードをクラピカに渡す

 

「ほらな、自分の番号と狙う相手の番号」

 

トリックタワーの下で引いたカードを見せびらかす悟空

 

「オラ今回ちゃんと話聞いてたんだ。自分の番号が3点だろぉ、んで狙いの相手の番号も3点。合わせて6点だ!」

 

(…………)

 

言葉にならないクラピカたち

 

「悟空、集めるのはカードじゃないぞ…あの丸い番号が書かれたほうだ…。このカードは意味がない」

 

静かに説明をするクラピカ

 

あちゃぁ、という顔のキルア

 

「じゃ、じゃぁするってーと…、オラ0点か!?」

 

「そういうことになる。悟空、番号札はどうした?」

 

「いやぁ、船の上でトンパにこの406番のカードと交換してくれって言われて交換しちまった…。これで合格できるからって教えられて…」

 

うなだれる悟空

 

「バカは相変わらずだな、カカロット」

 

べジータが辛辣な言葉を投げ掛けてくる

 

「おめぇはいいよな。いっぺぇ持ってるから」

 

「でも他の参加者のみんな可哀想だったね…。なんか弱いものいじめしてるみたいだったから…」

 

ポツリと放ったゴンの一言にべジータは衝撃を受ける

 

(このオレ様がしたことが弱いものいじめだっただとぉおおおおお!!!)

 

「貴様ら出てこい!!!番号札とやらを返してやる!!」

 

大声で森に向かって叫ぶべジータ

 

「どうした!?いらんのか!このオレ様の気が変わらんうちに取りに来い!!トンパとやらの分だけは返してやらんがな!」

 

ぞろぞろぞろ

 

様子を窺いながら参加者たちが海岸まで戻ってくる

 

「あ、あの…」

 

おそるおそる声をかける参加者たち

 

「何番だ!?」

 

そしてべジータは全員に番号札を返していく

 

「ありがとうございます」

 

お礼を言って森へ戻っていく参加者たち

 

(な、何かが違う!わからないが何かが違う!)

 

クラピカの内心は乱れきっていた

 

「べジータ、おめぇ全部返して良かったのか?」

 

心配する悟空を他所に、べジータは鼻息荒く笑う

 

「ふんっ、問題ない。オレ様の狙う相手は16番トンパだったからな。これで6点だ」

 

「やっぱべジータ早ぇぇなぁ」

 

「こんなことに一週間もかけてられるか。ちょうどいい、それまで家に戻って重力室で体でも鍛えておくとするか」

 

「お、いいなそれ。オラも久しぶりにチチの手料理食べてぇや。まだいっぺぇ時間あるし先に戻るか」

 

「余裕かましすぎて落ちるなよ」

 

「あぁ、でぇじょうぶだ。送ってってやるからオラに掴まれよべジータ」

 

「貴様の助けなど受けん!」

 

「でも飛んじゃダメ、だろ」

 

(飛ぶ?)

 

首をかしげるゴンたちを無視して悟空たちは海へと向かう

 

「泳いで行けば良いだけだ」

 

(泳ぐ?どこまで?)

 

「んじゃオラはお腹空いちまったから先けぇるぞ」

 

シュン

 

消える悟空

 

ザバァアアン ズバババババババ

 

海に飛び込んであっという間に見えなくなるべジータ

 

残されるゴン、キルア、クラピカ、レオリオ

 

四次試験はまだまだ始まったばかりだ

 




と、いうことで四次試験スタート。

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