悟空とベジータのハンター試験?   作:KTケイティ

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【8】二次試験 料理人べジータ(1)

参加者全員が会場を飛び出していったあと

 

「あんたも性格悪いわね。ビスカの森に生息する豚は一種類だけでしょ?」

 

メンチがブハラに笑いかける

 

「世界で最も強力な豚、グレイトスタンプ。大きくて頑丈な鼻で敵を潰す。…油断してたら自分が豚の餌になっちまうぜ」

 

*************************************

 

ドォオオン

ぐわぁああああああ

 

あちこちで地響きと悲鳴が上がる

 

「結構危ねぇ豚みてぇだな」

 

悟空は油断なく見据える

 

ドォオオン

 

突進してくる豚の鼻を正面から受け止め、力で拮抗する

 

「ぐぎぎぎぎぎ!ひー!強ぇぇなおめぇ!」

 

(どっちも化物じゃねぇか!)

 

レオリオは木の影に隠れて様子を伺っていた

 

「バカかカカロット!よぉーく見やがれ!あいつの鼻がなぜこんなにも頑丈で大きいのか!弱点である額を隠すために決まっているだろう!」

 

「オラもちょうどそう思ってたとこ、だっ!」

 

ガッ

 

脳天に一撃

 

ズドォォン

 

「ちっ、世話のやけるやろうだぜ」

 

そのシーンを見ていた参加者たちは真似をして次々と豚を倒していく

 

バッシュウウウウッ

 

気で豚を焼く悟空とべジータ

 

「お、結構うまそうな匂いだ」

 

「焼くだけとは芸がないな」

 

「なんだよべジータ。なんかいいもんあんのけ?」

 

「さっきの会場に香草と根菜があったんでな、こいつを…」

 

ドスッ

 

べジータが豚のお腹に香草と根菜を詰める

 

「そしてゆっくりと焼く」

 

バシュウウ…ボッ

 

気を小さく絞って焼き上げ、最後に強い気で焦げ目を作る

 

「すっげぇええな!べジータ!めっちゃくちゃいい匂いじゃねぇか!」

 

「ふっ、こんな簡単なもの料理とは言えんがな」

 

「ちょっと分けてくれよぉ。あ、オラのと交換してやっからさ!」

 

「いるかっ!」

 

ガツガツ ムシャムシャ

 

「うっひゃぁああ!普通に焼いただけでもうめぇぞ!」

 

「これだけでは腹の足しにもならん」

 

「んじゃもっと捕まえてくっか。そだ、オラがいっぺぇ捕まえてくっからべジータはさっきの菜っぱとか準備してくれよ」

 

「菜っぱではない!葉っぱ…でもなく香草と根菜だ!」

 

「んじゃちょっくら捕まえてくっぞ」

 

既に目的を忘れた悟空とべジータは食材を取りに二方向に別れていった

 

 

「いっぺぇ捕れたぞ!」

 

「遅いっ!待たせやがってイライラさせるやつだ」

 

「んで、これをお腹に詰めればいいのけ?」

 

「ただ詰めるだけじゃない。香草と交互に入れるんだ。根菜の硬いものは重ねずバラけて入れろ」

 

「細けぇんだな…」

 

バシュウウ…ボッ

 

べジータが気加減に注意してじっくり焼き上げる

 

「うっひゃぁああ!もう待てねぇぞオラ!こんなうまそうなの作れるなんて!べジータに弟子入りすっかな!」

 

(なっ///カカロットがオレの弟子にだと!?)

 

「ふ、ふんっ。もう焼き上がっている。さ、先に食べてもいいんだぞ」

 

「な、なんだよべジータ気持ち悪ぃなぁ。気持ち悪ぃのはその格好だけにしてくれよ」

 

「カカロットぉおおおおおお!!!」

 

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「へいお待ち!」

 

会場では70名の参加者が豚の丸焼きをブハラに届けていた

 

「あらら、テスト生なめてたわ…」

 

メンチもビックリしながらその数を見ていた

 

ブハラはペロッと70頭を平らげ、お腹をさする

 

「もう満足でいい?」

 

メンチがブハラに問いかける

 

(あのズボンに上半身裸のサスペンダー男はいないみたいね…変態だから記憶に残って嫌な感じね…)

 

渋い顔をしながらメンチは銅鑼の鐘を鳴らして終了の合図をした

 

二次試験 前半 ブハラのメニュー終了!

合格者70名!

 

(参加者の残りが多い…今年は本当に豊作ですなァ)

 

様子を見る為に残っていたサトツはしみじみと感じ入っていた

 

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その頃、脳筋2人組は…

 

「はぁ~、食った食った」

 

「食い応えのある豚だったぜ」

 

「残りは弁当用にでもすっべ。そういややけに静かになったな」

 

「大方あの豚にでもやられちまったんだろう。軟弱なやろうどもだ豚の一匹の気配も感じないぜ」

 

「待てべジータ!あっちの方に気が集まってるぞ!」

 

振り向く二人

 

「あっちは…会場!………カカロットまずいぞ!」

 

「へ?なにがだ?」

 

「くそっ!」

 

べジータが丸焼きを掴むと、気を感じる方へ投げた

 

「よし!」

 

「お、おいべジータ!?」

 

「ついてこい!いまは試験中だっ!間に合わなくなっても知らんぞっ!めいっぱい飛ばせぇええええ!!!」

 

悟空とべジータは会場へと急いだ!

 

 

残された豚の骨の数は、この日、人知れずグレイトスタンプが絶滅したことを物語っていた

 


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