お風呂入れてあげたい。
「ただいま・・・・・って、そういやマッキー今日は遅くなるって言ってたか・・・・」
「おかえりー♪」
「おう、ただいま────って待て。なんで友奈がウチにいる?」
東郷に膝枕してもらったその日の夕方。家に帰ったら友奈まで着いてきた。
「だっておにーさんに頼まれちゃったんだもん、かぐやちゃんのこと」
「マジかよ・・・・マッキーの野郎・・・・」
「えへへー♪いろいろと頑張っちゃうからね!」
「なんだよ、いろいろって・・・・」
「もちろん!」
にっこり笑って友奈は告げた。
「かぐやちゃんの身体洗ってあげたりとかだよ♪」
―――――――――――†――――――――――
断固として拒否したが、結局押しきられてしまい・・・
「はぁー・・・なんでこんなことに・・・」
「かぐやちゃーん。かゆいところはありませんかー?」
「無い。はぁー・・・・」
現在、俺と友奈は一緒に風呂に入っている。今は背中を流してもらっている最中だ。
入浴の際に、防水加工を施されていない左腕は外さなければならない。そのため、右腕だけで身体を洗ったりしないとならないのだが、そこは長年の経験。一人でも充分上手くやれる。それは何度も説明したと言うのに・・・・友奈の奴・・・・未だに俺を要介護認定してやがる。
「~♪」
楽しそうにしやがってからに・・・・
改造のおかげで欲情しにくい身体になっているからといって、少しばかり近すぎだろうが・・・
「ねぇ、かぐやちゃん」
「・・・・んだよ」
「東郷さんの膝枕、気持ちよかった・・・?」
友奈が、自分の身体を密着させながら、そんな事を聞いてきた。
こいつ・・・・・そんな事を気にしてやがったか・・・・
「ああ、なかなかだったぞ。オマエも頼めば?」
「──────ふぅん。そっか・・・」
いい加減に離れて欲しいのだが、友奈はこちらの思いも気にせず、そのままの体制で腕を前に持っていった。
「友奈?お前、何を」
気付いた時には遅かった。
両足を外され、俺は友奈に抱き抱えられたのだった。
「・・・・・・放せよ。つーか、足取るな」
「────────────」
友奈は何も言わず、ぎう・・・ときつく抱き締めるのみ。
「──────何が気に入らないのか、言ってくれなきゃわかんねーんだけど?」
「────────────やだ」
「あ?」
「──────ぜったい、いわない」
ホント、めんどくせぇなぁ・・・・
「友奈」
「──────────────」
「おい友奈」
「──────────────」
「・・・・・ッチ」
沈黙したままの友奈と、この方法しか思い付かない自分に舌打ちすると、俺は右腕だけで自身の身体を持ち上げて友奈の拘束から脱出してみせた。この時ばかりは、ほぼ達磨状態の自分に感謝である。
「あ・・・・」
「・・・・よっと」
空中で反転し、友奈と向かい合う。
案の定、友奈は少し泣いていた。
「ったく、嫉妬なんざお前らしくもない・・・」
「─────────うるさいよぉ」
「ぶーたれんなって」
「ぜんぶかぐやちゃんが悪い」
「そーかよ」
頬を膨らませてそっぽ向く友奈。
そんな友奈の顔をぐい、とこっちを向かせる。
「大丈夫」
「─────────」
「お前が俺の手を離さない限り、俺は必ず、お前の隣に帰るから。だから、心配なんかすんな」
「─────────ほんと?」
「俺が約束破ったこと、あったか?」
「いつもケンカしてる」
「ケンカしないなんて約束、した覚えありませーん」
「むぅ!」
「はっはっはー♪」
「まったくもう・・・・」
やれやれ、ようやく機嫌が治ったか・・・・それにしても・・・・
「─────お前も、一応、成長しては、いるのな」
「?してるよー。成長期だもん」
「いやいや、そういう意味じゃなくてだねぇ?」
「??」
目線をちょっとだけ下に向ける。
友奈もそれに従い、下に向けると──
「・・・・・・・・・!?!?!?!?」
俺の言葉の意味を悟った友奈が、ゆでダコみたいに顔を真っ赤にする。かーわいー♪
「か ぐ や ち ゃ ん の ! !」
あ、これはマズイパターン
「バカぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!」
「ぶぉっふ!?」
浴槽に向かって、背負い投げの要領でぶん投げられた俺は、頭から湯船に落ち、犬神家状態になった。
「えっち!変態!すけべ!変態!変態!変態!」
「ごぼごぼごぼ」
「しばらくそこで反省してなさい!!」
「っぷはぁ!あ、おい友奈!?俺の足持ってくな!」
俺の声を無視して、友奈は両足を持って風呂から出ていってしまった。
「俺の足ぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!!!!!!」
この後、半分のぼせながらも謝罪しまくった。
輝夜の両足について──
ESEは、輝夜の排泄物を消費してエネルギーを得ている。
そのため、輝夜はトイレに行く必要がない。
よって、改造手術の際に、某十万馬力の人型ロボットみたいに下半身部分がのっぺりしている。