「遅い!」
「──────zzz」
合宿開始日当日。三ノ輪が遅刻していた。
おかげで園子はおれの膝を枕にして寝てやがる。
しかも鷲尾はご立腹ときた。
「─────ミカ」
『心配ない。もうすぐ来るよ』
「はざまーす!遅れてごめん!」
ミカに三ノ輪の動向をサーチして貰おうとした時、件の人物たる三ノ輪がやっと現れた。
十分の遅刻だ。
まったく・・・・これでも勇者なのか?
「銀!いくらなんでも遅すぎよ!何をしていたの?」
「いやぁ、これには事情が・・・・ああ、いや、どんな理由があろうと遅刻したのはアタシだからな・・・ごめん、須美」
「────もう、次は気を付けてよ」
「あはは・・・」
何はともあれ、これで全員集合だ。
おれたちはバスに揺られて、目的地へと向かって行った。
―――――――――――†――――――――――
バスに揺られて数時間。
おれたちは讃州市内のとあるビーチに来ていた。
現在ここは大赦によって貸し切り状態。
おれたちの連携訓練はここでやる様だ。
「では、これから訓練を開始します」
安芸先生が号令をかける。
「あなたたちにはこれから、あの特注のピッチングマシーンから放たれるボールを、銀ちゃんに当てないように、旨ーくやって、向こうの丘に見えるバスまで銀ちゃんを運んでもらいます!」
高嶋先生がルール説明をする。
三ノ輪がアタッカー。園子がディフェンダー。鷲尾がスナイパー。そしておれは・・・・
「高嶋先生」
「はーい。なにかな?」
「おれの役割、コマンダーって・・・・」
「適宜三人に指示を出す役割だよっ。状況に応じて臨機応変に指示してね♪」
「そう言うことじゃ・・・・つか何気に今かなり難しいこと言った!?」
「では、それぞれの役割が理解できたところで、訓練開始!」
安芸先生の号令により、ピッチングマシーンからボールが射出される。
「────園子、三ノ輪は直進!鷲尾、仰角三度・左に十二度!三秒後に一射後、仰角そのまま右二十一度に一射!」
「は・・・・はい!」
こうして、おれたちの訓練は始まった。
――――――――――五分後―――――――――
「三ノ輪はまだ飛び出さない!園子は五秒制止!鷲尾は園子の頭上に向けて射て!」
「あぐ」
「飛び出さないって言っただろう!?」
「うぅ・・・・・ごめん・・・・・」
――――――――――十分後―――――――――
「次!三ノ輪はまだ!園子は盾を少し右!鷲尾はその反対!」
「えっと~?」
「あだっ!?」
「園子ォ!?!?」
「ふぇぇ~・・・かずくんごめんなさ~い・・・」
―――――――――二十分後―――――――――
「鷲尾!次射は三秒後だ!!」
「ご・・・・ごめんなさい・・・」
―――――――――三十分後―――――――――
「園子!!!」
「ふぇぇ~ん」
―――――――――一時間後―――――――――
「あー!くっそぉ!?」
「三ノ輪ァ!!!!」
――――――――――そして―――――――――
「今日はここまでね」
安芸先生のその一言で、三ノ輪と園子がぶっ倒れ、鷲尾がへたれこんだ。
「─────今後の課題が多すぎる」
早速、作戦の練り直しだ。