HuGっと!プリキュア ~運命の白黒~   作:イタチ丸

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第12話 私がなりたいプリキュア

俺達ははぐたんを安静にさせる為にビューティーハリーに来ていた。

着くまでの間、はぐたんはかなりの高熱を出していて、とても苦しそうだった。

ハリーははぐたんのアスパワワを全部使ってしまったのが原因だと言っていた。何でこんな幼い子供が自分の身を削ってまで俺達を守ろうとしたのだろう。俺にははぐたんの行動が理解出来なかった。

 

「(私がプリキュアになれなかったから……)」

 

自分が何にも出来なかったことの罪悪感に堪え切れなかったのか、はなは涙を流しながらはぐたんに抱きついた。

 

「はぐたん、ごめんね。私のアスパワワ全部あげるから…!だから目を覚まして!お願い!」

「無理や。今オレらに出来ることは何もない」

「私のせいだ……わたし、もうプリキュアできない」

 

はなの突然の宣言に俺以外の皆んなは驚いた顔をしていた。はなの弱音が俺にも該当していると思って少し考え事をしていた為、あまり反応することが出来なかった。

 

「もう決めたから……ごめんね」

「マジ意味分かんないんだけど」

「だって!何にも出来ない上に、はぐたんに苦しい思いさせて……私なんてプリキュアになる資格ないよ」

 

まさか、敵が言ったことを真に受けているのか?まあでも、あれは傷つく、煽りの限度超えてたし。

 

「きっと、もっと他にプリキュアにピッタリの子がいるんだよ。はぐたんをきちんと守れる子が……」

「おい!それがお前のなりたい野乃は「もうやめてやれよ」え…?」

「はな、今日はもう帰って休みな。プリキュアやめるかどうかはその後決めればいい」

 

踏んだり蹴ったりの1日だった上に気持ちが落ち着かないという状況で決めるのは後々後悔するだけだろう。俺はここで事を収めようとはなにそう告げた。

 

「……皆んな、ごめんね」

 

はなはそう言い残して部屋を後にした。

 

「……あれで良かったの?」

「あんまり無理に抱え込ませない方が良いと思って。というか、はなはこんなんで崩れるような奴じゃないってこと、あんたら分かってんだろ?」

 

そう、はなは俺と同じ悩み、抱えちゃいけないんだよ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜クライアス社〜

 

ルールーside

 

「暗い…怖い……」

 

真っ暗な部屋の中、一人嘆いていたチャラリートを連れ出した私達。

先日ボロボロの状態で戻ってきたユーリ様が「左遷部屋の中に、駒いたよなぁ…?すぐに連れて来い…!俺はさっさとプリキュア共々皆殺しにしてえんだよ…!!」と随分御立腹な様子で提案していた事から、チャラリートを連れ出したのです。

私のデータ分析によると、彼は自分の思うようにいかないと気がすまない性格だそうです。やはり感情というのは行動にも現れるものなのですね。

 

「俺の部屋は運悪く左遷部屋の隣でよ。俺が何か計画考えてる時に怖いだ暗いだピーピー嘆く声が耳障りなんだよな。だからお前に鬱憤を晴らさせる為にプリキュアを倒す最期の出番を与えようとしてんだ感謝しろよ?」

 

ユーリ様の皮肉じみた言葉にチャラリートはただ土下座をしながらぎこちなく頭を下げていた。以前まで良く喋っていた人がここまで怯えるとは、さほど苦痛な事をされたのでしょう。

 

「良いの?こんな奴行かせて」

「いつまでもここに置いとく訳にもいかねえ、白黒はっきりさせる為にこいつを出させる……社長、承認を」

 

『稟議 承認!!』

 

「うああああああああああああ!!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翌日

 

俺達ははなの家の前で、はなが来るのを待っていた。

……早朝だから超眠い。だが、今はそんなことを言っている時ではない。

果たしてはなは帰ってきてくれるのだろうか。若干の不安を感じるが、今のあいつの支えがあるからこそ今の俺達がいる。そんな奴がプリキュアをやめることなど許されるべき行為ではない。

きっと来てくれると信じてる。それは俺だけじゃなく、皆んなが思っていることだろう。

すると、ガチャッとドアの開く音が聞こえた。見ると、目の前には何故ここにいるのかと言わんばかりに驚いた表情のはなの姿が。

 

「さあや、ほまれ、カズくん……?」

「はなは、いつでも頑張り屋さん」

「え?」

「誰かのために一生懸命になれるところ。失敗してもガッツで乗り越えるところ。素直で表情がコロコロ変わって、見ているだけで元気になれるところ。まだまだいっぱいあるよ、私が憧れたはなの素敵なところ。だから、何もないなんて言わないで!」

 

ここまで言えるってことは、それほどはなのことを信頼してるってことだよね。さあやははなに沢山励まされたから、キュアアンジュとして敵に立ち向かっている。そして今度は自分が励ます側になりたい、そんな思いだからこそ言えるんだろうね。

あー……言おうと思ってたこと全部言われちゃったなぁ。何て励まそう……。あ、そうだ。

 

「……えっと、昨日たこ焼き屋のおじさんからの伝言で、何も出来ないっていうのは、これから何でも出来る可能性があるってことだから、自分をあまり責めないで欲しいって。だから、何て言うか……いつもの馬鹿みたいに明るい野乃はなでいて欲しい、かな」

「はぁ、カズってホントに励ますの下手だよね」

「うっせぇ!否定しないけど」

「そういうことだから、はな...もう何もないなんて言わせないよ。」

「皆んな……ありがとう!」

 

これではなの方は一件落着。あとははぐたんの件をどうとかしないとな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

はぐたんの目を覚ますきっかけがのびのびタワーにあるとミライパットより知らされた俺達は、早速のびのびタワーへと向かうのであった。

 

「ミライパットが示していたのはひなせくんの演奏会だったのね」

 

タワーの中で開かれていた我が中学校の吹奏楽部の演奏会。

この曲って、ハイキングに行った時に阿万野と美咲希が演奏してた曲か。これが目覚めるきっかけってこと……?

 

「ひなせくん、前に言ってたんだけど、一つ一つの音が重なり合うことで、想像を超えた素敵な音が奏でられるんだって。私達の心の音はどんな感じかな?はぐたんが元気になれるような音が鳴ってるのかな?」

 

はなたちは心の音をはぐたんに聞かせるように寄り添った。

 

 

 

「……はぎゅ、は〜ぎゅ!」

「「「はぐたん!?」」」

 

はぐたんが目を覚ましたのだった。

おお、めっちゃ元気になった。昨日の高熱が嘘のようだ。

 

「ミルク欲しいんだね…?私、ちょっと準備してくる!」

 

このメンツの中では一番喜んでいたはながミルクを買いに近くのショップへと駆け出していった…。

 

「……ほら、着いたぞ。たっぷり遊んできな」

「オシマイダァァァァァァ!」

 

しかし、その直後、外から大きな音が響いてきた。こんな喜ばしい事が起こった時にオシマイダーが出てくるとかKYにも程がある。

前回の一件ではなはプリキュアに変身できるか不安になっていたが、さあやとほまれの励ましの言葉のお陰で再びキュアエールに変身することができた。

 

「プリキュアになれた!やっぱめっちゃイケてる〜!」

「あの落ちこぼれちゃんがプリキュアになれたとはな……どんな事情か知らねえが、どっちにしろ今回のオシマイダーはお前達にあっさりやられるような小物じゃないぜ」

 

最近あっさり倒せてるからフラグにしか聞こえないんだよなあ……。それより、このオシマイダーの容姿…なんかデジャヴを感じる。

 

「プリキュア〜……ミライクリスタル、ヨコセ〜!!」

 

いきなり攻撃を開始したオシマイダー。確かにいつものとは違い、動きが脱兎の勢いである。

 

『フレ・フレ!ハート・スター!!』

 

エトワールの必殺技で足止めをしようと試みたものの、片足で受け止められ跳ね返されてしまう。さらにもう片足で蹴りを入れるオシマイダー。

 

『フレ・フレ!ハート・フェザー!!』

 

その蹴りをアンジュがバリアで受け止めたが、その威力は強大であったために破かれてしまう。身体の部位を自在に使うのかと思ったが、足を武器にして戦うらしい。

 

「すごいパワー……このオシマイダー、本当にいつもと違うんじゃ……」

「クリスタルヨコセ〜!!!」

 

上空へ飛び上がり、3人を踏み付けるオシマイダー。

その都度、周りの建物の破片が飛び散り、色んな人が下敷きになりそうになっている。

 

「私は逃げない!もう誰も傷つけない、それが私のなりたいプリキュアだから!」

 

すると、エールの胸から包まれる光と共にミライクリスタルが生まれ、七色に光り輝く剣に変わった。

 

「これって…?」

「プリキュアの剣や!」

 

なんか凄い……RPGに出てくる勇者の剣みたい。

その剣から放たれる閃光がオシマイダーを苦しませ、動きを止めていた。

 

「あれが新しいミライクリスタル、かなり厄介だな……。こうなりゃ無理矢理奪い取るまでだ!」

 

先程まで戦いを観戦していた仮面の青年がこちらに襲いかかってくる。

あいつの武器である鎖で縛り上げて奪い取るつもりだ。

 

「「はあぁぁぁっ!!」」

 

振り回してきた鎖をなんとかアンジュとエトワールが掴むことが出来た。そのままハンマー投げのように投げ飛ばし、青年は建物に叩きつけられた。

エールはそれを確認し、矛先をオシマイダーに向け、斬りかかった。

しかし、その瞬間、何を思ったのかエールは相手に背を向けた。そしてそのままオシマイダーの顔面に激突した。

あとちょっとで倒せたのに、一体どうしたのだろうか。

 

「エールどないしたんや!?」

「違う、これは私がなりたいプリキュアじゃない……!」

 

エールのことだから、『私がなりたいプリキュア』に何か特殊な意味が込められているのだろうが、どういうことか理解出来ないていた。

 

「クルシイ!クルシイ....!!ココロガァァァァァァ!!!」

 

突然、オシマイダーが叫び出した。だが、いつもの凶悪さはなく悲痛な雄叫びを上げていた。

 

「イツモチュウトハンパ!ナニモデキナイ!ナンニモナレナイ!オレニハナンノサイノウハナイ!オシマイダァァァァァァ!」

 

この感じ……もしかしてこいつチャラリートか?

容姿からして違和感を覚えていたし、今叫んだネガティブ発言も前にと戦った時のチャラリートの表情を思い起こさせている。

エトワールが誕生した時、あいつはかなり焦っていた。おそらく、クライアス社の上司に次はないとでも言われていたのだろう。しかし、それを成すことが出来なかった。だから、こうして現在はオシマイダーとして自分の身体がどうなろうと仕事をこなそうとしているのだろう。

今まで自業自得だとか思っていたのだが、才能がないことで嘆いているのを聞いている内に悔しいことに同情してしまいそうだ。

やがてオシマイダーは縮んでいった。オシマイダーとしての力が抜けていったのだろう。

 

「……チッ、もう使い物にならねえか。仕方ない、今日は諦めよう。にしても、リストルさんに何て言い訳言おう……」

 

いつの間にか青年は姿を消していた。自分の手下ポイ捨てするとかとんだクズ野郎だな。

 

「……心が苦しいの分かるよ」

 

突然エールはチャラリートの方へと駆け寄り、そっと抱きしめていた。

 

「私もそうだもん。私も頑張れない時ある。宿題サボっちゃったことあるし、人参とかグリーンピースとか避けちゃったこともある。でも大丈夫だよ、その気持ち、私が抱きしめるから」

 

エールから放たれたアスパワワがチャラリートを和らいでいき、プリキュアの剣が形を変えた。

 

「これが私の応援。私のなりたいプリキュアだ!」

 

『心のトゲトゲ飛んでいけ! プリキュア・トリニティコンサート!!』

 

『心があったけえ……俺にも未来が』

 

こうしてオシマイダーと化したチャラリートは浄化されたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「社長、せっかく御顔を出してくれたというのに、申し訳ありません。全ては無能な部下を連れた俺の責任です」

「……この物語は、彼女に運命を感じているのかもしれないね」

「彼女とは、キュアエールのことでしょうか……?」

「何故、少女は戦っているのか……富のため?名声のため?」

 

 




いかがでしたでしょうか?
うーん、やっぱりポエムおじさんの言ってること分かんないや(思想放棄)
次回に関してですがパジャマパーティ回は飛ばそうと思っております。その代わり、クライアス社メインのオリジナル回を作る予定です。
この作品はオリジナル要素多めにしたいなと思っているので更新が元々鈍いですが更に鈍くなると思います……。

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