というネタが降臨してきたけど・・・・・どう思う?
突然だけど、僕たちは今、大橋の入り口に集合している。
理由は簡単。これから、四国外調査に向かうためだ。
そもそもの発端は数日前、みぃが神託を受けたことが始まり。
それによると、僕らに味方してくれそうな契約者が現在、諏訪にいるらしい。
なので僕たちは、四国の外が今どうなっているのかを調べつつ、諏訪へと向かうことになったのだ。
―――――――――――†――――――――――
「よし、全員準備は整ったな?」
「僕は大丈夫」
「ミートゥーよ!」
全員がそれぞれなりの言葉で若葉の号令に応える。
「皆さん、ご迷惑をおかけしますが・・・・」
「よ・・・・よろしくお願いします」
今回の遠征には、みぃとひなたも同行することになっている。
「よし!そんじゃ、二人のことを運ぶやつを決めよ―――」
タマっちクンが何か言うよりも早く、若葉がひなたをお姫様抱っこし、僕も負けじとみぃをおんぶする。
お姫様抱っこしないのかって?無理言うなって・・・
ちなみに、僕の荷物は歌野が持ってくれてる。
『―――――――』
「ん?どうした?」
「お二人共、ナチュラルにそういうことをなさって・・・・すごいです」
「―――――――乃木さんに至っては無自覚だし」
「あはは――多分ツッコむだけ無駄だね、こりゃ」
「いやいや、おまえもだぞ輪廻」
「それじゃあ若葉ちゃんの荷物は私が持つね!」
こうして、僕たちは四国の外へと旅立ったのだった。
―――――――――――†――――――――――
神戸に到着した僕たちは、二手に分かれて探索を開始した。
「――――――んー?」
「どうしたの?りっくん」
崩壊した街中を探索する僕たち。そんな中、僕はさっきから気になって仕方ないことをみぃに告げる。
「うーん・・・なんか、変なのがうようよしてるんだけど・・・・」
「変なのって?」
ほらアレ、と言って崩壊した建物の影にいる
「・・・・・・・・・・なにも見えないよ?」
「・・・・・・・・・・ほんとに?」
おっかしいなぁ・・・なんか黒いのが蠢いているのに・・・。
「――――――――――」
「・・・高嶋さん?どうかしたの?」
「――ふぇ?ああ、ごめん。なんでもないよ」
・・・・んー?
―――――――――――†――――――――――
結局、神戸では何も見つからなかった。
途中の街でも、大した物はなかった。
が、バーテックスの卵とおぼしき物体を見つけた。
郡クンが動くよりも先に、ニックの炎で焼き付くしてやった。そしたら歌野に怒られた。しょんぼり。
そんなこんなで、夜になった。
流石に真夜中に動くのは利口とは言えないので、近場のキャンプ場でキャンプすることになった。
の、だが───
「いいかー?ぜっっっっっったいに!!覗くなよ~?」
「しないから!死んでも頼まれても脅されてもぜっっっっっっっっっっっっっっっっったいにしないから!!」
「・・・・・・輪廻、お前昔何かあったのか?」
「あ・・・・あははは(汗)」
女子たちが水浴びをしてくる、とのことで、僕は一人、離れた場所で見張りをすることになった。
え?覗き?しないから。ぜっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっったいにしないから。
みんなかなりレベルの高い美少女だし、そういう所を気にしてくれるのは心の底から助かるよ。
歌野ってば、諏訪でも四国でも僕がお風呂入っているとすぐ、「私もー!」って言って入ってこようとするんだもん・・・・・ホンっっっっっっっっっっっっト、しんどい・・・・・
「ハッ・・・ご苦労なことだな」
「・・・・・・ねぇ、ニック。少し前から気になっていたんだけど・・・」
「あの
ぴしゃり、と黙らせられる。
「───────アレが何か、ニックは知ってるんだね・・・・?」
「───────『世界の煮こごり』」
煮こごり?なんじゃそりゃ?
「アレは、人間の怨念が寄固まって出来上がった、まさしく『煮こごり』みてェなモンだ」
「・・・・触ったら?」
「盗り憑かれる」
「・・・・・・なるほど」
訪れる沈黙。まぁ、ニックとはあんまり会話ってしないからね。
「・・・・・・・・・高嶋友奈」
「んー?」
「あの女、煮こごりが見えていた様だな・・・・」
「あー・・・・やっぱり、そう思う?」
「見える処か、多分、アイツは煮こごりのことを知っているだろうなァ」
「ふぅーん・・・・そうかぁ・・・」
それなら、後で話を聞いてみようかなーと、考えていたその時───
「───────いるね」
「───────いるな」
自分たちとは別の誰かの匂いをキャッチ。
奇しくもそれはみんなが水浴びをしている川岸の方向からしていた。
「みんなが危ない!!」
「行くぞ輪廻」
真っ直ぐにそちらへ向かう。
近場まで来て、音を立てないように更に接近。
相手は茂みの中で様子を伺っているようだ。
こちらには─────気付いていない、か・・・
「・・・・・・・・ん?」
あいつの後ろ姿・・・・なぁんか、見たことあるような・・・・・
「ハァwwwハァwwwでゅふふふwwwwwwお色気シーンでおじゃるwwwwwwCGコンプしないとwwwwww」
「うわぁ・・・・・」
変態がいた。
「中学生にしてあのナイスボディなお二人も良いが、元気っ娘のナインペタんもたまりませんなぁwwwwwwしかし、サムライガールと農業王の鍛えられた肉体美も、素晴らしいwwwwwwああ、いや、シャイガールの程好い肉質も、アレはアレで得点が高いですぞぉwwwwww黒髪美女の疵のあるあの身体も、我輩には美しく見えますなぁwwwwwwうむむ・・・しかしこの中で一番一際輝いておるのは───」
「おい変態」
「誰が変態だぁ!・・・・・・・・・あ」
ニックの呼び掛けに、人間体をとったラウムが、こちらに振り向いた。
沈黙が流れる。
不意に、
「ばいちゃ♪」
「逃がさないから!!」
影の中へ沈んで逃げようとするラウムを捕まえようと、飛びかかる・・・・・・が
「あらよっと」
「なんとぉ!?」
カラスに変身してそれを避けた。
当然僕はそのまま茂みの向こうへ飛んで行く。
「くっそ・・・・あいつ・・・・・・・」
取り逃がしてしまい、歯噛みしていると───
「あ・・・・あのぉ・・・・・・・りっくん?」
「・・・・・・・・・・あ」
みぃの声に振り向けば、そこには・・・・
そこに・・・・・・は・・・・・・・
『き・・・・きゃあ「ぶべらばっ!!」あああ・・・・・・・・・・え?』
みんなが叫ぶよりも早く、僕は鼻血を大量噴射して、気絶した。
『世界の煮こごり』について
主に、人間の怨念がまるで煮こごりのように寄固まって出来上がったモノ。世界の煮こごりという名称は、悪魔たちが付けたもので、魔術世界的に言うと────