しかもメインキャストに野上良太郎くんでお馴染みの佐藤健さんが起用されたと!
今地味に流行(?)している、過去のライダー俳優起用、今後もなにか意外な作品で行われるかも!?
そんな訳で、丸亀城の戦い!開幕!
どうぞ、お納めください。
「この前よりも数が多いな・・・」
「そうだねぇ・・・」
若葉の言葉に同意する。迫りくるバーテックスの群れは前回よりも多く、
「若葉ちゃん!りんくん!眉間にシワがよってるよ!そんな怖い顔しなくても大丈夫。わたしたちは絶対勝てるから!」
「・・・ああ、そうだな」
「・・・・・・・・・・・・眉間にシワ、よってた?」
「イエス、よってたわよ。りっくんも緊張すること、あるのねえ」
歌野に眉間をぐりぐりされる。ぬおお、ちょっと痛い。あ、でも気持ちいいかも・・・
「そうだ!みんな、アレやろう!」
「・・・・・・アレ?」
「ほら、サッカー部の人とかが大会とかでやる、みんなで固まって『えいえいおー!』ってやるアレ」
友奈が
「もしかして円陣、ですか?」
「そう!それ!」
「ワンダフル!いいわねそれ、乗るわ!」
「高嶋さんがやりたいって言うなら・・・」
「タマも大賛成だぞ!」
「成る程、皆の心を一つにするには良い方法だ」
みんなが一ヶ所に固まって円陣を組む。
僕はそれを眺めている。
入らないのかって?無茶言うなよ・・・
「何してるのよ。りっくんも混ざりなさいよ。ハリー!」
「ほら、私と歌野の間に来い。それなら大分マシだろう?」
「・・・・・・・・・・・・ちょっとだけ待って」
心を落ち着ける。
大丈夫、やましいことは、何もない。何もないんだ。
「もう!りっくん!」
歌野に手を掴まれ、円陣へと引き込まれる。
「ま・・・待って!まだ心の準備がぁぁぁ・・・」
抵抗虚しく、若葉と歌野の間にすっぽり収まる。
落ち着け、落ち着くんだ僕。何もやましいことはないんだ。だから大丈夫。平常心を保つのだ。ああ、でも、なんだって歌野も若葉も良い匂いがするのかなぁ!?女の子特有の甘い香り、とでも言うのか?何にしてもこの香りが煩悩を刺激してくるからヤバイ、すごくヤバイ。これから決戦だろうに、平常心を保つのだ。念仏でも唱えて落ち着こう。
「ぼんのうたいさんぼんのうたいさんぼんのうたいさんぼんのうたいさんぼんのうたいさんぼんのうたいさんぼんのうたいさんぼんのうたいさんぼんのうたいさんぼんのうたいさんぼんのうたいさんぼんのうたいさんぼんのうたいさん」
「・・・輪廻さん、大丈夫でしょうか?」
「・・・どう見ても大丈夫じゃないわね」
―――――――――――†――――――――――
「それでは、作戦通りに!」
伊予島クンの号令と共に、若葉、友奈、タマっちクンの三人がそれぞれ前方、右方、左方へと散会する。
作戦はこうだ。
僕たちが今いる丸亀城を中心に、正面、東、西にそれぞれ勇者を配置。後方には伊予島クンが待機し、三方を援護。僕を除く残りの二人は控えとして休憩する。
三方に散った勇者たちに疲労が見えたら、控えの勇者と交代。つまりローテーションを組んで戦う訳だ。
そんな中で、僕の役割は、“緊急時の切り札“。
前回の戦いにおいてこちらが深手を負ったのは、敵契約者による不意の攻撃があったからだ。
今回はそれに対抗できるようにするため、僕を温存しておく作戦に出た。
問題は・・・
「ねぇ、ニック。ホントに僕ならあの炎、なんとかできるの?」
「出来る。いや・・・これは寧ろ、オレの力を使えるお前しか出来ない事だ」
「ふぅん・・・まぁ、いいけどね」
この、契約者に対する作戦がニック考案によるもの、というところか。
ニックいわく、「悪魔の力には、こちらも同じ悪魔の力で対抗するのが道理」だと。
目には目を、歯には歯を、ということだ。
その理屈は理解できるし、僕としても、これ以上歌野やみぃを心配させるようなことをしなくて済むなら、それに越したことはないと思う。思うのだけど・・・
「ねえねえニック。ホントは僕をあまり戦わせないようにするために、そういうこと、言ったんじゃないの?」
「ハッ、んなワケあるかよ!テメェがオレの言うことを聞かないのは分かりきってンだ」
「じゃ、なんで?」
「オレ達悪魔は、人間の願いを叶える為の存在。そんな悪魔が、なんで人間を滅ぼそうとする?」
「誰かがそう願ったんじゃ、ないの?」
「それだけなら、良いんだがな・・・」
「え?」
「この戦い、何か裏がある・・・。オレはそう考えている」
裏・・・か。ニックのやつは思慮深い。なにか良からぬものを感じているんだろう。
でも・・・
「だからって、戦うことを止めてしまったら、それこそ“敵の思うつぼ“ってやつでしょ」
「フッ・・・その通りだな。―――――オイ、輪廻」
ニックがなにかを投げ渡す。これは・・・指輪?
『オレの心臓―――真鍮の指輪だ』
おお!?こいつ、直接脳内に!?
というか、ニックどこ行った?
『今オマエが持ってる指輪こそがオレの真の姿だ。普段見てるオレの姿は幻見てぇなモンだ』
「なるほ・・・ど?」
『理屈なんざどうでも良い。とにかく今はオレを身に着けろ』
「これを?ん、と・・・それじゃあ」
言われた通りに右の人差し指に指輪をはめる。
「―――――――――」
「―――――――――」
「―――――――――何も起きないよ?」
『アプリを見ろ』
言われてスマホを取り出す。画面にはさっきまで花のマークが描かれていたが、今は羽根を広げた鳥のマークになっていた。
「なるほど、これをタップすればいいのか」
『今はするなよ』
「なんで?」
『コイツは使い方を一歩でも間違えるとその途端にアウトだからな。必要な時以外は使わない方が良い』
「・・・・・・・・・相当、強いのねぇ」
そうこうしてる内に、若葉と郡クン、友奈と歌野が交代していた。
この調子で行けば大丈夫そうだね。
「あれ?ねえ、りんくん。さっきまでそこにニックさんが居なかった?」
「ん?それは本当か、友奈」
「あ、うん。もしかしたら見間違いかもだけど」
「うんにゃ、今さっきまで・・・というか、今もニックいるよ」
「え?どこに?」
友奈たちに聞こえないように、小声でしゃべる。
「良いよね、ニック」
『好きにしろ』
良し、言質はとった。
「ほら、これ」
友奈と若葉に指輪を見せる。
「これがニックの正体、だとさ」
「へぇ・・・」
「何の装飾もない、只の指輪だな・・・」
「僕らが見てた姿は、こっちでの仮の姿なんだって。で、これが本体・・・というか、心臓らしい」
「ということは、これを破壊されたらこいつは・・・」
『死ぬな。間違いなく』
「死ぬんだって。まあ、そもそも悪魔に“死“の概念があるのかって話だけど」
『ホウ・・・言うじゃねぇか』
「・・・・・・なら、大事にしないと、ね?」
「?もちろん」
なんだろう。今、友奈の様子が変だったような・・・?
―――――――――――†――――――――――
開戦からしばらくして、若葉とタマっちクンが交代した。
「タマちゃんおつかれ~」
「へっへー!どーだ見たか!タマの活躍!」
「おう、バッチリ刮目させてもらったよ。だから、しばらく休んでな」
タマっちクンの頭をわしゃわしゃと撫でて座らせ、若葉が戦っている場所を睨む。
今まさにその場所に、まるで蛇のような進化体が形成されたところだった。
切られると分裂する進化体。
「伊予島クン!進化体が出てきたし、僕もう出るね!」
一声かけて若葉の下に行こうとする。が、伊予島クンから待ったがかかる。
「待ってください!相手の能力を把握してからでも・・・」
「それなら大丈夫。あいつとは一回戦ったこと、あるんだ」
その言葉に、伊予島クンが息を飲むのが伝わった。
「・・・・・・対処法も知っている、と?」
「あいつは切られると分裂する。
「まぁて待て待て!そーいうことなら、タマに任せタマえ!」
そこに、タマっちクンが割り込んできた。
「・・・・・・休んでなって、さっき言ったでしょ?というか、あいつを倒せる方法、持ってるの?」
「だ~いじょうぶ!タマに任せタマえ!!」
「いっくぞぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!輪入道!!!!」
輪入道。確か、魂を運ぶ炎の車輪の妖怪だったっけ。
タマっちクンが輪入道をその身に降ろすと、彼女の旋刃盤がどんどん大きくなっていって・・・・・・ちょっと大き過ぎない?
「大丈夫?タマっち先輩。そんな大きな旋刃盤、投げられるの?」
伊予島クンも同じことを思ったようだ。
「無理にでも投げる!」
およそ女子がすることのないような、猛々しい雄叫びを上げて、ハンマー投げの要領で巨大旋刃盤を投てき。タマっちクンの手を離れ、進化体とは別の方向に飛んでいった。
その姿は、昔、テレビ番組なんかで見た未確認飛行物体を連想させた。
「タマっち先輩・・・旋刃盤、飛んでいっちゃったけど・・・」
「いいんだ!こいつはこう使う!」
???タマっちクンは何を言ってるんだ?
そういぶかしむのは一瞬だった。
旋刃盤が、ほんとにUFOよろしく勝手に動き出したのだ。
「なんとぉー!」
思わずすっとんきょうな声を上げてしまった。
炎を撒き散らしながら飛ぶ旋刃盤は、そのまま進化体に体当たりをかまして燃やし尽くした。
「すげえ、あっという間に黒焦げじゃん・・・」
「へ・・・へへっ。どーだ、タマの輪入道は・・・」
「大丈夫?タマちゃん。顔色がよくないよ?」
どうやら身体にかかる負担は相当のようだ。まあアレだけの質量の物体が飛ぶ上に、脳波コントロールも出来る。と来れば、相当に負荷がかかるのも納得がいく。
「タマっちクン、もう休みなよ。キミの大活躍のおかげで残ったバーテックスも少なくなった。後はみんながなんとか」
「そうもいかなくなった」
いつの間にか、後ろに若葉が立っていた。
「どうしたの?向こうの守りは?」
「輪廻さん!あれを!」
伊予島クンの指差す方を見れば、かなりデカイ進化体が形成されていた。
何というか、子宮とその周辺器官を模した形状の進化体だった。
それ以外にも、さっきの蛇みたいなやつ、針みたいなやつ、噂に聞く射撃タイプのやつに盾持ちのやつ、と、進化体の大盤振る舞いだ。
「なるほど、向こうもなりふり構ってられなくなった・・・てところかな?」
「一番の強敵は、あの新型の進化体だろう。どんな攻撃をしてくるのか分からん」
たしかにそれも気になる。でも僕は、もっと別のことが気になっていた。
『いたぞ輪廻。十一時の方角』
「・・・ついに来たか」
目を凝らして確認する。バーテックスの群れに紛れて、人間が一人、神樹様に向かって樹海を走っている。
「みんな、バーテックスは任せるから。僕は僕の役割を果たす」
「!!・・・・・・来たのか?」
「ああ」
「そうか・・・・・・気を付けろよ」
「まかせて」
若葉の言葉にサムズアップで返して丸亀城を飛び出す。
「いくよ、ニック!」
スマホを取り出しながら、ニックに告げる。
『掛け声はどうする?』
「決まってるよ!」
ボタンをタップしつつ、叫ぶ。
「超・変身っ・・・・・・!」
刹那、僕の身体は炎に包まれた。
運命、クロスする今、空へ高く舞い上がる