ニコニコでくめゆの生放送ですってよ、奥さん!
ついにゆゆゆいに参戦ですのね~!
恵みを貯めてお待ちしておりますッ!!!
翌日───
担任の高嶋先生から、おれが大赦のお役目に務めていることを公表された。
「神樹様のお役目です。昨日みたいに突然いなくなってしまうけど、みんな、応援してあげてね?」
はぁーい、という間延びした返事を聞いて、高嶋先生はうん!と頷いた。おれは全然良くは無い。
―――――――――――†――――――――――
案の定だ。
「ねーねーカズヤ~♪お役目ってさぁ~。どんなことやってるんさぁ~?」
「・・・・・・話せないって言っただろう。あと、カズヤじゃない一正だ」
アスカの奴が絡んで来た。こうなると思っていたから、お役目に関しては言って欲しくなかったというのに・・・・
「(しかし、言わなくては急に消失することの説明を行わないといけない・・・・・・逐一言い訳を考えるのも面倒だしな・・・・・・)」
なんて考えていると、端末から着信が入る。
園子からのメールだ。内容は───
「んお?どったの?急に荷造りしだして?ハッ・・・!?まさか・・・・デートのお誘い!?」
「ああ、そうだよ」
「なぁんて、カズヤにそんな相手がいるはずなえええええええええええええええ!?!?!?!?!?」
一々喧しい。
相手をするのも面倒だから無視して呼び出し先へと向かう。
―――――――――――†――――――――――
「あ!!か~ずく~ん♪」
「おーい、上里ー!こっちだこっち!」
「すみません上里くん。急に呼び出したりして・・・」
「別に構わない。誘ってくれたこと、感謝してる」
呼び出し先はイネスのフードコート。
既に三人はテーブル席を確保しており、その手にはドリンクを持っていた。
「は~い、これかずくんの~♪」
「わかったから押し付けるな」
顔に当てられてるドリンクのカップを両手で受け取り、席に付く。
「えー・・それでは・・・」
コホン、と鷲尾が咳払いを一つする。
「今日を無事に迎えられたことを、大変うれしく思います。えー・・・・本日は大変お日柄もよく、神世紀298年度勇者初陣の祝勝会という事で、お集りの皆様の今後ますますの繁栄と健康、そして明るい未来を─────」
「長い、それと固い」
「そうだぞー、固いぞー。かんぱーい!」
「いえ~い♪かんぱ~い♪」
おれたちの言葉に不服そうな鷲尾だったが、三ノ輪と園子が乾杯を始めると、渋々それに従った。
「かずくんも、かんぱ~い♪」
「おう、乾杯」
掲げたカップに園子が自身のカップをぶつけてくる。
おいあまり強くぶつけるな中身がこぼれる。
「全く・・・・はしゃぎ過ぎるなよ。小六にもなって・・・」
「ええ~?」
「良いじゃんかさぁ。それよりも上里!」
ずずいっと三ノ輪が顔を近付けてくる。
こいつも目鼻立ち、以外と整ってるんだよなぁ、などと思いつつ、返答する。
「近いぞ。で、なんだ?」
「昨日のお前の戦い方だよ!あの右手!すっげーカッコ良かったな!!」
「そうか、あの格好良さが理解出来るのか」
「ああ!あれが、悪魔の武器ってやつか?」
「少し違うな。アレは「んん?あにさまじゃねーですか」」
む、この声は・・・
「わ~♪かなちゃんだ~♪」
「こんにちは、園子ねーさま。あとのお二人は・・・」
「えっと・・・・・こんにちは」
「ちわー!アタシは三ノ輪銀ってんだー」
「あ・・・・鷲尾須美、です」
「ふむふむ、銀ねーさまに、須美ねーさま・・・・と。佳南は上里佳南と言いやがります。産まれてから今日まで、そこのムッツリ大仏の妹をやってます」
誰がムッツリだ。
「しっかし、あにさまも隅におけませんなぁ~♪」
「・・・・・・・・・・・何の事だよ」
「とっぼけちゃって~。この状況を見やがれってんです」
言われて、周囲を見回す。
ふむ・・・・・鷲尾が居て、三ノ輪が居て、園子が居るな・・・・・
で?
「なんだってんだよ」
「両手どころか周りに華!ハーレム状態じゃねーですか!ヒューッ!モテる男はちげーですな!!」
「・・・・・えぇ」
「あはは・・・・」
「・・・・・はぁ」
佳南の一言に、鷲尾は困惑し、三ノ輪はちょっと嬉しそうで、おれは呆れて溜息をついた。
「わぁ~♪かずくんかずくん。かなちゃんに褒められちゃった~♪」
「お前は楽しそうだな・・・・」
―――――――――――†――――――――――
「で、結局お前も交ざるのか・・・・」
「むー!なんですかあにさま!佳南だけ除け者ですかぁー!?」
佳南がゴネる。我が妹ながら、流石にウザい・・・・
「ふぇぇぇん。園子ねーさまぁぁぁぁ。あにさまがいぢめますぅ。妹虐待ですぅ~(棒)」
「よしよ~し、いいこいいこ~」
「嘘泣きするな慰めるなおれがまるで悪者みたいだろ!!」
「まーまー!良いじゃんか。兄妹揃って祝勝会の続きといこうよ」
「・・・・・三ノ輪、お前なぁ」
「それよりも!上里」
「なんだ?」
ずい、と再び顔を近付けてくる。コイツ・・・・一々顔を近付けないと会話できないのか?
「なんでアタシのこと『三ノ輪』って呼ぶんだ?」
「お前だっておれのこと『上里』って呼ぶだろう?」
「む・・・・確かに。じゃあ今から『カズマ』って呼ぶから!」
「勝手に決めるな」
「えぇー!良いじゃんかよー!ケチケチすんなって、カズマ!」
「・・・・・・・はぁ、好きにしろ」
「ぃよっし!それじゃ、お近づきのしるしにイネスマニアのアタシオススメの店を紹介してあげよう!」
オススメの店?つーかイネスマニアって何?
―――――――――――†――――――――――
「これは・・・・良いものだ・・・・!」
「あにさまがチョコミント片手に某壺の人みてーなこと、言ってやがります・・・・・・でも、確かに、美味しい・・・・・このストロベリー♪」
「んっふっふっふ・・・気に入ってくれたようで何よりさ」
三ノ輪が紹介してくれた店は、このフードコート内にあるジェラート屋。正直、こういった場所には基本的に来ないから知らなかった・・・・・・まさか、こんなにも旨いチョコミントジェラートがあるとは・・・!?
「おいし~♪おいしいんよ~♪こんなにおいしいものがあったなんて~!」
「大げさだなぁ、ダチと一緒に食べに来たりしないのか?」
「えへへ~、私友達少ないから・・・・」
「あ・・・・」
「だから今日、ミノさんに教えてもらって、すっごいうれしいんよ~♪メロン味大正解~♪」
園子もとても嬉しそうだ。
そんな中───
「・・・・・・・・・・・」
「・・・・・須美はどうしてそんな難しい顔をしてるのさ・・・」
「いえ・・・和三盆抹茶味のじぇらーとが・・・・以外と美味しくて・・・・」
「わっしー、あんまり深く考えちゃダメだよ~。おいしいものはおいしい。それで良いんよ~♪」
「・・・・・・・・・そうね!はむっ♪」
園子の一言に、考えるのをやめた鷲尾は自身のジェラートにかぶり付く。
つーか園子の奴、いつの間にか鷲尾のことアダ名で呼んでやがる。三ノ輪も鷲尾のこと、名前で呼んでるし・・・・
「かずくんが来る前にね~。お話して決めたの~」
「『鷲尾』だから『わっしー』、てか?」
「さっすがかずくんだ~♪ほんとは『すみすけ』とか、『ワッシーナ』がよかったんだけどね~?」
「ワッシーナて・・・・何時の時代のアイドルだよ・・・・」
「それよりは、『わっしー』の方がだいぶマシだから・・・」
「鷲尾、おつかれさん。園子の相手、大変だったな・・・・」
「そう思うのなら、次はもっと早めに来て下さい・・・・・」
「善処しよう」
「かずくんの『善処しよう』は信じちゃだめなんよ~。だいたい治んないからね~」
「あにさまが善処言い出したら大概話を聞いてないときですからね」
酷い言われようだ。あと今回の件はおれは悪くないぞ。
そんな、下らない話をする。おれたち五人。
端から見れば、なんて事無い普通の小学生たちの交流。
改めて、この日常を護れた事を実感できた。
そんな感慨に耽りながら、自分のジェラートを食べるのだった。
ちなみにこの後、しょうゆ豆ジェラートVSチョコミントジェラートによる仁義無き言い争いが勃発したけど、めんどくちゃいので割愛。