無限の世界のプレイ日記   作:黒矢

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まさか二ヵ月近く空くとは……

それでは本編をどうぞ!


第三章 神話之戦編
第五十三話 プロローグ・狩りの始まり!


□<慶都・闘技場> 【開拓者(フロンティア)】ジーニアス

 

 

 あの【傾城九尾 ウォルヤファ】との死闘から……デンドロ内時間において、十日強が経った今日この頃。

 戦いが終わった後の非常に煩雑だった諸々も完全に終わり――

 

 ……いや、うん。まだ気にしなければならない事はあるんだけどそれは置いといて!

 “忍者の里”襲撃事件の後からの多忙だった時分から脱却し、僕は今完全なる自由を得ていたのであった!

 

 思えば、リアルでも二十日くらい前から付き合いで<修羅の奈落>に向かった時から数えてろくに自由な行動という物をしていなかった気がする。

 自由は良いよね。娯楽書籍の主人公達もそう言っている。

 まぁ別に付き合いでダンジョン潜るのとかあの死闘も僕的には良い思い出なのだけれど……

 それでも今はあの死闘を越えて、やりたい事が非常に、非常に大量にあるのだから、仕方ない事だよね? うん、仕方ない事の筈!

 

 まずは武具の修理、更新。

 今までの酷使に、先の死闘が追撃となって、元々質が良かったから致命的という程ではないが一度本格的な修理をした方が良いだろうという事になってしまったのだ。

 今は装備一式をコテツに預け、修理待ちという事になる訳だね。でも、流石のコテツでも結構時間が掛かるらしい……ので、ついでに【邪神の心臓(偽)】や【霊樹の械枝】等の持っていても僕は使えない素材アイテムやお金を預ける事にした。

 多少時間が掛かるなら、いっそ本格的にやって貰った方がいいかなって!

 装備の改修や新装備の作成にも……うん、使える筈っ。

 その内容についてはコテツにお任せだけどね。……さて、どんな物が出来るんだろうね?

 代金の追加にこの自由な時間を使っていつもに増して【ジェム】の作成供給も依頼されたけど、それだけで武具を作ってくれるなら本当に安い物だよね?

 多分、いや間違いなく身内価格だと思うけどー……まぁ、この借りはまたいずれ返させて貰うとするよ!

 

 次に、僕の必殺スキル、《天上の意を叶える者(アダムカドモン)》についてなのだけど――まぁこれは後述するのと被るからとりあえずは後回しで。

 他の事にも関係してくるしね!

 

 

 そして、次もまた他のと密接にかかわってくるのだけど――旅の準備を、そろそろしたいと思っているのだ。

 この東方の島国、天地だけではなく。

 騎士の国アルター王国も、武仙の国黄河帝国も。

 機械の国ドライフ皇国も、商業都市カルディナも。

 海上国家グランバロアも、幻想の国レジェンダリアも。

 可能な限りすべての国を旅し、()()()()を遊びつくしたいのだ!

 

 ……と、割とこの<Infinite Dendrogram>を始めてからずっと思っていたんだけど、それも中々に難しかったのだ。

 まず、一番の理由としては僕達が居るのがこの島国の天地である事。

 ご存知の通り天地に面する東海……そして<境海>には高レベルモンスターの群生地である魔境。天地と中央大陸を隔てる非常に険しい難関として立ちはだかっているから。

 海洋国家グランバロアと天地の関係も良い物ではない以上、それを越えて天地から中央大陸に渡るには、どの様な方法を取るにしろかなりの困難を伴うのは間違いない――

 

 ――まぁ、僕はグランバロアにリアル知り合い(桑木さん)の伝手があるから、それを頼りに中央大陸へ渡らせて貰うんだけどねっ!

 コネは立派な武器だとはっきり分かるね……流石に、海上をイグニスで飛んでいくのは色々と無茶があるからね……

 

 

 と、中央大陸に渡る手段があると言っても、そう直ぐに実行できる訳ではない。

 桑木さん達の方の都合に合わせて貰う約束だからまだ一ヵ月は先の事みたいだし、僕の方もそれまでに天地で出来る限りの事をしておかなければならない。

 

 先述した武具の修理、更新だけではなく、全国を回る事になるならかなり、かなり長い期間になるだろうし世話になった各所に挨拶周りは欠かせない。

 それに、天地でしか手に入らないであろうアイテム……いや、まぁ【符】用の霊紙なら中央大陸でも扱っているらしいけど、それ以外の【陰陽師】系統用のアイテムも一通りは買っておきたいよね。

 後……うん。暫く天地を離れる事になるから、天地の名所っぽい所も回ってみたいかな。

 いつもは大体狩りとかクエストのついでに見るくらいだったからねー、って別にそれが悪い訳じゃないんだけどね!

 

 他にも他にも、決闘記念チャレンジとか〈修羅の奈落〉ソロチャレンジとか少し前の負け越しだった野試合リベンジとかやりたい事はあるんだけど。

 

 何より今は――

 

 

 

「うん、やっぱりレベル上げだよね、レベル上げ……困った。宛てが外れたなぁ」

 

『マスター。闘技場に足を運んでおいてそれはないと我は思うのだが』

『ごしゅじんはいしが強いんだか弱いんだかわからないー……』

 

 そして、僕の従属モンスターなのにこの二人の遠慮の無さは最近どんどん増している気がしてならないよね……全く、誰に似たのだか。

 

 

 

 

 

 

 

 そんな訳で、僕は慶都に到着した後、習慣の様に道具屋、そして闘技場に寄り道していたのであった。

 まぁ、ここは冒険者ギルドや大広間に次いで情報が集まる所でもあるから、今回慶都に来た目的の一つは達成できたのは幸いという所だった。

 閑散としている闘技場を見るのは非常に珍しい。

 

 そのままついでとばかりに決闘に参加していこう、と思っても、残念ながら今日は飛び入りできそうな興行試合はやっていないとの事だった。

 <マスター>が増えて決闘参加人数も激増しているけれど……まぁ、今は流石に時期が悪かったかな。

 

 

 

 

 さて。

 予想以上に暇になってしまった。

 今日一日は慶都で時間を潰してまた明日から<遺跡>にチャレンジしてみようと思っていたけれど、これじゃ準備を終えてもまだかなり時間が余りそうな気がしてきた。

 

 こうなればもう、闘技場施設を借りて自主練でもするしかない。

 

 ――と、そう思っていたのだけれど。

 

 

 

 

 

「……おや、先日ぶりですね」

「あ、カシミヤだ。やっほー」

 

 慶都の闘技場に新たな客が現れる。それは僕の友人でもあるカシミヤだった。

 先日の【傾城九尾 ウォルヤファ】との死闘でも共に戦った、天地の強者(決闘ランカー)の一人でもある剣聖。

 

 ……そして、とある事情でそのカシミヤは、おそらくはある程度僕と目的が一緒である事は容易に推測できた。

 そりゃあ、()()を越えられたのならやる事は皆一緒だよね。

 ――――よし。

 

 

 

「そんな訳でカシミヤー……ちょっと一緒にレベリングしないっ?」

「どういう訳か分からないですが――いいですね。ええ、()()()()です」

 

 

 そんな訳で。

 此処から、僕とカシミヤのレベリングの旅が始まるのであった――――!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◇◇◇

 

 

 

 

12月21日(月)

 実はこの日記を書いているのは22日の夕方だったりする。眠くて眠くて仕方なかったんだよー……

 睡眠欲は人間の最大欲求とは良く言った物だよね。まぁ大体それまでの不養生が原因だったから反省しなきゃ。

 

 それも昨日……いや、一昨日からほぼ徹夜で凄く、すごーく長かった討伐作戦の後処理、報酬の授与や宴会や、その他諸々を完全に終わらせたからだッ!

 本当に長かったー……途中で聞き流して内職してて小突かれたりしたのもある意味笑える思い出、かな?

 それでも、将都で報酬授与して貰った時なんかは多分リアルのそういう式典と比べればまだ早かったみたいだし、デンドロ全体としても結構短め(略式)でやっていたみたいだけどね。

 それが僕らが<マスター>だからなのか、それとも天地だったからなのか、はたまた違う理由なのかは……僕が考える事ではないかな。

 

 まぁ、今回の討伐作戦に関するあれこれが終わったって言っても……それでも今回の事件が完全に解決した訳では、ないんだけどね!

 

 前日の日記にも少しだけ書いたけど、やはり今回の討伐対象――【傾城九尾 ウォルヤファ】が古代伝説級(エンシェントレジェンダリー)だと言うのは、どう考えてもおかしいと言うのは他の人も同意らしい。

 ……そんな訳で、大白宮が誇る【陰陽頭】の泰央さんや所属している【陰陽師】の方々、そして同盟相手である【巫女】達との合同占術、更には占いが行えるエンブリオなんかも同時に試してみたりしたんだけど――

 結果は予想通り。いや、予想以上の真っ黒だった。

 どうやらあの【ウォルヤファ】のそのまた上に黒幕が居るらしいという事が判明したのだ!

 

 ……まぁ、その事でもちょっと問題があるのだけど。

 ならば速攻でその黒幕を討伐せん、と逸ってもそれは叶わない。

 それと言うのも、その件の黒幕とやらは超級職である泰央さんを含めた合同占術や上級エンブリオによる占いによってすら朧げにしかその存在を掴む事が出来ず、居場所も詳細も把握できない程の隠蔽能力を持っているみたいだからだ。

 なんて面倒なっ!

 それでもある程度時間を掛けて人数を、魔力を集めて道具も整えて儀式をすればそれも突破できるだろうという見立てみたいだけど……うん。同盟相手である霧影領が壊滅してその救援や直後の討伐作戦等で現在進行形で大わらわな大白宮の大名の泰央さんにそんな余裕はないよね!

 ま、そうは言っても相手は天地の領地を二つも攻め滅ぼした怨敵とも言える。

 近い内に今度は万全を整えて占術を試行し――そして、間違いなくまた先日の様な、もしくはそれ以上の大規模討伐作戦になるだろうという事は、流布される事になった。

 勿論、それを手伝える様なエンブリオの<マスター>を多額の褒賞と共に募集をしながら。

 ……流石に僕の占術は無理だね。残念ー。

 

 ――それはそれとして、いやぁ楽しみだね! と少しだけ思ったのは内緒だよ。他の<マスター>の皆も同じ様な表情だったけど一応内緒だよ!

 でもティアンの人も結構な割合で似た様な感情出していたのはどーかと思うよね?

 

 

 ……あの【ウォルヤファ】ですら配下とする、黒幕。その戦力はまず間違いなく【ウォルヤファ】のそれを優に上回る事だろうね。

 つまり、その際の戦闘の激しさも、また然りという訳だ。

 ログアウトした後に軽く調べただけでも天地での戦闘用の消耗品や装備、<マスター>用の品々の相場が確実に値上がりしてきているのが見て取れるし、他の人達もやる気満々で全力で準備を始めているみたい。

 さて、Xデーが何時になるかはまだ分からないけど――これは漲るという物だよね!

 僕も、折角【アダムカドモン】が現段階での最上位と言われている第六形態に進化したのだから、此処で後れを取るなんて在り得ない。負けていられないっ!

 やる事、やれる事、やりたい事が目白押し。そういうのもこれはこれで訳もなくワクワクするのはなんでなんだろうね!?

 とは言っても、今週はまだ学校があるからログイン時間はあまり取れないんだけども。リアルの都合はうん、仕方ないよね

 

 ……後処理で時間を取られて睡眠時間を無くして、学校では意地で起きてたけど帰って直ぐ寝落ちして怒られた僕が言うんだから間違いない。

 勝も明日香もすっごく心配してたよねアレ……猛省しなきゃね。

 ここでも一応、ごめんなさいだよ……

 

 

 

 

 

 

 

12月22日(火)

 学校では今週末から始まる冬休みを待ち侘びて皆浮き足立っている今日この頃。

 まぁ、僕もその一人なんだけどねっ。僕もデンドロする時間がもっと欲しくなるとかもう立派な廃人だよねー。

 昨日は結局学校から帰ってからのログイン時間は取れなかったし、天地の他の人達と比べて出遅れた感が凄いからね。挽回していかなきゃ……

 というか間違いなく出遅れてるからね! 今日少し敷島君と話しただけでも分かる程に!

 これは負けられないっ。

 桑木さん達のグループも冬休みを契機にかなり精力的に活動する予定なんだとか。頑張れー!

 

 学校から帰ったら今日こそはとデンドロにログイン。

 今日から本格的に活動を始める……前に、一準備。

 【アダムカドモン】が第六形態に進化した事で《全主相応(オールド・アヴァター)》《全主恩寵(オールド・グレイス)》が2ずつ上がったから、新たにジョブを二つ取る事にしたんだよね。

 以前は候補に入れたけど取れなかったジョブも含めて、取った二つのジョブは――【開拓者】と【修行者】!

 

 【開拓者】は【冒険家】系統の派生下級職。

 《全主権限》がある僕だけど、それでも【冒険家】系統で習得できる汎用スキルは有用な物が非常に多いからね。派生職のどれかは就いておきたいなって前々から思ってたんだよね。

 そして、【開拓者】は数ある【冒険家】の派生職の中でも――戦闘に特化した【戦士】系統の真似事も出来る優れものだ。

 まぁ、当然の事ながら色々と【戦士】と比べてスキルレベルの限界が低かったりステータスもそこまでではなかったりとするけど、それでも汎用スキルと同時に習得できるなら良い選択なんじゃないかな、と僕は思っていたりする。

 何より、下級で、スキルレベルが低くても【戦士】や【闘士】みたいな各武器毎のスキルが習得できれば――僕ならそれらも有効活用できるのだから!

 

 【修行者】は友人だとモョモトなんかが就いてた物理系のステータス強化特化の下級職。

 実は今まであまり注目していなかったんだけど、モョモトなんかに聞いてみた所中々に相性が良さそうだという事が分かったんだよね。

 僕は他の<マスター>と違ってエンブリオに派手なスキルが……まぁ必殺スキルを除いてないから、ある意味で一番の武器であるステータスを非常に効率的に上げられるこのジョブはかなり、かなーり有用性が高い。

 そりゃステータス補正の高いモョモトも取るよね!

 レベル上げ中の制限とかも、僕にとっては無きが如き物!

 ステータスで圧倒すれば強力な固有スキルとか要らないと言う風潮もあるしね、正に僕にうってつけなんじゃないかな!?

 

 さて、そんな訳でまず当面の目的となるのは当然ながらレベル上げ……まぁ、基本は何処ぞのでかいモンスター狩りに励む事になると思う。

 近い内に来るであろう、新たなる決戦に備えて僕も強くなりたいと言うのがあるのは勿論、その作戦に向けて<マスター>・ティアンを問わない武芸者はモンスターの間引きを強く推奨されているからね。

 何と言っても、黒幕と称される標的は推定で【将軍】系統の様な配下を強化する事に特化した〈UBM〉だと目されているからね。ならば、これ(間引き)も一つの戦略、って事だね。

 …………まぁ、そんな戦略が流布されているのにも関わらず<修羅の奈落>に篭もっている<マスター>も結構多いんだけども!

 そりゃぁね? つい先日の戦いで多くの参加<マスター>に報酬で【許可証】が発行されたばかりだし、何は無くとも〈神造ダンジョン〉は経験値も戦利品も色々と美味しいからね。

 うん、そりゃ群がるよね!

 僕の方も【陰陽師】ギルドで教えて貰った天地中に点在している<遺跡>なんかにチャレンジする予定だけど、多分こっちの方がよっぽどマシだよねっ。

 ……マシだよね、多分!

 

 それはともかく、古の時代の<遺跡>の攻略。僕の力が、【アダムカドモン】の力が何処まで通用するか、実に楽しみだね。

 《全主相応》の耐性に加えて防具やアクセサリーで【麻痺】等のメジャー所や判明している範囲での想定される状態異常は対策しているし、保険も、回復手段も十分。

 広さ的に問題なければリンやイグニスにも頑張ってもらうつもりで――僕の持てる全てで以て挑戦するのだ!

 まず初めに挑むのは……【ラスリルビウム】と戦って、リンと出会ったあの<遺跡>、かな?

 あの時は【ラスリルビウム】が<遺跡>内のモンスターを排除してたみたいだけど、今はもうその前の状態に戻っているらしいし、良い試金石となると良いんだけどねー。

 

 

 

 

 

 

 

12月23日(水)

 今日は学校から帰ったら早速予定通り<遺跡>の攻略に移るよ!

 

 ……移るつもりだったんだけども。いや、実際にちゃんと行って可能な限り攻略して来たんだけども!

 予想以上に行ける所、探索できる所が少なくて、あと徘徊している<遺跡>産のモンスターも亜竜級以下が精々というレベルで余裕で瞬殺、結局デンドロ内時間で半日くらいで行ける所は探索完了しちゃったんだよね……

 

 これでも僕ももうそろそろAGIが10000の大台に届くかどうかと言う程には成長しているからね。

 【ラスリルビウム】と戦った時が懐かしい……多分今ではHP以外のステータスは全体的に【ラスリルビウム】よりも僕の方が高いくらいだよっ。

 ……いや、まぁ今の僕でも苦戦するレベルの純竜級のやっばいガードロボットが多数徘徊とかしてたら多分【ラスリルビウム】じゃかなり相性悪かっただろうけどね?

 別に何もおかしくはない、おかしくはないんだけど……あの<遺跡>には正直【ラスリルビウム】との死闘のイメージが強かったからこう、なんとなく不思議な気持ちになるんだよっ!

 機械的なトラップは結構あったし、多分<遺跡>のモンスター達の実力と比べて難易度もそこそこ高かったけども……それでも<修羅の奈落>よりも幾らかイージー。

 <修羅の奈落>で鍛えていたり感知スキルの活躍もあって一度もまともに喰らわなかったね……

 

 …………さて。そんな愚痴はともかく、物足りない気分はあっても収穫が全くなかったという訳ではない。

 ちょっとした資料だとか、僕にはちょっと何に使うのか分からない部品とか生産素材とかをかっぱらってきたのだ!

 まぁ、どれくらいの儲けになるかは僕じゃちょっと分からないから次にコテツと合流する時までアイテムボックスに眠らせておくだけなんだけどねー。

 コテツや他の“組織”の人達で考察クラン染みた事もやってるから結構良い値で引き取ってくれるとは思うんだけど。

 

 ……あ、後トラップのレーザーガンとか、<遺跡>の機構の武器とかもちょっと回収してみた。

 同じ様に僕が持ってるだけじゃ絶対何の意味もないけど、コテツなら天地の各地の鍛冶屋とか有力クランの幾つかにも伝手があるみたいだし、再現できたりしないかなー?

 ……流石にドライフまで行かなきゃ厳しいかな? ダメだったらアスカに頼まないとね。

 

 

 今日行った<遺跡>についてはそんな所。で、予定よりもかなり速く大白宮に戻ってきたから、次の遺跡だー! とばかりにイグニスに乗って慶都までひとっ飛びする事に。

 地味に慶都に足を運ぶのは久しぶりだったから街を、大通りを、闘技場を見て回っていたら――カシミヤと先日の作戦ぶりにばったり出くわした。

 お互いに索敵系の能力は充実しているから、ああやって偶然ばったり会うのは珍しくてちょっとおかしかった。

 闘技場に居る事自体は全くおかしくないのにね!

 急いでいる訳ではないし、むしろ時間には余裕があるくらいだったから少し雑談してたんだけど……まぁ、ある程度予想はしていたけど、どうやらカシミヤの目的も僕と同じ(レベル上げ)みたい。

 折角の奇縁なのでまたいつかみたいに組んで天地巡りとモンスター狩りに精を出す事になった、ひゃっほう!

 ちなみに、カシミヤはまた以前と同じ様に天地を巡って人斬りでレベルを上げるつもりだったらしい、カシミヤ……

 いやまぁ、今の天地の状況からすればどの<マスター>も活発に動いているだろうし、それもアリなのかもしれないけど、あまりにもカシミヤらし過ぎるよ!

 

 そんな訳で、明日の学校から帰った後はカシミヤと共に<遺跡>巡りへ! 腕が鳴るね!

 流石に今日直ぐに行ける程の時間は余っていなかったからねー。

 行く予定の<遺跡>は――

 慶都から馬で半日程の距離。……まぁ僕らの速度(AGI)なら一時間くらいで到着するかな?

 評判ではモンスターが溢れ出して来たりはしない、外部への危険度は少ないけど<遺跡>内部の難易度はかなり高いんだって。

 まぁ、大都市である慶都に近い<遺跡>で未だに生き残っているのだから、そりゃそうだよねっ。

 さて、どんな強敵が待ち受けているのか――!

 

 

 

 ガチャ:

 E 【MP回復ポーションLv6】

 F 【石炭】

 C 【囚人服】

 

 囚人服の意外な値段にビックリだよ……

 

 

 

To Be Continued…………

 




ステータスが更新されました――――

 《耐久強化》:パッシブスキル
 【修行者】等で習得できるジョブスキル。
 自身のHPの最大値とHPの自動回復速度、傷痍系状態異常に対する耐性をスキルレベルに応じて強化する。

 《探索》:パッシブスキル。
 【冒険者】系統や【斥候】系統で習得できる汎用スキル。
 スキルレベルに応じて隠蔽系スキルで隠された物を看破しやすくする。
 また、見つけ辛い物や探している物を視界の範囲内に限り見つけやすくするセンススキルでもある。
 

 何時になく遅れてしまい申し訳ありません。言い訳はしませぬ……
 と、前置きをしつつ新章開始です。
 随分長くなった天地編も今章でラスト……の予定です!
 どうか今章もよろしくお願いします!

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