家出娘と美形お兄さんの珍道中〜   作:藤涙

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Part.22:空からの

思いの外、許可は容易く下りた。

天草四郎はいつもどおりの穏やかな微笑みをたたえて頷いたし、ライダーも渋々ながらも首を縦に振ってくれた。

心底浮かれていたヒマリはとあることを失念していたのである。

 

「…どうやって降りるの?」

「うん?」

 

雲を見下ろしながら、ヒマリは不安そうに呟いた。その声を拾ってアタランテはご機嫌そうに尻尾を揺らす。

彼女も雲間を見下ろしながら立っている。強い強い風がぴゅーぴゅーと吹き付け、ヒマリは思わずよろめいた。

 

「あーー、姐さん? よければ俺の戦車で降ろすが…」

「いいや、構わないさ。自力で降りれるからな」

「あーー、うん。マスターが…いや、なんでもない」

 

ここからどうするというのだろうか。

なんだか言いもしれない不安が汗となって背中を流れる。長丁場になるかもしれないから、と作ったお弁当と水筒が背に背負ったリュックの中で揺れた。

 

「心配するな、私に任せろ」

「うん…、ライダー…?」

 

アキレウスが目を合わせてくれない。

すごく不安になってきた。困惑しているうちにアタランテに抱き抱えられて、さらに頭の中のはてなマークは増えていく。

 

「ヒマリ、舌を噛むから口を閉じていろ。なに、すぐ着くさ」

「待って待ってまさかちょっと…!」

 

「イッテラッシャイ」

 

アタランテは一歩、空中に踏み出して───

 

「〜〜〜?!」

 

風と、無重力と、とりあえず風と風と風が…。

ヒマリは人間の本能に従って意識を手放した。南無。

 

 

「おい」

「…ううん?」

 

意識を取り戻したあとさわやかな草木の香りが鼻腔をくすぐった。

胃が浮くようななんとも言えない感覚を味わったヒマリは、微妙そうな顔をしながら胃をさする。なんだろう、すごく変な感じがする。

 

「ホテルとやらに行くとよかろう…が、私がいたほうがいいか?」

「ううん、逆に目立つと思うの。平気、平気」

 

今のところ、黒の側だけではなく獅子劫さんまで敵側に回っている可能性が高いが…。まあ現状は平気だろう、勘はいいのだ。

あの場にいたサーヴァント以外にはヒマリの特異性は知られていないし…

 

「そうか。…じゃあ行ってくる、汝も気をつけろ」

「はーい」

 

最後に、少し心配げに声をかけて消えたアタランテに手を挙げて答えた。

なにかとよくしてくれているが、なぜだろうか。特別気に入られるようなことをした覚えはないのだけれど。

そこだけ少し気になりつつ、お腹が空いたから鼻を頼りに歩き始めた。庭園でのお料理、作ってるのが竜牙兵だからあんまり口に合わないのよね。




きよひーが来ましたー!
夏フランちゃんがいるからバーサーカーからの夏組に好かれてるのかしら?
お久しぶりですね( ˇωˇ )
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