契約者たちへの鎮魂歌   作:渚のグレイズ

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明けましておめでとう!
新年一発目の鎮魂歌は輝夜のいない勇者部だ!!
・・・・・のっけから主人公いないとか(笑)


少女たちのM ー女子会 in the 温泉ー

輝夜を除いた、勇者部の少女たち五人はとある温泉旅館にて、老人会向けの演劇を行うことになっていた。

今日はその当日の朝。

友奈、風、樹の三人が朝風呂を堪能している最中であった。

 

「はぁ~・・・・良いお湯~♪」

「ほんとうですね~・・・・」

「ハイハイ、和んでるとこ悪いけど、本題入るわよ」

 

手を叩き、自分に注目させる風。

東郷と夏凜は現在就寝中。というのも、現在時刻は朝の四時。流石にまだ起きている人間はほぼいない。

 

「えーっと、何の招集でしたっけ?」

「まだねむいよぉ~~・・・・」

「我慢なさい」

 

手厳しい事を言って、風は今回の議題を提示する。

 

 

 

 

 

「ズバリ!私たちの女子力向上についてよ!!」

 

 

 

 

 

「──────女子力?」

「──────向上?」

「そうよ!」

「具体的には?」

「うーん・・・・・・・・・・・・・胸とか?」

 

胸、という言葉に脳裏に過るはある少女。

勇者部一、というか、中学生一の胸部を誇る彼女の顔だ。

 

「─────確かに、欲しいかも」

 

自身の、金床の様な胸板をぺたぺたと触り、ぼそりと樹が呟いた。

 

「い・・・樹ちゃんはこれからだよー(汗)」

「─────余裕の発言ですね」

「樹ちゃん!?」

 

励ます友奈に対して、冷ややかな目を向ける樹。

その視線の先には、起伏こそ乏しいもののきちんと()()といえる大きさのモノが存在している。

 

「ふ・・・流石、彼氏持ちは違いますね・・・・」

「ふぇ?彼氏?私、お付き合いなんてしてないよ?」

 

温泉に浸かりながらも、心が冷えきった樹の、冷めた発言に対して、友奈はきょとんとするばかり。

 

「───────お姉ちゃんどうしよう。友奈さんと煌月先輩、無意識だ」

「───────幼なじみが、恋愛に発展しないのって、こういう理由(コト)だからかぁ・・・・」

「え?え?なんでここでかぐやちゃんの話?」

 

戸惑う友奈に対して、犬吠埼姉妹はそっと、ため息をつくのであった。

 

―――――――――――†――――――――――

 

 

結局この後、東郷と夏凜も入ってきたので、東郷にバストアップの秘訣を教えて貰う三人。

 

「え・・・ええっと・・・・和食、なんてどうでしょう?」

「よし、犬吠埼家は明日から朝は和食よ!!」

「目指せ!メガロポリス!!」

 

そんなこんなで犬吠埼家の朝食が和食になった。

 

「はぁ・・・・・・胸なんて、剣振るのに邪魔でしょうが」

「おい、華の中学生」

「なによ。私たちには『勇者』っていう大事なお役目がある事、忘れてんじゃ無いでしょうね?」

「確かにお役目も大事だけど、それ以前に私たちは女子中学生なのよ?勉学、スポーツ、それに恋愛!日常の尊さを知るからこそ、お役目にも身が入るってもんよ!」

「そういうもんかしら?」

「そういうもんよ」

 

ふぅ・・・ん、と素っ気ない態度の夏凜だが、『そういえば、この前兄貴にも似たようなこと、言われた気がする・・・』なんて事を思っていた。

実は夏凜、あれから時々"嵐ヶ丘"に顔を出しているのだ。表向きは、兄春信の監視の為。その本音は────きっと、言わずもがな、だろう。

 

「恋愛かぁ・・・・」

「友奈ちゃんは、どんな殿方が好み?」

「東郷が友奈にそんな事を聞いてる!?」

 

驚愕する風を他所に、友奈が頭を捻ってうんうん唸る。

 

「うーん・・・・・一緒にいて、楽しい!って思える人・・・・かなぁ?」

「なら、私は?」

「えへへ♪もっちろん!楽しいよ!!」

「うふふ♪私もよ」

「あ・・・結局はそこに行き着くのね・・・・」

 

驚いたり落胆したりと、テンションの落差が激しい風であった。

 

―――――――――――†――――――――――

 

湯から上がり、演劇を終わらせ、依頼主の女将に「せっかくなので、お土産でもどうでしょう?お一人一つまででしたら、お譲りしますよ?」と誘われた勇者部一行は、女将の厚意に甘え、土産屋を覗いている。

 

「結構充実してるのねぇ」

「食べ物にストラップ・・・わ!パズルなんかもある!」

 

そんな中───

 

「はっ!?あれは!!」

 

東郷が何かを見つけた。

 

「東郷さん?何を見つけたの?」

「友奈ちゃん!あれを!!」

「ん?─────はぅわっ!!あれはぁぁぁぁ!!!」

「なに?二人とも何を見つけたのよ?」

 

爛々と輝く瞳で二人が見つめる先を、夏凜も覗いてみる。そこには────

 

 

 

 

 

「─────『丸亀城ロボ』?なにこれ?」

 

 

 

 

 

「えぇ!?夏凜ちゃん知らないの!?!?」

「『古城呂菩(ロボ)しりーず』その記念すべき最初の一体目よ!!」

「こ・・・・古城ロボ?」

「神世紀二百年を記念して、日本プラモデル協会の有志たちが毎年一体ずつ発売している日本のお城を原型(モデル)にしたしりーずよ!」

「今年は十周年だ、ってことで二体発売されることになってたんだよー♪あ、そういえばその発売日って、今日だ」

「『(スーパー)安土城呂菩・完全武装形態(パーフェクトアーマー)』ね!」

「かぐやちゃん、たぶんいつものプラモ屋さんでもう買ってるよね」

「もう買ってる頃合いよね」

「ね!東郷さん!」

「うふふ、私も同じ考えよ、友奈ちゃん♪」

 

呆然とする夏凜を他所に、友奈と東郷が口を揃えて女将に告げる。

 

 

 

 

 

「「これください!!」」

 

 

 

 

 

―――――――――――†――――――――――

 

お金を払おうとする二人に対して、女将は「どうせ売れ残りだから、お代は結構」と言って無償で渡してくれた。

 

「なんだか申し訳ない気分・・・」

「良いじゃない。くれるって言ってるんだから。遠慮なく貰っちゃいなさいよ」

「夏凜ちゃん・・・・・うん、そうだね♪」

「ふふふ♪輝夜くんに良いお土産が出来たね」

「うんっ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翌日、帰宅した輝夜を待っていたのは、『丸亀城ロボ』を持って満面の笑みでこちらに手渡してくる、友奈と東郷の姿だった。

輝夜は柄にもなく、泣いた。

 




『古城ロボシリーズ』について

武者◯伝の日本城バージョンみたいなもん。
輝夜はこのシリーズの一体目、『丸亀城ロボ』以外の全機体を所有しており、「最初の一体だけがどうしても手に入らないぃぃぃぃ~~~」と嘆いていた。
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