HuGっと!プリキュア ~運命の白黒~   作:イタチ丸

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第5話 応援することは時に人を不安に感じさせてしまう

「と言う訳で!もうすぐお店オープンなんだけど…何かが違うと思うんだ!力を貸して~!」

「「えぇ…」」

 

薬師寺さんと野乃さんは顔の前で手を合わせ、俺達に手伝いを求めた。

別に、手伝いが嫌だと言う訳ではない。ただ、目の前にある光景に若干引いている。

趣味の悪そうな鯉の絨毯にトラの顔のクッションが置いてあるソファー等、装飾のほとんどが韓国の大河ドラマに出てきそうなイメージの建物。良くこんなの持ってこれたね。

ちなみに、この建物は何かの店らしいのだが、何で俺達庶民を寄せ付けないような感じにしたんだよ。何かっていうか何もかもが違うでしょ。

 

「うーん…どんなお店にしたいの?」

「そらぁ、ぎょうさんお客さんが来る店にしたいがなぁ~。お子様から、マダ~ムまで!ビューティーハリーが…お洒落にまとめまっせ!!」

「だったらお店のイメージズレてると思う」

「なんやて!?」

 

ハリーは驚愕して驚きの表情を浮かべた。いやいや、驚くのはこっち。

 

「う~ん…例えば」

 

そう言うと、ほまれはパッパと手際よく店の物を変えていく。

そしてあっという間に新しい内装と外装が完成した。

 

「こんな感じはどうかな?」

「「わぁ~可愛い~!」」

 

わお、流石女子。綺麗に整頓されてるし、何よりもシンプルさがあってスッキリする。

 

「ねぇ、お店の写真キュアスタに上げてもいい?」

キュアスタ。最近話題になってるSNSアプリである。

俺も一応入れてるけどそんなに使っていない。正直、キュアスタよりもキュアッターの方が流行る気がするのは俺だけか?まあ、女子向けっていうのもあるからかな。

 

「お~おしゃれ~」

「これ宣伝になるね!」

「お客さん、沢山来るといいなぁ~」

 

写真たった一枚で客来るのかねえ…。

 

 

 

数分後ーーー

 

 

 

「うっはっはっは!!!大繁盛や!!」

「…洗脳魔法でも使ったのか?」

「使えるわけないでしょ…」

 

店は空きスペースが無くなるほど繁盛してしまった。ハリーも嬉しそうにレジを叩いている。

しかし、繁盛しているからと言ってもデメリットはある。

するとはぐたんが泣き始めた。こんなに人が多ければ赤ん坊はパニックに陥ってしまう。これが今一番のデメリットである。

 

「どうしよう…」

「はな~、そんな時はこれや!タンバリンや!」

 

そう言ってタンバリンを野乃さんに渡したハリー。こいつ、さっきの装飾といい何処に○次元ポケット付けてんの?

結局、はぐたんが泣き止んだ上に店内にいる人全員がタンバリンに誘われるというカオスな状況となった。そして、時刻は閉店時間を経とうとしていた。

 

「ダッハッハハハ!!!!こない人が来るんやったら…価格、倍にしといたらよかったわ~」

「いや鬼か」

 

速攻でツッコミを入れる俺。

これが商売の闇か…。大人になりたくないな〜、怖いし。

 

「ねぇ、ほまれちゃん!写真撮って!」

「えっ…?」

 

突然のはなの発言を聞いて、驚くほまれ。

 

「ビューティーハリーオープン大成功記念に!お願いお願い~」

「思い出作りに一緒に撮れば良いじゃん。良いことだと思うよ俺は」

 

何気ないことでも誰かと一緒に思い出を作るのって大事だと思う。俺は全力で勧めた。

 

「…はぁ、分かった分かった」

 

参った、と言わんばかりの発言。しかし、その表情は嫌そうではなく、むしろ楽しそうだった。

女子3人くっついて写真を撮ろうとする。しかし、俺とハリーがカメラの中に入っていない事に気付いたのか、ほまれは俺達を誘い出した。

 

「……来ないの?」

「俺が混ざる必要はないと思ったので、パス」

「遠慮しとくわぁ。オレが入るとお前らが霞んでまうやろ」

「そっか。じゃあ…」

 

隣の赤髪が何かボソボソ言ってるけどそんなのお構い無しに3人の集合写真をパシャリ。俺が見た感じ、3人とも良い笑顔だったと思う。

 

「ま、どうしても言うんやったら…」

「おー!良い写真が撮れた!」

「ちょ、ほんまにハブにすんなや~!」

 

情けない声を出しながら、ハリーは人間からハムスターの姿に戻ってしまった。これ大丈夫?ハリーの正体知らない人が一名いるよ?

 

「今…何か変な生き物が…」

「アッハハハ…んなアホな」

「…冷や汗、大丈夫か?」

「余計な事言わんでええねん!」

 

ていうか、ほまれさんがめっちゃ冷ややかな目でこっち見てるんですけど。誰か話題変えてください〜。

 

「ほら!もうキュアスタに!」

「本当だ~!キュアスタ映えする良い写真!!」

 

薬師寺さんが話題を変えて話を進めた。まさにファインプレーである。

 

「…なんか、自分のこういう顔…久しぶりに見た」

 

話題を変えたと思ったら急に辛い展開になっちゃったよ。気まずい空気になってるし。

 

「ねえ、何で今日…私の事誘ってくれたの?私…プリキュアになれなかったんだよ?」

「プリキュアとかプリキュアじゃないとか、関係ないよ!私、ほまれちゃんが好きだし、仲良くなりたいんだ!」

 

するとほまれは目を見開いてから俯き、少し間を開けると立ち上がる。

 

「ごめん。ちょっとはぐたんと散歩してくる」

 

そう言って店を出て行ってしまった。

すぐに後を追おうとする野乃さん。

 

「待って!ほまれちゃん!」

「そっとしといたれ」

 

だが、それをハリーが止める。

 

「でも…」

「十分頑張っとるヤツに頑張れ言うんは酷やで」

 

『頑張れ』あることを成し遂げようと,困難に耐えて努力する人を応援する言葉。しかし、それは時にプレッシャーと感じてしまう。あいつは今、この状況に陥っているのだろう。

すると、薬師寺さんは野乃さんの手を強く握って言った。

 

「人を応援するって、凄く難しい事だと思う。でも、このままじゃ…………。行こう!はなちゃん!」

「さあやちゃん…。うん!あんなほまれちゃん、やっぱりほっとけない!」

 

そして2人は手を繋いで店を出て行ったのだった。

だが、俺は後を追おうとしなかった。別に行きたくないわけではない。確かな理由ではないが、何らかの抵抗を感じているのかもしれない。

 

「行かなくてええんか?」

「いや、行く。その前に、一つ聞いていい?」

「何や?」

 

俺が今から話すことにハリーは真剣に聞こうとしていた。

 

「俺さ、誰かの役に立てるような人間になりたいんだよね」

「………」

 

黙り込んでしまったハリー。流石にこの状況で言うのは変だったかな…。

 

「……ごめんね、急に変なこと言って。じゃあ、皆んなの所行こっか」

 

そう言って笑みを浮かべながら、俺も店を出る事にした。

 

「…安心せい。一斗はちゃんと皆んなの役に立っとるで」

 

 




今回は少々短めにさせていただきました。
アニメではもう追加戦士も出ているという…(笑)
今度こそ更新頻度を上げてアニメに追いついて行きたいと思いますので、これからもよろしくお願いします!
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