『ESE ドライブモード』の真骨頂は、エアスラスターによるジャンプ力の強化にある。
これを使用して俺はまず、空中からの飛び蹴りを繰り出した。
しかし、ナマリはそれを半身を反らしてかわす。
「(―――チィ!前回の反省を活かしてやがる)」
着地と同時に再び跳躍。ナマリのガンブレードは空を斬る。
「(前みたいな絡め手は使えない。それなら――――)」
ガンブレードは、その特殊な機構故にとても重い。
なので、あまり小回りが効かず、大抵の攻撃が大振りなものになってしまう。しかし重量がある分、それを活かした斬撃の威力は凄まじく、そこに火薬の炸裂が発生させる衝撃を利用した場合、新生したこの左腕でも受け止めることは不可能だ。
対してこちらは徒手空拳。
リーチも一撃の威力もガンブレードに劣るが、その分小回りが効く。もっと言うと、武器を持たない分相手よりも身軽な点も上げられるだろう。
それらを総て踏まえて、俺が取るべき作戦は、一つ。
「(ヒット&アウェイで相手の攻撃を避けつつ、隙を見て攻撃――――だな)」
正直に言ってこの作戦がどれ程通用するのか、全く以て判らない。しかし、現状行える作戦はこれ一つのみ。
「(そんなら、やるっきゃねーでしょ!)」
意を決し正面から突撃。
と、見せかけてジャンプして回り込み、足払いをかける。
ナマリは見事、引っ掛かった。倒れ行くナマリ。
しかしここで油断はしない。そのままの体制で直ぐに後ろへ跳躍。
案の定、奴の鋒が鼻先を掠めた。
倒れる際の勢いを利用しての一撃だ。生身部分の多い頭部に喰らっていたら、スプラッタ間違い無しだっただろう。想像するだけでもおぞましい。
そんな事を考えつつも、視線はナマリから反らさない。
奴の剣が地面に接触するか否かの瞬間、奴はトリガーを引いた。
ダァン!!
火薬の炸裂音が響き、発生させた衝撃を器用に利用して、ナマリは起き上がる。
そこに向かって突撃。今度は右から回り込むように。
そのまま蹴りを入れようとして、飛び退いて下がる。先程まで俺が居た空間を、左のガンブレードが薙いでいった。
勢いを殺さず、更に突撃。左ストレートを繰り出す。
ナマリも反対のガンブレードで迎撃する。拳と刃がぶつかり合う刹那―――
ガァァン――!
なんてことは無い。ぶつかり合う瞬間に拳の軌道をズラして、そのままガンブレードの刀身に裏拳を叩き込んだまでだ。
その一撃でガンブレードを手放し――――たりはしなかったが、大きく隙を作ることは出来た。
しかしナマリも只では転ばない。両方のガンブレードで挟み込むように斬り付けてくる。それを俺はジャンプでかわす。
ガキィィィン―――!
二つのガンブレードがぶつかり合い、けたたましい金属音を響かせる。
その上に着地。
そして左拳をナマリの顔面に突き付ける。
「
「――――――――――ふっ」
鼻で笑われた。次の瞬間―――
「ぬわっ!?」
その行動は完全に予想外で、体勢を崩される。その隙を狙われ、ナマリのボディブローを防ぐことが出来ずモロに喰らう。
「がふ」
殴り飛ばされた俺は樹海の木の根に叩きつけられる。
「どうした?その程度か?」
「煽ってくれるね・・・・まったく・・・・」
痛みはあるが、まだ立てる。血が出てるっぽいけど大丈夫、まだ戦える。
「第二ラウンド・・・・・始めるつもりか?」
ナマリが聞く。その問に俺は―――
「――――――――――はぁ」
「?」
「悪い。
何を、というナマリの声は上空からの来客によって妨げられた。
ナマリは飛び退いてそれを避ける。
先程までナマリが居た場所にでっかいクレーターが出来ている。その中心、このクレーターを作った本人は―――――
「――――――――許さないから」
憤怒の表情を浮かべてナマリを睨む友奈だった。