最低でも銀貨10枚→最低でも銀貨4枚
銀貨はだいたい1000~2000→だいたい5000~10000
ご指摘してくれた方、ありがとうございます!
さてさて、少し時が飛んで
人見知りな上、村特有の閉塞感からなかなか馴染めなかったエドストレーム達だが、俺やギグ、レイラが根気よく説得したおかげですっかり馴染めている。そのおかげで我が家とエドストレーム達は家族ぐるみで仲良しになった。エドストレームは俺を特に慕ってくれているようで、こうして一緒に昼寝をするほどだ。
・・・にしても最初に出会う原作キャラがまさかエドストレームだとは思わなかった。エドストレームは原作なら裏の最強(笑)な噛ませ集団『六腕』の1人、なんだが・・・、この『六腕』、現地人基準で考えるとマジで裏の最強なんだよなぁ。6人が6人ともアダマンタイト級の実力者であり、裏組織の力をフルに使って現地基準での最高級装備も揃えている。
ひとまず『六腕』のことは置いておいて、近況報告をするとしよう。まず、去年から毎日訓練をしていた俺だが、ついこの間
そうすると、ギグの仕事中は効率の悪いレベリングになるのだが、ここでひとつ嬉しいおしらせがある。本が手に入ったのだ、 しかも魔法に関しての本である。エドストレームのお母さんーーーリリアラームさんと言うらしいーーーが持っていたものを譲り受けたのだ。
「貰ったはいいが魔法にはあまり興味がなかったから、そのまま捨て置いてたんだよね。欲しけりゃあげるよ?わからない文字があったら聞きに来な〜」
・・・との事なので、俺は運良く本と文字の講師を同時にゲットしたのだった。
そうして始めた魔法職のレベリングだが、いかんせん効率が悪い。本自体が魔法の基礎に関する本であることと、
あ、そうそう。天才で思い出したのだが、エドストレームのステータスなのだが・・・
〜〜ステータス〜〜
名前【エドストレーム】
性別【女】 年齢【6歳】
総合Lv【1】
▼ジーニアス/
才能【
【
〜〜〜〜〜〜〜〜〜
そう、彼女もまたジーニアス系の職業を持っていたのだ。だから重い荷物を持っていても大して苦労せず動けていたのだろう。
しかし、この
原作のエドストレームは
・・・傍から見たら曲芸そのものだが、笑えないレベルのチートだと思っている。正面戦闘においては、『六腕』の中ではゼロと同等、あるいはそれに次ぐであろう実力者だ。そんな彼女の持っている職業、しかもジーニアスである。弱いとは思えないんだが・・・。どちらにしろ、レベリング方法が分からないので今は置いといた方がいいだろう。
そう、俺は今、エドストレームを冒険者にする計画を立てているのだ。まず、俺の目標は前も言った通りモモンガ様率いるナザリックが転移してくるまでに最低でもミスリル、出来ればアダマンタイト級になっておくことである。その際、原作での『漆黒の剣』の3人を仲間に引き入れて、そこにエドストレームを加えた5人パーティを作ること。これがおれの思う最高のパーティなのだ。ニニャは勿論、ルクルットとダインの2人も相当な才能持ちだ。その上に『六腕』になれるほどの才能持ちであるエドストレームを加えれば、まず間違いなく王国最強の冒険者パーティになれるだろう。バランスもある程度整っており、俺と防御を重視した召喚モンスターを前衛にし、後衛に魔法火力担当のニニャを置く。中衛には回復、妨害が可能なダインを中央に、弓と剣で臨機応変に立ち回れるルクルット、そして
・・・割とマジでいい出来だと思っている。特に両脇を
まぁ、そんな理由で彼女を仲間にしたいのだが、問題がある。うちの両親とリリアラームさんだ。まず、そもそも俺が冒険者になること自体に両親ーーー特に母親のレイラーーーが反対しているのだ。
リリアラームさんは、「都市なんて、いいとこじゃないよ?栄えてるように見えて、ギスギスしてるし・・・。どうしてもって言うなら、止めはしないけどね?」
と、否定的だが、こちらの意見を尊重してくれているのだろう。あまり口は出してこない。しかし・・・
「ペテル・・・お前の気持ちは分かる。だけどな、俺としてはこのまま村の自警団に入って村に残ってほしい。お前は強くなれる。すぐに俺なんて超えれるだろうさ。でも、冒険者にはそんなやつが沢山いる。それに、お前はまだモンスターと戦ったことがないだろう?奴らとの戦いは怖い。殺すか死ぬかだからな。冒険者ともなれば、それがほぼ毎日だ。出来ることなら、お前にそんな仕事についてほしくないんだ。」
「ねぇ、ペテル。本当に冒険者にならなきゃいけないの?このまま村にのこって、私たちやエドストレームちゃんと一緒に暮らしていくのも立派なことだと思うわ。・・・ママはね、モンスターと戦う時は、自分が死ぬ以上にパパが死んじゃう方が怖いの。冒険者になる人は、駆け出しのうちに多くの人が死んじゃうらしいの。ママは、そんな世界にペテルが行くなんて絶対反対だからね。」
これが両親の意見だ。至極真っ当な意見だろう。俺が親だとしても、自分の子が成功するよりも死んでしまう確率の方が高い職業なんかになるのに賛成はしない。・・・それでも俺は冒険者にならなきゃいけない。日常的にモンスターと戦えるのもそうだが、政治にあまり関係がないのがありがたい。冒険者組合の規則はあるだろうが、基本的に自由なのが冒険者だ。レベリングも今より格段にしやすくなるはずだ。
それに、せっかくオーバーロードの世界にいるのだ。原作キャラと関係を持つのにも、自由に国を行き来できる冒険者の方が都合がいいだろう。
それに・・・
「ん、うぅん・・・」
「!・・・おはよう、エド。ぐっすりだったね?」
「ふぇ?・・・あ、ペテルくん!?わ、私そんなに長く寝てた!?」
「落ち着いてよ。まだお昼過ぎだよ?」
「え?・・・ほんとだ。まだ外全然明るいや・・・」
恥ずかしそうに笑う彼女。
「・・・ねぇ、エド!みんなのところに行こっか。一緒に遊ぼう!」
「!・・・うん!行こう!」
俺は死にたくない。そして、彼女にも死んで欲しくない。その為には、冒険者になるのが一番の近道なのだ。
・・・絶対に説得してみせる。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
さてさて、
そんな俺に村の人達はというと、
「いやぁ、ペテルはすげぇな!こんなに小さいのにとんでもない才能だ!」
「いやいや、毎日ギグと一緒になって剣を振ってたからなぁ。毎日魔法についての本も読んでるらしいし、よくもまぁあんなに努力できるもんだよ。尊敬するね。」
「それにあいつ、子供なのに人間出来てるしなぁ。喧嘩とかしたの見たことないし。ほんとにあのギグとレイラの息子かね?」
などと、かなりの高評価だ。特に子供たちは、俺のことを村の誇りだと思ってくれているらしい。嬉しいことだ。
そんな子供たちだが、現在俺が考案した遊びにハマっている。それは、『かくれおに』と『ジャグリング』だ。
・・・見てのとおり、エドストレームのためのレベリングだ。初めは、これで成長させれるのか不安だったのだが、
〜〜ステータス〜〜
名前【エドストレーム】
性別【女】 年齢【9歳】
総合Lv【3】
▼ジーニアス/
▼
〜〜〜〜〜〜〜〜〜
このとおり、しっかり成長出来ているようで、安心している。ただ、こんな遊びじゃこれ以上は期待しない方がいいだろう。願わくば、モンスターを倒す機会があればいいのだが・・・
「おーい、ペテル!そろそろ休憩にしないかー?」
「了解、父さん。じゃあ、休憩終わったら次は父さんとだね。」
「はっはっは、望むところだ!今日こそ父の威厳を見せてやるからな!」
「ふーんだ、今日も連勝記録更新するよ!」
そんな軽口をたたきながら休憩にはいると、それに気づいたエドストレームが遊びを中断してこっちに向かってきた。
「お疲れ様、ペテル君。お水持ってくるね。」
「ありがとうエド。お願いしようかな。」
そういうと、エドストレームは笑顔で頷いて、小走りで水汲み場に向かっていった。
「なんだなんだ、ペテル!エドちゃんと良い感じじゃねーか!」
「父さん、やめて」
「照れるなって!いやー、エドちゃんみたいな可愛い子が娘になるのは、父さん大歓迎だぞ!」
8歳児に何言ってんだこのオヤジ。そう思いながら呆れていると、エドストレームが戻ってきた。レイラも一緒だ。
「おまたせ、ペテル君。はい、お水」
「ありがとう、エド。」
「レイラはどうしてこっちに?」
「エドちゃんが水汲みしてるのが見えたから、ついでにあなたに水を持ってきたのよ。」
「おお!ありがとう!」
そう言いながら一気に水を飲むギグ。俺も水を飲む。うん、うまい。欲をいうと塩気があるものが欲しいが、贅沢はいえない。
「そういえばレイラ。狩りの準備は済んだのか?」
「ええ、もうほとんどね。いまはリリアが確認してるわよ。」
「そういえば、リリアラームさんって今狩猟組なんだっけ?」
「そうよ?彼女、すっごい覚えるのがはやいのよ。このまま行けば、すくに1人前になれるわね。」
「お母さんが弓ができるなんて、意外です。」
たしかに。実際リリアラームさんは弓に関係するものどころか、戦闘職も1つも持っていないのだ。それなのに、弓の覚えがはやいとは、かなり驚いた。
「そうね〜。たしかに意外だった・・・っ!」
「?母さん、どうし「ペテル、静かに」」
急に真剣な顔付きになり、黙ってしまったレイラ。一体何があったのだろうか。
「ねぇ、ペテル君。何か聞こえない・・・?」
「俺は、特には聞こえないけど?」
「・・・いや、エドちゃんが正しいわ。これは、足音・・・しかも、かなり多いわよ!」
「足音・・・ってことはまさか!」
そうギグが言った時だった。
けたたましい鐘の音が村に鳴り響く。その鐘の音を聞いた途端、村の人々の顔つきが変わる。子供や老人は不安そうな顔つきに、若い大人達は緊張した顔つきに、そしてギグとレイラは真剣なーーー戦うものの顔になっていた。
「ゴブリンがこっちに向かっている!オーガもいるぞ!かなりの大勢だ!全員戦闘準備!!」
次回、初の戦闘回!
ちなみにペテルたちの住むザリア村は、王国の村の中ではかなり防衛設備が整っており、戦える人も充分います。
トブの大森林に近いことと、レエブン候のちゃんとした政治のおかげである程度余裕があることが理由です。若い人を中心に防衛設備を作りました。
そんなザリア村ですが、果たしてモンスターを倒して村を守ることは出来るのか。次回にご期待下さい。