無限の世界のプレイ日記   作:黒矢

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前回のあらすじ:大体天災児のせい

それでは本編をどうぞ!


第六十話 夢相・一報

■?????

 

 

 

 ――許さない。

 

 ――認めない。

 

 ――――絶対に、許してなるものか――――!!

 

 

 私は、何度でも思い返す。

 忘れようにも、忘れたくとも、忘れられる訳がない。

 幾千年、幾万年経とうとも、風化させてなるものか。

 且つての、在りし日の友と、仲間達と過ごした日々を。

 決して忘れられぬ、屈辱と憤怒に塗れし日の事を。

 ――仲間達を、友を喪ったあの大敗と絶望の日の事を――

 

 

 

 

 ――かの時代。

 後に、先々期文明と呼ばれる事になるその黎明期。

 ()だからこそ思う――あの時代には、きっと、全てが在ったのだ。

 

 <終焉>を斃し、特殊超級職が共に手を取り揃い踏みし、遍くジョブの深奥を解き明かした。

 文明は発展し、一部の古龍の他にモンスター(非人間範疇生物)に恐れる物は無くなり、人々は自然の恵みすらも己が物とした。

 

 <アーキタイプ・システム>の根幹にはまるで触れられず、管理者からも見放され、国家間での戦争こそ無くなっていなかった。

 貧富の差は変わらずあり、規格外(超級職)による搾取もあり、他者を陥れる者が、悪人が居なかったという訳ではない。

 ――だが、それでも尚、あの時代の者は、あの時代を生きた()は恵まれていたと、そう思う。

 

 

 

 ――――そして、少なくともあの時代の者らが、()()()()理不尽な最期を迎えさせられる謂れがあったなどとは、例え“神”がそれを認めても、私はそれを絶対に認めるつもりはない。

 

 そう、彼奴等、理不尽の権化――“化身”共がこの地にやってきたのは、<終焉>を打ち倒し、これから世界が更に発展するであろうと言う、その時であった。

 あの異様を誇る異大陸船より現れた、超常の――この世界における規格外である超級職が束になっても全く痛痒を与えられず、発展した兵器の斉射すらも無意味であり、世界の頂点である筈の古龍すらも戦うという選択を放棄する程の怪物達。

 

 ……<終焉>を斃し、世界を救った我が友達、特殊超級職をすらも、虫けらであるかの様に鏖殺にした、奴らの事だけは…………!!

 

 

 ――あの年若き正義感に満ち溢れた【聖剣王】は、彼の兄貴分であり、<終焉>との戦いで倒れた【勇者】の姿をした人形を無数に引き連れた“冒涜の化身”に怒り猛り狂い突出し、その隙を“秒針の化身”によりその身体を上下に斬断された。

 

 ――あの皆に頼られる知恵袋だった【先導者】は、最初に“進化の化身”と相対した際にその潜在能力を感じ取ってしまい発狂しながらも、即座に皆を連れて離脱しようとして、“鳥籠の化身”に捉えられ行方知れずになってしまった。

 

 ――あの豪快で多趣味でありながら割と話の合った【宝皇】は、彼が溜め込んだ数多の財宝(マジックアイテム)に、私が開発した幾つもの道具や兵装を加え前線で皆を鼓舞していたが、その財の全てを“天秤の化身”に塵屑へと変えられ、抵抗する事も逃げる事も叶わぬまま共に戦った幾万の仲間ごと“万死の化身”の能力により鏖殺にされた。

 

 ――あの奔放でムードメーカーであった華やかな【妖精女王】は、自然を、妖精を、数多の部族を味方にして“化身”の侵攻を食い止めていたが、“自然の化身”により己が頼りにする全てを死と砂漠に変えられ絶望し果てた。

 

 ――あの心優しく常に人々の安寧を願っていた【聖女】は、あの<終焉>の時でさえ無かった程の世界中で増え続ける死傷者を前に休む間もなくずっと人々の治療に奔走し……私達の見て居ない間に、いつの間にか“夢遊の化身”によってその精神を“誰も傷つかぬ理想郷”とやらに連れ去られてしまい、終ぞその心が現実に戻る事はなくなった。

 

 ――あの知略とカリスマを兼ね揃えた美貌の【征夷大将軍】は、この逆境の中でも私と共に“化身”に対する一大反攻作戦を立案し、秘密裏に世界中の戦闘系の超級職(規格外)を纏め上げ、実に五百に達するかと言う程の超級職を集め隠密裏に作戦を開始……しようとするも、その企てを全て“左右の化身”に見抜かれ、超級職の軍団ごと待ち伏せしていた“石臼の化身”のただ一撃によって潰されてしまった。

 

 ――そして、我が友であり、理解者でもあった、最後に残った特殊超級職である【機皇】。

 最も私が作った兵器との相性が良い特殊超級職であり、それが合わさった彼は広域制圧・殲滅能力において、正に他者の追随を許さぬ“最強”であった。

 ――――その彼であっても、尚、“化身”には手も足も出なかった。

 数多展開される兵器も、残された民達による決死の抵抗も、彼奴等、天を覆い尽くす“武装の化身”の、この世の全てを遥か広大な海すら呑み込まんとする“黒渦の化身”の、その総身で以て大陸中を埋め尽くさんばかりの増殖を行う“獣の化身”の前では……児戯のような物だったから。

 国中の力を、対“化身”用に開発した私の兵器を束ねても……あの“化身”達には及ばなかった。

 

 そうして、無念の中最後の特殊超級職であった【機皇】も斃れ……そうして、後に先々期文明時代と呼ばれる時代は決定的な敗北を迎えた。

 都市と言う都市が破壊尽くされ、命と言う命が奪い尽くされ、残された物は地中や海中に怯え潜む様に残された幾つかの施設だけ。

 文明の、文化の、そして人命の再建に一体どれほど膨大な月日が必要となるだろうか。

 

 ――そもそも、この世界を再びあの“化身”達から取り戻す事が出来るのだろうか。

 

 そう自分の中の弱気が囁く度に、()()()()

 

 

 

 

 

 ――――許さない

 

 

 ――――認めない

 

 

 

 ――――絶対に――私は、化身を滅ぼして見せるのだ――!!!

 

 ――――例え、何を犠牲にしてでも――絶対に――!!

 

 

 この憎悪が、最早狂気と妄執に染まった産物だと言うのは理解している。

 今の私はそれでも構わないと思っているし、実際に()()()()やってやるつもりだ。

 

 願わくば。

 この先の未来に、どうか私の悲願が達成されている事を、最早僅かな期待すらできない“神”に祈るばかりだ――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◆◇

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

□<忍者の里>仮設テント 【求道者】ジーニアス

 

 

「…………っとー?」

 

 ()()()記憶を垣間見て、僕は起床した。

 ……目を覚ましたのは、未だ復興支援クエストの真っ最中の霧影領、その中に幾つも設置された簡易テントの中だ。

 こっち(デンドロ)の世界で睡眠を取る事自体はそう珍しくは無かったけど、さて、あの様な()を見るのは初めてだった為、ちょっと面食らってしまった。

 まぁ、尤も僕は現実世界の方でもそんなに夢を見る方ではないのだけど――

 

『ごしゅじん、おはようー。なにかあったのー?』

「あ、リン。おはよう! ……うーん、ちょっと夢見が悪かったと言うか何と言うか?」

 

 起床と同時に反応したのは【ジュエル】の中のリンだ。

 どうやら、今の僕の反応で珍しくも気を使わせてしまったらしい。

 

 いけないいけない。

 特に何処が悪いと言う訳でもないのだから、元気な姿を見せて上げないと。

 ……まぁ、リンは割と直観で話したりするから小細工を弄する必要は色んな意味で全くないんだけど。

 

『ゆめー。夢の妖精さまならなんとかできるかもー? た、たぶん』

「いや、本当そんな大事じゃないんだけどって何かそっちの方が気になるけど!?」

 

 え、この世界そんなすっごいファンタジーっぽい妖精も居たの!? めっちゃ初耳なんだけど!?

 ――よし、少し落ち着こう。Koolになるんだジーニアス。今日もこれから復興作業に従事する一日だっ。

 

 一瞬で簡単な自己暗示を完了し、思考を整えて……再び【ジュエル】の中のリンに向き直る。 

 

「うん、本当に心配しないで大丈夫だよ。ちゃんと今の夢見の原因も推測できたし、長引く何かでもないみたいだしねー」

『ならいいんだけどー。……ところで、げんいんって何だったのかなー?』

 

 

「それは――そうだね。ちょっとした混線、かな?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◇◇◇

 

 

 

 

 

1月13日(水)

 今日は早速だけど、授業が始まった学校での事ー……桑木さんと冬休み中の事について話してたら急に「冬休み中、少しくらいは連絡してきなさいな!」って怒られた。

 いきなりなんでさーって思ってたら、なんでも冬休み中に僕らの学校の高学年を中心としたデンドロプレイヤー達のグループチャットみたいな物が開催されていたみたい。

 何それ全く知らなかったんだけどどういう事ー!? すっごく参加したかったんだけど!?

 どうやら桑木さん達の方も今年度から転校(厳密にいうと転校ではないんだけど)してきた、何か事情がありそうな(実際に凄く色々あるんだけど)僕に色々と配慮しようとしてくれていたから向こうから連絡できなかったみたいなんだけど――

 うんまぁ、懸念が全くの的外れっていう訳でもないし仕方がないんだけどそこは素直に誘って欲しかったっ。

 何とかそのチャットのアドレスは教えて貰ったけど、今から既に出来上がっている輪の中に入れるかなぁ……

 …………実際に入ってみるのは明日からにしよう、そうしよう!

 

 さて、学校から帰って来てからは今日もデンドロにログイン!

 今日からは予定通り忍びの里の復興支援クエストに全力で参加するよ!

 ――のは良いんだけど、その前に。

 昨日は移動で慌ただしくてできてなかったんだけど、改めて今日コテツに預けていた素材や武具を渡される事に。

 

 うん、実は結構前から……冬休みに入る前、あの前回の討伐作戦の直後くらいからメインウェポンや素材はコテツに渡して補修をお願いしていたんだよね。

 僕はあれらの武器が無くてもガチャで適当に当てた武器でも十分に戦えるし、というか【ラスリルビウム】があるから普通に魔法火力として十分以上の働きはできるし、実際にしていたのだけど――

 ふっふっふ、ようやくこれでジーニアス完全体だね! 

 コテツも凄く腕を上げているみたいで、補修だけではなく割と前に手に入れた武具なんかは多少ではあるけど性能を増しているのまである。

 

 そして……ほぼ新たに作って貰った武器も。

 こっちはあっちの世界の鍛冶の師匠? 的な人に頼んで作って貰ったのだとか。

 《シュートアロー》用に特化した短剣等の細々とした物もあるけど、メインは二本の剣。

 その名も――【斜陽の竜王剣】と【影侵・新月】!

 

 【斜陽の竜王剣】はあの【黒竜王 ドラグシュバルツ】……の、抜け殻。つまり【黒竜王の抜け殻】と【ヒヒイロカネ(神話級金属)】をベースに作られたバスタードソードだ。

 装飾も碌にないのに刀身を黒紅色で染めた凄い綺麗な剣でもあるんだけど――これは性能も凄まじい物。

 何と装備スキルに《破損耐性》Lv8に加えて《自動修復》を持ち、特典武具ばりの耐久力を持っているのに更に《竜王剣》によって、MPを消費して刀身にのみ攻撃強化に限定された《竜王気》を展開するスキルまで持っているのだ!

 燃費はよろしくないから常用はできないけど、切り札を兼ね揃えた品としては最上の品じゃないかな!?

 装備攻撃力も素材がどっちも最高な物だというのもあって今までの武器と比べて格段と向上しているから、普段使いとしてもパーフェクトな仕上がり。

 特殊性は別にないけど基本性能の権化。シンプルイズベストとは正にこの事だね!

 

 もう一本、【影侵・新月】は僕がコテツに預けた【十六夜】をベースにガチャで出した【邪神の心臓(偽)】を使って強化してできた刀だ。

 あのアイテムを使うのに普通の武器を使うのにも新しく作るのにも不適格だったから、元々闇属性を付与されていた【十六夜】を用いる事になったんだとか。

 全くの別アイテムになっているとは……見た目はあまり変わってないんだけど。

 

 新しい武器が黒い刀剣で被っちゃったけどそれはともかく。こっちはむしろ、特殊性に全振りしたかの様な性能だ。

 元々付与された闇属性魔法によって斬り付けた相手のHPを更に減らす装備スキルがあったのだけど――なんとそれが呪いにまで進化(?)していたんだよね。

 その名も【貪食】。これで攻撃した相手の全てを――とまでは言わないけど、HP・SP・MPを【十六夜】の時とは比にならないレベルで()()する代物。

 吸収、と言っても別にその分僕が回復する訳じゃなくて、なんとこの【新月】の耐久値(HP)的な何かを回復させるのだとか。

 しかもどうやらそれで減らした分に比例してその相手から得られる経験値や戦利品の量まで減らしているみたい……って本当に全て吸収してんじゃないのこれ、どうなの!?

 それがあるから分類として呪いになっているんだろうけど、うん。これはあまり使えないね……

 それでも、【十六夜】の質自体はそこまでではないのに【竜王剣】に一歩劣る程度の攻撃力にこの装備スキルは脅威の一言……やっぱあの【邪神の心臓(偽)】ってヤバい奴だったんじゃないかな!

 こうして武器になった以上、僕の為にこき使わせて貰うけどね!

 

 どちらの武器も、特典武具やアームズ系統のエンブリオを含まなければ間違いなく最上級の代物。

 正直、値段とかちょっと付けられないレベルの業物達だ。

 このレベルの武具を持っている人は多分、<マスター>の中ではまだ殆ど居ないんじゃないかなって確信できるくらいには。

 その事について誇らしい気持ちも勿論あるんだけど、基礎の素材(【ヒヒイロカネ】)はコテツの物だし、他の素材だって大体運が良かったから手に入った様な素材ばかりだから自惚れられないよねっていう。

 むしろ、この武具達に見合う様に精進を忘れない様にしないと、ね!

 ……それと、コテツに対するお返しもね。さて、何がいいかなーっと!

 

 あ、そういえば忘れる所だったんだけど、先日ガチャで出した【水晶之賢鏡】もコテツに渡そう――としたんだけど、(ジーニアス)が使った方がいいって断られちゃった。

 確かに、装備補正も優秀だし、無駄がない訳じゃないけど僕でも有効に使えるのは既に実証済みだけど。

 それでも、やっぱり生産職のコテツが使った方が、と思ったんだけど。

 なんでも、コテツとしては――と言うより【鍛冶師】としては微妙ーに欲しい所にズレているんだとか。

 ふむふむ……ふーむ? せ、生産の事は良く分からない……っ!

 まぁ、僕の頭装備も空いてたし結局僕が使うと言う事に落ち着いたんだけどね。

 新しい武器達とは違って、自動で直ったりはしないから扱いには気を付けないとね。

 

 ……ちなみに、地味に期待していた【霊樹の械枝】はコテツは勿論、その師匠の人にもそう簡単に手を出すのは無理なんだって。がーん。

 どうやら、その人のそれや天地の鍛冶技術が不足しているという訳ではなく、ただ天地の鍛冶技術との相性の問題らしく、【霊樹の械枝】を使って作ろうとしても仕込み杖や鞘みたいな物しか作れないんだとか。

 ……いや、仕込み杖いいじゃん。

 僕好きだよそういうの――! とは思うけどそれはさておきっ。

 鍛冶師としてはこの素材をそんな事に使うのは許せないんだとか……ぐぬぬ。

 この素材を、この量を正しく使いたいならそれこそドライフかレジェンダリアで伝手を探った方が良いんだって。

 どっちも世界地図の反対側だぁー……

 

 ……まぁ、どうするかはともかく、結局【霊樹の械枝】はまたコテツのアイテムボックスに死蔵される事になったとさ。

 ドライフには明日香も居るし、そっちで頼む線が一番、かなー?

 この量の木材(?)ならグランバロアで小型の木造船にも出来そうだなと密かに思ってるんだけど、まぁその時の気分次第って事にしておこう。

 

 さて、そんな感じで今日は新装備のお披露目と試し斬り目当てで里周囲の間引きをしていたんだけど――

 最後にちょっと気になる事を一つ。

 ……この新装備達もジェーンさんのクロで複製できないか試してみたんだけど。

 結果としてどれも今は複製できそうにない、って事になったんだけど……

 なんとクロの感覚では一応〈UBM〉由来の素材と神話級金属により作られた【斜陽の竜王剣】よりも。

 ガチャから出てきた、桁違いな莫大な魔力量とリソースを持つ【霊樹の械枝】よりも。

 それらよりも、尚普通の魔法の武器とガチャでAランクから出た素材で作られた【影侵・新月】の方がまるで複製できる気がしない、らしいんだよね。

 ガチャでSランクだった【水晶之賢鏡】はリソース量が莫大ではあれど、やろうと思えば複製できるみたいなのに、こっちはどれだけリソースがあっても複製できる気がしないとか……うーん、これはいつか詳細に検証してみたいね!

 特典武具やエンブリオと違って《鑑定眼》は出来るんだから、解析できないって事はない筈なんだけど……?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

1月14日(木)

 今日は思い切って、学校から帰った後例のグループチャットに参加するよ!

 ……先月の討伐作戦に赴く時とか、決闘の時よりも何倍も緊張したけど、うん、多分概ね問題なく過ごせたんじゃないかなって思う。

 

 そのグループチャットだけど、予想以上に雰囲気は緩い物だったからね。

 人数は総勢で34人、結構な大所帯だけどその中でも半数以上が殆ど街から出ないで気ままにクエストとか生産とかを楽しむ非戦闘系エンジョイ勢だったってのもあるし。

 残りも街から出るとしても弱いモンスターしか居ない場所にしか行かなかったりする人が半分だったりと、まともに戦闘する人は2割居るか居ないか……

 正直、デンドロだと街中だろうと初心者狩場だろうと何らかの事件に巻き込まれる時はあると思うんだけどそれはともかく。

 ……うん、明日香とか勝に言われて気付いたんだけど、小学生っていくらデンドロとかゲームやっている子でも大体そんな感じでガチで戦闘やる子は居ないんだって。

 ガーンだよ……ガーンだよ!

 まぁ、薄々とは気付いてたけどね! VRでビビってやめる子が多かった時点で!

 

 チャットの内容もどんなクエストが面白かったか、とか綺麗な景色のスクリーンショットとか、製作品を大失敗して変なのができたー、みたいなほのぼのとした内容ばかりで、なんというか……

 和やかな気持ちにはなるんだよ。

 なるんだけど……こう、僕的には刺激が足りないと感じてしまうっ!

 カシミヤとかに毒されているのかも――いや、どう考えてもこれは僕の素だね!?

 同じ学校の子達とここまで意識の差があるなんて――いや、まぁこれも気付いてはいたんだけどね。

 そんな感じで、少し悲しみを感じたけどもこれから毎日一応チェックしておくとしようっ。

 桑木さんのグループとか、戦闘系で遊んでいる子が居ない訳じゃないしね!

 

 さて、デンドロでは今日も今日とて忍者の里の復興支援クエストを続けてるよ。

 ……とは言っても、その進捗はちょっとコメントに困るんだけどね。

 

 復興が進んでいない、という訳ではなくて、クエストに参加している多くの<マスター>達の協力もあるし、確実に少しずつ前には進んでいる。

 ……でも、その作業量と最終目標(復興完了)までの道のりの遠さはやっぱり並大抵の物では無い。

 クエスト難易度:10は伊達じゃないよね……

 僕は今日は《影分身の術》を使って土木作業を凄い効率で終わらせてたけど、やっぱりまだ瓦礫の撤去や修復が困難と思われる建物の撤去も完全には終わらせられない。

 やっている途中で地属性魔法が使えるカインとイーズが居れば凄く早く終わるんじゃ!? って思ったけどフレンドリストを見たら二人共南朱門の方に居るみたいで、通信魔法も届かなかった。

 残念……

 ちなみに、コテツとジェーンさんは資材の確保に真面目に凄く貢献していた。

 やっぱりこういうクエストだと生産系は強い!

 ……僕だとスキルによるサポートなしだから、多分教えて貰いながら日曜大工っぽい何かくらいしか出来ないからね!

 

 そういえば、そんな感じで復興支援クエストを進める日々でふと思ったんだけど……何か忍者の里、ティアンの人が前見た時より凄く多いんだけど。

 これ絶対各地に散ってた“草”の人達だよね。やっぱり忍者はきたない……

 

 ――という冗談はともかく、明日もクエスト頑張るぞー!

 少しずつ確実に、だね!

 

 

 メモ:

 テントの中だからじゃないけど、デンドロ内ではっきりと夢を見たのは初めてだった。

 何処と混線したのかな、あれは。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

1月15日(金) 

 掲示板とかを見て思い出したんだけど、今日はなんと<Infinite Dendrogram>がサービス開始してから丁度6か月、つまり半年の日だったのだ!

 ……だからと言って公式イベントは何もないんだけどね!

 そりゃ年末年始付近は珍しくイベント多かったから仕方ないかもしれないけど、少しくらい何かあっても良かったんじゃないかな管理AI(運営)ー!

 

 ――まぁ、ある意味僕らにとってはどでかいイベントが待っていたんだけども。

 

 今日は金曜日だから、学校から帰ってきて夕飯とか宿題とか諸々済ませた後はがっつり復興支援クエスト頑張るぞーって気合いを入れて参加!

 ……参加していて、昨日までと同じ様に張り切っていたんだけど。

 リアルで日付が変わる頃辺りだったかな、忍者の里に――いや、おそらく天地中の領地に速報である一報が入ったのだ。

 「協力者の尽力により敵勢力を補足せり。それと同時に敵勢力、行動を――進軍を開始する気配あり」

 「敵勢力の戦力――【征夷大将軍】により最大限の脅威であると認定。この迎撃の為に腕に覚えのある者は即座に将都まで来られたし」

 

 ――つまり、そう。待ちに待った決戦の時だ!

 すっかり音沙汰がなかったから、復興支援クエストが終わるまでに来なかったら次は諸国を旅する為の旅支度でも始めようかと思っていたくらいだよっ 

 ……うん、やっぱり憂いは濯いでから天地は発ちたかったからね。

 

 流石にこの一報を受けては絶賛復興支援クエストを受けていた他の<マスター>の人達も、いやティアンの人達も含めて皆に衝撃が走る事になった。

 そりゃ、この復興をする事になった元凶の頭が相手なのだから、あらゆる意味で衝撃が走らない訳がないよね。

 脅威であり、恐怖であり、怨敵であり、仇敵であり――そして、獲物でもあるのだから。

 それでも、その相手に対してすぐに動ける者と言うのはそう多くはない。

 何せ、この天地のトップである【征夷大将軍】をしてあれ程に評する程の相手なのだからそれも当然。

 先日の惨劇も激闘も未だ記憶に新しく、相手は最低でも神話級の〈UBM〉。

 そりゃぁ武芸者の中でも最上位に位置する者か、或いはそんな勘定をしないでも生き抜いて勝ち抜いてきたうつけ者でもないと即断なんて出来ないって思う。

 

 ――まぁ、<マスター>はまた少し事情が違うんだけどね。

 そんな訳で、僕ら三人も直ぐに合流して集まって作戦会議をする事に相成ったのだっ。

 とりあえず、僕個人としては絶対参加するつもり。

 先日の戦いだって頑張ったんだし、これでも十分僕は強いって思っているからね!

 ……僕はそれで良いんだけど、二人は基本戦闘職じゃないからね。

 付いてきて支援してー、なんて流石の僕でも言えないよ。

 ――結局話し合いの結果何故かここでかなり支援貰ってから行く事になったんだけど。

 コテツは何処であんな口車を覚えたんだろうね……これもきっと“組織”のせいだね、うん。

 支援を貰ってから、って言っても装備はもう新調したばかりだからジェーンさんのクロで必要な【符】を幾つか――まぁ、何十枚か複製して貰ったくらいだけど。

 ……こ、これくらいは良いよね? 例のお金払ったのは僕だし……!

 

 ――さて、それで準備はほぼほぼ万端。いざ、参らん将都へ――ってね!

 最後に、書き忘れない様に……ギリギリだったけど。

 あの一報が届く少し前にイグニスが進化したのだ、やったー! 間に合って良かったっ。

 ……決戦の場に出せるかどうかは状況次第だけど、【爆炎純竜(エクスプロージブ・ドラゴン)】になったイグニスも格好良いからまた良し!

 これからもよろしくね!

 

 

To Be Continued…………

 




ステータスが更新されました――――

爆炎純竜(エクスプロージブ・ドラゴン)】:
種族:ドラゴン
クラス:純竜級
備考:【火炎亜竜(フレイム・デミドラゴン)】から進化した純竜級のドラゴン。
 天竜種の中でもポピュラーな火竜の進化の派生の一つ。
 その中でも特に火力(MP)に特化した物。
 身体的ステータスは【火炎純竜(フレイム・ドラゴン)】と比べて劣るが、その分圧倒的な魔力と《火炎適性》を誇り、その口から吐き出すブレスは、扱う炎魔法は全てを灰塵と化すだろう。

 イグニスの場合は一般的な【爆炎純竜】よりも尚ステータスが特化されており、物理ステータスはドラゴンの面目躍如としてギリギリ平均すれば純竜級の基準を満たす程度。
 体長も一回り程度小さく、他のドラゴンと比べれば頼りない印象がない訳ではないが、それでもドラゴンはドラゴン。
 他のモンスターとは一線を画す巨大さと迫力を持っている。
 魔法に関してはジーニアスと一緒に新しい魔法に挑戦中の様だ。



 ……はい、今話もご覧いただきありがとうございました!
 強化回にして趣味全開捏造全開の回にして今章クライマックス前最後の話でした。
 後はいつも通りクライマックスを頑張るだけです。頑張っていきたいと思います。
 それでは、次話以降もよろしくお願いします!


 
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