ひぐらしのなく頃に 儚   作:車輪軸

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夢中2

 ……あら、お客さんなんて珍しいわね。

 

 あなた名前は?

 

 四月一日(わたぬき)君尋(きみひろ)? なかなかいい名ね。

 

 私?

 

 私はフレデリカ・ベルンカステル、百年の魔女よ。

 

 それであなたはこんな所で何をしているの?

 

 ……時間旅行?

 

 でもこの先には時間なんてないわよ。

 

 この先は行き止まり、一度入ったら抜け出せない迷宮。

 

 それでも行くの?

 

 ……そう、なら一つだけヒントをあげましょう。

 

 『本当』を視なさい、あなたの目にはそれが映っているはずよ。

 

 それじゃあいってらっしゃい。

 

 もし帰ってこれたなら、次元の魔女によろしくね……

 

 

 

―――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 ここはどこだろうか……いや正確にはいつだろうか言うべきなのか。

 

 侑子さんに言われるまま『鏡』に足を突っ込んだらいきなり落ちて行ったのは覚えている。突然の落下には驚いたけど、ちゃんと移動出来たのらここは過去か未来かのどちらかだろう。辺りを見回すと右側は森で左側は崖、自分はその間の車が一台ぎりぎり通れるくらいの道の真ん中に立っていた、崖の向こうにもいくつもの山があり、ここがそこそこの山奥であることが分かった。コンクリートで整備されているような綺麗な道では無かったけど、道があるなら少なくとも人間もいるだろう、けどずうっと見回しても人家のようなものは見えなかった。

 

 こうして人生初のタイムトラベルは迷子になることから始まった。

 

 とりあえずここでじっとしていても仕方が無いので、とりあえず人のいるところを目指して歩きだした。すぐに人の気配のある建物は見えた、山と山の間の谷間、というより盆地のようになっているところに家のようなものがあった。結構近いかな、と思って歩き出したけど、山道は曲がりくねったり坂道があったりで、そこまでは見た目よりもかなり遠くにあるように思えた。

 

 これ思ったよりきついな。都会っ子とまでは言わないけど現代っ子のおれの体力だとあそこに着くまでに日が暮れしまう。ふと後ろの方から車の音が聞こえた。仕方ないからヒッチハイクでもしようかな。なるべく道の端によって後ろから来ていた白いバンに手を振って見る。車はおれの隣まで来て止まってくれた。

 

 「どうしたんですかこんな山の中で?」

 

 車には高校生か中学生くらいの女の子とサングラスを掛けた少し顔の怖いおじさんが乗っていた。

 

 「いや、ちょっと旅行に来てたんだけど道に迷って・・・」

 

 助手席の女の子の質問に、まさか時間旅行したら迷子になりましたとは言えず、道に迷ったことにして誤魔化した。

 

 「旅行って雛見沢にですか?」

 「はい」

 

 あの辺りは雛見沢っていうのか。

 

 「まさか興宮から歩いてここまで!?」

 「ええっと、まあそんな感じです」

 「徒歩だとかなりの距離があるでしょうに」

 「いやまあどんどん進んでたら引き返すに引き返せなくなって……」

 「すごいですね」

 「まあ大したことはないですよ、それよりもあなた達も雛見沢に行くんですか?」

 「ええ」

 「それなら乗せていってもらえないでしょうか、さすがに疲れてしまって……」

 「いいですよ、葛西も大丈夫ですね?」

 「問題ありません、車でならすぐに着きますし」

 

 サングラスを掛けた運転手のおじさんは葛西という名前みたいだ。

 

 「よし、それじゃあ後ろに乗ってください」

 「ありがとうございます」

 

 これでなんとかあそこまで行けそうだ。車はおれを乗せて再び走りだした。

 

 「それで雛見沢には何をしに?」

 「いやそれがその……おれもよく分からないんですよ」

 「えっ、雛見沢に行きたいんじゃないんですか?」

 「ええっとなんていうか、知り合いに面白いことがあるから行ってこいって言われて、半ば強制的にいくはめになって……」

 

 実際侑子さんに言われたら、行かないって選択肢はないだろうし。

 

 「ああ、ならその方が言っているのはたぶん綿流しのお祭りでしょう」

 「綿流し?」

 「ええ、ちょうどこの時期に毎年行われる雛見沢の伝統的なお祭りです」

 「へえ」

 「そもそも綿流しぐらいしか、あの村で面白い行事なんてありませんからね、他にあるものといったら無駄に多い自然くらいなものです」

 「確かに自然豊かなところですね、これだけでも来たかいは十分ありそうです」

 「そう言ってもらえるとうれしいです」

 「それで……ああえっと」

 「あ、私は園崎詩音といいます、でこっちの怖い顔のサングラスのおじさんは葛西です」

 「ありがとうございます、おれは四月一日(わたぬき)君尋(きみひろ)です」

 「四月一日(わたぬき)ですか、珍しい名前ですね」

 「確かにおれもそう思います、それで園崎さん達もそのお祭りに?」

 「詩音でいいですよ、まあそんなとこです」

 

 そんな世間話をしている間に車は村のはずれに到着した。車でこそあっというまだったけど徒歩であの距離を歩きたいとは思えないなあ。

 

 「ありがとうございました詩音さん葛西さん」

 「いえいえ、それじゃあ本当に何も無い村ですけどゆっくりしていって下さい」

 「はい」

 

 車が走り去って行き一人取り残された、とりあえず人のいるところまできたけどこれからどうしよう。あても何もないし、とりあえずはどこか休めそうな場所でも探そうかな。




四月一日ついに雛見沢に立つ!
ということでひぐらしワールド突入です、まだ詩音と葛西しか出ていませんけど……
次は梨花ちゃまあたりが登場するかも……

それではまた次回
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