私たちが起きた頃には、樹海はとても静かになっていた。
「────────」
わっしーと一緒にミノさんが飛んでった方向に向かってゆっくり歩く。
ミノさんには先に行ってもらった。その方がきっと、かずくんの力になれるから。
「───────────」
途中、地面に血の痕をたくさん見た。バーテックスから血が出てくるのを見たことがないから、これは・・・・きっと・・・・・。
「────────────────あ、銀!」
そうしている内に、遠くにしゃがみ込むミノさんをわっしーが見つけた。
「銀・・・・・一正くんは?」
「────────────────────」
「・・・・・・・ミノさん」
ゆっくりと立ち上がったミノさんは、私たちにあるものを見せてきた。
最初、それがなんなのか、良くわからなかった。
でも、ミノさんに言われて、なんなのか検討が付いた。付いて、しまった。
「────これが、血溜まりの中に・・・・落ちてた」
「それ・・・・・って・・・・・」
「──────────」
ミノさんから、それを受けとる。
カサカサに渇いた表面をなぞりながら、私は、それを見つめる。
「まさか、一正くんは・・・もう・・・・・」
「須美っ!!」
「大丈夫、かずくんなら平気だよ。きっと」
ミノさんから受け取った、
「右腕しか見つかってないなら、まだかずくんは生きてるかもしれない・・・・・手分けして探そう!!」
「そのっち・・・・」
「園子・・・・・」
このことは、まだ二人には話したことがなかったけど、かずくんの身体は、どういうわけか"心臓が止まらない限りは元に戻れる"ようになっている。回復力が高いとか、そういう次元の話じゃない。
喩え右腕が切り落とされてしまっても、傷口がすぐに塞がってしまうし、切り落とされた右腕をくっ付ければ、痕すら残さず元通りに戻ってしまう。
かずくん曰く、「ヒトデ並みの回復力」と言っていたけど、実験と称して、私の目の前で自分の右腕を切り落としたりするのは止めて欲しいんよ、まったく。
あの時はかずくんのご両親が死んじゃって少し経った頃だったし、そうじゃなくたって、あんなことされたら誰だってびっくりする。めちゃくちゃ泣いたし、めちゃくちゃ怒った。
もしかしたら、あの時の事を思い出して、かずくんは出てき辛くなってるのかな?だとしたら、それはもう自業自得なので大人しく怒られて欲しい。
「・・・・カズマの事だ。たぶん、どっかの岩に挟まれて動けなくなってんじゃないか?あいつ、結構ドジなとこあるし」
「銀・・・・・そうね・・・・そうかも、しれないわね」
「あー、そっか~。そっちの可能性もあるね~。ミノさんすごいや~」
なんだか、ミノさんに負けた気がしてちょっとだけジェラシー湧いちゃうんよ~~。
だけど、いくら探しても、樹海化が終わっても、かずくんは何処にも見つからなかった。