ペテル・モークに憑依転生!   作:ハチミツりんご

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はじめまして、ハチミツりんごというものです
オーバーロードの魅力的な現地人が主役の小説が書きたかっただけの駄文です。それでもいいという方は作者の自己満足にお付き合い下さい



プロローグ
転生するようです


「というわけで転生してください」

「何がというわけなのかわからないんだが」

 

目を覚ましたら知らない部屋にいた

これだけでも理解できないのにどこからか聞こえてくる謎の声

オマケに転生しろと言ってくる始末

下手くそなラノベのお手本のような状況だ

 

「・・・とりあえず、何がどうなって俺が転生することになったか、おしえてくれないか?」

 

まずは自分がどういう状況なのかを知らないとまずいだろう

 

「えっとですね、どうもこちらの予定よりもかなり早く亡くなってしまったようですので、そのお詫びと言った感じですね」

 

「てことはそっちのミスで死んだから、その埋め合わせをするってこと?」

 

「その認識であってます。後はあなたが転生しても大丈夫だからですかね」

 

俺が転生しても大丈夫ってのはどういうことなんだろうか? みんながみんな出来るわけじゃないのかな?

 

「みんな転生出来るわけじゃないんだな」

 

「そうですねぇ、犯罪を犯した方などは勿論駄目ですし、そもそもこちらのミスで亡くなってしまう方って珍しいですから」

 

まぁ転生先で犯罪されても困るだろうしな

 

「・・・あなたは転生って言われても驚かないんですね?」

 

「いや、驚いてはいるよ?ただまだ理解が追いついてないだけ」

 

「それにしては落ち着いているように思えますけど。とりあえず、転生するということでよろしいですね?」

 

「それで構わないんだが、元の世界に戻るとかも出来るのか?」

 

「そちらの世界では死者の蘇生が不可能ですので、生き返る事は無理ですね」

 

「なるほど・・・そちらの世界でってことは、出来る世界もあるんだな」

 

死者蘇生、なかなか心躍る響きだな

そんなのがある世界なら魔法とか

モンスターとかレベルとかもあったりするんだろうか

 

「そうですね、あなたの転生先では出来ますよ。剣と魔法のファンタジーな世界なので」

 

「もう決まってるのか?」

 

こういうのって自分で決められるものではないのだろうか?

ただまぁファンタジーな世界に行けるんだし、文句はないさ

だけどそんなに無理はしないでおこう

カワイイ嫁をもらって子供と一緒にのんびり過ごすくらいが・・・

 

「はい、オーバーロードという作品の世界で「転生やめていいですか」す・・・えっと、何故でしょう?」

 

「だってあれですよね?オーバーロードってあのオーバーロードですよね!?骸骨の魔法詠唱者(マジックキャスター)が主人公なやつですよね!?頑張って生きてても主人公側に関わった途端に死ぬやつですよね!?現地人じゃ為す術もないやつですよね!?あ、もしかしてナザリック側とか至高の御方々とかチートなプレイヤーとかそんなやつですか!?」

それならまだ救いはある!いやむしろナザリック側ならデミウルゴスやアルベドが何とかしてくれるし適当にやってても問題ない!

バッチコイだ!

 

「え!?えっとですね、少々お待ちください!・・・げ、現地人の方ですね・・・」

 

はいもう無理ー!

どんなに頑張ってもプレアデスにすら勝てないレベルにしかなれない!俺じゃラナー王女みたいに頭脳で認められることもない!ひっそり生きててもスクロールの材料にされるかもしれない!そんなのヤダー!救いがなさすぎるー!

 

「あ、あの〜・・・もう既に手続きをある程度済ませてしまっているので、出来れば転生していただけないでしょうか〜・・・?」

 

「嫌だ!せっかく転生するのにそんな救いのない世界はむり!」

 

「で、でもそうしていただかないと〜・・・じゃあ特典!もともといくつか差し上げる予定でしたけど、増やしますので!」

 

「ちょっと特典増えたからってナザリックにかてるわけじゃないんでしょ!?それじゃ結局変わらな・・・まてよ、特典?」

 

特典、特典・・・こういうのってだいたい才能強化とかそんなのだよな?あとは顔が良くなるとか

 

「・・・特典ってどんなのがあるの?」

 

「えっとですね、才能強化などの他にも、現地人では見ることの出来ないステータスを見ることが出来る『ステータス閲覧』、素材があればアイテムを作れる『アイテム作成』や相手の魔力を視覚化できる『魔力看破の魔眼』など、他にもいろいろありますよ」

「それだぁ!!!」

 

それを使って特殊な能力を持っている、もしくは珍しい能力を持っている状態なら、モモンガさんのコレクター魂を刺激できる!

そうすれば、俺でもナザリックに属することができるかもしれない!

『ステータス閲覧』・・・それがあれば自分がどの程度なのかも分かるし、便利だな

『魔力看破の魔眼』は多分原作でアルシェやフールーダが使っていたやつだな。あると便利だけど、同じ魔眼を持ってるやつがいるからなぁ・・・。「フールーダいるからお前いらない」って感じで殺されてもなぁ

『アイテム作成』は魅力的だけど、隠せるかが微妙だな。アイテムボックス的なのがあれば隠せるだろうけど、そんなのもってたらプレイヤーに間違えられそうだし・・・

なるべく「特殊な能力を持った現地人」ってことにしたいし、『アイテム作成』は我慢かなぁ

 

「他のもみせてもらってもいい?」

 

「あ、それなら先に、普通の転生をするのか、憑依転生をするのか決めて頂けませんか?」

 

普通の転生は分かるけど、憑依転生?

だれかに乗り移って転生するってことか?

 

「どう違うんだ?」

 

「まず、普通の転生は新しい命として、転生先の世界に行ってもらいます。つまりオリジナルのキャラクターですね。特典や才能、生まれをある程度決めることが出来ます」

「一方憑依転生は原作に登場するキャラクターに憑依して頂きます。生まれは憑依するキャラクターと同じですが、特典に加え、もともとキャラクターが持っていた才能を上乗せ出来るため、普通の転生よりも能力的に優れています。」

 

「それだけ聞くと憑依転生の方が良さげだけど、デメリットとかないの?」

 

「そうですね、憑依先が持っていない才能を伸ばす事は難しいですね。例えば、ガゼフ・ストロノーフに憑依なら魔法に関しては常人止まりになります」

 

なるほど、憑依先によってはオリジナルにした方が強いこともあるのか。てことは憑依先を聞いてからの方がいいのかな?

 

「後は、せっかく転生出来るなら、オリジナルキャラクターになりたい!・・・という人が多いので、普通の転生の方が利用する方がほとんどですね」

 

なるほど、確かに別の世界なら俺もオリジナルキャラクターになって原作キャラと関わりたいと思ったかもしれない。ただ、俺の場合は転生先が転生先なので、少しでも強くなっておきたい。・・・憑依転生かなぁ

 

「憑依転生にする場合って、俺は誰に憑依するか決まってるの?」

 

「いえ、あなたが憑依できるキャラクターの一覧をお見せするので、その中から選択していただくかたちですね」

 

「なら、その一覧をみせてもらっていいかな?」

 

そう言うと俺の手元にPONっと本が現れた

すっげぇファンタジーっぽいな、ちょっとテンション上がったわ

 

その本を開いて一覧を見てみると

 

 

【べリュース隊長】

【ロンデス】

【チエネイコ】

【フィリップ】

【スタッファン・へーウィッシュ】

【ザック】

【イグヴァルジ】

 

そこまで見てそっと本を閉じた

 

「ロクでもねぇのしかいないんだけど!

なにこれ!イグヴァルジがまともにみえるんだけど!」

 

「い、いやいや!もっとめくっていけばマトモなのもちゃんとあります!ありますから心配しないでください!」

 

そう言われて別のページを見てみると、確かに先程より遥かにましなのがちゃんといた

【モックナック】や【ベロテ】は確か

エ・ランテルのミスリル級の冒険者だったはずだ。ここら辺が良さげだな

 

「どうせなら才能の高い順に見れればなぁ」

 

そうボソッと呟くと

 

「可能ですよ?そうしましょうか?」

 

マジか、出来るのか!なら才能順で高いところにいるキャラで、まともそうなのを選べばいいか

 

「おう、頼むわ」

 

そういうと、手元にあった本が消え、代わりに別の本が出てきた。あ、そういうかんじなのね。本が光って内容が変化!とかじゃないんだ

気を取り直して本を見よう。1番は誰なのかな

やっぱミスリル級のどっちかかな・・・

そう思っていた俺の目に入った文字は

 

【ペテル・モーク】

 

・・・マジかよ、たしかペテルってモモンと最初に関係を持つ銀級チームのリーダーだったよな?割とあっさりクレマンティーヌに殺されたイメージだけど、すっげぇ才能持ちだったのか。・・・てかよくよく見てみるとペテルほどじゃないにしてもかなり高い位置に【ルクルット・ボルブ】

【ダイン・ウッドワンダー】

この2人も入ってるじゃん!ニニャは見当たらないけど確かフールーダレベルに到達出来るって設定だったはずだし・・・

漆黒の剣凄すぎない?あそこで死ななけりゃ王国一の冒険者ってこいつらだったんじゃね

 

「ニニャはいないけど、俺は転生できないの?」

 

「そうですね、基本憑依転生の場合は異性になることはできませんので」

 

「じゃあ、もしニニャがこの本に載ってたら、どれくらいになるんだ?」

 

「そうですね・・・だいたいペテルと同じか、それより少し下くらいでしょうか」

 

・・・フールーダレベルになれるニニャよりも高いペテルって何者なの?つまりペテルならガゼフ越え、下手したらクレマンティーヌと同等にもなれるってことか!これはもうペテルで行くしかないな

 

「決めた。ペテル・モークで頼むわ」

 

「わかりました。ペテル・モークの才能は以下の通りになります」

 

そういって手元の本にペテルの才能が表示されたので、それを見てみると

 

〜〜ステータス〜〜

名前【ペテル・モーク】

性別【男】 年齢【?】

総合Lv【?】

 

才能 【戦士(ファイター)系】

付与術師(エンチャンター)系】

召喚士(サモナー)系】

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

・・・ちょっとまて、戦士(ファイター)だけかと思ってたんだけど俺。なにこれ、どう考えても魔法系職業が2つもあるんだけど!

つまりペテルは3つの才能の合計で1位だったってこと?ガゼフ越えすら無理かもしれないぞこれ!?

 

「あ、ご安心ください。ペテルはガゼフよりも優れた戦士になれますので。」

 

「・・・なんでわかんの?」

 

「ガゼフの才能よりもペテルの才能の方が大きいからですね」

 

「つまりペテルはガゼフを超える戦士な上に魔法の才能もあると?」

 

「そうなりますね」

 

めちゃくちゃ化け物じゃねぇかこいつ(ペテル)!!!どうなってんのマジで!!!

・・・まてよ、たしかフールーダって三系統の魔法を覚えてて、そのうち魔力系統が第6位階だったよな?ってことは、そのフールーダと同等の才能であるニニャを超えるペテルならありえるか。・・・めちゃくちゃ強そうに思えるけど、これでもプレアデスに勝てないんだよなぁ。ナザリック怖すぎでしょ

 

「・・・とりあえず、ペテルに決めたから、特典を選ばせてくれない?」

 

「わかりました。特典は通常2つですが、今回は特別処置で4つまで選択可能です」

 

4つも選ばせてくれるのか、それならいろいろ出来るな!どうにかして稀有なキャラにならないと・・・。そう思っていると、再び手元の本が消え、別の本がPONっと。めくってみると

 

【ステータス閲覧】

【アイテム作成】

【才能強化】

【アイテムボックス】

【魔力看破の魔眼】

【幻影看破の魔眼】

【能力看破の魔眼】

・・・etc.

 

おお!色々あるなー!こんだけあると結構迷うな・・・。まず、【ステータス閲覧】は必須だ。自分がどの程度なのか分からないんじゃどうしようもない。【才能強化】も持っておきたい。プレアデスと戦えるレベルになっておけば、転生後の世界じゃ伝説級だろうし、現地のやつに殺されることもないだろう。【アイテムボックス】は前も言ったがプレイヤーと間違えられるとまずいし却下だ。

隠すのが難しい【アイテム作成】も同様だしなぁ・・・そういやこの【能力看破の魔眼】

ってなんだろう?

 

「この【能力看破の魔眼】ってどんなのなんだ?」

 

「【能力看破の魔眼】は相手のステータスを見ることが出来ます。また、攻性防壁に引っかかって探知されたり、反撃される心配がありません」

 

おお!つまり自由に相手の能力や才能を見ることが出来るのか!これはかなり便利なんじゃないか?才能があるやつを見つけられるから、ナザリックからも重宝されそう!これも決まりだな。あとひとつだけど、良さげなのがないんだよなぁ・・・ん?この最後の方にある【魔法効果変動】ってなんだ?

 

「なぁ、この【魔法効果変動】ってどんな効果があんの?」

 

「【魔法効果変動】はその名の通り、魔法の効果をある程度変更することが可能です。例えば、火球(ファイヤーボール)の威力を下げる代わりに範囲を広げたり、電撃(ライトニング)の貫通効果をなくす代わりに威力を上げたりなどが出来ます」

 

「へぇ・・・補助魔法や召喚魔法はどうなるの?」

 

「補助魔法の場合は、効果時間を伸ばす代わりに効果を下げる、逆に効果時間を下げる代わりに効果を上げたりできます。

召喚魔法の場合は召喚モンスターのステータスや持っている武器をある程度変更可能です。同じ第3位階天使召喚(サモン・エンジェル・3rd)でも、攻撃特化の両手剣装備の天使や防御特化の大盾装備の天使を召喚出来ます」

 

・・・これくっっっっっそレアじゃね?つまり状況に合わせて効果を変えたりモンスターを変えたり出来るんでしょ?使いやすいし珍しい!!ならこれを最後のひとつにするか

 

「決まった。【ステータス閲覧】、

【ステータス看破の魔眼】、【才能強化】

に【魔法効果変動】の4つで頼む」

 

「了解しました。以上で憑依転生のための準備は終了です。お疲れ様でした。それでは、転生を開始します」

 

・・・ついに始まるのか。やっべぇな、いまさらながら緊張してきたわ。俺は死にたくない、死にたくないけど・・・憧れだった小説の世界にせっかく行けるんだし、どうせなら第2の人生を楽しむか!よっしゃ!絶対生き残って、可愛い嫁を手に入れるぞー!




次回は今回の更新日から一週間前後を目安にしております!

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