契約者たちへの鎮魂歌   作:渚のグレイズ

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過去のネタ帳あさってたら、面白そうなネタを見つけたのでリビルドして一作品創ってみました♪

よろしければお納めください。

七月四日追記――
 あとがきの説明を少し変更しました。


○○ない死にたがりの章
戸塚輪廻は契約者である


僕の名は、戸塚輪廻。

何処にでもいる普通の少年・・・・・・だった。

 

西暦2015年7月30日

 

突如として人類粛正を始めた天の神は、自らの尖兵、バーテックスを降らせた。

既存の兵器群が通用しないバーテックスに、人類は成す術もなく蹂躙されていった。

 

そんな中、バーテックスに対抗できる力を持った少女たちが表れた。

 

人々はそんな彼女たちを『勇者』と呼び、称賛の声を上げた。

 

そして、僕もまた、『勇者』の力を獲得した少女たちの一人だ。

 

しかし、僕は男だ。

 

これにはちょっとした理由がある。

 

戸塚家には代々から伝わる古い本がある。

 

あの日、この本を使って僕は、男でありながら勇者の力を獲得するに至ったのだ。

 

そして、今―――

 

―――――――――――†――――――――――

 

「あれから三年・・・あ、四年だっけか?いやぁ、色々あったわさ~」

 

「何語なんだ・・・それは・・・」

 

隣に座る少女、乃木若葉が呆れ顔で突っ込みを入れる。

 

「突っ込んだら負けよ?負・け!」

 

「はぁ・・・」

 

若葉の隣、寄り添うように座る少女、上里ひなたがこれまた呆れ顔でこちらを見ている。

 

「ヘイ!そろそろ手伝いプリーズ!りっくん!」

 

遠くで鍬を振るう少女、白鳥歌野がこちらに向かって叫ぶのが見える。

 

「あいよー」

 

側に立て掛けていた鍬を持ち、畑に向かう。

 

「若葉、キミもどうかな?」

 

「うむ!では、やらせてもらおう」

 

予備の鍬を若葉に渡して、二人で歌野の元に行く。

 

畑を耕しながら、ここに至るまでの経緯を思い出していた。

 

―――――――――――†――――――――――

 

故郷にて勇者の力を獲得した僕は、生き延びたみんなを護るために、その力を奮っていた。しかし、多勢に無勢。一人ではそう出来る事も限られており、絶対に護りたい、大事なたった一人の家族すらも護る事が出来ず、無力感に苛まれ、絶望に身を沈めることになった。

その後、僕と契約した、自称『悪魔』のニック(僕が付けたあだ名)に半ば引き摺られる形で諏訪へと到着。そこで歌野たちに出会い、再起するに至ったのだった。

 

およそ二年程に渡る諏訪での生活、しかし、それも長くは続かなかった。

諏訪を守護する土地神の力が弱まっていたからだ。

諏訪の巫女、藤森水都の話によると、「諏訪は、四国の勇者たちを育成するための時間稼ぎをしていた」らしい。

 

「これまで諏訪を守ってきたこと、人々から希望の光を絶やさないでいてくれたこと、いろいろ感謝されちゃった・・・」

 

静かに、笑いながら、でも、ちょっと泣きそうになりながら、みぃはそう言った。

 

「次の襲撃はこれまでとは比べ物にならないくらいの規模になるそうです。あなたは元々部外者、これは諏訪の問題だから、せめて、あなただけでも・・・」

 

「うっさい!んなモン知るか!全員で四国に逃げるぞ!」

 

神の力が通じない?

 

なら、()()()()()()()()()()()()()

 

僕は、自分の持てる力の全てを総動員して、諏訪の人々全員を四国まで無事に送り届けてみせた。もちろん、歌野とみぃも一緒だ。

 

「あなたって・・・かなりむちゃくちゃね!」

 

「でも、おかげで生きてる・・・ありがとうございます!」

 

あのときの二人の笑顔は、今も僕の心に残っている。

 

『この笑顔のために、僕は何度でも戦おう』

 

諏訪から四国に到達したその日、僕は自らの心に、そう誓ったのだった。

 

―――――――――――†――――――――――

 

 

「皆さ~ん、お昼ご飯にしましょ~!」

 

「お、みぃが来たな」

 

「なんだ、もうそんな時間だったのか・・・」

 

「ナイスタイミングよ、みーちゃん!」

 

自転車にお弁当を載せたみぃがやってきたのを見て、三者三様の反応を見せる僕たち。

 

レジャーシートにひなたも含めた五人で座り、みぃの持ってきたお弁当に舌鼓をうつ。

 

「はぁ~、やっぱりみーちゃんのお弁当!スッゴク、デリシャス!」

 

「そんな・・・褒めすぎだよ、うたのん・・・///」

 

「完全に同意。みぃは将来、良い嫁さんになるねぇ」

 

「およっ!?およよよよよお嫁さん!?そんなまだ早いよ私たち中学生なのにああでもりっくんは高校生でいやだからって」

 

「水都さん、水都さん。落ち着いてください。深呼吸、深呼吸」

 

ひなたに促されてすーはーすーはーと、みぃが深呼吸しているのを横目に若葉が一足先に昼食を終えた。

 

「ふぅ、ごちそうさま。ありがとう水都。良い昼食だった」

 

「はひぃ・・・どういたひまひて・・・」

 

「どうした、みぃ?風邪でも引いた?」

 

真っ赤な顔でうつむくみぃの額に手を当てようとしたとき、

 

「わわぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!何でもない!何でもないよりっくん!私、大丈夫だから!」

 

その手を捕まれ、寸でのところで阻まれてしまったのだった。

 

「んー、そう?なら良いんだけど・・・」

 

「え・・・えへへへ・・・」

 

なんとなく、ごまかすようにはにかんでいる感じがするが、風邪をひいているようにも見えなかったので、とりあえずお弁当の残りを掻き込む。

 

「さってと!今日も楽しく農作業!」

 

「イエス!ここを立派な畑にするわ!私たちの手で!」

 

えいえいおー!と歌野と共に勝どきを上げ、鍬を振るう。

 

側にはみぃが麦茶の水筒片手にこちらを応援してくれている。(ちなみに、もう片方の手は僕と繋ぎっぱなしなんだけど、いったい何時気づくかなぁ?)

 

諏訪にいたころから変わらない景色。今はそこに、若葉や他のみんなが混じる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

これが、今の僕の日常。

 

今度こそ護り通すと決めた、僕の大事な宝物。

 




戸塚輪廻くんについて

年齢:18歳

身長:161㎝

誕生日:8月1日


年のわりに身長が低いのがコンプレックス。
代わりに身体を鍛えている。
戸塚家に代々伝わる悪魔との契約の書を使用し、悪魔『ニック』と契約。勇者の力を獲得する。
以後、その力で自身の護りたいモノのためにバーテックスと戦う。
使用武器は、両手の甲に装着して使うカギ爪。ニックの紅蓮の炎と併用して戦う。
うどんよりそば派。
記憶力がとても良い。
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