「わたしたちも勇者部やるんよ~!!」
ある日、園子がそんな事を言い出した。
園子が何かしらピッカーンと思い付くのはいつもの事だが・・・・・・勇者部?
「讃州市にある、中学校の部活動だそうよ」
「迷子の猫を探したり、人助けをする部なんだって!」
「へー、良いねえ♪楽しそう!」
「・・・・・・・やってみたい」
「佳南も混ぜやがるです!」
須美と銀が説明し、アスカ、山伏、佳南が部の発足に賛同する。
・・・・・・・・言っても良いのだろうか?
「?どーしたんさ、カズヤ。むつかしい顔して」
「───────一応、ハッキリさせておかないとダメだろうから言っておく。おれたちだけで部活動の発足は無理だ」
「え~!そんなぁ~~・・・・」
みんな、ショックを隠しきれていない様子だ。──────アスカ以外。
「ほっそく・・・・?」
「お前、それでも小六かよ・・・・・」
銀ですら発足の意味を理解していると言うのに。
「なんかディスられた気がする」
「えーと、つまり・・・・・・どーいう事だってばよ?」
「部活動発足に必要なのは、『部長、副部長を含む、六名以上の部員と、監督役の教師一名』だと。部員に関しては佳南も入れて七人いるから平気だが・・・・・」
「問題は教師ね・・・・どうしましょう?」
「「おーい、無視ー?」」
さて、どうするべきか・・・・・
と、その時山伏が手を上げた。
「はい、しずしず~」
「安芸先生は・・・・・どう?」
山伏のその一言に、思わず「あ」と声が漏れた。
なるほど、安芸先生だったら快く承諾してくれるかもしれない。それに、勇者のお目付け役でもあるから、万が一の時でも安心だ。
「よ~し、それじゃあ明日は安芸先生のところに行って、勇者部発足なんよ~~!!」
『おー!』
――――――――――翌日――――――――――
「ごめんなさい。やってあげたいのは山々なんだけど・・・・・」
安芸先生は申し訳なさそうに断った。
どうもお目付け役としての仕事の関係上無理らしい。
「ううう~・・・・そっか~・・・・」
園子がしょんぼりと肩を落とす。
万策尽きた。と思ったその時───
「だったら、私がやってあげよっか?」
高嶋先生が声をかけてくれたのだった。
「良いの?」
「私だったら、先輩ほど忙しくないですし、この子たちが『やりたい!』って言うなら、やらせてあげたいですから!」
「そう・・・・・なら、貴女に任せるわ」
「はい!不肖、高嶋木綿希。部活顧問を引き受けましたー♪」
笑顔でビシッと敬礼する高嶋先生。おれたちも釣られて笑顔になる。
こうして、神樹館勇者部は発足した。
「それで名前は?」
「勇者部が良いで~す」
「勇者部?」
「讃州中学校にある、部活動の名前だそうです」
「へぇー・・・・讃州って言ったら、お姉ちゃんたちが住んでる場所だけど・・・・・そんな部活、あったっけ?」
「へ?」
「ま、いっか。でも、名前そのまんま使うのはちょっとアレだなぁ・・・・・」
「なら、少し捻って"倶楽部"というのは?」
「おおー!カズヤにしてはいーじゃん♪」
「一正だ。そして何だ、その上からな発言は」
「神樹館・・・・勇者倶楽部・・・・・うん、いいかも・・・・・」
と、いうわけで。
ここに、神樹館勇者倶楽部が発足したのだった。
しかし、この時おれたちは気付かなかった。
まさか知名度を上げる為に始めた"お悩み相談室"により、連日行列をこさえるレベルの繁盛っぷりをみせることになるなんて・・・・・・