悟空とベジータのハンター試験?   作:KTケイティ

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【5】一次試験 地下道突破

「あの、大丈夫ですか?」

 

ハンター協会の小男が参加者の407番、べジータに話しかける

 

「う、うるさい!どっか行きやがれ!」

 

(くそっ!これはあの飲み物のせいだ…)

 

「トンパとか言ったか…覚えてやがれぇえええええ!」

 

べジータはスカウターを放り投げ、地下道の壁へと近づく

 

「水の流れている管は…これか」バギッ

 

水管をへし折り水浴びをする

 

ダババババババババ

 

「なっ!この水は!」

 

(下水か!)

 

頭から汚物まみれになるべジータ

 

「ぐ、ぐ、ぐ…ちくしょぉおおおおお!!!」

 

 

べジータが汚水浴びをしている間、物陰からヒソカがすぅっと姿を表す

 

(落としていったこれが…あの力を測る機械かな?)

 

スカウターを装着したヒソカは細く笑みながらべジータを置いて参加者たちを追いかけていった

 

(それにしても…汚い奴らだな◆)

 

 

その後、なんとか上水道の配管を見つけて全身を洗ったべジータ

しかし服に染み付いた茶色と臭いだけは取れなかった

 

「ちっ、仕方ない。服は捨てていくか…」

 

全裸になったべジータは急ぎ悟空を追いかけていくのであった

 

 

**************************************

 

「お、見えてきた!」

 

悟空はといえば、既にサトツ率いる参加者の最後尾へと追い付いていた

 

「おーい、まだ間に合うかぁー?」

 

一番後ろにいた2人組に話しかける

 

「君は!残っていたから諦めたと思っていたのだが…。あぁまだ二次試験会場には着いてないから大丈夫さ」

 

金髪の男が答えてきた

 

「お!サンキュー!オラ孫悟空ってんだ!よろしくな!」

 

「私はクラピカと言う。こっちはレオリオだ」

 

「おう!はっはっ!よろしくなっ!…と言っても喋る元気もあんま残っちゃいないがなっ!」

 

息を切らしながら答えるレオリオ

 

「悟空は見たところ余裕そうだな。まぁその様子だと試験は初めてのようだが…」

 

「そうなんだ。オラよくわかんねぇけどハンターっちゅうのにならねーといけねぇんだ」

 

(我欲もなく体力は有り余るタイプ、か…)

 

「悟空、私たちもハンター試験は初めてなんだ。何かあれば協力し合おう」

 

「おう!よろしくな!そいじゃぁオラちょっと先に行ってるぞ。中途半端な速さで走る方がきちぃんだ」

 

よっ、ほっ

 

っと軽い掛け声と共に悟空は前へ進んで行った

 

*************************************

 

ゼェー ヒュー ゼェー ヒュー

 

(バカな!オレが脱落…?いやだ…いやだ…)

 

187番、ニコルは泣きながら走っていた

 

そこへアモリ3兄弟の容赦ない叱責・罵倒の言葉が降り注ぐ

 

(あぁぁ……)

 

そしてニコルは膝から崩れ落ちた

 

~数分後~

 

「おい、お前」

 

下を見て項垂れるニコルに声がかかる

 

「…あ、あなたは……っ!」

 

(全裸!?)

 

そう、全裸の男が仁王立ち、いや臭う立ちでこちらを見ていたのだ

 

「丁度いい。…服を寄越しやがれ!」

 

理不尽なほどの力で服を剥ぎ取られるニコル

 

「ちっ、シャツは鼻水でベトベトで着れたもんじゃねぇぜ。ズボンもブカブカか…サスペンダー着けるしかないか。ちったぁ痩せることだな」

 

服を奪った者とは思えない悪態をついてその男は走り去って行った

 

**************************************

 

「お、おめぇたち見てぇな子供もいるんか!」

 

最前列まで来ていた悟空は、そこに二人組の子供がいるのを見て驚いていた

 

「おじさん誰だよ」

 

ツンツン頭の狐目の男の子が不審そうに尋ねてくる

 

「オラ孫悟空だ!よろしくな!」

 

「あれ?クラピカとレオリオの匂いがする。あとちょっと下痢の臭いも…」

 

「おめぇたちクラピカとレオリオ知ってんのか!?さっき後ろの方で会ったばかりだぞ」

 

「オレはゴン。こっちはキルアね。クラピカとレオリオも友達なんだ」

 

「そーか、よろしくな!ちなみに下痢の臭いはべジータっちゅうやつだ。オラじゃねぇ」

 

「べジータ、下痢ね。覚えておくよ」

 

キルアが楽しそうに返事をする。

 

「あんま言うとあいつ怒っからなぁ。本人の前では言わねぇほうがいいぞ」

 

「バラしたのあんたじゃん!」

 

キルアの突っ込みはなんのその、ワイワイと話をしているうちに長い階段を上り抜け、平原へと辿り着く。

 

その光景に全員が唖然とする

 

「…ヌメーレ湿原。通称"詐欺師の塒"。人を騙して誘い出し、食料とする生物のいる危険な湿原です。二次試験会場まではここを通って行かないといけませんよ」

 

説明をする試験官サトツの横で、地下道のシャッターが閉まる

 

ウィィィイイン ガシャン

 

「べジータのやつ間に合ってねぇのか」

 

そのとき

 

「待て!そいつは偽物だ!本当の試験官は俺だ!」

 

怪我をした男が急に飛び出してきて参加者を引き留める。

手にはひょろ長い猿の死体を引きずっている。

 

「見ろ!人面猿が試験官に化けてやがるんだ!」

 

ざわざわっ

 

(クックック。なるほどなるほど◆)

 

「本物はこちらだね◆」

 

ヒソカがサトツを指差す

 

(64…流石は試験官◆)

 

そして今度は振り返って怪我をした男へ話し掛ける

 

「君の力はたったの4。そして死体に見せてるそれも4。ということは生きている。そもそもハンター試験の試験官ともあろう者がその程度の力なわけないからね◆君はおわり★」

 

ヒソカは偽物をトランプで切り裂いた

 

(やべぇよあいつ…)

 

参加者たちはヒソカから遠ざかった

 

(あり?なんであいつがスカウター着けてんだ?…まぁいっか)

 

「ふむ、よくはわかりませんが…。これで皆さんもわかったでしょう。ここがそういう所だということを。それでは参りましょう、二次試験会場へ」

 

そしてサトツはまた歩きだした

 

 

 

 


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