HuGっと!プリキュア ~運命の白黒~   作:イタチ丸

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もうアニメも残すところあと2話(?)となってしまいましたね…。
何度も言ってると思うけど、今作は視聴者にも考えさせるような描写があったりと神作でしたね…!
あと、ここで言うべきことではないと思うのですが、「スター☆トゥインクルプリキュア」の小説も制作予定(いつ頃かは未定)ですのでお楽しみに!

それではどうぞ!


第17話 夕焼けが映すもの

早朝

 

「……痛っ!」

 

「もう……今ので何回ぶつけてんの?ていうか、昨日何時に寝たの…?」

 

「1時……いやでも、いつもより1時間早く寝たんだぞ?」

 

「遅すぎるし、自慢にもなってないよ……」

 

休み明けの学校って何故こんなにキツいのだろうか。

休日で生活習慣が乱れるから?それとも、学校行きたくないというストレスの問題?

どちらにしろ、休み明けの日は午後から通学、通勤で良いんじゃないかと俺は毎週思っている。

 

「だ〜れ〜か〜止〜め〜て〜!!!」

 

寝ぼけた目で見上げると、誰かが階段から天高く飛んでくる少女の姿が見られた。

おいおい、あの跳躍力だとワンチャン20年近く記録抜かれてないチャー○ズ・オー○チン選手越えるんじゃね?

いやいやそんなこと言ってる場合じゃない。少女はいつの間にか俺の方へと迫ってきて……って、あれ百井さん?

 

「「うわぁ!」」

 

結局、俺は跳んできた百井さんを受け止めることが出来ないまま倒れ込んでしまった。

 

「ふ、2人共大丈夫……?」

 

「あき…あんた、教育的指導よ」

 

俺と百井さんに手を差し伸べるほまれと、風紀委員として駆けつけに来た十倉さん。

まあ、良い眠気覚ましにはなったなのかなこれ。背中めっちゃ痛いけど。

 

「輝木…ほまれさん……」

 

百井さんがほまれの顔を見て怯えた様子を見せている。

こいつ、未だに不良のレッテル貼られてるのかよ。

 

「あー…百井さん?大丈夫だよ、ほまれは前よりも優しい奴に「師匠!」…は?」

 

「師匠、私を弟子にしてください!」

 

「えぇ……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ルールーside

 

輝木ほまれ…薬師寺さあや……。

彼女達のデータとプリキュアのデータを照合すると、2人がプリキュアである確率は100%。

 

「姿を見せないと思ったらこんな所にいたなんて」

 

「パップル様…」

 

色々と分析しながら教室へと戻る際、階段の向こうには貴校の制服を着たパップル様の姿が。

 

「どう?この格好」

 

「明らかに不審者、通報される確率82%」

 

「い、嫌にリアルな数字ね…でもまぁ、私の色気は制服じゃ隠せないかもね」

 

「そうそう、だからその格好やめろ気持ち悪い…。まだ馬の糞の方が可愛気あるぞ」

 

「こんのガキ…私を馬鹿にするのも大概にしなさいよね!」

 

パップル様に続き、背後からユーリ様の姿も現れた。

ユーリ様に関してはいつもの奇妙な格好だった。

 

「ルールーに用があって来た、一度2人きりにさせてくれ」

 

「2人きり……って、え?もしかして告白とか?やだ、ロマンチッk「ここで痰ぶち撒かれるかとっとと消え失せるか3秒で」はいはい消えます、消えますよーだ!」

 

…女性にここまで酷な発言をするとは、この方は何処まで邪道なのでしょうか?

パップル様はそそくさとこの場から姿を消していった。

 

「…それでユーリ様。話とは一体」

 

「前にお前が言ってた少年のこと、俺も少し興味を持った。思えば、あんな大物に似た奴なんてある意味レアだからな」

 

少年というのは、私がプリキュアと同時に調査している人物のことである。

彼には、闇を抱えているのだろうか、とにかく何か特別な力が秘められているような気配が漂っていた。

 

「ですが、実際会ってみたところ、プリキュアと共に行動しているからなのでしょうか、彼の性格から闇を抱えているようには思えませんでした」

 

「いや、それだけで判断しちゃいけねえよ。人間ってもんは、誰もが必ずしも表裏を持っている。ほんの一瞬でも裏の部分をポロっと出しちまう時もあるから、プリキュア共々よく調査しておけ」

 

…人間というのは、とても複雑な生き物なのだなとつくづく思う。

もし私がクライアス社だと分かったら、彼女らはどんな反応をするのだろうか。すぐ様敵対心を持つのだろうか。

 

「…ルールー?」

 

そんなことを考えていると、近くで私を呼ぶ声が。

振り向くと、私を不思議そうに見つめる一斗の姿があった。

 

「こんなとこで何してんの?授業とっくに始まってるけど」

 

「先程貴方の……いえ、すみません。授業に戻ります」

 

いつの間にかユーリ様は何処かへ消えてしまっていたので、私は軽く謝罪し、授業へと戻っていった…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

放課後

 

今まで雲一つ現れなかった青空が急に雨雲に覆われ、俺の顔や体を殴りつけるような大雨が降ってきていた。

不運なことに、俺は傘を持参していなかった。しょうがないじゃん、確かに天気予報では夕方に雨が降るとは言ってたけど、こんな早くに降り出すとは思わなかったんだもん。

とりあえず、あまり制服を濡らしたくないので、一目散に家まで駆け出した。

とはいえ、俺の家は学校から少し遠い場所にある。最悪、どっかで雨宿りという選択肢も良いかもしれない。

そんなことを考えながら走っていると

 

「…あれ、あの人って」

 

見慣れた人物がずぶ濡れになって突っ立っていたので、声を掛けてみることにした。

 

「…あの、大丈夫ですか?風邪引きますよ?」

 

その人物は、以前もぐもぐと散歩している時に出会った男性。

怖いだとか不審者だとか思ってたけど、こんな所で傘もささずにずぶ濡れになられたら見ていられない。この一言だけ言ってとんずらするか。

 

「今日も元気だね」

 

「………」

 

うん、やっぱり怖い。風邪引くぞって忠告してやってるのに悲しい顔で意味不明なこと言うし…。もしかして幽霊なんですか?もう空気となって消えても多分驚かないから早くここから消えて欲しい。とんずらしようとは思ってるけど、ホントに見てられないもん。

 

「雨は美しい花を咲かせ、恵みとなる。だが、時には凍える寒さを与える」

 

「…寂しいとか悲しいとかそういう感情ってこと?」

 

「よく知っているね。そして、不意に変わるあの空。何処か似ていると思わないかい?」

 

「暗い、怖い……っ!」

 

俺が1人ぶつぶつと呟いていると、いつの間にかあの人はいなくなっていた。

 

「…あれ、晴れた」

 

同時に、あまりの眩しさに空を見上げると、雨雲がすっかりなくなり、真っ赤に染まる夕焼けが辺り一面を覆っていた。

先程から不可解なことが立て続けに起こってる気がするんだが?あの人はいなくなったっていうか、消えたって感じだし…。

…それに、何であの人の発言に答えてたんだろ。無意識だったのかもしれないが、余計に怖くなってきた。

 

「オシマイダー!!!」

 

「今度はおめーかよ…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

河川敷の方まで向かうと、既に戦闘が始まっていた。

 

…なんか、あのオシマイダーにデジャヴを感じるんだけど。

 

うちの学校の制服、眼鏡、俊敏な動き。

 

恐らく、あれは十倉さんと百井さんだろう。

そういえば、二人はほまれの弟子入りが原因で喧嘩してたんだっけ。

その時のトゲパワワで創られた奴だろう。2人分だから手強そうだな、現にエールとアンジュも苦戦している。

 

「早く助けないと…あれ」

 

「何してんの。早く変身しないと「プリハートが…ない!」…嘘でしょ?」

 

どうやらほまれのプリハートがなくなったらしい。

プリハートというのは、プリキュアに変身するための必需品である。

それがなくなったというのは流石にやばい。

何処かで落としたのだろうか…いや、こいつがそんなドジをする訳がない。

 

「誰かに盗まれた、とかは?」

 

「そんな…!でも、一体誰が…」

 

心当たりのある人物が1人いる。

というか、あいつしかいないだろう…。

 

「…俺、ちょっと探してくる」

 

「ちょ、どこ行くねん!!」

 

「探すって、何処にあるかも分からないのに…」

 

俺は橋の近くへ一目散に駆け出した。

そこにそいつの姿が見えたからだ。

 

 

 

 

 

「拾ったってわけじゃなさそうだな」

 

「黒木一斗…」

 

橋の近くにいる人物の正体は、珍しく複雑な表情でプリハートを見つめるルールーだった。

俺が声を掛けると、ルールーは今度は睨みつけるように俺を見つめていた。

 

「それ、上の方々には渡さないの?」

 

「解析でき次第、社に報告するつもりです」

 

「そうかい……」

 

やっぱりこいつ…。

俺は一度深呼吸すると

 

「…嘘つき。本当はこんなことしたくない癖に」

 

「え…?」

 

 

言いたいことをルールーにぶつけた。

 

「お仕事体験で子供達を庇った時に思ったんだ。ルールーは優しい奴なんだって、本当は誰かを救えるようになりたいんじゃないかって」

 

「私はアンドロイドです。感情なんて抱く筈がありません」

 

「でも、お前はそれを恐れてる。そうやって自分に嘘をついてるんだよ。そんなことをしたところで、ただただ苦しくなるだけっていうのに」

 

「何が言いたいのですか?先程から貴方の言っていることが分かりません」

 

「要するに、自分がしたいこたは思う存分やっていいってこと」

 

「…っ!」

 

そう言い放った瞬間、ルールーは胸を苦しそうに抑えた。

俺の考察が当たった…ってことで良いのかな。俺は更にルールーに問いかける。

 

「なあ、今ルールーがしたいことって何?」

 

「彼女達を…救いたい」

 

「そっか…じゃあ、行ってきな」

 

「…やはり、貴方の言ってることは理解不能です」

 

そう言ってルールーは、プリハートを持ち主に返すためにスタスタと歩き出した。

その時の表情は、いつもの無表情ではなく、少し穏やかな表情をしているようだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

結局、色々あったもののオシマイダーを倒すことが出来た。

が、一件落着とまでは行かなかった。

ルールーがほまれのプリハートを持っていたことに関して、ほまれとハリーはルールーを疑うように問い詰めていた。

 

「どういうこっちゃ!何でお前がプリハート持ってたんや!」

 

「あんた、一体何者なの?」

 

その言葉に、はなもさあやもルールーを疑うようになっていた。

…しょうがない、もういっそ正体バラしちゃうか。あいつも頃合いだと思ってるだろう。

 

「…えっと、実はルールーh」

 

ガシャンッ!!!

 

突然、何かが壊れる音がした。

具体的には、ロボットの体内の部品が何かの拍子で弾け飛ぶような、そんな音…。

 

「ったく、人に操られるだけの人形の癖に余計なことしやがって…」

 

「私らの邪魔をするなんて調整し直しね」

 

壊れた音というのは…ルールーが倒れた音だった。

あまりに突然な出来事だっために、俺はただ人形と化したルールーを見つめているだけだった。

 

「ルールー!」

 

はながルールーの元へと駆け寄るが、ユーリとパップルは倒れたルールーを連れてどこかへ消えるのであった…。




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