「はぁ、はぁ、はぁ…待ってよ~!」
「結衣ちゃんが遅いんだよ~!早く~!任務に遅れちゃうよ~!?」
「分かってるって~!」
結衣と涼花が廊下を走っている。今の時間はほとんどが任務に行っているため、人数が少ない。思いっきり走ることができるのだ。
「結衣さん?涼花さん?決して遅れないようにといったではありませんか?言ってませんでしたっけ?」
「う、うう…」
「彩先輩!これは色々と事情があって…お昼ご飯を食べていたんです!」
結衣が無理な言い訳をする。この言い訳に涼花もあきれ顔だ。
「言い訳をしてないで早く任務に行きなさい!希さんと黒須さんに迷惑が掛かりますよ?」
「はい!」
「は~い!」
結衣と涼花が走って任務へと急ぐ。もう、見えなくなってしまった。
「あの子たちも立派になったわね…」
「はあっ!」
ワォォォオン!
「これで任務終わりだね」
「そうだな。ワリオンの反応もなくなったしな」
「早く行きましょう!私たちの実力を彩先輩に見せつけてやるのよ!」
また戦争後のおしゃべりタイムが始まる。説明し忘れていたが、ワリオンとは地球を滅ぼそうとするモンスターである。
「……」
「どうしたんだ、涼花?」
「いや、明日のお昼ご飯は何だろうなって」
そんな涼花にみんなはあきれ顔になってしまった。
「彩先輩!任務完了です!」
「は、早かったですね」
「あったりめえだろ!?」
「黒須さん、その男みたいなしゃべり方はやめなさい」
「?」
なぜかいつも話がそれてしまう。なぜか。
「それよりも任務結果ですよ。何かわかりましたか?」
「特にありません」
「分かりました。…休んでよし!」
「やった~!!」
「あ、あとで話があります」
「話って何だろう?」
廊下を歩きながら考える。
「たぶんワリオンのことじゃない?ま、ダイジョブよ!」
「希はポジティブだなぁ…」
夜になった。
「失礼します。彩先輩、話って何ですか?」
「あ、話というのはですね…あなた達のチームに新しい子が入ることです」
「楽しみね、皆!どんな子かしら!楽しみ~!」
「そ、そうだな(まあ、誰が来るかは予想はできるけど…)
「今日はもう寝なさい」
「は~い」
「お姉ちゃん、お姉ちゃん!しっかりして、お、お姉、ちゃ、ん」
涙がこぼれる。どんどん出てくる。大好きは人が無残な姿になっているからだ。
「ごめんね、結衣。お姉ちゃん無理しちゃった…本当にごめん…」
「お姉ちゃーん!?」
「おはよう!今日は任務は無いよね?」
「は?あるにきまってるだろ」
「で、ですよねぇ…」
「おはよう!黒須、結衣!元気出して!希お姉さんが元気づけてあげましょうか?」
希は朝から元気だ。今日も任務だ。毎日任務だ。
「で、今日は新しい子が来るんでしょ?早く会いに行きましょ!」
「そだねー…」
「あ、やっと来ましたね待ってましたよ。では紹介します。白銀真冬さんです」
「やっぱり…(真冬かぁ…ちょっと苦手なんだよなぁ…)」
「ん、よろしく」
「ああ、よろしく」
「真冬ちゃんでいいんだよね?これからよろしくね?」
「ん」
真冬は『氷の剣』とも呼ばれる強さだ。一番強いと言ってもいい。
「あの…ちょっといいかしら」
「何、希さん」
「いや、やっぱり何でもないわ」
「?」
「はぁ!」
ザシュ!
ギィィィィィィィイ!
「はぁ…はぁ…」
珍しく希が息を上げている。
「希さん、大丈夫?」
「ありがとう結衣ちゃん、大丈夫よ」
「それならいいんだけど…」
結衣はもうわかっていた。昨日の夜のことだった。
「はぁ!ダメ…もっと強くならなくちゃ」
それから夜中まで特訓をしていた。
(希さん…)
「結衣!何をしてる!早く援護を頼む!」
「あ、うん!ごめん!」
「お姉ちゃーん!?何で!?何で!?お姉ちゃん!?だ、誰が…誰がお姉ちゃんをこんなことに…」
「あお、い…」
「葵っていう人!?どうなの!?」
うなずく。
「葵…葵、ぜ、った、い、許さない…」
「ゆ、い、にげ、て…」
結衣たちにどんどんワリオンが迫ってくる。
「どいて。どいて!私は葵に会いに行く…!」
「あなた達に重大任務を任せます!その任務とは…森の教会にいるワリオンをすべて倒すことです!失敗するとこの街は炎に包まれるでしょう」