トランクスと遊園地に行ってから4日
べジータは重力室での修行やブルマの買い物などに付き合わされて日々を過ごしていた
四次試験 6日目 昼
べジータはブルマとトランクスと食事をしていた
「ふぅん、ハンター試験やめたんじゃなかったのね」
「当たり前だ!」
べジータはハンター試験の四次試験の途中であり、時間があるので帰ってきていることを話す
「パパはもう6点集めて余裕なんだよね?」
嬉しそうに聞いてくるトランクス
「もちろんだ。このオレ様が一番だからな」
「パパ凄いや!ねぇ番号札っていうの見せて見せて!」
「待っていろ、…これだ」
トランクスへと16番のトンパから取った番号札を見せる
「なんか普通だね。もう1枚は?」
「もう1枚はオレ自身の番号札で………」
固まるべジータ
「どうしたのパパ?」
心配そうに覗き込んでくるトランクス
「…スタート地点か!?間に合えぇえええええ!!」
ドンッ
窓を突き破って飛んでいく
「ぱ、パパどうしたんだろう…」
「ほっときなさいよ」
さっさと片付けを始めるブルマ
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ハンター試験 スタート地点 地下道
「…ないっ!」
そこには番号札のない、汚れた服しか落ちていなかった
「確かに胸の位置に番号札を着けたはず…」
ちくしょぉおおおおおお!!!
べジータの叫び声が地下道に木霊する
「もう一度番号札を集めるしかない…!」
ドヒュン
またべジータは高速で飛行し、ゼビル島へ向かった
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ゼビル島 6日目 昼過ぎ
「確か四次試験の終了は明日の昼のはず…。そこまでに3点見つけさえすればいい。オレ様なら楽勝だ」
島へ着いたべジータは気を探る
(だいぶ数が減ったか?カカロットのやつの気も感じない…というよりこの地球から感じない?)
疑問は湧くが、べジータはとりあえず番号札に集中する
「近くにいるな」
シャッ ズザッ
男の前に飛び出すべジータ
「やぁ◆来ると思っていたよ◆」
そこにはヒソカが立っていた
「ふん、貴様が相手か。ちょうどいい。この前のお礼をしてやろう」
意気込むべジータ
「なんだ、気づいたわけじゃないんだ。ちょっと残念◆」
「どういうことだ!?」
問いただすべジータ
ヒュッ と手にあるものを取り出すヒソカ
「…!お、オレの番号札っ!」
「そう◆これに気づいたのかと思ったよ◆」
「なぜ貴様がそれを持っている!」
「ボクが一度406番、悟空にスタート地点に戻されたことを覚えてないかい?◆」
べジータは思い出す
「一次試験のヌメーレ湿原のときか…」
「そーいうこと◆そのときキミの汚い服から失敬させてもらったよ◆」
ククク と笑うヒソカは続ける
「もう隠しても意味がないしこれも◆」
そう言ってスカウターを取り出し装着するヒソカ
「なにっ!?貴様それも!」
「そ、キミはなんでもよく落とす。…命も落とすのかな?◆」ニヤリ
ヒソカは挑発する
「黙って聞いておればぬけぬけと…!ただじゃ帰さんぞぉおおおお!!」
べジータが気を入れる
ピピピ
『312』
「力が跳ね上がる…。いいネ◆」
「それは戦闘力というのだバカ者め!」
「ふぅん、覚えておくよ。ちなみにキミの数値は312。ずいぶん強いけどまだまだ◆」
「余裕ぶってられるのも今のうちだ。貴様の数値は覚えている。たったの98だということをな」
今度はニヤリとべジータが笑う
「ふぅん、自分の戦闘力は見えないからわからなかったけど、ボクはそれくらいなんだね。…いまのままで◆」
「なにっ!?」
「まぁ話をしていても仕方ない。ルールを決めよう◆」
「ルールなど関係ない!貴様はオレ様にぶっとばされて終わりだ!」
「じゃぁこうしよう。勝っても負けてもこの407番の番号札は渡そう」
「いまさら怖じけ付いたか貴様」
「そしてもしボクが勝てば…キミにはこのサスペンダーを着けてもらおう。裸でね◆」ククク
「まだ持っていやがったのか貴様!」
「いいだろう?キミは負けるつもりはなさそうだし◆」
「へっ、勝手にほざいてやがれ!」
ドヒュン
べジータが地を蹴ってヒソカの顔へと殴りかかる
ズガァアアア
べジータの拳を掌で受け止めたヒソカだったが、拳速に負けて顔面を打つ
「どうした?この程度だったか?」ニヤリ
得意気なべジータ
「やっぱりキミは強いな。でも良いことを教えて上げるよ◆」
ズズズズズズズ
ヒソカの周りから圧力が発生する
(あのときと同じか!こいつも気を操りやがる!)
「これは念。キミたちの使う力とはちょっと違うみたいだけど…。でもたぶん10倍以上の力のはずだよ◆」
ヒュン
今度はヒソカが地を蹴る
そしてそのままべジータの腹部を蹴り上げる
ドガァア!
「グハッ!」
「まだまだ◆」
うずくまったべジータの顔面に膝下蹴りを食らわす
ドゴォッ!
吹き飛ぶべジータ
ガラガラ
衝突した岩壁からかろうじで起き上がるべジータ
「貴様…力を隠してやがったのか…。10倍以上なら1000は超えてるか」
「そうなるのかな?◆」
ヒソカは余裕を崩さない
「ふ、ふははははははは!!!」
べジータは笑う
「本気を出してもその程度とはな!ラディッツやサイバイマンと良い勝負だぜ!!」
「誰のことかは知らないけど…キミじゃぁ勝てないね◆」
「勝てないだと?オレたちサイヤ人を見くびるなよぉおおおおおお!!はぁあああああああ!!」
ズギョオオオオ
べジータが光輝く
シュイン シュイン シュイン
ピピピピピッ
『1016』
スカウターの桁が初めて4桁を表示する
「…な、んだい、それは?」
「スーパーべジータ様だ」ニヤッ
べジータが笑った瞬間、ヒソカはべジータを見失う
と同時に空を見上げていた
顎をぶち上げられたのだ
ヒソカはすぐさま体勢を立て直すが、前後左右どこからも拳が飛んで来てめり込む
(堅がもたないっ!)
ボロボロになっていくヒソカ
距離を置くため、近くの石へと付けていたバンジーガムをべジータに付け替えて収縮させる
べジータにしては急に石が飛んで来たように見えるだろう
「子供騙しなどきかんっ!」
ズバババババババ
全て砕いてはたき落とす
「ハァ、ハァ、ハァ…」
「ようやく貴様から笑みが消えたな…」ニヤリ
勝利を確信するべジータ
「まだ、…わからないよ◆」
ヒソカがべジータへ飛びかかる
余裕でかわす動きをとるべジータ
バンジーガム発動!
最初の膝下蹴りのときにべジータの顔面に付けていたバンジーガムでべジータを引き寄せる
「なっ!(顔が膝に引き寄せっ…)」
(硬!)
ズギャアアアアアアアアアアア!!!
ヒソカとべジータのお互いの速度に、顔と膝という違い、そしてヒソカの最大限の硬によってべジータは戦闘不能へと陥る
「…グッ、くそっ…き、さま…」
うつ伏せに倒れたままべジータは睨む
「まさか、ボクが、ハァ…ここまで追い詰められるとはね…」
そしてべジータの顔の前に407番の番号札を置く
「う、け、とれるか…」
「いいや、キミは、負けたんだ…。拒否は、できない、はずだろう」
ヒソカの呼吸もまだ整ってはいない
「そして、これも」
サスペンダーを置き、言葉を続けるヒソカ
「ボクに、いまのように…、一撃入れることができるまでは…その裸サスペンダーを、続けるんだ」
更に続ける
「約束を…破るほどの、軽いプライドの持ち主ではない、だろう…◆」
睨み続けるべジータを置いて、ヒソカは森へ消えていった
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四次試験 べジータ6点!
サスペンダーを取り返した!