FGOめ、金もう無いっちゅーに・・・・
昨日も見た、樹海の極彩色。
それをまたこんな早くに再び見ることになるとはね・・・
「あれ?そういえば牛鬼は?」
「牛鬼って、友奈さんの精霊ですか?」
「うん!ビーフジャーキーが大好物なんだー」
「え、牛なのに!?」
「それにしても、どこに行っちゃったのかなあ」
「えー、コホン。あなたの探しているのは、こちらではありませんかー?」
そう言って俺は自分の髪を―――腰まで届く長さの、三編みにした艶やかな黒髪を引っ張り上げ、その先端を友奈に見せつける。
正確には、
「・・・・・・・え?あれ!?牛鬼!?なんでかぐやちゃんの髪に!?」
「んなもん俺が聞きてェよ!!今朝からこんな調子で噛みつかれて!何時気付くかなーって思って黙っていたら、全ッッッッッッッッッ然!!気付く気配すら無いッッッ!!!一体こいつぁどういうことなんだよぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!!!!」
「・・・・・・・・なんというか、ごめんなさい」
「うぅ・・・ぐすっ・・・・俺が何したってんだよぉ・・・・」
自慢の髪を牛に食まれたことがあまりにもショック過ぎて思わず泣いてしまう。
「・・・・よしよし。輝夜くん、大丈夫よ。あなたの髪は無事だから」
見かねたのか、東郷が俺の頭を撫でる。
その心地よさはなかなかで、「このまま東郷のヒモに成り下がるのもいいかもしれない」と思ってしまったほどだ。
「うーん・・・・はっ!マズい・・・このままではいけないッ!」
もう大丈夫だからと東郷のなでなでから脱出。
死んだばっちゃが言っていた。「女のヒモは確かに甘美だろう。しかし、腑抜けた男は只のペットだ。女に甲斐性見せてこそ、真に男と呼べるのだ」と・・・
「そういう訳だからッ!俺の甲斐性見せてやるゼ!!」
「良く分からないけど、立ち直ってよかったわ」
―――――――――――†――――――――――
「それじゃあ、友奈ちゃん、輝夜くん、見ていて。私の・・・・変身」
端末を握りしめ、東郷が宣言する。
こちらが何か言うよりも早く、東郷はボタンを押した。
直後、青い花弁が東郷を包み込む。それが止んだ時、そこには―――――
身体のラインをこれでもかぁ!ってくらいに強調したライダースーツの様な青い衣服。
普段はリボンでまとめている艶やかな黒髪はまとめず、ストレートに垂らしており、後頭部についてる髪飾りから伸びる四本のベルトの様なモノで直立していた。
敢えて言おう。
「エロい」
と・・・。
「え///」
「かぐやちゃんっ!!」
思わず口にしてしまった感想を聞かれ、東郷は顔を赤らめ、友奈にはブン殴られた。ひどいやひどいや。なにも殴らなくたっていいじゃん本当のことなんだし。
「かぐやちゃんはそろそろ『でりかしー』ってものを覚えるべきだと思いますっ!」
「だってホントのことじゃん。文句なら東郷の服をこんなデザインにした奴に言ってくれ」
「そういえばお姉ちゃん、私たちの勇者服って誰がデザインしたのかな?」
「さぁ?案外神樹様かもね」
「まじかよ。神樹様一生付いて生きます」
「鉄拳!制裁!勇者パァァァァンチ!!」
いつの間にやら変身していた友奈の渾身の右アッパーをモロに食らい、俺は車田飛びで吹っ飛んだ。
「・・・・・えーと、友奈ちゃん」
「行こっ東郷さん!」プクー
「・・・・・あんな風に怒った友奈、アタシ初めて見たかも」
「・・・・・・私もだよ」
そして放っとかれる俺。ちくせう・・・・・世間は男にきびちぃゼ・・・・・
―――――――――――†――――――――――
あんたは留守番!と風さんに言われて、四人がバーテックスへと向かって行くのを見送る。
「さて・・・・・・・そろそろ出てきたらどうだい?」
「・・・・・・・・あれだけの醜態晒しておいて、今更格好付けるのか」
嘆息しながら現れたのは、昨日も現れた仮面女。
ガンブレードを二刀流にしている所を見ると、今回は本気なのだろう。
「ガンブレードとは通好みだな」
「私の好みではない。マルコシアスが勝手に決めた」
マルコシアス―――なるほど、そいつが仮面女が契約した悪魔か。確か、序列は三十五位だっけ。
「良いのかい?そんな簡単に契約先を教えて」
「構わない。どうせお前はここで死ぬ」
「『死人に口無し』ってこと?物騒な物言いだ」
「連中への見せしめも兼ねてる。だから、ここでお前は死ね」
「悪いね。
『ESE』をドライブモードで起動させる。
仮面女も、両手のガンブレードを構え、此方の出方を伺う。
「ああ、そうだ。せっかくだ。キミの名前を教えてくれよ」
「――――――名前はとうに捨てた。どうしても呼びたければ"ナマリ"と呼べ」
「・・・・・・・ナマリ、ねぇ。金属の鉛、かな」
「・・・・・・・答える必要があるのか?」
「・・・・・・・無いね」
会話は此処迄、此より先は――――――
「さあ、俺たちの闘争を始めよう・・・!」
風を切り裂く、この足は何時でも
終わらない闇の中、進んで行く、戦う為に―――