前世は管理局員だったけど、今世は安全に生きたい   作:落日

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初投稿です。
アドバイス等を頂けると幸いです。


~原作前~
死んだら産まれました


リウス・ミラーは管理局員だ。

親とは違い、魔力量に恵まれる事は無かったが、それでも腐らず生き続けた。

努力に努力を重ね、やっと掴み取った「災害担当課 特別救助隊 隊員」の地位。

決して楽な仕事ではなく、体や顔には、幾つもの傷が出来た。

そんなリウスに友人が言う。

 

「犯罪者みたいだ」

 

心を抉られたリウスだが、しかしこれも名誉の傷と思う事で乗り切った。

 

そんな日々に終わりを告げられたのは、任務中の事だった。

病院内で火事があり、取り残された患者達の救出作戦に赴いていたリウスは、病室に囚われたまま身動きが出来ない患者を発見し、脱出を試みた。

だがその時、天井が崩落を始め、患者を庇ったリウスは瓦礫の下敷きとなった。

その後、他の隊員が救助したが、リウスの意識が戻る事はなかった。

 

後日、新聞にはリウスの名前が載っていた。

 

『最期まで命を救った英雄

 

時空管理局 災害担当課 特別救助隊 隊員 リウス・ミラー二等陸尉(26)が殉職した。

昨日、○○病院で大規模火災があり、取り残された患者の救出作戦中の事であった。

 

リウス・ミラー二等陸尉は、その命を散らしてなお、救出中の患者を庇う様に倒れていた。』

 

そうしてリウス・ミラーの生涯は終わった。

 

...そう。

リウス・ミラーの生涯『は』。

 

 

 

 

(何なんだろうね...)

 

リウスは...いや、『元』リウス・ミラーは床に座り、ボケっとしていた。

長いようで短かった彼女の生涯は、一旦幕を閉じた。

だが、すぐ再開することとなった。

新しく、1から。

 

「姉さん?どうしたの?」

 

そんな彼女に、少女が声をかける。

『姉』という言葉通り、今度の人生では妹が出来た。

 

「ん...ちょっと考え事...」

 

前世の事を考えていた...など言えるはずもなく、当たり障りのない答えを出していた。

 

「一葉~、二葉〜、ご飯よ〜。」

 

「「はーい。」」

 

折り良く夕飯の時間になった。

二人は階段を下り、食卓につく。

 

「明日は入学式ね〜。お友達、沢山出来ると良いわね。一葉。」

 

「うん!」

 

一葉と呼ばれた少女は笑顔で頷いた。

 

「二葉もね。」

 

「うん。」

 

二葉と呼ばれた少女も、微笑みながら頷いた。

 

「しかし、もう小学生か...」

「違うよ父さん。やっとだよ。」

「そうだよ!すごく長かったよ!」

「フフ。」

 

暖かい雰囲気のまま、時間は進んでいった。

 

そして夜、二人は別々のベッドで寝るところだった。

 

「...姉さん...」

 

「あー...ごめん。先に私から言っていい?」

 

「あっ、うん。いいよ。」

 

暫し悩むように唸り、口を開いた。

 

「一葉、小学校に入っても私を姉さんって言うの?」

 

一葉と二葉。

普通に考えれば、一葉が姉で、二葉が妹だ。

しかし、この二人は何故か逆転してしまっている。

何故か。

単純な理由だった。

 

「...だって二葉の方が姉っぽいもん。」

 

二人は双子として産まれた。

ただし、二卵性双生児だから似てはいないが。

生まれた順は名前の通り。

だが、落ち着いた言動をする(実質30歳故に)二葉を、一葉は次第に姉と認識しつつあった。

 

「うーん...まぁいいか...別に。」

 

「うん...で、さぁ...」

 

 

 

「本当に魔法の使い方、教えてくれるんだよね?」

 

事の発端は何気ない事だった。

当時幼稚園児だった一葉は二葉に『私、実は魔法使いなんだ』と告白した。

その頃になると二葉も、ミッドチルダでの常識を捨てて日本の常識で生きていた。

二葉はそれを子供の妄想だと思っていた。

よくある、将来の夢がアニメキャラだったりするアレだ。

そう思っていたからこそ二葉も『実は私もなんだー』と軽い気持ちで答えた。

一方、一葉はその答えに食いついた。

本当なのか、使ったことはあるのか、等いろいろ聞いた。

そして二葉は見事に調子に乗って披露し、現在に至る。

 

「...約束したもんね。小学校に入学したら教えるって。」

 

「うん。」

 

その約束をした時、二葉は内心焦りまくりだった。

そもそもリンカーコアが無いと無理だからだ。

日本で...いや、地球規模で見ても、リンカーコア所持者は稀だ。

だからまず二葉は、一葉の魔力量を見ることにした。

結論から言うと、何の問題もなかった。

と言うより、二葉の方が嫉妬しかけた。

なぜ今まで気付かなかったのか不思議な程の魔力を、一葉は所持していた。

こうなっては断りようもなく、二葉は魔法を教えることにした。

ただ、小学校に入学してからという条件をつけたが。

それに関しては、特に意味も意図も無かったが。

だが一葉はブンブンと縦に頭を振った。

 

「じゃあ、いつかr「明日から!」...まぁ、そうだよね...」

 

二葉も予想していたが、いざ現実になると苦笑いをしてしまう。

 

「...じゃ、明日入学式が終わったら、この近くの公園に来て。」

 

「っ!うん!」

 

へへへと笑い、一葉は布団を被った。

二葉としては、もう魔法関連(と言うよりは管理局関連)は懲り懲りなのだが、教えるだけなら別に良いのかもしれない、と思い始めていた。




※分かりづらかったら

主人公…リウス・ミラー → 二葉

主人公は本当は妹なのに、本来の姉が主人公の事を姉と呼んでいる。
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