契約者たちへの鎮魂歌   作:渚のグレイズ

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楽しい、日常

「明日から訓練はお休みです!」

「・・・・・・・はあ」

 

今日の訓練が終わると、高嶋先生からそんな事を言われた。

なんでも、しばらくはバーテックスの襲来が無いらしい。そのため、訓練を一時休みにすることにしたのだとか。

 

「・・・ちゃんと休めるかしら?」

 

何処の社畜だ、その発言。

 

「よ~し♪」

 

園子の奴・・・・・なんだか良からぬ事を企んでいるな・・・・・

 

「─────まぁ、休める時に休むのも、務めの内か」

「そうだぞカズマ!特にお前と須美はすぐ無茶するからな!」

「・・・・・・・・銀にだけは言われたく無い」

「一正くんに同意だわ」

「ふぇ!?」

 

ともかく、明日からは休日となる。

訓練が休みなだけで学校とかは普通にあるけどな。

 

「おっ休み♪おっ休み~~♪」

 

─────園子が暴走しないように、しっかり見張らなくては。

 

――――――――――翌日――――――――――

 

「ヘ~イわっしー⤴️レッツ!!エンジョイ!!キャガワラーイフ!!!!!!」

 

結論から言おう、こんなんどうやっても無理だ。

休日テンションでHighになっちまってる園子に、おれは為す術も無く簀巻きにされて連行。しかも「佳南も混ぜやがれです!」と言って佳南までついて来る始末・・・・・

唯一の救いはアスカと山伏に出会うことが無いってことd───

 

「んお?のっことすみちーじゃん。なにしてんのー?」

「・・・・・・・・おはよう」

 

────────神樹よ、何故おれを見放した。

 

「わぁ~~♪くるりんとしずしずだ~~。あのねあのね、お役目の訓練がしばらくお休みになるから、みんなで私のお家で遊ぼうと思って~」

「ボクも行く!良ーい?」

「もちろん♪人数多い方が楽しいんよ~♪」

 

嗚呼、やっぱりこうなったか・・・・・

 

「・・・・・・上里、へいき?なんで簀巻きに?」

「むぐむぐ」

「・・・・・・ごめん、わからない」

 

だろうな。まさか猿轡までされるとは思っても見なかったもん・・・・・・・(白目)

 

「ヘイヘイヘーイ♪カズヤもそんな所で寝てないで、レッツエンジョイキャガワラーイフ!!!!!!!!」

 

ちくせう・・・・・!アスカのやろう、園子のテンションに感染してやがる・・・・・!

 

「た・・・・大変ね。一正くんも・・・・・」

 

須美に助けられ、漸く簀巻き状態から抜け出す事に成功。

 

「ありがとう須美。恩に着る」

「このくらい気にしないで。それにしても、すみちーって・・・・」

「気持ちは分かる」

 

そしてこの後、園子からイヤホンを受け取った須美もまた、エンジョイ勢に加わるのであった。

 

「エンジョイ?」

「万歳!!」

「イエス!エンジョイ!!」

「・・・・・・・えんじょーい」

「イエーイ!です!!」

 

マトモなのはおれだけか・・・・・!

 

―――――――――――†――――――――――

 

「へえ、そりゃ大変だったな」

「現在進行形で大変なお前に言われると、なんだか心に沁みるな、その言葉も」

 

死んだ瞳でため息をつくおれと銀。

現在銀は、普段の様子からは想像も出来ないような、おしとやかな衣装に身を包み、それを鼻血で噴水を披露してみせた須美とアスカに撮影されていた。

あの二人、分身までしてやがる・・・・・・おどれらは忍者か。

 

「はぁ・・・・はぁ・・・・次、いきましょ!」

「オゥイエス!ネクストドレス!!ヒャッハ!!」

「アスカのテンションが行方不明・・・・」

「須美ねーさまのテンションもですな・・・・・・」

 

そうして開始されるファッションショー。

勿論、銀が着替える時にはおれは退室している。

しかし・・・・・・・アレだな

 

「似合うな、どの衣装も」

「でしょでしょ~♪ミノさんは良いモデルさんだよ~~」

「人を着せ替え人形にするなぁー!!」

「アリアリアリアリアリアリアリアリアリアリアリ!」

「ウリィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィ!」

 

・・・・・・・ホントテンション高ぇな、こいつら

 

―――――――――――†――――――――――

 

園子の「次はわっしーなんよ~」という言葉に反応し、即座に逃走を計った須美を、アスカと銀が追いかけて行った合間に、乃木邸のとある部屋へ向かう。

そこは一見、只の和室。

だが、資料を読んでいたおれは知っている。

ここが、乃木家の開祖たる『乃木若葉』が、生前に使用していた部屋である事を。

 

「────────あった」

 

部屋の奥、床の間におかれた台座にある小さな棒。

西暦の時代から代々受け継がれてきた、乃木家の家宝。

 

「これが・・・・・・・・宝具」

 

そっと、手に取ろうとした、その瞬間─────

 

「・・・・・・・・・・上里?」

「っ!?────────山伏、か・・・・・びっくりした」

 

後ろから山伏に声をかけられた。

今のは流石に寿命が縮むかと思った。

 

「なに、これ?」

「乃木家の家宝」

「・・・・・・・・・触ってもいいの?」

「───────────────」

 

何も言わないおれに対して、ジト目で見つめてくる山伏。

 

「そ・・・・・それより、何か用か?須美が捕まって、着替えさせられたとか?」

「露骨に話を反らす・・・・・・・鷲尾なら、もう着替えさせられた。見に行く?」

「行こう行こう。あと、このことは内緒にして欲しい」

「・・・・・・・・・・・・・・・・」

「・・・・・・・・・・・・・・・・」

「────────────────」

 

ちくせう。なんで沈黙したまま・・・・・・・・

 

「・・・・・・・・・うどん奢る。それで許して」

「・・・・・・・・・ラーメンがいい。徳島ラーメン」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・わかった」

「私だけじゃない」

「────────────────OK。全員分な」

 

とほほ・・・・・

 

 




一正はこの後、めちゃくちゃ須美ちゃんのうなじを嘗めまわした。
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