ハイスクールD×D ナインテイル   作:Wisadm

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急転校のナインテイル
日常、無くなりました!


僕のいる孤児院にその日、家族連れの3人家族がやってきた。

その子の親は奥の部屋へ、その子は孤児院のみんなと遊んでた。

僕はそれを遠くから、ただ、眺めてたんだけど…

 

「――ねぇ、君は何してるの?一緒に遊ぼうよ?」

 

そんな感じのことを、その少年は僕に言う。

 

「僕はいいよ。1人の方が落ち着くんだ。遊ぶなら他の子を誘いなよ」

「…さみしくないの?」

「……別に」

 

寂しくなんてない、元から1人だから。

寂しいって言うのは、1人じゃなかったことがあるから1人になって思うんだ。

元から1人の僕には関係がない。

 

「ふーん」

「……………………」

「……………………」

「……………」

「……………」

「………ねぇ」

「ん?」

「他の子たちと遊んでたんじゃないの?」

 

他の子達と遊んでいた少年は何故か必要に僕に絡んできた…

 

「うん。でも君とも遊びたいんだ」

 

少年はニコニコと笑いかけてくる。

 

「…いやだ」

「な、なんでさ!」

 

食い下がる少年。本当に、本当に鬱陶しい…

何だって僕に構うんだこいつは。

 

「僕は1人がいいって言ってるだろ」

「うん」

「……………………」

「……………………」

「……………」

「……………で?」

 

もちろん喧嘩になった。

それで、それが終わった後、その少年が帰って、何故か――

 

 

 

 

 

――何故か、寂しくなった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「しっかし、懐かしい夢を見たなぁ…」

 

目覚ましが大きな音を立てて鳴り響く中をぼんやりと眺めて、これまたぼんやりと呟いた。

今日も今日とて、学生である僕は学校へ行かなくちゃならない。その後はバイトだ。こんなだから貧乏学生は面倒くさいんだ…

しかも今日から転校とか。昨日まで通っていた学校も、1年かけてやっと空気の様になれたというのに、また好奇の目に晒されるのかと思うと、めんどくさ過ぎて溜息が漏れ出す。

別に自意識過剰とかではなくて、僕の見た目の問題だ。

 

「右の目が虹色だし、髪は1束だけ銀色…こんなだから捨てられたのかねぇ?」

 

鏡を見て凹む…

孤児院にいた頃の夢を見たから如何せん感傷的になっているのだろうか。と、そんなことを考えつつ、せめてもの抵抗に右目に眼帯を着ける。これなら『目が虹色…』が、『何で眼帯?』位になってくれるだろう。

 

「駒王学園、か」

 

新しい学校への道を歩きながら、昨日起こった出来事を思い出してみた。

 

 

 

 

「おーい、九尾(ここのお)ぉー!」

 

あれ?店長が呼んでる…

どうせまたろくでもないこったろうが。

っと、ちょっと素が出てたかな…?

荷物整理をキリのいい所で止めて、カウンターへ向かう。

そこにはいつも通り、魔女っ娘帽子の変なロリ――もとい、うちの店の店長がいる。

ちなみに、今年で70らしい。

僕は本物の魔女なんじゃないかと疑っている。

 

「…何の御用ですか?店長」

「あはっ!☆彡早かったね。うん、ちょっとお得意様まで配達に行ってきて欲しいんだ。頼めるよね?」

 

正直、嫌だけど行かなきゃ行けないんだよな。そういう仕事だし。

 

「どこまで、ですか?」

「ん?えぇ、駒王学園?…の、オカルト研究部宛に、この契約用紙200枚だって」

 

…店長が軽く、チラシにしか見えない紙束を段ボールでまとめ、こっちに放り渡してくる。

しかし、ロリばb――店長が軽く取り扱っているといって、そこまでの重さがないと思ったら大間違いである。このr――店長からすれば、きっと100Kgは軽い部類だろう…この前、自分より大きな石像を片手で運んでいたのだ。鼻歌交じりで。

今回も下手したら取り落とすぐらいには重たかった。

 

「ぉとっと…結構重いですね」

「もう、おおげさだなぁ、九尾は!私でも持てるんだZO☆彡」

 

いや、その理屈はおかしい。

ぱちりっとウインクを決めてくる年齢を考えない所作に、少しの怖気を感じながら、声には出さずに突っ込みを入れる。

 

「それでは、いってきますね」

「うん!いってらっしゃい。九尾!」

 

せっかくなので、気分を変えて配達に行こうと店の扉を開けた時だった。

珍しくお客が来た。

 

1人は何だか知らないが、緊張してる同い年ぐらいの男性。

もう1人は男性の彼女だろうか?黒い髪に整った顔立ちをしている綺麗な女性だ。

こちらは随分と楽しそうである…見た感じ初めてのデートと言うやつだろう。

頑張れよ。僕は応援してるぞ。

 

「っと、いらっしゃいませお客様方。どうぞ、お好きなだけご覧になっていってくださいませ」

「あ、はあ。どうも」

 

綺麗なお辞儀をして、店を出ていく。

何故だか、女性のこちらを見る目が怖いので、邪魔者はさっさと退散するとしよう。

そう思った僕は、荷物をバイクに乗せて矢継ぎ早にエンジンを吹かせた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ここが、駒王かぁ…」

 

この校舎内も、平日ならおそらく人が多いのだろうが、今日は日曜だ。

部活動で来ている人以外は、警備員や少数の先生ぐらいしかいないだろう。

 

「――で。オカルト研究部っていうのはいったいどこにあるんだ?」

 

校舎をあらかた見回ってみたが、それらしいものは見あたらなく、いっそ職員室にでも聞きに行ってみるか?と、考え始めたときだった。

 

目の前を鮮烈な(あか)が通り過ぎた。

 

一瞬、見事なまでの美しい紅に呆けたが、思考力が戻ってくれば今のが女生徒の髪で、自分がそれに見とれていただけであった事に思い至った。

 

「…綺麗な、(あか)い髪だったな。――って、しまった。今の人に聞けばよかったっ!」

 

慌てて後を追いかけオカルト研究部の場所を聞くと、すごく何かを疑う様な顔をされたが、ちゃんと説明すれば分かってくれたようで旧校舎にあるという部室まで案内してもらった。

案内してくれた紅い髪の女生徒は、この学園の3年でリアス・グレモリーさんというらしく、なんと配達先の部長さんだった。

 

「それでは、ここに判子かサインを」

「ええ、これでいいかしら」

「はい、確かに。ご利用ありがとうございました!これからも御贔屓にお願いいたしますね」

 

もう時間も時間なのでそそくさと帰りだす。

 

「あ、ちょっと待って。はい、コレ」

 

渡された紙を見れば、「あなたの願いを叶えます」と書かれていた。

真ん中の絵は十中八九魔法陣だろう。

 

「ええと、これは?」

「フフ、気にしないで。ちょっとしたお守りよ」

「は、はぁ。では、ありがたく…それでは」

「ええ」

 

急いで外に出てみればもう完全に日暮れ前、夕日が落ちる少し前ぐらい…

また店長に怒られそうだ。

あの店長、僕が帰るのが遅いと何故かすごく怒るのだ。

さっさと帰ろうと、バイクのエンジンを吹かせる。

しかし、いつも通っている道が渋滞になっていて、仕方なく普段は遠回りになるからと、通らない公園がある方の道へ向かった。

 

「はぁ…もう怒られるのは確実だな。ん?あれって…」

 

ふと前を歩くカップルに目を向けると、配達前に来たあのカップルだと分かった。

公園の中へと入っていく…

思い付きでバイクを公園の前に止め、隠れて様子を窺う。

上手くいけば何か面白いものが見れるかもしれないと、不純な思い付きである。

どうせ怒られるんだから、ちょっと位寄り道しても一緒だ。

 

「今日は楽しかったね」

「あぁ、最高の一日だったよ」

 

おぉ…結構いい雰囲気だ。

そして、手を…握った!やるな、少年。

しばらくすると、噴水の前に来た。

向かい合う二人…でも――

 

――なんか変だ。

 

「ねえ、イッセーくん」

「私たちの初デートの記念に」

「1つだけ私のお願い聞いてくれる?」

 

少しずつ、少年に、近づいていく、女性。

 

「な、何かなぁ、お願いって…」

 

惨劇は、ここから始まった。

その問いに、もう我慢ができないといった感じに、彼女はニタリと笑う。

 

「――死んでくれないかな?」

「………え?それって、アレ?夕麻ちゃんごめん、もう一度言ってくんない?何か…俺の耳変だわ…」

 

すると彼は、あはは…と、現実を受け入れられない、受け入れたくない。そんな表情をしだした。

そんな彼の思いは、空しくもするりと懐に入った彼女の一言で砕け散った。

耳元まで近づいて、もう一度、「死んでくれないかな?」と、彼女はそう言ったのだ。

 

「…は?」

 

僕が落ち着いて見ていられたのはここまでだ。

ただでさえやばい雰囲気なのに、彼女の服が全て破けて、黒い羽根を生やした『何か』に変身したのだ。少なくとも僕にはそう見えた。

 

夢だとしたら質が悪い。現実だとしたら尚更、質が悪い夢であってほしい。

そして、再度彼女は言う。腰を抜かして倒れこむ彼に、今度は赤く光る槍を手にして…

 

「死んで頂戴」

 

彼の腹部に赤の槍が突き刺さった…

助けるなんて無理だった。怖かった。助けなきゃとは、思えなかった。

声を殺すのに必死で…

結局、俺が彼のもとに行ったのは、あの『悪夢』が居なくなった後だった。

 

「お、おい…平気か?」

 

そんな訳がない。腹部に穴が開いているのだから、無事な訳がない。

分かっていても、口が勝手に動くのは仕方がない。

 

「た、たすけ………死にたく、な…」

 

口からも大量の血が溢れ出ていた。誰が見ても、彼は助からないだろう。

後悔した…僕が、僕が助けに入れば、彼は死ななかったのかもしれない。助けられたかもしれなかった。2人とも死んだかもしれないけど、2人とも生きられる未来もあったかもしれない。

でも、彼は死ぬのだ。僕が…見捨てたから。

 

「いや……おっぱ……い…もみた…」

 

彼が、そんな意味不明なことを口走った瞬間だった。

彼のポケットが急に光を放ち、風も無いのに独りでに飛び上がった。

 

「な、何が!?…え?」

「貴方ね。私を呼んだのは」

 

紙から浮かび上がった魔法陣から、その人は現れた。

それは、見覚えのある、鮮烈な(あか)

忘れもしない。何しろ数分前に会ったところだ。

 

「リアス…さん?」

「あら、あなたさっきの…まぁ、今は、こっちが先ね」

 

こっちって…?

 

「どうせ死ぬなら、私が拾ってあげる」

 

そしてまた、予想外のことが起きた。

彼女の背中からも、翼が生えたのだ…

もう、訳が分からなかった。

 

「あなたの命、私の為に生きなさい」

 

そう言うと、リアスさんはチェスの駒を取り出して彼に埋め込んだ。

少しもたついていたが最終的にポーンの駒を8つ、彼に埋め込んで何か呪文のようなことを呟くと、彼の腹の傷は消え失せ、呼吸が正常に戻っていた。

…意味が分からない。

 

「さて、この子を家に運ばないと…」

「ちょ、ちょっと、待ってください!」

「?何かしら?」

「い、いったい、今、何し…いや、あんた、何もん…」

「…そうね。明日、もう一度尋ねてきなさい」

 

そのまま、彼女はいなくなった。

さっきまで倒れていた彼の血だけが妙に生々しく残っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

店に戻り、店長にしこたま叱られると、大人しく家に帰った。

もう今日はさっさと寝ようとしたが、アパートに帰った僕を待っていたのは、さらなる混乱だった。

 

「………」

 

もう、驚く気も起きない。

 

机の上には「九尾(ここのお) 九重(このえ)様宛」と書かれた2つの書類と、ある服が置いてあった。尚、九尾 九重と言うのは僕の名前である。

書類の内容を要約すればこうだ。

 

『現高校の退学通知』と『駒王学園への転入手続完了の確認』

 

そして、極め付けはこの服。

これって、

 

「駒王の制服だよな…」

 

この日から、人生が変わった。

 

 

 

 

大きく――変わった…




取りあえず、書き溜め無しで思い付き投稿。

評判が良ければ続き書きます。
現在作者の他小説がスランプしているのか、書けないので別作品に逃走してます。

評判が良くなくても後2.3話は書くかと思います。

感想をいただけると泣いて喜びます。
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