デンドロ二次もっと増えーろ(祈り
それではそれでは本編をどうぞ!
□<大白宮・冒険者ギルド>【
「うーん……ねぇコテツ? 本当に僕、こういう格好で大丈夫かな? ほら、今回来る人ってそこそこ権威ある人なんでしょ?」
「この世界の【
「……そう言えばそうだったね!」
ふとジーニアスが漏らした言葉に返答してあげると、彼は緊張を解いた様子で冒険者ギルドの個室に備え付けられている机に頭を乗せて姿勢を崩した。
……まさかこの近辺を治める大名である【陰陽頭】を相手にいつもああいう態度だという訳ではないよね?
別の方向で不安になってきたよ。多分、ジーニアスの事だから時と場合は弁えてくれていると思うのだけど。
……大丈夫だよな?
――僕達。つまり
僕らのこの世界における目的の一つは、この世界の調査であるのは言うまでもない事だが、最近それの進捗が良くないのだ。
……これは僕の能力不足も理由の一つであるが、他にも幾つの要因に依る物だった。
まず一つ目として、明日香に言われる様に、島国である天地を拠点にしている為、得られる情報に偏りや限界がある事。
これはまぁ、天地を選んでしまったのだから仕方ないと言えば仕方ない事だ。僕としてもこの天地の環境は悪い物ではないが、やはり“組織”の任務を考えれば中央大陸の国のいずれかを選択した方が良かったかもしれない。
――最も、皆で話し合ってこの一つ目については近い内に…………
そして、二つ目、僕達の……つまり<マスター>の立場はある意味当然の事だから置いておくとしても、三つ目、閲覧資料の限界は痛い所だった。
僕の調査の基本は各ギルドや図書館等に置かれている資料を基にしているのだが、当然ながら資料の内容によってはただの一マスターに過ぎない僕みたいなのには閲覧が許可されていない資料が山の様にある。
ギルドクエストの達成による実績の積み重ねや【
それも当然。僕達はこの世界に来てまだ一年弱しか経っていないのだ。
いくら小細工を使っても得られる信頼には限度があるという物だ。それを覆す様な難事でもあるならともかく、少なくともこの天地では歴史的に見れば珍しく、ここ暫くは戦と言う戦が発生していないし〈UBM〉の襲来もそこまで多くないのだからどうしようもない。
……最も、ジョブとステータスとスキルが力の大半を占めるこの世界では僕個人ではその難事に対抗はできないだろうし、そもそもこんな時勢で戦を始めようとする大名がいたら即座に周囲の大名から袋叩きにされて消えていくだろうけど。
――そう、僕達が調べるのは限界があった。
だからこそ、僕達は
それは常の、僕達が請けるクエスト、ではなく。
僕が冒険者ギルドを通じて
一定以上の知見や知識を有していなければ転職できないと言われている、【
【学者】ギルド……通称“学会”でも一定以上の評価を受けている
……まぁ、依頼を提示してから希望者が現れるまでかなり時間が掛かって、今日ようやく講義に在り付ける事になったのだが。
そのお陰でこちらの準備は万端だ。可能な限りの質問事項もまとめておいたし、サラに就いてもらった【
予想外だったのは、今回の講義にジーニアスも興味を示してきた事だ。
依頼人は僕なのだし、そこら辺の融通は特に問題ないのだけど、【陰陽師】ギルド関連の事以外は基本僕の方で済ませていたから珍しいと思った。
「――ところで、ジーニアスは何か気になる事でもあったのかい?」
「えっ。……いや、うん、まぁ……ちょっとね!」
そういう訳で、もう少しだけ時間もあったし、折角だから直接聞いてみる事にした。
……ふむ。この反応は。
「もしかして、学園へ行った春香さんに対抗して、でしょうかっ? そういえばジーニアス様、春香さんが出立してから少し元気が――」
「いや別にそういう訳じゃないよっ!? ただ僕が受けてる学校の授業より面白そうだし興味はあったし……!」
……サラが追撃してしまったけど、ここはデリケートな部分だから追撃しないでおこう。
どうやら、僕達の予想以上にジーニアスは良い影響を受けてくれているらしい。なのでついでに溢されたちょっとした問題発言についてもスルーしておくとしよう。
「ちょっとコテツー!? ニマニマ微笑んでいないでっ。違うからねー? 僕は純粋に――」
「なぁに、分かっているとも。それに――ほら、もう先生は来たようだよ?」
未だ剥れているジーニアスを宥めながらも宥めながらも扉の方を視線で示す。
――扉がノックされたのは、その直後だった。
◇
「ようこそ、今回は
「どうもどうも! 貴方達が今回依頼を
「い、いや。違いますが……」
――いきなりで押しが強いなこの人!?
扉を開けて現れたのは――旅装束を着崩したティアンのエルフの女性だった。
冒険者ギルドの依頼書を持っているし、恐らくはこの人が依頼を請けてくれた【賢人】で合ってる筈だけど――
「ああ違うのね、それは残念――それでも嬉しいわ。まさか<マスター>相手にこんなに深く関われる機会をくれるだなんて! 天地の<マスター>の人は血気盛んな人が多いから困った物よね。でも国毎に現れる<マスター>の特色や傾向が違うというのは大きな収穫よね!
「タンマ! ちょっとタンマ!」
エルフの人のマシンガントークに思わずジーニアスがストップを掛ける。
……助かった。僕は正直、この時点でかなり不味い気がして来ているのだけど。
止められて目をぱちくりさせている彼女は得心がいった様に一つ頷く。
「ああ、ごめんなさい。まずは自己紹介からだった……ふぅ」
「……うん。そうして貰えると助かるよ。僕の名前はコテツ。それとジーニアスと、サラだ」
そうしてまずは此方から自己紹介すると――彼女の目は更に爛々と輝きを増した。
興味と、関心と、好意を示す様に――そして、その奥に潜むもう一つの感情を隠す様に。
「コテツ君に、ジーニアス君……そしてサラ君ね。覚えたよ。いや、先程は失礼したね。どうも
そう言って彼女は姿勢を正し、こほん、と咳ばらいを一つして緊張を解く。
そして、真っ直ぐ僕とジーニアスを見て――
「私の名前はエイル・ミーシュルン。エイル先生でいいよ。私は君達の全てを知り、全てに答えよう――私は、『
……………………
人選を、
◇◇◇
10月24日(土)
つか、れたー!
ちょっとした好奇心だったんだけど、やっぱりモンスター蔓延る世界で【学者】やっている人のバイタリティは凄い!
……凄い省略し過ぎだったから掻い摘んででも書いておかなきゃ。
まず、最近すっかり普通に遊んでたけども! 僕達の仕事はあの<Infinite Dendrogram>の世界において何らかの“異常”がないか調査・監視する事。
この世界における地位や知識、力がなければ遂行できないその任務を達成する為に僕達は日夜デンドロを楽しんでいるのであった!
……まぁ、調査の方は大体コテツがやってくれてるんだけどね。いや、僕だって知り得た事はちゃんと報告してるけどね!?
それで、今日の所はそのコテツがやっている調査の一環で――なんと、【賢人】の人を招いての
うん、僕が通っている小学校の授業は……僕にとってはレベルが低いから、ちょっと興味が沸いたんだよね。
あの世界の歴史の話とか、春香から少し聞くだけでもかなり面白そうだったしね。特に用事も無くて決闘しに行こうかなー? とか考えていたくらいだったから渡りに船とばかりに飛びついたのだ。
――教師役の【賢人】の人が、すっごいハイテンションで凄まじかった。
内容についてはコテツの、というかサラさんの方でまとめて貰っているから割愛するけど、【賢人】のエイルさんの専攻は(当然だけど)
まぁ、そりゃプレイヤーの<マスター>が現れるまでは殆ど居なかったらしいのだから色物なのも当然だけどね?
かなりペースも早かったけど、授業の内容は……うん、本当に
それにしても、【書記】のジョブを就いていたとはいえ、あんなに長時間授業を受けてて堪えた様子の無かったサラさんって、実はコテツが望んでた様な【学者】系統の素養もあるんじゃないかなって。
◇
10月26日(月)
今日も元気にデンドロにログイン! やっぱりあれはテンション上がるね!
今日は……うん、昨日一昨日の依頼でコテツが疲れているみたいだったから――身体を動かせばいいんじゃないかな、と思って一緒に決闘で遊ぶ事にした!
コテツってば元々ああいう事務方の仕事は得意じゃないらしいのにああやって根を詰めるんだから……やっぱりそれなら全力で動いてストレスを発散させるのが一番だったよね?
まぁ、決闘と言っても慶都まで行ったり興行だったりではなく、大白宮の闘技場施設の一区画をレンタルしての練習試合。
ついでに暇そう……暇そうだったかな? はともかく! カインとイーズが所在無さげにしていたから誘って、互いの
それでも、剣士たるもの、難しい事を何も考えずにただ己の思うがままに剣を振るだけでも良い気晴らしになるからね。
――と、カシミヤが言っていたし。
さて、そんな経緯で始めた模擬戦だったんだけど――なんと意外にも非戦闘職である筈のコテツもかなり、できる……!
そりゃ、デンドロを始めたばかりの頃はステータス差もスキル差も少なかったから互いの実戦経験だとか、リアルで鍛えていた技術とかで追い付かれていたけど、成長して技術もステータスもスキルも充実している僕とあそこまで戦えるとは思っていなかったよ! 勿論、流石に全力でやったら順当に快勝できたけども!
勿論、【斥候】をはじめコテツの指導でジョブを埋めてステータスを上げているサラさんの援護とか【採掘師】や【鍛冶師】で微妙に上がっているステータスを考慮に入れた上で、の結果。
それでも、ステータスはHPとか以外は三桁前半がやっとだった筈だけど――その強さの秘訣は【
《自動攻撃》《自律索敵》《自動防御》によってコテツ自身のステータスに因らない鋭い攻防を行う武具だとか、僕が作った【ジェム】を強化増幅・射出させる籠手だとか、事前に込められた魔力で短時間魔法防御結界を展開する鎧だとか――
使ったアイテムも元に戻る闘技場施設ならではの部分もあったけど、総じてそういった状況に合わせた高性能でいてステータスが低くても使える装備品を使う――それがこの世界における【鍛冶師】系統の正当……正当? な戦い方らしいよ。
コテツの場合は非常に希少で高品質な素材を潤沢に使って装備品を作れるから、非常に合っていると言っても良いと思う。
そもそも【鍛冶師】等の生産職は普通は戦闘しない筈――って言いたいけど、それも中々難しいらしい。
資金があって街から出ずに生産に使う素材をやりくりできるならともかく、余程の金持ちの家でなければある程度自身で素材を取る手腕も必要なんだとか。
初期資金がない<マスター>であるなら尚更らしいね!
……いや、【カナヤマヒコ】があるコテツはそれこそ一番外に出て素材を取る必要がない存在だと思うんだけどね!?
その他にもイーズやカインとも本気で戦い合ってみたけど――何というか、二人共コメントし辛い程に真っ当に強かった。
最初の印象通り――天地に来ても遜色なくやり合えるくらいの猛者! 最初に見つけた身としては何だか嬉しいよね。
血沸き肉躍るとはまさにあの事……特にイーズは本当天地にはあまり居ない純
カインはむしろ天地の<マスター>に多い、白兵戦技術特化――なのに、魔法も使う変則ビルド。
西方の【
でも、カインは本人の技量と――エンブリオの力でそれを高レベルで両立してる。
カインのエンブリオだけじゃなくて、イーズのもそうだけど……うん、僕が組んた事のある人達の中でみても極めて直接的に戦闘力に特化した様なエンブリオを見るとなんかこう感慨深いね?
カシミヤの【イナバ】とか、弥生の【エイヴィヒカイト】とか、エリーシアの【タラスク】とか、僕の【アダムカドモン】も含めて何処か特殊なのが多かったからなぁ。
知り合いのTYPE:キャッスル系統のは直接戦闘には向いてないのばかりだし……
……まぁ、決闘で相対した相手のエンブリオではそういった戦闘特化のエンブリオもそこそこあったと思うけど、詳しくは知らなかったからね。
そして、今日一番の大ニュース!
なんと、そんな感じで模擬戦を楽しんでいた所で――僕の【アダムカドモン】が第五形態に進化したのだ!
実に現実時間でも二ヵ月ぶりの進化っ。
上級エンブリオになってからの進化は本当に遅いねぇ……
……まぁ、進化と言っても正直今回はあまり変化はないのだけども。
まず、ステータス補正の進化がSTR・AGI・END・DEXの補正がCに強化。
ステータス補正C――つまり、およそ同レベルのティアンの人と比べても100%の強化、二倍のステータスを手に入れられるという事。
掲示板等でも一つの指標として扱われているだけあって、やっぱりこの補正は嬉しいよね!
そして、上級進化で習得していた《
……しょっぱくない? 上級エンブリオにしてはしょっぱくないかなぁ……勿論そりゃ嬉しいには嬉しいんだけど、他の人の上級エンブリオを見ているとこう、ねぇ。
と、とりあえずそれはさておき、今回の進化の一番の見所は――《全主相応》の強化!
《
自身の各種ステータスを強化する。
Lv6ではHP・MP・SP・STR・AGI・END・DEX・全状態異常耐性・従属キャパシティ・感覚を30%強化する。
感覚強化……感覚強化!?
いや、うん進化した直後ちょっと【眩暈】になったりしたし体感したからその意味は分かるよ。
つまり《聴覚強化》《視力強化》みたいに五感を強化するという事だ。
……そういうジョブも持ってないのに!?
それ以前にスキルとしてもそこそこ有名な《聴覚強化》とか《視力強化》の類型は嬉しいけど、嗅覚とか味覚とかを30%程度強化して一体どうなるというのかっ。
その強化を他の所に使えなかったのかと言ってみたい。言ってやりたい!
まぁ、僕の
一応、上級エンブリオになってからの進化で《全主相応》のスキルレベルが2上がったのは良い事、良い事だよね。
とりあえず、新しいジョブは何にしようかな、っと。
◇
10月27日(火)
今日は昨日とはうってかわって――平穏な日々ッ!
大体学校から帰ってきて諸々の後、ログインしてからずーっと【陰陽師】ギルドで《符作成》等のジョブクエストをこなしていくだけだったね。
新しいジョブについて考えながらだったけど、《符作成》はMPは使うけどクエスト自体はあまり物事を考えなくても良いから楽だよね。
そうやって【陰陽師】ギルドで屯しながら作業しているとジョブクエストでの報酬以外でも【陰陽師】ギルドの資料を読ませてくれたり、たまに高難易度の道具作成の手伝いなんかもさせて貰えたりするし。
オマケで毎回一枚、高品質な《符作成》用の霊紙をくれたりするからお得で好みなんだよねー。
……問題は、そうやって時間を潰していると特に日記に書く事が無いって言う所かな!
<富落森林>の狩りを終えてからあまりモンスター狩りにも精を出せていなかったし、慶都に居た時みたいに決闘漬けだったりもしないからなぁ。
と、そう思っていたんだけどなんと今日は珍しく泰央さんがギルドに居る日だった!
春香が絡まない所で喋る機会もあまり無かったし、暇だったから……折角の機会だったから軽くお喋りしてみた。
本日のお喋りの議題は――ズバリ《詠唱》について!
いつか聞こうと思っていて今まで聞く機会が無かったのだけど、まず同じ東方の魔法職である【陰陽師】と【道士】の違いの一つとして、【陰陽師】は《詠唱》スキルの存在が挙げられる。
《詠唱》スキル――それは浪漫の塊!
魔法スキルに呪文詠唱と共に
しかもその呪文詠唱の内容は基本的に術者各々で自由意思で決められるという……これに興奮しない訳はないよね!
そして、泰央さんは【陰陽師】系統超級職の【陰陽頭】。それも遥か昔から連綿と受け継がれてきた【陰陽師】の家系である西白寺家の現頭領であらせられる身――それなら、さぞかし格好良い詠唱を持っているんじゃないかな!?
……って思っていたんだけど。
残念ながら泰央さんは実用一辺倒の記号の組み合わせみたいな《詠唱》しか使わないらしい。なんてがっかり感!
それにも勿論理由があるんだけど――まぁ、一番の理由はなんといっても《詠唱》内容の暗号化に伴う秘匿性がある。
泰央さん、というか西白寺家を筆頭をした【陰陽師】の派閥ではジョブの修練・スキルの習熟にも長年蓄積、洗練されてきたノウハウがある訳だけど、その記号の様な《詠唱》もその一部だったんだとか。
上乗せする
うん、そりゃこと戦闘においてはそういう詠唱の方が効率的に有効だと言うのは理解できるけど……できるけどもー!
……とまぁ、そういう残念な話はともかく。
その他にも先日慶都に着いて無事学園寮に入ったらしい春香の事だとか、今は大白宮から南に位置する【巫女姫】が治める領地に修業に出ている愛華さんの事だとかを話していたら……【陰陽師】ギルドに知った顔が、というかイーズとカインがやってきたのだ。
あの二人が何用だろう? と思っていたら、なんとカインが【陰陽師】に転職するらしい。
西洋の魔術師系統……【土術師】を主力にしている筈なのに、正気!?
――まぁ、東西の魔法職を取っているのは僕もそうなんだけど! うん、正気を問える立場じゃないね!
エンブリオの固有スキルありきの東西の魔法職、魔法スキルの複合――やっぱり、男は何歳になっても浪漫を追い求める物だよね?
その内、意見交換とか、できたらいいなぁ……
◇
10月30日(金)
中間テスト、終わったー!
……まぁ、結果は多分いつも通りだけど。それでもほら、周囲の雰囲気的に解放感はあるよね。
それに、なんと今日はテストが終わった解放感からかクラスメイトでデンドロに復帰する子が居るんだって!
当然桑木さんと同じグランバロア所属だから僕とはあまり関わりないんだけどね!
クラスメイトと共通の話題を話せる人が増えるだけで僕は嬉しいから……だから天地のマスターってだけでびびったりしないで? カシミヤとかと違って僕そんなに物騒じゃないし!
そして、それは置いておくとしてもグランバロアも、明日香から毎日の様に話を聞かされているドライフも凄く興味を惹かれるよね。
特に天地には船も機械もほとんどないから、余計にそう思うのかな?
蒸気船に帆船に魔法船、潜水艇に深海の神秘に海底遺跡! ドライフにいたっては戦車とかパワードスーツとか機械の城だとかサイボーグとか……男子の琴線に触れる物が多過ぎるっ。
…………うん。本当に、コテツが羨ましいなぁ。
一昨日日記に書いた通り、コテツはサラさんを伴って今日大白宮を出立して――機械の国、ドライフ皇国に向かった。
コテツは僕にも甘いけど明日香にも甘いんだから……まぁ、僕も一人前って認めて貰えたと考えようっ。
随伴していくサラさんは大変だと思うけど、流石にいくらコテツと言えど、サラさんの補助抜きで一人で国を幾つも横断するのは難しいだろうから仕方ないね。
……数日前、模擬戦に賛同して参加したのはコテツはコテツなりに僕に実力を示すつもりだったのかな?
ちょっと悔しいなぁ。あそこでもっと完敗させていれば……
そして、何より悔しいのは僕は学校があるからお留守番するしかないという事実だよね!
コテツは廃人ペースでログインして進んでいるから、僕は一緒に行けないのは理解できるけど、理解できるけどー!
いいなぁ。一足先に諸国巡り……僕も掲示板とかWikiとかSSとかで気分だけでも色々見て回りたい……
こうなったら僕もコテツが天地から離れて保護者が居ない時くらいは好き勝手、するしかないよね!
最近やれてなかったモンスター狩りとか決闘とか、カシミヤみたいに天地中を旅するのも良いかもしれない。
男子三日会わざれば刮目して見よ、だよコテツ!
To Be Continued…………
ステータスが更新されました――――
【
その名の通り学問を修める者の為のジョブ。
【研究者】系統と似通っている部分が多く、学ぶ学問の内容についても各々で決める所も同様である。
当然の様にジョブレベルを上げ、スキルを得ても別にその学問についての知識を直接得られるとかそういう訳ではないので<マスター>で就く人は非常に少ない。……考察班やリアル学者等の例外を除けば。
習得可能なスキルとしては《看破》《鑑定眼》の効果を強化したり拡大するスキル、勉学における限定的な高速思考や《スキル解析》等。
上級職の【
『マスター学』:
<Infinite Dendrogram>内のティアンの【学者】達が定義した学問の一つ。
この世界におけるティアンとは違う人間範疇生物にして、
その生態を、その性質を、その成立ちを解き明かす学問。それはもし完全に解き明かされたならば、
それも当然。今まで<マスター>の数は非常に少なく、国の上層部や専門の識者でもなければ伝説上の存在としか思われない程に珍しい存在だったからだ。
かろうじて長く、非常に長い時間をかけてキャット一族などから<マスター>に関する情報を集積を重ねていても、やはり近年でも未だ朧げなままであったし、それらを活かせる機会だって生きている内に遭遇できる事は殆どない。
それでも少ない『マスター学』を修める【学者】達が諦めずに活動していたのだが、ついにその真価が発揮される大事件に出会う――そう、つい最近起こった<マスター>急増事件である。
今までの<マスター>の数はなんだったのかという程の途方もない<マスター>の数の増大。
それに沸いた『マスター学』の【学者】達だったが――彼らはその聡明な脳で気付いてしまった。
それは、今まで彼らが調べ学んできた<マスター>と今現在世界に増え続けている<マスター>は完全に同一視してはいけないという事だ。
新たに現れた<マスター>達と詳しく話し、関り、学べば一目瞭然だ。
実力が違うし、活動時間が違うし、精神面なんか大違いだ。
彼らは即座に今まで蓄えてきた知識と言う固定概念を放り投げて新たな<マスター>達に突撃し、少しずつ、それでも今までと比べて遥かに早い速度で<マスター>達の事を知り得ていった。
彼らの内多数がこの世界を“遊戯”だと考えている事。精神系統のスキルは完全には作用しない事。彼ら自身の“別世界”での生活を基準として時間に縛られて行動する事。精神的に未熟な者も数多くいる事。“別世界”での時間法則から『マスター学』における新たな時間周期を作り出し、
新たなマスター用語も充実したし、<マスター>の中でも『マスター学』に協力してくれる貴重な友人達も出来た。
そして何より重要なのは――<マスター>が<マスター>である所以、〈エンブリオ〉についての情報。
それは今までの……今まで知り得た数少ない〈エンブリオ〉と比べても多種多様に過ぎる情報の濁流。
あまりにも情報が過多過ぎるそれを見て、彼らは『マスター学』を『前期マスター学』『現代マスター学』『エンブリオ学』に分割すべきではないかと【学者】達の間で激しい論争が巻き起こったり巻き起こらなかったりする予定だがそれは当作では特に関係なかったりする。
はい、今話も最後までご覧いただきありがとうございます!
地味に進化! 地味な進化! ……そんなゆっくり進行な小説ですが今後もよろしくお願いします。
……あ、そういえば特に後書きで書くような事じゃないかもしれませんが一応宣言を。
作者の引き出しが小さいのが主に悪いのですが、もしかしたら今後出るエンブリオや〈UBM〉(特典武具)の名前とかが他や原作と被ったりする事もあるかもしれません。申し訳ないです。
割烹でもエンブリオ名被りはあるらしいとの事なので多分問題ないと思いますが!
それでは、そんな言い訳をしながら次話に続きます。
次話もどうかよろしくお願いします!