東方 夢影界鏡 第一節「現れた幻」   作:犬丸ミケ

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前回のあらすじ
アリスに人里へ案内され到着する霧人達。そこで待っていたのは昔の日本のような風景である。
アリスは人里の入り口付近で人形劇をやると言うので、その間霧人は人里の中を見る。
自分の服装が周りと違うためか、周りの視線が気になってる間、一人の女性、東風谷 早苗と出会う。近くの山で巫女仕事をしていると伝えられた後、早苗はその場を去ると、アリスの人形がやってきて、霧人は人里の入り口へと向かう………



第3話

アリス「………遅い…」

人里の入り口にて、アリスはずっと霧人を待っている。その体制は、足を揃え、腕を組み、かなり不機嫌そうな表情であった。

霧人「おーい、アリスー。」

しばらく待つと人里から声が聞こえる。

アリス「遅い!!」

霧人「すまんすまん。」

咄嗟に出た言葉はこれだけだった。

アリス「いいわ、行くわよ」

霧人「?どこに?」

この返事にアリスはため息をつき、呆れた表情で、

アリス「冗談で言っている割りには面白くない冗談ね………」

本気で呆れられている。

アリス「手紙をちゃんと読んだ?「あなたを助けた恩人の所へ案内する」って書いたはずだけど?それとも記入していなかったかしら?」

霧人「手紙?」

上海が持ってきた手紙をもう一度読んでみると………

内容

人形劇は終わったわ。私の家に帰る前にあなたを助けた恩人の所へ案内するわ。この手紙を読んだらすぐに人里の出口へ向かって。私が人形劇をやっていた所よ。

急いでね。

アリス・マーガトロイド

霧人「……あ…」

確かに書いていたことに気づき、間抜けな声を上げてしまう。

アリス「それに「急いでね」とも書いたはずよ?何をしていたのかしら?」

霧人「……あー…まぁ、人ごみに苦戦したと言うかなんというか…」

アリス「…はぁ……」

またため息をつかれ、霧人は罪悪感へ苛まれる。

霧人「……ごめん」

アリス「まぁいいわ、着いてきて。」

霧人「はーい……」

そう言われ、霧人は着いて行く、アリスが向かう先、それは人里に辿り着く前の森であった。

 

魔法の森…………

一見すれば木が多く生えた特に変わりようのない森であるが、中に入り、奥へと入って行くと不思議な雰囲気が立ち込める。まわりには見たことのないようなキノコが生えていたりと普通の森では無いのだ。

霧人「そう言えば、この森って何か不思議な感じがするんだが……」

アリス「そうね、ただの森ではないわ。」

ふと思った疑問にアリスはそう返す。

霧人「だよな。なーんか不思議な感じがするというか…なんというか…」

アリス「ここは魔法の森、あなたを助けた人もよくここの森の中のキノコを取りに来るわ。」

霧人「キノコを?」

アリス「これらのキノコ、魔力というものがあるのよ。」

霧人「魔力ねぇ……」

普段聞きなれない単語が出てきたせいか、半信半疑の状態で言う。そのまえにアリスの家でアリスが人形を霧人の目の前で操っていたのにも関わらず。

アリス「まだ信じられていないのかしら?」

霧人「……信じられるとでも?」

ここがいくら現実とかけ離れている幻想郷であれども、魔力や、妖怪、それらの聞かない単語にはまだ疑問を持ってしまうのだ。

アリス「あなたねぇ……あなたのいた世界がどんな世界かわ分からないけどね、今あなたの現実はあなた自身の目の前で起きていることなの。それを信じないのは現実逃避してるのと同じよ。」

霧人「……………」

分かってはいる。それでもイマイチ腑に落ちない点があり、そのせいで信じることができないのだろう。

アリス「1度受け入れてみれば?今この場で起きている真実を。」

霧人「受け入れれば……な。」

すると、アリスは指を動かし、人形を操る。いつ見ても現実味が感じられない。

アリス「これでも信じられないかしら?」

霧人「…………」

目の前で起きていることが真実。

分かってはいる。でも、まだ受け入れにくいところがあり、信じ切ることができないようだ。

アリス「………私の能力名覚えているかしら?」

霧人の頭の中にいくつもの疑問が積んでる中、ふとアリスは質問をしてくる。

霧人「確か、[魔法を扱う程度の能力]だったっけ?」

アリス「なんだ、覚えているじゃない。少しは信じれる所はあるようね。」

霧人「あんな芸当を見せられればそりゃあ少しは信じるよ。でもな…まだなんか受け入れにくい所があるんだ……なんて言えばいいんだろうな……」

霧人にはまだ魔法やら能力やらまだ信じることができないようだ。

霧人「能力……か…」

アリス「もしかしたら、あなたにも宿っているかもね。」

また指を動かすと、人形はアリスの元へ戻って行く。

霧人「あったら……な。」

しばらく歩くと、家が見えてくる。

アリスと同じように森の中にある家である。

アリス「着いたわよ。」

ドアをノックすると、

??「はーい。」

少し明るみのあるような声が返ってくる。すると、すぐにドアが開き、

??「どちら様で……っておー、アリスじゃないか!何の用なんだぜ?」

そこに出てきたのは大きなリボンのついた帽子をかぶっているいかにも魔女といえるような服装をした、長い金髪の少女が出てくる。

アリス「ちょっとね、彼を案内しに」

そう言うと霧人へ手を出す

??「おー!お前森の中で行き倒れていた奴か!!もう体調は大丈夫なのか?」

霧人「まぁ、おかげ様で」

それにしても、とても元気の有り余ったような顔の少女である。

アリス「紹介するわ、この白黒は

霧雨 魔理沙(きりさめ まりさ)よ。見ての通りいつでもこんなテンションなわけよ……」

魔理沙「そういうこった!よろしくな!」

見た感じ、アリスは魔理沙の衝突事故でも起こしてしまいそうなテンションに着いて行けないようだ。

魔理沙「とりあえず中に上がれよ!お茶くらいは出してやるぜ!」

そして、何か男勝りな口調である。

霧人「あ、あぁ……」

魔理沙のテンションに着いて行けず、振り回されている感じである。

 

魔理沙の家、玄関口…………

霧人「…………」

中に入って早速目にしたのは、散らかりに散らかった家の中である。それも、まるで空き巣にでも入られたかのような惨事である。

霧人「……なにこれ…泥棒にでも入られたのか?」

魔理沙「いんや、これがいつもだぜ。それに、私は盗まれるのではなく、盗むほうだぜ?」

霧人「そんな堂々と言われても……」

ふとアリスのほうへ目をやると、とても呆れている表情だ。

アリス「はぁ……少しは掃除をしなさいよ……」

魔理沙「どうせ掃除なんかしても数週間か経てばまたこうなるから無意味に近いんだぜ。」

霧人「(いったい何があるんだ……)」

 

魔理沙の部屋………

魔理沙「ほらよ。」

霧人「あ、いただきます……」

魔理沙からの紅茶を受け取り、口に含む。特にこれと言った特徴のない普通の紅茶である。

魔理沙「そういや、お前名前なんて言うんだ?」

自分が入れた紅茶を飲みながら質問をしてくる。あまりにもテンションの高い霧人は着いていけなかったようでまだ自分の名前すら名乗っていないのだ。

霧人「月神 霧人だ。」

魔理沙「月神?……ふーん」

今の返事からして、おそらく信じていないのだろう。最初、アリスに名乗った時もそうだったのだから。

霧人「………信じて…ないな?」

魔理沙「なんか嘘くさい」

すると彼女はストレートに言い返す。とくに隠すつもりすらも無いようだ。

アリス「魔理沙、確かに嘘くさい名前だけど……ちゃんとした事情があるのよ……」

 

青年、人形師、解説中……………

 

魔理沙「ほえー記憶がか。それはまた大層なこった……」

事情を説明すると、とくに疑いもせず、すんなりと事情を飲み込んでくれる。

霧人「…疑いはしないんだな?」

魔理沙「いやぁな、なんかそんなにも現実味のある話をされたらそりゃあ信じざる負えないさ。」

霧人「………」

彼女には霧人には無いところが、あった。それは[受け入れられる大きな心]。霧人は、まだ幻想郷内での妖怪や魔法の存在、特殊能力などそれをまだ信じ切ってはいない。それなのに、魔理沙は霧人の[記憶が無い]という事情を簡単に鵜呑みできるのだ。

霧人にはまだそれはできなかった。

魔理沙「まぁ事情がなんにせよだ。まずはその欠けた部分の記憶の捜索だな。付き合うぜ。」

すると、彼女は手を出す。おそらく握手を求めているのだろう。

魔理沙「ここであったのも何かの縁だ!お前の記憶の捜索、私も手伝うぜ!」

霧人「………」

彼女のテンションの高さにはまだ慣れない霧人だが、彼女の純粋で信じやすい大きな心は、霧人にはとてもありがたいものだった。

霧人「あぁ…よろしく!」

彼女の手を握り返し、握手をする…

 

第四話へ続く……………

 




人物紹介
月神 霧人(つくかみ きりと)
能力、不明
ふとしたことか、現実世界から幻想郷へ来てしまったこの作品の主人公。幻想郷に来てからというもの、記憶をなくしてしまうということがあり、自分の名前すら思え出せなくなる。

アリス・マーガトロイド
能力、魔法を扱う程度の能力
魔法の森に住む人形師。自分の魔法で人形を自由自在に操ることから、人里の子供たちにはその人形劇がとても人形であるというお姉さんキャラ。

霧雨 魔理沙
能力、魔法を扱う程度能力
いつでもテンションが事故りそうなほど高いまっすぐな少女。
能力がアリスと同じであるが、魔理沙の場合は[主に光魔法]で常にその弾幕は派手さや火力を求める。
彼女曰く「弾幕は火力(パワー)だぜ!」らしい。まっすぐな少女で悪いところはなさそうに見えるが、実は借りた本を返していないとか……
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