契約者たちへの鎮魂歌   作:渚のグレイズ

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バーテックス出てきてない!タイトルに偽りアリじゃん!


Vの襲来 -ナマリVS勇者部-

「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」

 

ナマリに向かって怒涛のラッシュを繰り出す友奈。

それをナマリは、ガンブレードを使って避ける。

 

「煌月先輩っ!」

「――――――やあ、樹。バーテックスは?」

「は・・・はいっ。ちゃんと倒しました」

「そいつぁ重畳の至りだな」

「え?ちょう―――」

「よく頑張りましたってこと!」

 

そんな事してる場合じゃないんだよ。

友奈は現在進行形でナマリと戦闘中。

ナマリは防戦一方だがいつ形勢が逆転するかわからない。

そもそも友奈があんなにも猛っている理由がわからない。

・・・すまん、嘘だ。察しは付いてる。

 

「煌月・・・・って!あんたそんなボロボロで大丈夫なの!?」

「風さん。俺のことは良い。それよりも友奈を・・・!!」

「友奈が心配なのはわかったから、今はあんたの手当ての方が先!!」

 

押さえ付けるように俺の頭を叩いて、風さんは俺の右足の付け根にあるロックを解除して右足を外し、そのまま太腿の収納スペースに入ってる治療キットを取り出した。

 

「ってまって風さん。なんでそれの場所知ってるの!?」

「さっき友奈に聞いた」

 

あんにゃろう!!

 

「ねえ煌月。これ、どうやってくっ付けるの?」

 

治療が終わったのか、風さんはいつの間にか俺のズボンを脱がしていて、外した右足をくっ付けようと奮闘していた。

 

「ちょっと!?風さんそれ逆!あー!違う!そうじゃない!ええい!!もう弄んな!俺がやるから!!」

 

―――――――――――†――――――――――

 

風さんに外された右足を戻す時に一悶着あったが、どうにか手当ては無事終了。さて戦況や如何に?

 

「・・・・なるほど、東郷が遠距離から撹乱しつつ、友奈が攻める、と・・・・なかなか良い作戦じゃないか。少なくとも俺一人では実行できない」

「そりゃそうでしょ」

「一人では無理ですよ・・・さすがに・・・」

「うるさいやい」

 

しかし、おかしい。どう見てもナマリの動きがさっきより鈍くなっている。何故だ?

 

「うおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!!!!!」

「──────────チィッ!」

 

友奈の猛攻に耐えるので精一杯だから?そんな訳がない。だとしたら・・・

 

チュイン!

「────クソ、なんで・・・」

 

東郷の援護射撃をナマリが寸での処でかわす。

まさかアイツ・・・

俺は右太腿を前から叩き、ハッチを開ける。

完全に開ききった所で中からスマホが射出された。

それを空中でキャッチ。尽かさず東郷へ電話を掛ける。

 

「ハロー東ご『輝夜くん大丈夫!?ちゃんと無事!?』無事だから耳元で怒鳴るな!!」

『ごめんなさい・・・あまりにもボロボロだったから・・・』

「・・・・・心配かけたのは謝るよ。ゴメン」

『輝夜くん・・・』

「それよりも東郷。お前、ちょっとこっちに来てくれ。援護射撃しながら」

『・・・・・・・・・何か策があるの?』

「ちょっと・・・な」

 

―――――――――――†――――――――――

 

さて、後は・・・・

 

「うおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!!!!!」

 

あっちで猛っている友奈をどうにか止めないと、かぁ・・・・正直しんどい。でもやらないと・・・・

 

「・・・・・ぃよっし!覚悟完・了!」

「ちょっと煌月。あんた、どうする気!?」

「こうするの、さ!」

 

言うや否や、俺は友奈とナマリの間に割って入る。

友奈の拳を右手で受け止め、ナマリのガンブレードを左手で反らす。

 

「・・・・・・・・・・・・・・かぐやちゃん?」

「落ち着けよ友奈。俺は大丈夫だから・・・」

「・・・・・っ!」

 

好機と見たナマリはこの隙に後退。俺たちと距離を取った。

 

「そう来ると思ってたぜ!東郷!!」

「了解!」

「ッ!!!!」

 

その退路を防ぐ様にして、無数の弾丸が雨のように降り注いだ。その後、着弾地点に東郷が降り立つ。

そのまま逆手に持った二丁の銃を油断なくナマリに向けた。

 

「・・・・・・・・・・・ぁ」

「投降して。こうなってしまえば、もう貴方に勝ち目は───」

「・・・・・・・・・・・・

「・・・・え?」

 

ナマリが、呻くように呟く。同時に、頭を抱えて苦しみだした。

 

「・・・・・・・・・チッ、()()()()()()()()()?」

「かぐやちゃん?」

 

摘まむように俺の左袖を掴む友奈に目配せする。

一瞬、目を伏せ葛藤する仕草を見せたものの、次の瞬間には決意に満ちた瞳で、こちらを見返してくれた。

 

「樹!縛って!」

「は・・・・はいっ!!」

 

俺の号令と共に、樹がワイヤーを射出。同時に友奈がナマリに向かって突撃。

 

「っ!!!」

 

先程まで苦しんでいたこともあって、ナマリは見事、樹に簀巻きにされた。そこに友奈が飛び込んでいき───

 

「登り───勇者パァァァァァァンチ!!!!」

 

強烈なアッパーカットを彼女の顎に叩き込む。

その一撃でナマリは上空に跳ね上げられた。

 

「風さん!大剣を水平に!」

「え?ちょっと、どうすんのよ!」

「こうすんだよ!」

 

地面と水平に構えられた大剣に飛び乗る。すると風さんも合点がいったらしく、

 

「そういうことね!じゃあ、思いっきりいくわよー?」

「覚悟は出来てる・・・・やってくれ!」

「よぉっし!」

 

両足で大地を踏み締めて、風さんは大剣を振り回して俺を打ち上げた。

 

「うおぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!女子力全開じゃあぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」

「女子力関係ねぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!!!!!」

 

叫びながらもESEを稼働させ、フルパワーで噴射する。

その間にナマリは樹の拘束を解いており、突撃してきた俺に対して防御姿勢をとっていた。だが───

 

「そいつはもう対策済みなんだよぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!」

 

渾身の左ストレートを盾代わりにしているガンブレードに叩き込む。双方共にダメージ無し。

()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

瞬間───

 

 

 

 

ガガァン!!!!

 

 

 

 

 

バキ───ン・・・!!

 

 

 

 

 

左腕に搭載したギミックが発動。ナマリのガンブレードを砕いたのだった。

 

これぞ、春さんに頼んで造ってもらった一撃必殺の奥の手その一。

 

その名も『バンカーフィスト』!

 

仕組みは簡単。火薬を積めた薬莢を二の腕部分にセット。その爆発を利用して拳を打ち出す。

要はガンブレードとパイルバンカーの合の子ってところだ。

しかしそれだけではない。

なんとコイツは二連射出来るのだ!

そこから取って、この必殺の一撃を俺は、こう命名した。

 

 

 

 

 

「『震足・打金三段』・・・!」

 

 

 

 

「・・・・・なっ!」

 

ガンブレードを砕かれるとは思っても見なかった様でナマリは大層驚いている。その顔面目掛けてガンブレードを砕いた左ストレートが飛ぶ。

ぶっちゃけガンブレード壊しても勢いを殺しきれなくてナマリまで殴っちゃっただけである。

その一撃でナマリは地面に墜落。

後を追うように俺も落ちていくが、ESEを噴かして軟着陸。同時に左腕が展開し、強制冷却&空薬莢排出。今度は熱風が俺を襲うことはなかった。

 

「輝夜くん!大丈夫!?」

「お、東郷。出迎えごくろーさん」

「さっきの・・・・あの人は?」

「向こうで伸びて───」

 

 

 

 

「ぅあああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!」

 

 

 

 

 

「────なかったね。元気そうでなにより」

「なんて言ってるつもり!?」

 

迎撃体制に入ろうとする東郷を制して、ナマリに背中を向ける。

 

「輝夜くん!?いったい何を・・・!!」

「まあ、見てな」

 

バックル上部に配置された三つのボタンの内、一番左側のボタンを押す。

 

「ワン」

 

音声は鳴らないので自分で言う。サウンド機能とか、なんで付けてくれなかったのかなぁ?なんて思いながら、真ん中のボタンを押す。

 

「トゥー」

 

背後で爆音。ちらりと肩越しに見てみれば、ナマリがスーパーな戦闘民族みたいな感じで、霊力を放出していた。

なんかすげーことやってんなぁ、なんて思いつつ、右側のボタンを押す。

 

「スリー」

 

三つのボタン全てを押し終えたあと、ナマリがこっちに突っ込んできた。あの感じからすると、逆上して突撃してきた、ってところか。うん。格好のカモだな!

さて、名前は・・・・いいか。友奈、借りるぞ。

 

 

 

 

 

「───────勇者・・・キック」

 

 

 

 

 

バックルに刺さったカギを回す。

瞬間、圧縮されたエネルギーが一気に右足に雪崩れ込む。

俺はそのまま、その右足を、背後に迫るナマリに回転蹴りの要領で叩きつけた!

 

「ぐあッ!!」

 

俺の右足は狙い過たずナマリの顔面にクリティカルヒットした。

吹き飛ぶナマリ。先程の俺と同じように、樹海の木の根に叩きつけられたのだった。

 

 

 

 

 

訪れる静寂。

それを破ったのは────

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

バキン───という、ナマリの仮面が割れた音だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・・・・・・クソ、がァ」

 

起き上がったナマリは、開口一番にそんな事を口走る。

が、そんな事を気にしている余裕はなかった。

何故なら───

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「お前・・・・・・()()()()()()()・・・・?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

半分になった仮面から、まず最初に見えたのは、()()()()()()()()()()

本来ならその部位には眼球があると思われる場所。

そこに、何もなかったのだ。

 

「・・・・・・あぁ、これか」

 

まるで古傷を撫でるように、眼腔に指を突っ込んで、ナマリは答えた。

 

「捨てたよ。使えなくなったから」

 

あっさりと、そう答えるナマリの表情は、相変わらず読めない。

だが、その声音が先程までとうって変わって、優しげになっていた。

 

「今日はあんたたちの勝ちだ。おめでとう」

「・・・・・・・そりゃどーも」

 

だが、と言葉を区切り、ナマリは告げる。

 

「此処から先へ行くのならば、覚悟しておけ・・・大事なものを・・・・・喪う覚悟を・・・・な」

 

言うだけ言って、ナマリは何処かへ飛び去っていった。

 

「・・・・・・・とりあえず、勝った?」

「・・・・・・・だと思う」

「・・・・・・・そう、か」

「・・・・・・・そう、ね」

 

糸が切れた人形の如く、その場に倒れる。

あーつっかれた!

 

「お疲れ様、輝夜くん」

「おう、東郷もおつかれ。とんだ初陣になったな」

「ふふ・・・そうね」

 

そうやって、お互い、笑い会う。

どうにか今日も生き延びることが出来た。

樹海化が解けゆく中、俺は今日の夕飯のことを考えていたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ところで・・・・その・・・・輝夜くん///・・・・・・・・ズ・・・・・ズボンは?///」

「あ、おいちょっと待って風さん俺のズボンどこやったぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!」

 

翌日、俺のズボンは『怪異!?校庭に突如舞い降りたズボン!』という見出しで、学校新聞の一面を飾ったなんてことは、実にどうでもいい蛇足である。

 




SSRみーちゃんが来ない・・・・
SSRみーちゃんどこ・・・・?ここ・・・・?

そうそう、忘れてました。
ESE操作用のベルトと、ズボンのベルトは別物です。
なので、ズボンがなくてもESEの操作は出来るのです。
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