ペテル・モークに憑依転生!   作:ハチミツりんご

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ギリギリ、ギリギリ2週間以内に投稿できた・・・!

遅れましたが、10話目です!!

本来の予定だと、10話目くらいでペテルはエ・ランテルで冒険者になってるくらいだったんですよね。どうしてこうなった。


4人との模擬戦

「行くぜぇおい!!」

 

開始の合図により、ギランとルッチが駆け出す。それと同時にカノンが矢を射掛ける。こちらに向かって真っ直ぐ進んでくる矢を盾で受け止める。

 

「オラッ!!」

 

こちらに迫ってきたギランが大上段からの振り下ろしをしてきたため、それも盾で受け止める。

 

しかし、思っていたよりも威力が高く、衝撃を殺しきれず体勢を崩されてしまう。

 

「・・・フッ!!」

 

その隙に、ルッチが脇構えからの振り上げで攻撃してくる。とっさに剣で上から叩きつけて迎撃する。

 

すると、いつの間にか2人の後ろに潜んでいたエドストレームが飛び出し、こちらの懐に潜り込みながら短剣を振るってくる。剣を振るうのも間に合わないと判断し、右手の剣を手放しながらエドストレームを掴み、力任せにぶん投げる。

 

「きゃっ!!」

「うおっ!」

「うわっ!」

 

ぶん投げた先にいたギランとルッチを巻き込んで転倒する。その間にバックステップで距離を取り、カノンの放った2本目の矢を予備の木剣を抜き取りながら切り払う。

 

あぶない、あぶない。もう少しでやられるところだったわ。流石に開始数秒で脱落なんて格好が立たない。

てか、ほんとに即興チーム?俺を倒すために練習してましたって言われても信じるレベルで連携が取れてるんだが。

 

「すみません、邪魔しました!」

 

「いや、むしろナイス判断だ!これでペテルの予備武器は無くなったぞ!」

 

「確かにな。しかし、4人で攻撃しても一撃も当てられないとは・・・。」

 

「ほんとほんと。この距離の矢を切り払うなんて、初めてやられたよ。」

 

「流石はペテルだな・・・。」

 

いやいやいや、買い被りすぎじゃね?俺8歳だよ?ただのガキンチョだよ?4人相手に無双出来るようなレベル差じゃないんですよ、はい。

 

てか、まじでどーすんべ、これ。相手の連携が取れているせいで、後手に回っていると反撃の余裕は無さそうだ。

 

前衛2人にエドストレームはどうにかなる。特にエドストレームは速さこそ有るものの、盗賊職な上、小柄で非力だから力任せにやってもどうにかなりそうだ。

 

問題はカノンだ。弓による攻撃はどうにか防ぐことは出来るが、前衛と同時にやられると厄介だ。さっきも矢の攻撃がズレていたから良かったが、同時に飛んできていたら対処しきれなかっただろう。

 

動き回って、矢を撃ち尽くさせるか?

・・・無理だなぁ。体力もたないわ。それに、隙をついてエドストレームが矢を拾ってくるだけだろう。無駄に終わるだけだ。

 

 

 

うーん・・・考えるのがめんどくさくなってきたなぁ。ごちゃごちゃ考えても仕方ないか。

 

「とりあえず、突撃だな!」

 

 

考えることを放棄し、相手に向かって突撃をする。

 

「きたぞ!エドストレームは下がれ!」

 

ギランが他より1歩前へ、エドストレームが1歩後ろへ下がり、ルッチが2人の間に入る。

 

「・・・ソリャ!」

 

カノンが矢を射るが、盾でそれを防ぐ。続けて矢を射ってくるが、走りながら盾で弾いていく。

 

「オラッ!」

 

近づいたところを、ギランが上から剣を振り下ろしてくる。しかし、先程のように助走を付けていないその一撃は軽く、盾を使い弾くことに成功する。

 

「んなっ・・・!」

 

俺の前に、無防備な状態でギランの腹が晒される。盾を手放し、木剣を両手で構える。身体をひねり、ギリギリまで力を溜め、全力の一撃を叩きつける。

 

「ゴッファ!!」

 

「ギ、ギラーン!!」

 

俺の全力を受けたギランは、身体をくの字に曲げながら吹っ飛び、盛大に地面にぶつかる。

 

そこに審判のモーゼが近づき、ギランの状態を確認する。

 

「・・・ギランさん、気絶のため脱落です!」

 

「うっそぉ!早すぎでしょ!」

 

「あのバカ・・・!ペテル相手に油断するなんて!」

 

「油断したギランさんもだけど、一撃で倒したペテル君も頭おかしいでしょ!」

 

「頭おかしいって酷くない!?」

 

俺達がそんなやり取りをしているうちに、モーゼがギランを引きずっていく。

 

いやー、やっぱり片手と両手じゃ威力が違うなぁ。だけど、盾で攻撃を防げるのは魅力的だしなぁ。これから決めていかないとなぁ。

 

「・・・それじゃ、続きやりましょうか?」

 

「・・・どうする?ギランがいないと、ペテルは止めれないが?」

 

「いやー、やめといたがいいんじゃない?私怪我とかしたくないよ?」

 

「うーん・・・悔しいけど仕方ないかなぁ。」

 

「あ、終わりですか?なら、ギランさん運ぶの手伝ってくださいよ。この人結構重くって。」

 

モーゼの頼みを受け、ルッチがギランを担いで彼の家に向かった。

 

なんか、ヤバいと思ってたけど案外あっさりと終わったな。低レベルの戦いだとこんなもんなのかな?ファンタジーな世界だけど、戦争のやり方は前の世界とそんなに変わらないし。

 

まぁ、突出した個人の活躍はあるけど。

そういえば、あまり詳しくは知らないが、まだガゼフ・ストロノーフは王国戦士長ではないらしい。

現在はフリーの傭兵団を率いており、かなりの実力者が揃っているうえに、契約相手を裏切らないことで有名なようだ。

 

 

その他、原作に登場したキャラクターだと、王国内では天才剣士ブレイン・アングラウスや後のガゼフの師匠となるヴェスチャー・クロフ・ディ・ローファン、十三英雄の1人にして【死者使い】のリグリットなどが有名だ。

帝国だとフールーダ・パラダインや、帝国四騎士、武王など。

法国には特に噂は聞いていないが、聖王国には若く優秀な姉妹がいるという。恐らくカストディオ姉妹だろう。

 

まぁ、ここにいる全員で協力しても、ナーベラルにすら勝てるか怪しいけどな!

 

・・・ナザリック怖ぇ・・・。

 

「・・・変な顔してどうしたの?」

 

「んぁ?いやいや、何でもないよ。」

 

すぐ近くにきていたエドストレームが笑いかける。

いかんいかん、変な顔に見えたようだ。頬を両手でムニムニして、顔をキリッとさせる。それを見て、エドストレームはくすくすと笑っていた。カワイイ。

 

「あ、そう言えば。エドって何か隠し武器とか持ってたの?」

 

「あれ、バレちゃってた?」

 

「まぁ、盗賊職が短剣1本で戦士職に戦うわけないし。ロックマイアーさんならなにか渡してそうだなって。」

 

「なるほどね。ロックさんから貰ってたのは、この2種類だよ。どっちも使い勝手がいいんだって。」

 

そう言ってエドストレームが懐から2つのものを取り出す。

 

片方は、エドストレームが手に持っていた短剣をさらに短く、細くしたようなもので、鍔もついていない投げナイフだった。

 

もう片方は、ボーラと呼ばれるもので、縄の両端に鉄製の重りがついている。鉄球をぶつけてもいいし、相手の足に絡めて転倒させることも出来る、結構使い勝手のいい武器だったはずだ。

 

「投げナイフはまだしも、ボーラを使われたらまずかったな。」

 

「あ、知ってるんだ。狙ってたんだけど、その前にギランさんやられちゃったし。」

 

「まぁ、峰打ちとはいえ、全力で振ったしなぁ。」

 

「そもそも、ギランさんをあれだけ飛ばせるペテル君がすごいと思うけどね。

 

・・・あ、見てみて、ペテル君!あれってロックさんたちじゃない?」

 

エドストレームが指さした方向を見ると、確かにここ数日トブの大森林に調査に行っていた【守護の聖剣】の面々が戻ってきていた。

 

 

ただ・・・

 

「なんか、様子が変じゃない?」

 

よく見てみると、ロックマイアーはヨーランに肩を貸しているし、ボリスも自身の剣を杖のようにして身体を支えている。ルンドクヴィストに至っては、フランセーンに担がれている状態だ。

 

それに、全員がかなりの怪我を負っている。上位冒険者に相応しいだけの防具や高価なポーション、ヨーランによる回復魔法があるのにだ。

 

すると、こちらに気がついたロックマイアーが脱力したような笑みを浮かべながらこちらに話しかける。

 

 

「よお、ペテルにエド。すまねぇが、こいつら運ぶの手伝っちゃくれねぇか?」

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

「皆さん!大丈夫ですか!」

 

そう言いながら、村長は冒険者たちが休んでいる家の中に駆け込む。そこには、村を救ってくれた恩人達が満身創痍の状態でベットに横になっていた。

 

「ああ、村長さん。大丈夫ですよ。これくらいで死ぬような、やわな連中じゃないですから。」

 

そう言って笑いかけるのは、リーダーのボリスだ。調査に向かう前に身につけていた見事な鎧は外され、全身を包帯で巻かれている。

 

「そうそう。ボリスやフランはミスリル級の前衛職だからな。これくらいどうってことないさ。ルンドとヨーランの2人も、重症に見えるが実際は大したことない。魔力切れになって倒れただけさ。」

 

なんてことないように言ったロックマイアーは、怪我こそしているもののほかの4人よりは軽傷だった。大森林内での戦いにおいて、盗賊職である上に味方への指示を任されていた彼は直接戦うことが少なかったためだ。

 

その横で、フランセーンも無言で頷いている。実際この中で最も傷が酷いのは彼だが、戦いの際にボリスとともに前衛となる彼にとって、これくらいの傷はまだまだ動ける範囲内なのだろう。消耗したアイテムの確認や、武器の手入れを黙々とこなしている。

 

「仲間が起きたら、すぐにでもエ・レエブルに出発します。なるべく早く、組合に今回の敵のことを伝えたいですから。」

 

「それは構いませんが・・・。皆さんがいない間に、その敵が村に来る、なんてことは?」

 

「いえ、それは有り得ません。こちらもかなりやられましたが、向こうにも深手を負わせたので。」

 

「・・・殺すつもりでやったが、逃げられた。魔法詠唱者(マジック・キャスター)だからといって油断した。すまない。」

 

「何言ってんだ。あの一撃のおかげであいつから逃げ切れたんだ。むしろよくやったよ。」

 

落ち込むフランセーンに、それを笑いながら慰めるロックマイアー。そこには、共に死線をくぐり抜けた、硬い絆があった。

 

 

 

 

 

「ロックさん!大丈夫ですか!?」

「失礼します。」

 

そう言いながら部屋に入ってきたのは、ロックマイアーの教え子のエドストレームと、その友人であるペテルだ。

 

【守護の聖剣】が戻ってきた時から心配していた2人だが、治療が済むまで外で待っていたようだ。

 

「大丈夫だよ、エド。こんな傷、へでもねぇや。それとも、これぐらいで死ぬほど、俺のこと弱いと思ってんのか?」

 

「そんなわけじゃないけど、心配なものは心配です!」

 

二人の会話を聞いて苦笑いしながら、ペテルがほかの2人に話しかける。

 

「お疲れ様です、ボリスさん、フランさん。怪我の具合はどうですか?」

 

「ああ、俺達は大丈夫だよ。心配してくれてありがとう、ペテル君。」

 

「・・・問題ない。」

 

「それは良かったです。・・・もしかして、近いうちにエ・レエブルに戻りますか?」

 

「ああ。仲間が起きたら、すぐにでも戻るつもりだよ。どうしてだい?」

 

「いえ、エドストレームももっと色々ロックマイアーさんに教えてもらいたかっただろうし、俺もボリスさんやフランさんに武技について教えて欲しかったので、残念だなって。」

 

「ああ、なるほど。すまないが、それは次に村に来た時で構わないかい?」

 

「?また来るんですか?」

 

「・・・今回の件は、組合に報告して、定期的に冒険者を派遣するようにするつもりだ。その際、ここの村に寄るので、これからも何度か来ることになる。」

 

「なるほど・・・。あの、それなら、1つお願いをしてもいいですか?」

 

「?なんだい?」

 

「魔法に関する本を買ってきて頂けないでしょうか?村に来る行商人とかは、滅多に本を売ってないので。」

 

「なるほど。それくらいなら構いませんよ。ねぇ、フラン?」

 

「ああ。・・・そうだ、ペテル君。」

 

「なんですか?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「どうせなら、俺達とエ・レエブルまで行くか?」

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