果たして二次試験会場へは辿り着けるのか!?
ドグオオオオオン
強烈な音と共に地下道のシャッターは吹き飛んだ
「ちっ、だいぶ離されてやがる」
そう、全裸から上半身裸のサスペンダー仕様(隠れているのは乳首のみ)の服へと進化したべジータがヌメーレ湿原へと辿り着いていた
「薄気味悪い気配がしてやがるぜ。普通の場所じゃないな。カカロットの野郎の気は…あっちか!」
べジータは急いで追いかけるのだった
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「ゴン、悟空、もっと前に行こう」
キルアが冷や汗を流しながら声をかけてくる
「試験官見失ったらいけないもんね」
呑気なゴンの返事とは裏腹に悟空は
「あぁ、すげぇ殺気だしてやがるな。いまのオラじゃどうしようもねぇかもしんねぇ。でも止めるならオラたちじゃねぇと」
「バッ!なに言ってんだ!止めるなんて無理だ!あんたもそれなりの強さがあるんだろうけど、オレの見立てじゃ少なくともあんたの5倍以上の強さはありそうだぜ」
「おめぇ良い勘してんなぁ。でもでぇじょうぶだ」
そしてそのまま三人は走る
霧が更に深くなり、前の人影すら見えなくなって来た頃
「ってーーー!!!」
後ろから叫び声が聞こえた
「レオリオっ!」
ゴンが踵を返して戻っていく
「オラも行くぞ!」
それを追って悟空も飛び出していく
「オレは行かないからな…」
キルアは歯噛みしながら試験官のあとを着いていった
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「何しやがる!」
「ククク…試験官ごっこ◆」
不敵に笑うヒソカ
「ふざけやがってぇええええ!」
ヒソカを取り囲んでいた男たちが飛びかかる
「うーん、君たちはこれ1枚で充分◆」
「ほざけぇええええ!」
その瞬間
一瞬にしてトランプに引き裂かれる男たち
「君達は全員不合格◆さて、残りは君達二人」
ヒソカはクラピカとレオリオに視線を向ける
その時
「三人、の間違いじゃないのか?」ニヤリ
ヒソカの後ろにはべジータが立っていた
(ボクが気づかなかった?)
「なかなかやるね…ちょっとは楽しめそうだ◆」
興奮した様子のヒソカ
股間をぐぐっと持ち上げる
「貴様変態か!」
「キミに言われたくはないけどね◆」
ヒソカは乳首のみ隠すサスペンダー男に辛辣な返しをする
「貴様っ!生きて帰れると思うなよぉおおお!!」
そこに悟空とゴンが飛び出してくる
「べジータ!…って、あひゃひゃひゃひゃ!べ、べジータおめぇその格好!どうしたんだよ…ププッ」
「笑うなぁああああああ!元はと言えば全てカカロット、お前の責任だ!」
「ププッ…悪かったって。今度美味しいもん食わしてやっからさ…ププッ」
「ムカつく野郎だぜ…」
ゴンはレオリオのところへ駆け寄り、怪我を見ている
クラピカは緊張した面持ちで考えを巡らせていた
(この場から無事には逃げられない…あの二人が居てもそれは変わらないだろう。ここは一斉に別々の方向に逃げるしかない!)
「さて、準備はいいのかな?◆」
狩る立場のヒソカは余裕の笑みをはらむ
「おっけー!んじゃやるか!」
「待て!こいつはオレの獲物だ!貴様には譲らん!」
一人で戦おうとする二人にクラピカは焦る
「ま、待て!ここは一斉に逃げるべきだ!でなければ玉砕覚悟で全員で一斉に…!」
「ふざけるな。誇り高きサイヤ人の王子が共闘などしてたまるか。そこで指を咥えて見ておけ、このオレ様があいつをぶっ飛ばすのをな!」
シャッ
一瞬で裏を取り拳を繰り出すべジータ
(早いっ!)
ヒソカはギリギリでしゃがんでかわし、足元に蹴りを出す
ガギィ
(か、硬い!)
「どうした?そんな蹴りではこのべジータ様の足は折れんぞ」ニヤリ
「ここまでやるとは思ってなかったよ◆」
遠巻きで悟空たちはそれを見守る
「あのヒソカっちゅうやつ、まだまだ力隠してんな。このままだと危ねぇかもしんねぇ…」
「そんなことまでわかるの?」
ゴンが不思議そうに尋ねてくるのを頷きだけで返す
「さっさと本気になりやがれ」ニヤ
「挑発すんなべジータぁ!」
「そうだね、このままじゃ厳しそうだ◆」ズズズ
ヒソカの背後に何かが見えるような感じがした瞬間
「危ねぇっ!」
悟空の声も間に合わずべジータはヒソカの拳を顔面に受けて吹き飛ばされる
「お、オラたちの誤算だ…ここまでやべぇやつだったなんて」
べジータは相当のダメージを負い、起き上がれず顔のみヒソカの方を見る
「まだまだ◆」
しかしヒソカは止まらない
クイッ
ヒソカが指を動かしたと思うと、べジータは顔面からヒソカの方へ飛んでいく
「ぬ?おおおおおおお!?」
ドガァア
自分からヒソカの拳に顔を打ち付け、意識を刈り取られた
「べ、べジータ!」
べジータの元へ飛んでいく悟空
そしてクラピカは更に焦りを見せる
(どういうことだ!?いまべジータとやらは自分からヒソカの拳にぶつかって行った…いや、引き寄せられたのか?どうやって!)
「さぁ、次は誰かな?◆」
「オレが行く!」
ゴンがヒソカの前に立ちはだかる
(やべぇ!)
「ゴン!待て!くそっ!こうなったら…!」
悟空はヒソカに飛びかかっていく
「キミも楽しませ…」
シュン
(消えた!?)
クラピカやゴン達は目を疑った
そしてその数秒後
シュン
悟空だけが現れた
「ふぃー、危ねぇ危ねぇ」
(え?)
唖然とする三人
「おーい、べジータでぇじょうぶか」
そんな三人を他所にべジータへ近づく悟空
「………っく、問題はない!」
意識を取り戻したべジータは平静を装う
そんな二人に、クラピカたち三人から声がかかる
「悟空…あの、ヒソカは?」
そして悟空は笑って答える
「あぁ、スタート地点に置いてきた」
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地下道、スタート地点
ハンター協会の小男は目を丸くして問いかける
「あの、貴方はどうしてここに…」
ぽかん、とするヒソカ
(スタート地点…?いや、ここは…まさか…)
「………ずいぶんなことやってくれるじゃないか◆」
そう、ヒソカはこう見えて焦っていたのだった
悟空が瞬間移動でヒソカをスタート地点まで戻しました。
どうなるヒソカ!?
次回もお楽しみに!
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