ジョジョと轟音のガルパーティ!   作:苗根杏

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最初に言っておく!私はかーなーり!有名な方とコラボした!
何故か『バンドリ!〜同じ夕焼け空の下で〜』の龍也さんとコラボさせていただきました。心が広すぎる。じきにあちらの小説にも、出てほしい。うん、きっと出してくれる。
そして朗報というか、龍也さんファンにとっては複雑な朗報かもしれません。夕くん達はうちの小説のレギュラーとなります。という事は、まあ、アレですよ。とりあえず見てみれば分かりますよ。


DI MOLTO!SCHOOL FESTIVAL☆彡

地球を滅ぼす程のエネルギーが眠るパンドラボックスがついに開かれた!その力を操る地球外生命体・エボ…円盤生物の前に、ウルトラマンが立ちはだかる!

どうも、ビオランテ役の相生成琉です。嘘です。本当はガラシャープです。

「わちきの記憶…ちょっとだけ、蘇った…?」

前回のあらすじ。ウルトラマンナイスであり、てぇんっさい物理学者の相生成琉は、友達との記憶を失ってしまうおバカさんなのであった。パパパンチ、キキキック。

しかし『スタンド』の出現と共に、少しではあるが、記憶が蘇った。その記憶というのも、わちきの許嫁である弦巻こころ関連のものばかりだが。ワンドゥとやらが言うには『立ち向かうもの』『破壊するもの』『守るもの』。

そして、わちきのスタンドは『リンドバーグ』。そう、あのメンバーの殆どが高所恐怖症のバンド、『LINDBERG』からとったものだ。皆が知っている通り、タイガースの藤原球児の入場曲も歌っている。

何を言っているか分からないだろう。わちきもだ。

「成琉様。身支度は宜しいでしょうか」

「もうしたふに」

「朝食が出来ております。今日は、モンスーノ32話風ラーメンとのこころ様からのリクエストですが、成琉様はどうなさいましょう」

「にんにくラーメンのチャーシュー抜きで、ヨロシクふに〜」

「かしこまりました」

ああ、なんでもしてくれる、というのは、人をダメにする。始業式の日も、黒服さん達のお迎えである意味注目されちゃったし。悪い気はしないが、いい傾向とは言えないな。

食堂へ向かい、こころと対極のお誕生日席に座り、ラーメンを待つ。こころは相変わらず笑顔で、フォークとナイフの柄をドンドンと机に打ち付けている。魔人ブウかよ。

朝からラーメン?と思うかもしれんが、わちきが一日で消費するカロリーは大きい。こころだって、朝からガッツリ食わねえと昼まで持たん。

「お待たせしました、成琉様。にんにくラーメン、チャーシュー抜きです」

「ありがとふにー」

「成琉!せーのっ!」

「「いただきます!!」ふに」

ふー、ふー、ふーーっ………あちちっ、まだ熱いなあ。口ん中ヤケドするかと思った。レンゲに乗せて、もっと冷まさないと。

「んーっ♪今日も美味しいわね!」

「ふに。『いつも通り』ふにね」

「お気に召されたようで、私達も嬉しく思います」

「ふふっ!成琉も嬉しそうだわ!」

「こころん、意外とマナーは守れてるふにね」

「ママが教えてくれたのよ!」

「……ママって、もしかして…」

「そういえば、今日パパとママが帰ってくるらしいわ!」

「ごちそうさまでした!行ってきます!」

ラーメンを口の中に詰め込み、うめぇなァ〜もっとじっくり食べたかったなぁ〜!と二つの意味で噛み締めながら、全力疾走で玄関に向かう。

が、弦巻邸のロビーには、先客がいた。いや、正確には客ではない。『家主だ。』

「成琉く〜〜〜〜〜〜〜んッ!!」

「ニャ────ッ!?」

「あ、ママ!おかえりなさいっ!」

弦巻家の母ちゃんッ!『弦巻ハート様』だッ!!

この前思い出した!コイツやたらと馴れ馴れしいのだッ!

「ただいまこころ!そして成琉くん、ありがと〜っ!」

「な、何がだッ…離すふに!暑苦しいッ!」

「あ〜んひどーい!」

「自業自得の文字を札に書いてそのおデコに貼ってやろうかふに!!」

「ふふっ、成琉ってば相変わらずママと仲がいいわね♪」

「オーイオイオーイ、勘違いも甚だしいふによ許嫁さんよォー!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…………………」

ああ、疲れた。その一言であれが片付けられるなら、どんなに楽なことか。

あの後、許嫁の契約を受け入れてくれたことを(わちきはまだ納得いかないンだけど)感謝され、無事学校へ行けたのであります。帰ったらまたウザってぇんだろォ〜なァ────ッ。

「おはよーふに、恒河沙」

「…あれ?覚えてる?」

「ちょっと治ったのさ、ちょっとね、ふに」

「なんで?」

「時期が来たらしい」

「ふーん、治るモンなんだ…」

訳の分からない事を突きつけられ、また訳も分からず記憶が蘇る。わちきは、これに適応していた。大いに不思議だとは、思わなかった。

スタンドについちゃあ驚きももの木20世紀だが、記憶のノイズさえ、どこか懐かしさすら感じる。ああ、これも思い出せない記憶の片鱗なのだろうか、精神が錯乱状態にあるのかすら分からない。もう、分からないのだ。

「それはそうと、そこで何をしているのかなぁ。安鼓ちゃん」

「………別に、何も」

「ふに?テメーは……」

「キミの隣の席のコだね。友達でも何でもないから、覚えてるでしょ?」

「…たしかに。わちき、赤の他人とかすれ違った人とか、バスん中で足踏んづけた人なら覚えてるふになあ」

アイツはクソ無愛想なわちきの隣の席のヤツ、丸山だ。

丸山?

そういえば、その苗字は今朝黒服さんから聞いたばかりだ。

「で、何で成琉くんを見ていたのかなん」

「見てないっての!」

「はいはい、見てないよねー」

「……仲、良いふにね」

「そうだよー」

「ちがーう!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「お待たせしました、成琉様」

「ああ、いいのいいの。帰りは自分で」

「そうは言いましても、ハート様が…」

「アイツ…!」

折角の月イチ『塀の上を歩くデー』なのに!

ちぇーっ、仕方ない。明日に延期だ。

「あれ、こころんは?」

「また後で、別の車が来ます。天文部の活動があるそうで」

「ふーに。それより帰るのはこころんと一緒になりそうふによ?」

「はあ、それはどのような要件で」

「なァーに、ちょいとした『人助けふに』」

「……無理をなさらないように」

わちきは見逃さなかった。右の前髪に紅いメッシュを入れた、女の子を。ソイツに詰め寄る長髪の男を。

「出せ」

「さっきから言ってるじゃん。耳にシナモン詰まってるのかな?『何を出せばいいの?』」

「とぼけるなこのクソボゲッ!!」

「………………はァ」

黙ってわちきは赤メッシュの前に立ち、LINDBERGを現す。

「誰だ。ツレか」

「誰だか知らないけれど、女の子に手を出すならわちきと世間体が許さないふによ」

「そりゃ結構なこった…ねェッ!!」

「うおっ」

首にアーミーナイフがピトリと当たるも、それをギリギリで『躱す』。んん?そんなの出来ないじゃないワクワクさん、と思うそこの君。わちきのLINDBERGは身体のありとあらゆる所を『操れる』のだ。例を挙げれば『伸ばす事が出来る』。

首を伸ばして、ナイフの軌道上から首を逸らした。

「……スタンドかッ」

「次から次、ふにね。名を名乗れ。てめーも『M』絡みふに?」

「…リントー・ツーだ!生まれは中国。ワンドゥをやった奴と聞いて、どんなのかと思えば……箱を開ければコレだよ!ガッカリだぜ、全くよォ〜〜〜」

「うわあ、期待裏切っちゃったみたいになってる…なんか、ごめんふに」

「そのふにって奴はなんなんだ」

「猫ふに」

「ブフッwwwww」

「ちょ、おっ、笑ったふにな貴様!!」

「いやね、おかしな奴だと思って…」

「正直かふに!」

隙を見て、赤メッシュに避難するように言う…が、わちきの脳裏に一瞬ノイズが走る。その顔を見た時、わちきは忘れなかった。忘れていなかったのだ。数年来の友人の顔を。

「お、お前ッ!まさか美竹…ふに!?」

「あんたこそ、相生じゃん。久しぶり。元気してた?ってか、なんであたしの事知ってるの?忘れてんじゃ…」

「記憶ゲロは改善された!それより見れば分かるだろふにッ!絶体絶命だふに!」

「なら手を貸そうか」

「……何っ?」

「50万ドル」

「いやいやカネの話じゃあなくってふに!…ゑ?スタンド使い…?」

「スタンド?アンタ、知ってんだ」

リントーの攻撃を躱しながら、美竹との久しぶりの会話をする。

「ま、いいや。続きは後でね…『アルエ』」

「なッ!……てっ、てめー……す、スタンド使い……!」

地面に手を当てたかと思うと、そこから引きずり出すように『壁』が現れた。地面のコンクリートをそのまま引っ張って作ったような。

わちきの推測に過ぎないが、美竹のスタンド『アルエ』とやら、『その場にあるものから壁を創り出す程度の能力』といったところか。スタンドの像は無い。そういう能力だけのスタンドなのかもしれない。

「自分の適応力に惚れ惚れするふに。さあ、リントー・ツー」

「アンタ、誰からあたし達を狙えって言われてんの?」

「知ってるだろォ?」

「知らないから聴いてるんでしょ?会話の通じないバカが一人参上だね」

「その答えはノーサンキューふに」

「……忘れているだけだ。記憶が忘れているッ」

「は?意味わかんないんだけど」

「分かる必要はない。ここでお前らが死ねば、諸共水泡と化すンだしな…」

「なら、お前を殺して食うだけだ」

どうやら、『M』の刺客を食えば記憶ゲロが治る…らしいのだが、ワンドゥだけなのか?分からん。

適応力が謎に高いのも分からない。覚えているのか?前にこのような事を経験しているのか?なら、このLINDBERGは…わちきが前から…?

「ああもう、考えるのはやめたふに!行くふに、美竹!」

「あたしに命令すんな!アルエ、囲むよ!」

「LINDBERGッ!」

「レンズに『焦がれろッ』」

「うおっまぶしっ」

リントーに向かって走り始めたわちきの目の前に落ちたのは、雷のようなものであった。

いや、光だ。それはわちきと美竹の視力を一時的に奪い、その隙に攻撃するツモリ…だったらしいな。残念ッ!傷つくのは、わちきの能力を見る、てめーの方だ!!

「美竹ッ!!」

「は!?ちょ、成琉!何して…!」

「ちょっと我慢しろふに!」

美竹を庇うようにリントーの前に出た、つもりだ。つもり、というのも、目が見えないからな。自信はない。が、どうやら美竹の悲鳴が聞こえない限り、切り刻まれたのはわちきの身体だけだったようだ。

「ニャァァァァァァアアアアアアアアア!!」

「………は?」

「ッハハハハハ!ゲハゲハゲハゲハ!!こいつァ馬鹿にも程があるぜッ!『自分の身体の7割を犠牲にした!』」

ところがどっこい!そうはいかんざき!

「わちきのスタンドはLINDBERGふにッ!それは極めて『自分勝手なスタンド』ふに!」

「…あ、見えた……えっ!?成琉…!」

「さ、ささ再生しているッ!??理解不能だ!不能!!不能ッ」

「……切り刻むという事は、切り刻まれる覚悟があるという事ふにね?てめーの人生の終着駅へのダイヤは、もう刻まれているがな!ふに!」

「語尾が無理矢理だッ!」

わちきの必殺技、パート三!…ありがとよ、ワンドゥ!お前の能力、アイデアのひとつにさせてもらうぜ!

行くぜッ!コォォォォォォ…………『丹波山天狗凱旋疾風(たばやまてんぐがいせんしっぷう)』!!息を吸って吐くだけ!風速は台風21号の250km/hなんて欠伸の出るスピードじゃあねーぜッ!

「がァァァァッ」

「今だよ!アルエ、飛んだ瓦礫で壁を作れッ!」

「指を切り離しては再生!!その名も指鉄砲!!」

風に吹っ飛ばされて壁にぶつかり、そこを指鉄砲にやられる…かと思ったが、あいつは天に手を伸ばし、光を浴びた。直前に目を瞑ったから今度はいいものの、目を開けると、なんと驚き。

無傷なのだ。

それどころか、瓦礫で作った壁さえ無くなっている。いや、跡形もなく消滅した訳では無い。塵と化しているのだ。それが山になって、ヤツの背後にあるのだ。

「あー、トミーのポケットメイトより下らねえヤツだなァァ〜〜〜〜〜オイッ!」

「ネコとポケットメイトを馬鹿にするなふに!!その目玉くり抜いてオリーブオイルで炒めてやる!!」

「落ち着いて。語尾取れてるし」

「……ハンデだ、能力だけは教えてやる。お前の猫並みの脳ミソしかないアタマでは、とうてい考えれられないだろうからな。俺の『LENS』は太陽光をエネルギーとする」

「は?どゆこと?」

「お前の壁が丸焦げになって塵になっているのも、指鉄砲を無効化したのも、目眩しをしたのも…上を見てみろ」

「ふに?……………えっ」

「ウソでしょ、イカれてる…」

頭上にあったのは『デカいレンズ』だ。レンズというのも、虫眼鏡のレンズ部分をそのまんま取ってデカくしたらこうなるだろーなぁ。というのを、まあ、そのまんま形にしたもので。

「オラ、一歩でも動いてみろ。貯めてる太陽光がお前を焦がすぞ」

「なら動かない。壁を作るまで」

「……その壁も、スグに塵になるというのに」

アスファルトを地面から引きずり出し、ドーム状に壁をつくった。その分、地面には穴が空く…その中に私も入れ、完全にカプセル状の防壁が出来た。

「まだアスファルトを追加してる。1回なら耐えられるだろーけど、これじゃあ…」

「……対策を言え」

「1.攻撃する

2.もっと攻撃する

▶3.もっともっと攻撃する」

「と言っても…どうするふに?」

「こうするの。……ね、簡単でしょ」

「ホントに成功するふに?」

「しなかったら、ひたすら殴るだけ。でしょ?案ずるより産むが易しって習わなかった?」

「壁しか作れないクセして、横暴ふに…よし」

「行くよ」

一度、壁の中にまで響くほど、衝撃が走る。その時、美竹が渡してくれたモノは………意外なブツであった。

「いくふにっLINDBERG!レンズごと『ぶっ壊す』ふにッ!!」

「……こっちは任せて、成琉」

壁をぶっ壊し、足を伸ばしてジャンプ。あいつのレンズこと『LENS』の間近に飛ぶ。その間に美竹がアイツの相手をするというが……。

そんなのお構い無し、現実は非情である。すぐさまアイツは、レンズをぶっ壊そうとするわちきに向けて、太陽光ビームを発射する。

ならッ!

「こちらも跳ね返すまでふにぃぃ!!」

「ナニッ!?」

美竹が渡してくれたのは、『手鏡。』

この近さなら、手のひらサイズの小ささでも完全に跳ね返せる。そして、下にいる美竹の本来の目的は、近接格闘でも、囮でもない。

「そこから反射して、さらにパワーアップ。アンタに攻撃するのが目的じゃあなくって、正確にビームを跳ね返すのが目的だったの」

「一気にトドメだふに!!負け犬の名を『刻まれる』のはお前だッ!!」

「…………………………」

当然、わちき達は光から目を逸らす。

が、それは不覚にも相手にチャンスを与える事になった。

「なぁぁぁぁぁンてねェェェェ──────!!!」

「は!?」

「自分のスタンドの攻撃が、本人に効く訳が無かろうッ!!やはりお前らのアタマはド低脳ッ!猫並みだったという事だ!!お前らは俺に一撃も与えられてないんだぜェ〜?」

「……………ウソだろ、ふに」

わざとらしくその場に崩れる美竹と、空から落ちてきて項垂れるわちき。完全に『油断して笑い転げている』。

そう、わちきの眼が狙ったのは、光を跳ね返す事によるアクション映画さながらの衝撃的一発逆転劇ではない。

「狙いはソコじゃあないよ、リントー・ツーさん」

「てめーの一番欠けている所ふに。『慎重』、ふに」

「……へ?」

「アルエ、壁で抑えて」

「ぐえっ」

壁というものは、美竹の思い通りに操れる。いったん作り出して、それを根元から折って倒し…地面との間に挟めるくらいにはな。

「LINDBERG!!」

眼球から、体内のガスを高圧にして発射するッ!!言わばッ!二酸化炭素のビームよッ!『堕天使善羽音(だてんしよはね)』!さらにダメ押し!超至近距離まで接近ッ!『愛宕執駕(あたごとりがー)』!!要するにタダのデコピンだッ!

「ぐえ───ッ!!」

「…さあ、どうしてやろうかふに」

「ゆ、許して!か、金ならあるんだッ!女も沢山たぶらかしている!だから……食べないでェェ──────ッ!!」

…ワンドゥの時とは、随分違う反応だ。やはり心を持っているなりに、恐怖も覚えるのだろう。そして殺されるとなった途端にこの態度だ。

わちき自身も、よく分からない所はあるが、もう気にしない。記憶は、取り戻さねばならない。皆の為にも…毎週、友達の名前を覚え直さなきゃあならないなんて、嫌だ。こころについても、もっともっと知らなくっちゃあいけないんだ。

ノイズは、消さなくっちゃあならない。

「わちきには、もうフィアンセ様がいるふに。金も使い切れない程にあるふに…わちきに必要なのは、たったひとつの欠けたピース…『記憶』ふに」

「それに、あんたはあたし達を敵に回した時から『喰われる運命』なんだよ」

「助けてェェ────────ッ」

1、蘭をまず先に狙った。2、そもそも関係の無い蘭をも殺そうとした。3、ネコを馬鹿にした。お前はもう、わちきのプッツンリストから除名なんてされない。

だめだね。

「オラオラオラオラオラアラオラオラオラオラオラオラオラァァァァ────!!」

「ふにふにふにふにふにふにふにふにふにふにふにふにふにふにふにふに!!」

「がァァァァァアアア!!」

「………いただきます、ふに」

身体から弾けるように飛んできたスポンジは、ワンドゥよろしく忽ち卵状になる。

「あ…………あ……」

「…………成琉?」

「ごめんふに、美竹。わちきにもよく分からないふに、この涙の理由は」

このゲス野郎を殺すことに躊躇いをおぼえているのかもしれない。分からない。分からないよ。

「…いただきます」

「やめろォォォおおおおおお────────!!」

…………………………………。

奥歯で噛み砕き、喉で確かに…飲み込んだ。

 

 

「成琉。何、今の?スタンド能力?」

「ふ、ふに、蘭ちゃん…アレッ」

「ようやく戻った。さっきまで美竹、なんて…会ったばっかの呼び方ばっかりして」

「…………なるほど、ふに」

「一人合点してないで説明してよ、わかり易く」

「わちきが惹かれ合う敵。それを食べると、記憶が戻るふに」

「わかり易く!」

「記憶を取り戻すふに!」

「じゃ、ヨロシク。成琉」

「………ふに?」

何を言っとるだ。わちきは、蘭ちゃんと……ん?『握手』をしている?

「……成琉、困ってるんでしょ?多分、スタンドが絡んでくると思うし…直接の攻撃は出来ないけど、『守る事なら出来るから』」

「ふにゃぁぁあ〜〜〜〜〜〜ッ」

や………柔らかいッ!!!手の温もり!最大!無限!極地!こりゃ走馬灯にも5秒くらいカット使うぜェ〜ッ…!

「……何してんの?」

「ああ、すまないふに。ちょっと、ネ」

「とりあえず、番号交換して。なんかあったら呼べるように」

「………………………」

実は先日、ハロハピとパスパレの皆さんと電話番号を交換したばかりなのである。そして蘭ちゃんは恐らく今は高校一年生。わちきが小一の頃、小四だった…と、思い出したのだ。

記憶が、確かに蘇っている。うちは島根出身の華道の家だ。今も確かに出来る。で、親同士の仲が良かったから…出会ったのは、まだ言葉も満足に話せない頃だった。その時は、コタツから出づらいくらいに寒い冬だったな。

「あ、蘭ちゃーん!何してるの?」

………女か。あの蘭ちゃんに友達が出来たのか…なんか感慨深いものがある。

「ゆう、どうしたの」

「夜ご飯の買い物に行くところなんだ」

「そっか…じゃ、一緒に行こっか」

「うん!ふふ、どこ行くー?」

「………お前も成長したふにな、蘭ちゃん」

「何その上から目線…」

ゆう、とやらが、わちきの事を興味津々に見てくる。身長は同じくらいなのだが、腰を曲げて上から目線にするように見てくる。耳の先っぽをチョイチョイといじったり、パーカーのボタンのテントウムシの羽を開けたり閉じたり。

「蘭ちゃんの知り合い?」

「うん。華道で知り合った…両親の仲がいいらしいけど、あんま覚えてない」

「わちきが三歳の時、お前が茶をたててくれたふに」

「そうそう…あたしの覚えてないところまで……やっぱ、記憶絡みなんだ」

「なんの話〜?」

「ゆうも自己紹介しなよ。この人もスタンド使いだから」

「そ、そうなの!?は、初めまして!小日向夕ですっ!一応、オトコです…」

 

【挿絵表示】

 

「……相生成琉ふに。ヨロシクふに」

「ふ、ふに?」

「気にしないで。個性だから」

「ヒロアカじゃあねーふに!」

はァ…何だコイツは。まるきり女じゃあないか。なんだそのパーカーの萌え袖といい、オシャレな白いメッシュといい。それに髪が長すぎるような気もする。突然、夕はその場に座り込み、急に暑そうにして、目を細める。

「服の上にパーカー着るなよ、あっちぃなァ〜〜〜〜〜……あ?何ガンつけてんだよ、オイ」

夕はパーカーを脱ぐと、わちきにガニ股で歩み寄ってくる。

いや、口調も態度も夕ではない。どころか、体格も少し男らしくなっているし、髪は灰色に変色して右目が隠れている。

「夢、勝手に出てくんな」

「うるせえ。それこそ勝手だろ…」

「夢?夕?」

「……ゆめ、と書いて、ゆう。小日向夢だ」

後ろから、夢は自分のものらしきスタンドを出すと、わちきの首元に刃を突きつける。

「俺『達』に余計なことしてみろ。切るぞ」

「人間は切れないくせに」

「うるせェッ!!…俺の『Be The One』は、人間以外なら何でも切れる。夕の方はいいや、面倒くせえ」

 

【挿絵表示】

 

「チョット夢!ちゃんとしてよ!」

「やかましい!自分で勝手にやれ!!クソが!!」

「えー!でもなんか省かれた感じするよー!」

「知るかボゲェッ!!」

夕だったものであり、夢だったものが、その場で転んだり悩んだり叫んだり、一人ですったもんだしている。

「………………………………」

「二重人格だよ。夕は本来の人格、夢は夕の傷つくのを軽減するために造られた人格」

「………訳が分からねえ」

「ああ、もうっ!自分でやるよ!!僕のスタンドは『トゥルー・カラー』!話を押し通す能力!」

「最初からそうしていれば何も無かっただろッ!このオンナオトコ野郎ッ!」

「オトコと野郎は同じ意味だよ!?」

「いちいち細かいんだよ!知ってんだよオオォォッ!!国語の教師かよ!おっ、お、オメーはよォォォォ!!」

何が何だか。

だが、ひとつ。分かることはひとつある。

忘れたくても、そんなキャラクターしてねーって事だ。

 

To be continued…

 

 

山梨の観光案内?何それ、三崎くん。チームより大事なの?ハンバーガーより美味しい?

それより次回予告ですよ。

「あ、おにーちゃん!傘忘れたでしょー!」

「お前はいずれ、BANされる」

「わちきには、まだ揉まなきゃならない…守らなきゃならないモノがあるだけふによ」

「もっと冴えたやり方があるんだよ、たったひとつの、ね」

「……誰ふに、お前」

「ハート様が怒っている…?」

次回、わちゃもちゃぺったん脱獄囚。

「私の名は北沢黎斗。東京電機大学の…神だ」

「は?」

 

 

 

 

 

提供

龍也さん

『バンドリ!〜同じ夕焼け空の下で〜』(見やがれってんです)




はい。ごめんなさい。スタンド使いにしました。
スタンドのステータスとか貼るので許してください、ねっねっ。許すか許さねーかは以下略。もしかしてオラオ以下略。

美竹 蘭
アルエ(ロックバンドBUMP OF CHICKENの楽曲名より)
『壁』を創る程度の能力
無像型
破壊力:E スピード:E 射程距離:B
持続力:B 精密動作性:C 成長性:A
その場の物から壁を創れる。昭和のイオンとかでやれば人だけで壁ができたり、パチ屋でやればパチ玉だけで壁ができたりする。野外戦闘が多いので、基本はコンクリとかアスファルトになる事が多い。

小日向 夕
トゥルー・カラー(ガールズバンドプロジェクトBanG_Dream!のガールズバンドユニット Afterglowの楽曲名より)
『説得』を押し通す程度の能力
人型
破壊力:D スピード:C 射程距離:C
持続力:A 精密動作性:E 成長性:C
人を傷つけたくない、という良心が、初めて立ち向かうという意志を産んだ結果。精神力自体は強いので、結構使える。主に夢をなだめる時とか。

小日向 夢
Be The One(PANDORA feat.Beverlyの楽曲名及び仮面ライダービルドOPより)
人間以外のありとあらゆるものを『切る』程度の能力
集団型
破壊力:A スピード:B 射程距離:B
持続力:B 精密動作性:A 成長性:C
本人はもっと強いスタンドが良かったと言っているが、少し優しさが残っている点では、流石もうひとりの夕。応用すれば、五右衛門みたいに服だけ切れたりする。

リントー・ツー
LENS(小林賢太郎プロデュース公演第4回の題名より)
人間以外のありとあらゆるものを『切る』程度の能力
道具型
破壊力:B スピード:- 射程距離:A
持続力:A 精密動作性:C 成長性:D
チャイナ服のスタンド使い。本名は林登(はやしのぼる)。常に上にはインディペンデンス・デイのUFOみたいに直径810キロメートルのレンズが浮いているが、少し景色が歪むだけなので分かりづらい。
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