それでは本編をどうぞ!
□<大白宮・大広場>
『――それでは、予定された時刻になりましたので、皆様待ちきれないとは思いますが、簡単に挨拶をさせて頂きたいと思います』
時刻は昼前時。本来であれば都中の多くの人々がその日の仕事に追われている様なその時間帯。
そんな時に、天地に覇を唱える領土の一つ、術の都、大白宮の大広間に設営されたお立ち台の上に一人の人物が立っていた。
その人物は【陰陽頭】西白寺泰央。
この大白宮を統治せし大名にして希代の術師でもある彼が今、お立ち台の上から拡声魔法と伝達魔法、そして都中を覆う大結界を応用した“宣言”を行っている所だった。
『私は先程紹介に預かりました、【陰陽頭】西白寺泰央です。今この場には私にも、この都にも親しみが無い方も多数居るとは思いますが……どうか、その皆々様も、この
そして、その宣言を聞くのは広間に集まった――否、広場だけに収まらぬ、都中に押し掛けている人々の群れ。
何故なら、今日この日は
ティアンの人々は常なら日中にこなさなければならない様な仕事も、一部の緊急の物を除いて、この目出度い日ばかりは放っておけとばかりにこの祭りの準備を整え、今か今かと祭りの始まりの合図を待っている。
大広場と大通りの脇には所狭しと各々の店主が自信を持って開いた屋台が並んでいる。
……その内容も何やら術に関係ありげな怪しい物がそれなりの頻度で並んでいるのは、さてこの世界だからかそれともここが術の都であるからか。
『思えば春の息吹芽吹くこの季節が、この記念すべき素晴らしき日となったのはきっと我等、そして<
そして、ティアンに非ざる異邦人……<マスター>。
彼らも事前に通達されていたこの
……そう、<マスター>であろうと皆。
何故ならば、この
七大国すべて、いや、多少でも<マスター>が逗留している国では七大国に含まれない小国家であろうとも例外なくこの
『そう、思い起こせば一年前――<マスター>の皆々様をこの地に歓迎した目出度い日。それをこうして想いも新たに共に祝える事を、心より喜ばしく思う次第です』
――何故ならそう、今日は<マスター>達の
<Infinite Dendrogram>、サービス開始から丁度四ヶ月が経過し……そして、それはつまり内部時間では丁度一周年となった事を表しているのだから!
デンドロ内での季節は一回りし、仄かに暖かい風の吹く春の季節。
丁度現実でも日曜日だった事もあり、<マスター>達は喜び勇んでこの祭りに参加しているのだ。
ある<マスター>は祭りに連動して急増したクエストを楽し気にこなしながら、またある<マスター>はティアンの人達に対抗して自分で露店や歌、楽器、踊りやその他の芸を持って祭りに参加したり、そしてまたある<マスター>は純粋に自分の仲間達と一緒に祭りを練り歩いて楽しんだりしている。
『思えば、この一年間、様々な事がありました。唐突に訪れた伝説の<マスター>の方々の増加、始めの内は意見が対立する事も、互いの事が理解できなかった事もあった事でしょう』
何故なら、これから始まる祭りは<マスター>……他でもない自分達を歓迎し、そして記念とする為のお祭りなのだから。
<マスター>の人々が興味を引くような物珍しい、その国や地域、都の特色にあった伝統芸能や技術をふんだんに取り入れた新たなるお祭り。
また、祭りの運営に協力している<マスター>達は極力<マスター>が<マスター>である所以……〈エンブリオ〉を用いた派手な演出や出し物を繰り出して祭りに参加している者全員を楽しませようとしているのだ。
……所謂、掲示板で後に“世界派”と呼ばれる様な人は勿論の事、この様な見所の多い
『しかし、この一年間。武闘大会や冒険者ギルド、または各専門ギルドや公共機関を運営する皆様。そして勿論それらを支える多くの方々の尽力と献身もあり、更に竹馬の友の様に我等に歩み寄ってくれた<マスター>の皆様の御活躍もあり――無事、今日までの平穏とこの祭りの開催にありつける事が出来ました』
一周年――それは短い様で長い日々。
きっと、この祭りに参加している人々は、<マスター>であろうとティアンであろうと分け隔てなく、その日々を振り返っている事だろう。
勿論、それは良い事ばかりではなかった。
突然<マスター>が急増した事による世界中の混乱、生態系の崩壊、物価の急落と急上昇、あるいは犯罪者のマスター達によって直接不利益を被った者も居るかもしれない。
<マスター>側だって、サービス開始直後の情報もない時点での混乱や世間を知らない<マスター>がティアンに詐欺られる事件もあったし、危険なモンスターが蔓延るこの世界の洗礼はおそらくほぼすべての<マスター>が受けている事だろう。
『今回の祭りの運営に際し協力して頂いた方々、本日この大白宮までお越しの方々、そしてこの大白宮を支えてくださった多くの方々に、改めて厚く御礼申し上げます』
しかし――それでも彼らは。
<マスター>も、ティアンも……一緒に
それはもしかしたら人々が思っているよりも歪な関係かもしれない。
中にはティアンをNPCだと、魂の無い人形だと思っているマスターが居るかもしれない。
中には<マスター>を化物だと、関わるべきではない恐るべき怪物だと思っているティアンが居るかもしれない。
それでも――その時の祭りを楽しむ心は、皆同じだと……
『……ですが、皆様もご存知の通り、この世は未だ安定しているとは言えない状況にあると言えるでしょう。しかし、これから訪れるやもしれぬ難事にも、今までの様に、皆様の力があればその荒波も乗り越えられると、信じています』
そして、いよいよ宣言は――一周年記念の挨拶は佳境に入る。
それを察したのかお立ち台から離れて祭りを楽しんでいた人達も幾らかは顔を上げ、この都を治める大名の言葉を今か今かと待っている様だった。
勿論、
『それでは、些か長くなってしまいましたが、これにて開会の挨拶を終えさせて頂きたいと思います――どうか、皆様、この祭りを大いに楽しんでいきましょう!』
PON! POON!! POPONN!!!
その開幕の宣言と共に――空中に色とりどりの光がまるで花火の様に音を立てて浮かび上がる!
【陰陽頭】や【陰陽師】ギルドに所属している術師達、そして運営に協力している複数の術師達の光魔法や特殊な式神、幻術、結界術等を複合して作り上げた、術師の都、大白宮ならではの仕掛けだった。
「ひゃっはー! 祭りだー!」
「よっし、早速闘技場に行くよー! 久しぶりの大会だっ!」
「良い
「ふふふ、今日の為に新調しておいた
それと同時に各所から湧き上がる歓声、歓声、歓声――――
それも当然だろう。何故なら、<マスター>の増加一周年記念の祝祭は、今から始まるのだから!!
◇
◇
◇
◇◇◇
11月8日(日)
よ、ようやく終わった……
リアルで二日半、デンドロ内時間で……大体一週間かけて、ようやく間引きクエスト終了っ!
散々だった。昨日も書いたけど散々だったよ!
メインの相手が亜竜級ではあったとはいえ、六人揃ってここまで時間が掛かるとは思わなかった……っ!
まぁ、その分報酬も戦利品もたんまり貰えたけどね! 〈神造ダンジョン〉でもないのに大量の戦利品に埋もれそうだったからね……戦利品用のアイテムボックスが。
さて、内容はともかくクエストは無事成功したのは喜ばしい限り!
……それでも、奥地でまだ生態系の混乱が激しい場所だったとはいえ、亜竜級モンスターの間引きクエストで純竜級の野生モンスターと複数回遭遇したのは問題だと思うんだけどね。
流石に初心者狩場の近くで純竜級モンスターにそんなに遭遇するっていうのはありえない話だった筈だからね、事前の調査では。
パーティの実力は十分だったからそれも問題なく討伐できたのは幸いだけどね……実力は、十分だったからね!
遭遇したモンスターについては……余白に書いておく事にする!
――それに関係して、という程での事ではないかもしれないけど、掲示板やニュースサイトでも最近の天地では何らかの異変が起きているのではないか、という噂が流れている。
今回みたいなモンスターの生態系の大規模な混乱、知恵のあるモンスターが姿を隠したり、〈UBM〉の不穏な動き等が各領で起きているらしい。
何らかのイベントの前兆だろうとか、神話級〈UBM〉の悪戯だとか、デンドロ内での歴史書の中にだけ語られている、神話級〈UBM〉よりも上の〈UBM〉、〈
僕的にはイベントの線が一番平和かなと思うけど、多分〈UBM〉関連なのは間違いないだろうなぁ……
そんな感じで、色々気になる事はあったけどクエスト自体は無事終わって何よりだよ。
……うん、本当に無事に終わって良かったよ。
烏丸達のパーティって、本当凄く理想的だったなって実感したからね……連携、凄い大事だよね。
暫くは僕もソロで良いかなって思ったよ。とほほ。
メモ:
【
なんか名前が凄く紛らわしいけど普通に魔蟲。【ファイアバグ】の進化系?
AGIがかなり高く、高速で飛翔して爆炎を巻き散らかして範囲攻撃を仕掛ける強敵。
多分一番危なかった。特にレベルも耐久力も低かったマリーが。
【
妖怪だと思ったら何故か魔獣だった純粋強化版の妖狐。
ヤマトが呪術で【混乱】にされて一瞬危うかった事以外は特に問題なく撃破。
普通に魔法タイプっぽい。AGIとENDはそこまで高くなかった。
【
前者二匹と違って明らかに余所から流れてきたと思しきドラゴン。
凶暴な雰囲気でかなり多くの餌を喰ってたみたい。もしかしたら今回のクエストの首謀者? だったのかも。
……まぁ、ヤマトと鵺太坊さんが瞬殺しちゃったからこの三匹の中では一番簡単に倒せたんだけど。
ガチャ:
E 【海の幸セット】
E 【スティールダガー】
C 【快癒万能霊薬】
◇
11月10日(火)
野試合、せずにはいられないっ!
……今日はあまりクエスト残ってなかったからねー。平日だし。
今日は相手側の指定したルールに合わせて、様々なルールでやり合って結局五勝二敗でデスペナに。
カシミヤには連敗中、ぐぬぬぬ……
鍔迫り合いしている最中に仕掛けても当然の様に回避も迎撃もやってくるんだからやりにくいよね。
エンブリオの固有スキルとカシミヤ自身の技巧が合わさってまるで隙が見当たらない、というか隙を作れないから困ったものだね!
……やっぱり、《全主恩寵》で手に入れた次の一枠は、あそこで有効に使えるジョブが良いかな?
まぁ、それは後で考える事にして――今日はなんと、野試合で竜胆さんと一戦やり合う事になったのだ!
ちょっとした挑戦を兼ねて、ちゃんとした【ブローチ】を使った作法の方でね。
この界隈でティアン側の作法と言われる、【ブローチ】が破壊されるまで全力で殺し合うやり方だね。
……ちなみに、【ブローチ】の出費が大きいというのもあってマスター側の作法では最後まで殺り合うのがデフォルト。
できれば<マスター>同士でも【ブローチ】を使う様に他のランカーの人達も指導しているらしいけど……金銭的な問題は如何ともし難いからなんともね。
結構お金には余裕がある僕だってガチャで出た分を入れても三つしか持ってないし、その僕でもやっぱり500万の出費は痛いからねぇ。
かなり前に〈神造ダンジョン〉で稼いだお金も減り続けているからねー。
……いや、お金が減っているのはガチャのせいじゃないけどね? ガチャの金額とか【ブローチ】を複数使うのと比べれば端金も良い所だしね!
もっと(僕を含む)天地の<マスター>……というか、野試合を嗜むマスター全体のレベルが向上すれば可能性はあるのかな……?
ちなみに、竜胆さんとの野試合は危うく【ブローチ】を破壊されるか、という際どい場面もあったけど……ギリギリで勝利!
……初めて会った時から、僕もかなり成長したなぁ! やった、流石は僕だよね!
それにしても、あの特典武具、あんな曲芸染みた真似出来たんだね……本当に油断ならないっ。
それでも、ステータスは全体的に勝っていて、《全主権限》のお陰でスキルも非常に充実している筈なのにこの結果なのだから、僕もまだまだだよね……
ガチャ:
B 【ジャイアントバスター】
C 【中級契約書】
F 【岩塩】
まさに鉄の塊……!
◇
11月13日(金)
うーん、まーたー負ーけーたー!
今日は出発前に可能な限り闘技場通いをして個人戦とか隙があればランキング戦の挑戦をして遊んでいたんだけど……やっぱり、ランキング戦は難しい物があるね。
竜胆さんも少し前にランカーから脱落しちゃったらしいけど、竜胆さんに勝てたんだから行けると思ったんだけどっ。
まぁ、でも個人戦の戦績は良好のまま続いているのは幸いではあるかな?
僕はまだ合計レベルは500に達していないから、決闘でも無制限級に出場する様な極まったティアンの人は出てこないから、その帯域の相手に対する勝率はもうかなりの物になっている。
だから、問題は僕と同じ上級の<マスター>達だったんだけど……僕だってそう簡単には負けられないからね。
そりゃ、僕のエンブリオは他の人のエンブリオと違って派手でも特異性が強い訳でもないけど、《全主相応》を含めた基礎能力は十分以上にあるのだから、後はそれを使う
それに、決闘はルール面からして僕が有利だというのもある。
ポーション等以外のジョブで使うアイテム――【符】等の持ち込みは自由だし、従属キャパシティがあれば従属モンスターも一緒に戦えるというのもあってイグニスやリンとのコンビネーションが非常に強力だからね!
……まぁ、そんな有利な筈の僕でもランキング戦だとそれが通じない様なのばっかりで困ってしまうんだけど。
今日はランキング29位の人と28位――カシミヤにも挑んだんだけど、残念ながらどっちも負けちゃった。
特にカシミヤは殺った、って一瞬思えたんだけど……読みと動きの滑らかさが異次元の域に達してたね、あの時のカシミヤは。
天地の<マスター>の中で、僕が知るだけでも戦闘技術や戦闘の勘だけに絞れば間違いなく上位三位に入るよね……僕も負けてられないなぁ。
とりあえず、僕がカシミヤに勝っている部分……
……近く、また何処かに全力で狩りに出かけてレベル上げしないとねー。
さて、そして――明後日、来る11月15日はデンドロが開始されてから丁度四ヶ月の日。
つまり、三倍時間のデンドロ内ではサービス開始――マスターの急増から丁度一周年の節目になるのだ!
どうやら、七大国での各都市ではそれを祝ったお祭りが開催されるらしくて、昨日辺りからもう慶都でもその準備で大忙しだったんだよね(まぁ、決闘狂いの人達は別として、だけど!)。
当然ながらそれに関連したクエストも大量に発生していたのだけど……うん。僕はやっぱり大白宮に戻る事にした。
こういうのは一番世話になった所でやりたいから……ね。
イグニスならばこの距離はひとっ飛び! いぇーい!
ガチャ:
C 【祝福の宝珠】
E 【下級ジュエル】
C 【祝福のスカラベ】
祝福セット! ……別に全く関係ないし、効果も全然違う物だけどね!
◇
11月15日(日)
祝! デンドロ内一周年!
……世界の各地で色々とお祭りとか興行とかやってたみたいなのに、
掲示板とかでは、「まぁデンドロの運営だからなぁ……」と既に諦めモード。基本公式イベントの時以外本当対応あまりしないからね……
まぁ、各地でのお祭りはすっごい盛り上がってるみたいでSSとかもいっぱい貼られてたりするからそれも楽しみだったりするからいいかもしれないけども!
あ、僕は当然だけど大白宮のお祭りに参加!
最初だけ仕事をして後は露店や屋台をのんびり巡る優雅な……優雅に? 楽しめたっ。
……まぁ、ちょーっとお金使っちゃったけどお祭りだし良いよね!
虹色に光る龍の式神とか、結界術を応用して作った万華鏡とか、使役された鬼を使った劇とか、面白いのが多かったからねー。
そういえば、警備員役も鬼とか式神が多かったのは大白宮ならではだったのかな? ……結構な実力の鬼達だったけど、実は泰央さんが使役してたりしたのかな。
確か、虹色の式神の奴は【陰陽師】ギルドの御婆さんが作ってた様な気がするけど……後でまた作って貰えるかな。
僕が《フォトン》で疑似的な花火を打ち上げている時に一緒に演出をやってて印象的だったから、多分間違ってないと思うんだけど。
まぁ、他の【陰陽師】の人達もそれぞれの方法で似た様な事はしていたし、どちらにせよギルドに行けば分かるかな。
そういえば、お祭りと言えば今日ばかりは珍しくも決闘のメッカである慶都だけではなく、天地の各領でも興行の武闘大会っぽいモノが開かれる事になったんだよね。
飛び入り乱戦何でもござれのお祭り騒ぎ。これはうん、天地ならではって奴なのかな……?
戦闘職もろくに取っていない様な人達も意気揚々と参戦して行って客分らしき武芸者達に鎧袖一触になぎ倒されているのは壮観だったね……
大体勝ち進むのは武芸者の中でも頂点――超級職だというのもある種の慣習というか、様式美なんだとか。
ああやってお祭りの場で領の抱える実力者が実力を誇示する事でこの領は安泰だぞ、と民達に示すのが目的の一つ……と、一緒に観戦してた愛華さんが言っていた。天地らしいや。
このお祭りでは<マスター>も多数参戦していたのに、それでも不動さんが優勝したんだから相当な物だよね、本当に。
まぁ、僕はMP切れで最初から観戦組だったんだけどね……いや、【ラスリルビウム】とか【符】も使えば戦えたけど、気分的にね?
カインとか明さんとか、烏丸とかヒースとかは挑戦してたみたいなんだけどねー。見応えがある試合が多くて僕も嬉しい。
――そして、最後のエキシビジョンマッチ。武闘大会優勝者である【鬼神武者】不動さんと大白宮の大名である【陰陽頭】泰央さんの戦い。
多分、観客の約八割を占める戦闘職を持たないティアンの人達は凄い戦いだ……という感想しか浮かばない様な、圧倒的な攻防。
でも、残り……天地が誇る武芸者達や、大白宮の術師達、そして――今日祝われる事となっていた<マスター>達にとっては、多分それだけじゃない戦いだった。
二人の力は、攻防は、エンブリオによる強力なステータス補正や固有スキルを持つ<マスター>達と比べてすらも隔絶していた様に感じられた――特典武具による力もあったとは言え、超級職は、それほどの力を持つ物なんだよね。
そして、それほどの力を持って……二人は観客、いや、それを理解できる者達を挑発する様に、発破を掛ける様に、明らかに魅せる為の戦いをしていた。
……あそこまでされたら燃えない訳がないよね。僕も参加しておけば良かったかなって思ったし。
うん、また頑張ろうー!
――って思ってたんだけど、一周年の日、お祭りの後になんと初めて《易占》が成功!
成功率数%とか聞いてたけど、これもっと低いんじゃ……しかも内容が読めなーい!
……明日、泰央さんに聞いてみよう。
メモ:
取り急ぎ、読み取れるだけ此処に書き写しておく事にしよう。
『■竜が解■■■■■
■は■で■故に決して■■■■■■
■■は竜に■■■■■■■■■■
貴方達は■■■■■■■■■■■』
うわぁ全然読めてない……結構頑張ったんだけどなー!?
To Be Continued…………
ステータスが更新されました――――
【祝福の宝珠】
『消費アイテム』
いと気高き者による恩寵が込められた宝珠。
虹色に輝く宝珠が照らし祝福するのは貴方の旅路。
使用する事で30分間、自分を含むパーティメンバーが獲得する経験値量を20%増加させる。
【祝福のスカラベ】
『アクセサリー』
聖なる力を得たアクセサリー。
スカラベの形をしており、何となく神々しい力を感じるかもしれない。
・装備スキル
《自動回復:状態異常》Lv2
状態異常を受けている時、スキルレベルに応じて状態異常から回復する速度を早める。
ただし、このスキルは時間経過による回復が望める状態異常にのみ効果を発揮する。
《易占》:魔法スキル
陰陽術による下級の占いを行う。
下級職の【陰陽師】では成功率は最大でも数%しかないし、クールタイムによって一日に一度しか使用できない制限を持つ。
しかもその上で成功してもその占いの結果は何を示しているのか、それは何時起こる出来事なのかも分からないふんわりとした未来を占い指し示すスキル。
本気で占いを行いたい人は横着せずにちゃんと派生職の占い特化ジョブの上級職に就きましょう。
今話も最後までご覧いただきありがとうございます!
一周年のお祭りで間章を〆たくてここまで書いてました。
でも間章は後一話だけ続くのでした。計画性って大事。
それでは、間章も次話でラストですが、どうか次話もよろしくお願いします!