例えるならば、抗体のようなものだろう。体にウイルスが入ってきたのなら、それと戦うために免疫反応を引き起こす。
一度鬼の血を含んだのならば、鬼退治の英雄の血は容赦なく荒れ始める。
言わば車裂き状態だ。愛する故に守るもの、愛する故に食すもの、相容れるわけが無いのだから。
「つまりは…どーゆーこと?」
「そうですね。たとえば貴方が幼少期、鬼の血を体に含んだのなら、目覚めるはずがなかったものが当代に現れてしまった。ですかね、先祖返りというものでしょうか」
「???」
先程、ヴラド公を視界に収めた反応から推察すれば和洋問わずとも“鬼”を討とうとするようだ。民の守護者、鬼を打ち倒した英雄、死後神に祀り上げられた青年、その血と力が目覚めたのなら喜ぶべきことなのだろう。
ただ、もうこの世界には鬼はいない、倒すべき敵がいなくなったということを除いては。
「日本にはここ数十年滞在していたので、当然大江家のことは聞き及んでいます。平安の世で暴れ回った鬼の遺物を守り、研究してきた酔狂な家だとか」
ああ、本当に、可哀想。
わけもわからぬ幼少に、なにも知らぬまま鬼の血を飲み干して、哀れな鬼になってしまった哀れな少女。
かの家が彼女に血を注ぎ込んでなにをしようとしていたのかはわからぬことだ、首謀者である父親は死んでいる。彼女を理解するものはこの世界に一人もいない。
「お、に…??」
「貴方も他の者とは違うことはわかっていたのでは? 人間らしからぬ体力と耐久性。さながら貴方は『現代の鬼』。愛するものを貪り食ってしまう、倒されるべき人の敵。幸いに、人の面のほうが強く出ているようですが…これから鬼の面が出てこないとは限らない」
───何を言われているのか、ほとんど理解ができなかったの。これは私の理解力がないとか、そんなんじゃなくて。ただただ単純に、脳が考えるのを拒否していたから。
幼いあの日に飲まされたものは大昔の鬼の血?
嫌だ、やだやだやだやだ。と駄々をこねるように首を振る。
なら私がこの世に存在してはいけないものなのなら、忌まれる存在というのなら。どうして叔父様は、私を外に出したのだろう。
「貴方はこの世で英雄が討つべき敵だ。
───ですが私は、貴方を救いたい」
少女はひどく動揺している。
潤んだ瞳がひたすらに哀れだった。
「どうか私の話を聞いてください、皆さん。必ずや、貴方方に納得いただけると信じています」
場には重苦しい空気が流れている。
そんな中彼はただ穏やかに、ほほ笑みを浮かべていた。
────
「マスター」
これはダメだ。と思わずアキレウスは声をかけた。顔が青い、息が浅い、拳は小刻みに震え、心做しか手に取った腕が熱い。
まるで迷子になった子供のように、不安げにこちらを見上げるヒマリはひどく脆かった。少し触っただけで消えてしまう飴細工のよう。
「天草四郎の話、わかったか?」
「ぜんぜん、わからなかった…」
「まあうん、そうだよな…」
アキレウスは苦笑いをして、手が起きやすい位置にあるヒマリの頭を撫でた。そばにはアタランテ、カルナがいるが……まあ込み入った話をしても平気だろう。
「アキレウスは…どう思うの? 聖杯で世界は救えると思う?」
「そうさなあ…」
「私はちょっと、怖いな。もしこの聖杯戦争に参加していなかったら、自分の知らないところでそんなことが起きてたんだって。私達が進む未来が、誰かの手で決められるのが少し、怖い。世界なんてそんなものだとわかっているけど、立ち会ってみてわかるの」
ヒマリは囁くように言う。
その様子を見て思うのだ。彼女は愛おしいほどに“人間”だ。人で無しではない、確かな人間性。
「俺は…アイツのやり方なら救えると思うぜ」
「…うん」
「体に変化は? 毒とか…」
「そっちは平気。うん、平気…」
心ここに在らずといった様子のマスターに、アキレウスは目を細めた。
「疲れているな。今日は無茶をさせた。寝ちまえ、マスター」
「えっ、でも、まだ、」
「いい。いいから、とりあえず考えるのをやめて、寝ちまえ」
強引に瞳を閉じさせてとんとんと背中を叩く。子供より子供らしいマスターは途端脱力した。予想以上の寝入りの良さに口元が緩んだが、仕方なしに抱きかかえた。
「さて、どーするかね」
「部屋は余っていただろう。そこを勝手に使えばいいさ」
いつかのように眠る小さな少女を抱えてアキレウスは進む。
これでいいはずなのだ、とマスターの黒髪を撫でながら。
( ˙-˙ )?????
(虹色の林檎を食べながら羽根を集めて種火集めをしてやっとこさ最終再臨させて再臨絵で死に覚悟を決めて聞いた絆ボイスとマイルームボイスでトドメを刺された顔)
アキレウスがいい男過ぎる…
え? 聖杯? いらない? いるでしょ????(遠慮なくぶち込む)
これオリオン(アルテミス)へのボイスはないっぽい…? アポでもFGOでも「王様きらーい!」って言ってるからアガメムノーン王のことで嫌いになってるんだろうなあって思ってたけどそのことに関係のあるアルテミス(オリオン)への特殊ボイスがない…!
スト限(らしい)のでストーリーにでてくるみたいですね〜、今から楽しみです!(キシュタリアさんをチラ見しながら)(目指せ宝具5)(止まるんじゃねえぞ)
蒼銀のギリシャ神話で最も幸福な結末を迎えた英雄がほんと理想の彼で普通に推せる。えーーーギリシャマジギリシャ〜〜〜
とりあえずアタランテとヘラクレスを当てようと思いました…????