ということで前回の続き!
どうぞ、お納めください
樹海化が解けた後、輪廻と友奈は救急搬送された。
二人とも、幸い命に別状は無いとのことだが、輪廻は予断を許さない状況が続いているという。
「これが・・・あなたの引き起こした結果よ・・・」
友奈のお見舞いに来ていた千景に、そう言われた。
「なぜこんなことになったのか・・・あなたは分かっているの・・・?」
「分かっている。全て私の無策と突出が原因だ・・・」
「違う・・・・・・!」
私の答えを、千景は否定した。あなたは何も分かっていない・・・と。
「一番の原因は、あなたの戦う理由にあるのよ!」
「戦う、理由・・・?」
「あなたはいつもバーテックスへの復讐のために戦っている・・・・・・だから、怒りで我を忘れてしまう・・・・・・周りの人間を危険に晒しても、気付きさえしない!」
千景の言っていることの、意味が分からなかった。
復讐のために戦っている・・・?
怒りで我を忘れてしまう・・・?
「あなたにリーダーの資格なんて無い!」
ああ、全く持ってその通りだ。私もそう思う。
だが、それならば、私はどうすれば良い?
一体でも多くのバーテックスを殺す。それが、奴らに無惨にも殺された罪なき人々への報いだと、そう信じて戦ってきた。なのに―――
「(それを否定されたら、私は、いったい何のために戦えば良い・・・・・・?)」
答えは、見つからなかった。
―――――――view,change:輪廻―――――――
『輪廻――――起きてください、輪廻』
「んみぅ・・・・・・だぁれ?」
呼び声に応えて起きてみると、僕は炎の中に揺蕩っていた。
ああ、なるほど。ここは夢の中か。
夢の中なのに起こされるとか、矛盾してるなぁ。
『すみません。何分、このような場所でしか貴方にお会い出来ませんですから』
おや、心を読むのかい。喋らなくて済むのは楽で良いけど、ちょっと気味が悪いねえ。
『重ね重ね、すみません』
「謝ってばっかりだね、別にいいけど。ところで、キミ、誰だい?どこにいるの?」
『貴方の目の前に』
いつの間にか、目の前に黒い影がいた。人の形をしておらず、なんというか、大型犬みたいなシルエット。
何者なのかわからないけど、少なくとも敵ではないようだ。
『時間がありませんので、手短に伝えます』
ういっす。
『もうお気付きかと思いますが、私は貴方に力を貸している土地神です』
まじか。全然気付かなかった。
『神樹となった者たちから知らせがきました。次の戦いは、前回よりも激しいものになる、と』
なるほど、そいつはヤバいね。あと、さっきのスルーですか。
『神樹は私に貴方への更なる助力を命じました。ですが私は「OK任せて。僕たちがなんとかするさ。だから力を頂戴」・・・・・・は?』
「言ったろ?僕たちがなんとかするって。だから早く更なる力を頂戴よ。神樹様からも言われたんでしょ?」
『・・・・・・本当に、よろしいので?』
「護れなくて辛い思いをするのは、もう嫌なんだ。だから僕は、もっと強くならなくちゃいけない。僕のこの手が、届く範囲にいる人たちくらいは、護れるように」
『・・・・・・・・・分かりました。その決意に満ちた瞳、信じさせて頂きます』
「ありがと」
『では、これにて。そろそろ目覚めの時間です』
土地神様に言われて、身体が浮いていく感覚を味わう。
どうやら意識が覚醒していってるみたい。
あ、そうだ。
「ねえ?土地神様!もしかしてあなたのお名前って大―――」
そこまで言いかけて、僕は目覚めた。
―――――――view,change:歌野―――――――
突然だけど、私の住まいの話をしよう。
といっても、使っているのは若葉たちと同じ、丸亀城の側の寮の一室。だけど若葉たちの部屋と違って少し広い。
なぜならば。
私とみーちゃんとりっくんの三人でこの部屋に一緒に暮らしているからだ!
なんでも、大社の人が業者さんに頼んでこの部屋だけ少し大きく改装してもらったのだとか。
それを知ったりっくんが「でかくするくらいなら部屋をもう一つ増設してよォ!!」と叫んでいたけど、正直に言って一緒の部屋にしてくれてよかったと思っている。
りっくんは放っておくと自分のことを一切しない。
最近でこそ、一人でもちゃんとご飯を食べているけども、出会ったころなんかは睡眠すらもしようとしなかったほど。
そんな彼を救ったのがみーちゃんなんだけど、その辺りはまた別の機会に。
ではなんでこんな話を始めたのかというと、
「この部屋・・・・・・こんなに広かったのね・・・・・・」
今現在、この部屋に私一人でいるからだ。
りっくんがベッド替わりに使っているソファ(前に「三人で一緒のベッドを使おう」、と言ったら顔を真っ赤にして怒られた)に寝転がりながら、ぼーっとしていた。
りっくんは入院中、みーちゃんはどこかに買い物に行ったみたい。
こうやって、広い部屋に一人きりでいると、暗い考えが頭をよぎってしまう。
『なんで友奈さんみたいに、無理やりにでもりっくんを助けに行かなかったの?』
だってしょうがない。私一人では突破なんて無理だった。
『でも友奈さんは行ったわよ?』
あの子は強いもの。私よりも。それに、友奈さんの武器はそういうの、向いてるもの。私の武器は逆に向いてない。
『それも一つの理由。だけど本当は―――』
「うるさい――――っ!」
「ただいま~」
がチャリ、と音がして、みーちゃんが帰ってきた。
「って、あれ?うたのん?何してるの、こんな暗いところで」
パチリとみーちゃんが電気を付けてくれて、私はようやく今の時間が夕方だったことに気付いた。
「あら?もうこんな時間だったのね・・・・・・気付かなかったわ」
「・・・・・・・・・」
「ソーリーみーちゃん。今からお風呂、準備するから」
そういって、その場を立ち去ろうとした私の腕をみーちゃんが掴む。
「・・・みーちゃん?」
「・・・・・・ねえ、うたのん。無理しなくて、良いんだよ?」
「っ!!・・・・・・・・・その言葉は、りっくんに言うべきだと思うわ」
「あはは、確かにね。でも、うたのんもだよ。最近ちょっと無理してる」
「・・・・・・・・・」
「私なんかじゃ不満かもしれないけど、話して欲しいな。うたのんのこと、支えたいから」
まったく、みーちゃんには敵わない。そんなにまっすぐに見つめられたら断れないよ。
私はみーちゃんと一緒にソファに座って、思いの丈を全部話した。
みーちゃんは黙って私の話を聞いてくれて、私にはそれだけでも充分だった。だけど、
「うたのんは間違ってないよ」
そう言ってみーちゃんは私を抱き締めてくれた。
「私だって、暗いこと考えて、落ち込んじゃうことあるもん。それに・・・・・・ちょっとだけ、嬉しい、かな」
「嬉しいの?」
「うん。だって、うたのんも、私と同じで、落ち込んじゃうことがあるんだ、っておもったら・・・・・・ね」
「そっかぁ・・・・・・・」
「そうなんだよ・・・?」
「みーちゃんとおそろい・・・・・・ふふっ、なんだかすてきね」
「そ・・・そうかなぁ?」
みーちゃんが照れてる。かわいい。
「サンクスみーちゃん!おかげで白鳥歌野、完 全 復 活!」
「ふふっ、やっぱりうたのんは元気いっぱいでないと」
「そうね!うじうじしている私なんて、私じゃないわ!」
まったく、りっくんがいないせいでナーバスになっていたわ。りっくんは後でペナルティね!
「ところでみーちゃん。こんな時間まで、何買いにいってたの?」
「あ、そうだった。実はね・・・」
どうやらみーちゃんとひなたさんが、大社本社に呼び出されたらしい。しばらく帰ってこれないのだとか。
「そっかぁ・・・しばらく会えないのね・・・・・・・・・じゃあ!」
みーちゃんをおもいっきり、ぎゅーっ!と抱き締める。
「わぷっ・・・苦しいよ、うたのん」
「会えない分のみーちゃん成分をチャージしておかないとだもの♪」
「もう・・・じゃあ私も・・・・・・ぎゅー」
「ワオ!」
みーちゃんもぎゅーっと抱き締めてきた。
「えへへ・・・うたのん成分補給だよ」
「うふふ・・・」
その後しばらく、私たちは抱き締めあっていた。
ここだけの小話―――
うたのんのメンタルが、原作よりも弱めになってるのは、りっくんが増えている、ということと・・・
その方が僕が書きやすいからです(笑)
おかげでみーちゃんも原作より強くなってしまった・・・
こっちは嬉しい誤算かな?
感想、等々お待ちしてます。