「はぁ、はぁ。中々おやりになるのですね」
結衣達は少女をやっと追い詰めた。
「ではお約束通りあなた達をもとの世界へ戻して差し上げましょう」
そして結衣たちの周りが光りはじめた___________
「やっと戻ってこられマシタネ!疲れマシタ!」
「そうだね~」
「かえって寝たいわ~」
もう夕方になってしまった。
「ごめんなさい…わたしが…わたしが敵に…」
「大丈夫だよ琴葉ちゃん!」
「結衣さん」
「それにちょっと楽しかったしね!」
皆が笑い出す。
「え~~~!ヴァリオン市の学院に行ってほしい!?」
「はい」
「この十一人でですか!?もうここから離れたくないよ~」
「仕方ないでしょ?結衣」
今は真夏。生徒が任務に行きたくない季節だ。
「でも、あっちの方は結構涼しいデース!頑張りましょう、結衣!」
「わ、わかった~…」
「?」
「どうしたの、黒須?」
黒須が不思議そうに結衣を見つめる。
「いや~教会の時あっただろ?その時はむっちゃやる気だったけど、今回は全然やる気ない…何かおかしくないか?」
「…」
「結衣?どうしたんだい?」
「ちょっと理由があってね…で、でも行くよ!ヴァリオン市に!彩先輩!行きます!」
いつもとおかしい結衣に皆が疑問に思っていた。何かいやな予感がする、と皆が感じていた。
数日後、ヴァリオン市に出発した。
「ここから馬車で駅に行くんだよね?」
「ええ、そうよ。どの馬車に乗ればいいのかしら」
「どれでもいいらしいですわよ。でもわたくしのお父様が皆さんのためにわざわざ用意してくださったのですわ!感謝しなさい!」
けれど皆はローズを無視して馬車を探すのであった。
「ちょっと!無視しないでくださいまし!」
「あ~わかりましたから黙っててくだサーイ。ですわ、ですわうるさいデース」
「1?」
二人がいつものようにケンカをしていると男の人が近づいてきた。
「お、お父様!わざわざ来てくださったのですか!?」
「ああ。ローズ、元気そうで何よりだよ」
「お父様っ!」
「そろそろ行きたまえ。見送るよ」
結衣達は馬車に乗り、学院をしばらく留守にするのであった。
馬車に乗ってから何時間たっただろうか。すっかり皆は睡魔に襲われたのであった。そして数時間すると結衣が目覚めた。
「皆寝てるな~…久しぶりにヴァリオンに行くな~お姉ちゃん…お姉ちゃん、私は元気にしてるよ。お姉ちゃんに会いたいよ~…」
結衣が独り言を言っていると希が起きてしまった。
「結衣?起きてたの?」
起きたばかりの希は眠そうだった。
「もうすぐ着くから皆を起こすわよ」
「は~い。皆起きて~もうすぐ着くよ~」
結衣の呼びかけで何人かは起きたが数人は起きなかった。
「ルミア!起きて!色葉ちゃんと琴葉ちゃんも起きて!着いちゃうよ!」
「分かった、わかった」
そして皆が起き、駅へ向かうのであった。
「あ!あの列車じゃないの?」
「あ、あれデース!早く乗らないと!」
「ん、走るのは得意」
皆は無事に列車に乗った。
「は~…何とか間に合ったわね」
「燐は走るのが遅いデース!」
「 」
「そうすぐに怒らないでくだサイ!」
「ねぇ、エレンちゃん」
前の席の結衣が話かけてきた。
「何デース?」
「ヴァリオン市ってどんなところだろう?
「わたしは言ったことあるわよ」
「そうなんデスカ?」
「ええ。結衣、聞いてみたい?」
燐がいたずらっぽく聞いてくる。
「うん!」
「ヴァリオン市は結構古い建物が多いのそれが好きっていう人もいるけどね」
その話を聞いていた結衣は思った。
(変わってないんだ…)
すると結衣に異変が起こった。
「う…頭が…」
「結衣!」
結衣はどんどん気が遠くなっていった。
(お姉…ちゃん…助…けて…!)
「結衣。結衣…!」
どこからか声が聞こえた。
「ん~…?」
目の前には死んだはずの姉が立っていた。
「お姉ちゃん!?どうして!?」
「しっ!静かに!結衣に一つ謝りたいことがあるの」
「お姉ちゃん、何?」
「わたし、結衣に会いたくて…結衣を気絶させたの」
「お姉ちゃん…」
結衣の姉は申し訳なさそうに言った。すると目の前が歪んでいった。どんどん周りが黒くなってくる。
「あれ?ここは?」
「ようこそ、闇の世界へ」
「え?」
そこには少女が立っていた。顔はよく見えない。
「ねえ、ここはどこ?」
「言っただろ?闇の世界だ」
その時結衣は気づいた。
「あなた…わたしにそっくり…」
その少女はにっこりと笑うのであった。