ペテル・モークに憑依転生!   作:ハチミツりんご

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一週間前後と言いましたが、筆が進んだので投稿いたします。


子供時代編
両親は親バカなようです


さてさて、前回テンプレな転生をした俺だよ

そんなわけで第2の人生が始まったわけなんだが・・・

 

「ペテル〜!分かりまちゅか〜?ママでちゅよ〜♡」

 

「レ、レイラ!俺にも、俺にもペテルを抱っこさせてくれ!」

 

「嫌よ!あなた顔怖いから、ペテルが泣いちゃうかもしれないじゃない!」

 

「そんなことない!きっとペテルは「パパー!」って感じで甘えてくれるさ!」

 

「何言ってんのよ!ペテルが1番甘えるのはママである私に決まってるでしょ!」

 

 

ペテル・モーク(おれ)0歳、両親の喧嘩に巻き込まれています。いやね、今さっき起きたんだよ俺。それで転生できたのかーって感じで周りをキョロキョロしてたら、「ペテルが目を覚ました!」って叫びながら飛んできたんだよこの2人。そして俺がどっちを探していたかで喧嘩を始め、それが一段落ついたかと思えば先程の喧嘩だ。見たところ俺を含めて3人暮らしなので、初めての子供なのだろう。・・・それにしたってはしゃぎすぎじゃね?やっぱり子供のこととなると親はテンション上がるもんなんかね?

 

「・・・ねぇ、ペテル全然泣かないんだけど・・・」

 

「確かに、夜も泣いたことないな。いいことじゃないか!男はそうそう涙を見せたらいけないんだよ!な、ペテル〜!」

 

「でも、村の人達が「小さい子供は大変だから、困ったことがあったら手伝うからね!」って言ってたのに、ぐずりもしないなんて・・・ま、まさか生まれながらの病気があったりとか・・・!」

 

「何ィ!ペテルが病気だったら大変だ!村長に、村長に相談しに行こう!」

 

・・・やっぱはしゃぎすぎなだけな気がするわ。とりあえず、両親のことは置いといて、特典が使えるか調べておくか。でも、どうやってステータスって見れるんだ?えーっと、こう、ステータス閲覧!って感じで・・・

 

 

〜〜ステータス〜〜

名前【ペテル・モーク】

性別【男】 年齢【0歳】

総合Lv【1】

▼ジーニアス/戦士(ファイター) Lv1

 

 

才能【戦士(ファイター)系】

付与術師(エンチャンター)系】

召喚士(サモナー)系】

 

生まれながら異能(タレント)

『大器晩成』

▼レベルアップに必要な経験値が増加します。その代わり、レベルアップ時に補正がかかるようになります

 

特典【ステータス閲覧】

【才能強化】

【能力看破の魔眼】

【魔法効果変動】

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

おお!もう既にLv1になってる!これはたしかブレインとかが持ってたやつだよな?やっぱ化け物だなペテル。

その上この生まれながらの異能(タレント)・・・つまり全く同じビルドを組んでも俺の方がステータスが高くなるってことでいいんだよな?これだけでも割とチートじゃね?後はどれだけ必要経験値が増加するのか、それにどれだけ補正がかかるのかだよな。

もしかしてだけど、原作でペテルがそんなに成長してなかったのってこの生まれながらの異能(タレント)のせいか?この世界じゃレベリング方法も分からないだろうし、成長しにくいだろう。魔法に関しては、おそらく触れる機会がなかったのだろう。この世界で知られる魔法は魔法系、信仰系、精神系が主だ。補助魔法と召喚魔法に特化しているペテルの才能じゃ触れる機会がなくても仕方ない。

 

とりあえずは【ステータス閲覧】は使えることが分かった。他の3つのうち、いま確認できそうなのは【能力看破の魔眼】くらいか。よし、父親のステータスでも見てみるか。じっと見つめれば発動するかな?

 

「・・・ん?どうしたペテル?やっぱりパバを探してたのか!」

 

「ちょっと!その話はどっちも探してたってことで決着がついたでしょ!」

 

「でも見ろ!ペテルは俺のことをじっと見ているぞー!」

 

「そんなことないわよね!?ペテルが探してたのはママだもんね!?」

 

両親よ、頼むから静かにしてくれ。

・・・しかし一向にステータスが見れないな、やり方が違うのか?じゃあ、右目に力を集める感じで・・・

 

〜〜ステータス〜〜

名前【ギグ・モーク】

性別【男】 年齢【28歳】

総合Lv【6】

農夫(ファーマー) Lv5

戦士(ファイター) Lv1

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

おお!上手くいった・・・

「・・・なぁレイラ、今、ペテルの目が光らなかったか?」

 

「た、確かに光ったわね・・・」

 

うっそまじかよ!!【能力看破の魔眼】って使う時に光るのか!てっきりアルシェみたいな感じかと・・・。こ、これはちょっとまずいかもしれない!!

 

「や、やっぱりペテルに変な病気とかがあったのかしら!」

 

「・・・いや、もしかして生まれながらの異能(タレント)か?」

 

生まれながらの異能(タレント)って、持ってるのが珍しい特殊な能力ってやつ?」

 

「ああ、つまり・・・」

 

「つまり・・・?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「うちのペテルは天才だってことだ!!!」

 

 

・・・は?

 

 

「キャー!!!そうよね!うちの可愛い可愛いペテルちゃんが天才じゃないわけないわ!」

 

「凄いぞペテル!将来は大物間違いなしだな!!!」

 

 

・・・両親が親バカでよかった。

ひとまず、【能力看破の魔眼】使用時には目が光るってことがわかって良かったと思うべきか。

それに、もうひとつ分かったことは、父親のギグは戦闘職をもっていたということだ。この世界で農夫をやっているにも関わらず、戦闘職を持っているということは、戦わなければならないことがあるということだ。それはおそらくだが、戦争もしくはモンスターの襲来だ。どちらかは分からないが、出来るならモンスター襲来の方がありがたい。人間を殺しても経験値は入るだろうけど、やっぱ人間を殺すよりもモンスターを殺す方が気が楽だ。

それと、モンスターを殺す以外にも経験値を手に入れる方法を探さなければ。恐らくだが、モンスターを殺す以外にも経験値を手に入れる方法はある。原作ではモンスターと戦ったことがなくても魔法を学べば使えたはずだ。つまり、魔法の勉強をすれば魔法系職業の経験値が貰えるのだろう。その為にも、まずは文字を覚えなくてはならない。

・・・今はまだやれることは少ないが、成長していけば色々できるようになるはずだ。せめて、冒険者になる頃には戦士(ファイター)をLv10、付与術師(エンチャンター)召喚士(サモナー)を最低Lv1ずつにはなっておきたい。そして、ナザリックが転移してくるまでに最低でもミスリル級、できればエ・ランテル最初のアダマンタイト級冒険者になりたい。そうすれば、急に殺される危険性も少なくなるだろう。

よし!俺の生活のために!そして人類のためにも!絶対ナザリックに就職してやる!

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

さてさて、色々あって4歳となりました、ペテル・モークです。え?時間が経ちすぎだって?仕方が無いだろ、今までほとんど親に世話になっててなにもできなかったんだし。

 

まず、この4年間で分かったことはいくつかある。

まず、一つ目は俺の住んでいる村がどこにあるのかということ。それは、リ・エスティーゼ王国の王都から東、エ・レエブルとトブの大森林の間に位置していることが分かった。そして、この村や近くのエ・レエブルを管理しているのは、六大貴族のレエブン候だ。俺はこれを聞いてほっとした。だって王国貴族のなかで唯一まともであるレエブン候の領地にいるのだ。これがほかの貴族の領地ならLvをあげることすら難しかったかもしれない。

それに伴い、父親のギグが戦闘職を持っている理由がわかった。トブの大森林からたまにモンスターが出てくるからだ。ゴブリンや悪霊犬(バーゲスト)がほとんどだが、稀にオーガやトブ・ベアが出てくるらしい。出てきた時は母親のレイラを中心とした狩猟組が弓で攻撃、弱ったところを父親のギグ率いる男衆が囲んで攻撃するらしい。

そう、うちの親バカ両親だが、何気に村の中心人物だったのだ。村長や他の村人にも頼りにされており、なかなかに優秀なようだ。ただ、一度村にゴブリン数匹が襲ってきた時には、それを一匹残らず倒した後に

 

「どうだペテル!パパは凄いだろ!」

 

「何言ってんの!ママの方が凄いよねペテル〜!」

 

・・・といった感じで喧嘩しており、村のみんなに苦笑いをされていたが。村長からは

「お前も大変だな、ペテル」

と言われる始末である。ええ、村長。大変ですよ、ほんとに。

そして肝心のレベルアップについてだが、分かったのは訓練をすれば戦士(ファイター)の経験値を獲得できることだけだった。その為、4歳になってからは父親のギグと共に朝から訓練にはげんでいる。魔法系の勉強もしてみたいのだが、うちの村には魔法が使える人がいないのだ。よってまだ確認が取れていない。それに、魔法関連の本を手に入れようとしても売っているのは1番近場でエ・レエブルであり、本自体も最低でも銀貨4枚はするのだ。庶民には手が出せない金額である。

ちなみに、この世界の通貨だが、価値の低い順に

半銅板→銅貨→半銀板→銀貨→金貨→白金貨

の順になっている。銀貨はだいたい5000~10000円くらいなので、だいたい本1冊が2~4万円だと考えれば良い。たかだか本1冊にそんな大金はかけられないのが庶民というもので、本を買うくらいなら生活に役立つものを買うのだ。その為、村には全くといっていいほど本がない。唯一あるのが、村長の家に置いてある『十三英雄』の伝説についての本だけ。よって、村の子供たちは村長の家で本の読み聞かせをしてもらっていることが多い。

そして、物語を聞いた子供のほとんどが『十三英雄』のごっこ遊びを始める。やはり子供たちの間では勇者が一番人気!・・・と言いたいのだが・・・

 

「おーいペテルー!お前勇者やれよー!」

 

「いや、別に俺はなんでもいいんだけど」

 

「えー!勇者はペテルだろー!」

 

「そうそう!1番強いもんなー!」

 

 

・・・といった感じで、だいたい俺が勇者役になるのだ。一度、みんなでチャンバラごっこをしたのだが、戦士(ファイター)を持っている俺とただの子供では勝負にならず、『俺』対『村の子供たち』で戦ったが圧勝してしまったのだ。流石にまずいかとも思ったのだが、それ以来他の子から一目置かれ、ガキ大将的ポジションになってしまったのだ。そのせいで、言うことを聞かない子供がいたら俺が説得するハメになってしまった。おかげで訓練に費やす時間が減ったのだが、村の大人達には「流石はモークさんとこの子供だねぇ」と信頼されることになったのでラッキーだ。

 

そんな4歳児な俺だが、ある日村の広場でギグと訓練していると、見慣れない2人組が村に向かって来ているのを見かけた。フードを深めにかぶり、リュックのようなものを背負っている。体格からして片方は子供だろう。

 

「父さん、誰か来たみたいだよ?」

 

「ん?・・・本当だな、誰だありゃ?行商人って訳でもないだろうし・・・」

 

そう話していると、

 

「すみません、ザリア村ってここで合ってますか?」

 

「あ?ああ、確かにここはザリア村だが・・・あんた、何しに来たんだ?」

 

「この村に移住しに来たんですが、村長さんの家はどちらに?」

 

「あっちに見える1番デカい建物だ。それよりもなんで移住なんてしてきたんだ?うちの村は人の募集なんかかけてなかったはずだが?」

 

「・・・それは分かってます。だけど、もうこの村しか頼るあてはないんです・・・!」

 

「・・・ワケありってことか。ひとまず、村長や他の奴らの話してみないとな。ペテル、スマンが今日はここまでだ。俺はこのふたりを案内してくる」

 

「でも父さん、そっちの子は話し合いには必要ないでしょ?なら休ませてあげていい?」

 

「・・・それもそうだな、じゃあ、その子をうちで休ませておいてくれ」

 

「分かった」

 

そう言うと、ギグは大人の人ーーー声からして女性ーーーを連れて村長の家にいった。

 

「じゃあ、行こっか。荷物持つよ」

 

「え?あ・・・」

 

そういってその子の荷物を持って、俺の家に向かった。思っていたよりも荷物が重かったため、少し驚いた。戦士(ファイター)を持っている俺が重いと感じるので、この子にとっては相当重かったのではないだろうか?

 

「荷物、結構重いね!これ持って歩いてきたの?」

 

「う、うん・・・」

 

「そういえば、君はどこから来たの?」

 

「お母さんと一緒に、エ・レエブルから・・・」

 

「・・・そこからずっと歩いてきたの?」

 

「?そ、そうだよ・・・?」

 

嘘だろ?エ・レエブルからここまでくるのにだいたい徒歩だと2日はかかるはず。その間充分休憩をとったとしても、この子には相当辛かったはずだ。

 

「大変だったんだね」

 

「う、ううん、大丈夫だったよ・・・。」

 

「そう?俺はここからエ・レエブルまで徒歩ではちょっと無理かな〜・・・っと、ついたよ。ここが俺の家」

 

今の時間はたしか母さんは狩猟組と狩りの準備をしているはずなので、誰もいないはずだ。

ドアを開けて家に入ると、すぐそこに簡素な机と椅子が置いてある。机に荷物を置いて、座るように促す

 

「座ってて、今お水持ってくるから」

 

「あ、ありがとう・・・」

 

たしかキッチンにおいてある水瓶のなかに、今朝汲んだばかりの水が入っている。その水を少し大きめのコップに入れ、女の子に差し出す。

 

「はいどうぞ。お水しかないけど」

 

「あ、りがとう・・・」

 

そう言うと、女の子はフードを外して水を飲み始める。褐色肌に、少し灰色がかった銀髪の綺麗な子だった。そんな子がコップに入った水をクピクピ飲んでいる。カワイイ。

 

「・・・ね、ねぇ。質問してもいい・・・?」

 

「ん?全然いいよ!何?」

 

 

 

 

 

 

「なんで優しくしてくれるの?」

 

 

「・・・どういうこと?」

 

 

「だ、だって、お店の人達とか、違う村の人達とかは、こんなに優しくしてくれなかったから・・・」

 

 

・・・なんとなくこの子の事情が分かったわ。さっきいた母親と同じ店にいたんだろう、その店の待遇があまり良くなかったんだな。それで母親共々店をでたが、エ・レエブルにアテがなかったんだろう。それで辺境の村と交渉して住まわせてもらおうとしているのか。そう考えると、大都市で働いているのに他にアテがない職業・・・あまり表立った仕事ではないな、娼婦とかか?

 

「んー、なんでって言われても、俺がそうしたいからしてるだけだよ?特に理由とかはないかなぁ」

 

「そ、そうなんだ・・・。ま、街にいた時は、他の子は私のこと、しょーふ?の子供だって言って優しくしてくれなかったから、なんでかなーって思って・・・」

 

やっぱりそうか。つまりこの子の母親はエ・レエブルの娼館で働いて、そこで客との間に生まれたのがこの子ってとこか。だからアテもなく、住む所を探してんのか・・・

 

「娼婦のこどもだとかなんだとか関係ないと思うんだけどなぁ。結局君は君でしょ?気にしなくていいと思うよ?」

 

「!!!・・・あ、ありがとう・・・」

 

恥ずかしげに俯いてありがとうと呟く銀髪褐色肌の幼女・・・めっちゃドキッとしたけど断じて俺はロリコンじゃないからな!・・・にしたってこの子ほんとに可愛いな。オーバーロード原作も現地人は美男美女多かったけど、モブの子でもこんな可愛いのか、異世界ってすっげー!

 

「そ、そういえば、まだ自己紹介してなかったよね・・・?」

 

「あ、そういえばそうだったね、忘れてた。俺はペテル!ペテル・モークだよ!」

 

 

「あ、わ、私の名前はね・・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「エドストレームっていうの」

 




当作品のエドストレームさんはチョイ役ではありません。
ガッツリメインキャラです

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