身長169cm。
4月2日生まれ。
血液型A型。
好きな色、白。
好きな飲み物、コーヒー(砂糖・ミルクは無し)、玉露。
スリーサイズ、B82W53H79。
様々なトラウマ持ち(自覚あり)。
心配症で情緒不安定(自覚あり)。
興味のあるもの以外視界に入れない(自覚なし)。
夏休み明け―――秋の選抜会場。
「ほ、本当に出なくてよろしいのですか?お姉様」
「うん。今回は裏方に行こうと思ってね、後でみんなに気付かれない程度に十傑席回るから」
「は、はい!では後ほど」
意気込むえりなの頭をよしよしと撫でてAブロック会場を後にする。たしか組み合わせでは幸平はAブロックのはずなのでBブロック会場に行った後にまた戻ってこよう。…たしかBブロックは、慧君たちだったか。
「準備はAもBも大丈夫そうね…あ、一色!」
慧君を見付けたので声をかけると気付いたのかニコニコといつもの笑顔でやって来る。
「司先輩」
「最終確認しに来たんだけど大丈夫そうだね」
「ええ、もちろん」
「Bブロックといえばみんな薙切アリスか新戸さんだけど一色はどう思う?」
「…参考にならないかもしれませんよ?」
「一色の目利きは確かだからその心配はしてないよ」
「そうですか…なら」
そう言って慧君が指差した名前は吉野悠姫と田所恵――――――どちらも同じ極星寮の寮生か。
「吉野悠姫は肉、特に禽獣の扱いに長けた子だったね。田所恵は―――あの幸平創真のペアで乾シェフの課題で見事なサポート能力を発揮、そのうえ四宮シェフとの食戟の噂が本当なら幸平創真がサポートに入り彼女がメインで引き分けたって聞いてる。合宿だって乗り切った。でもなんでそんな子が高等部に上がるまで無名だったのか、私はそれが不思議でならないよ」
「ふふ、田所ちゃんはあがり症でプレッシャーに少し弱い所がありますから」
「…もしかして今までずっと、実力を発揮できずにいたってこと?」
「どうも人の目や評価を気にしてしまうようなんですよ。遠月の学生や講師陣は高圧的な人物が多いこともあって萎縮してしまうんです。」
けど、その殻はきっとそろそろ破れる。完全に外界へ出るのは自分自身、けれどそのきっかけになる穴を開けたのは――――――
「幸平創真」
「?司先輩」
「たしか彼も一色と同じ極星寮だったっけ」
「はい」
「そう、そっか―――ふふ」
彼はその性格からか、人の潜在能力を引き出すことにも長けているらしい。いいなあ、幸平。
連休は潰れるし、プレッシャーとかで選抜が面倒くさいと思ってたけど―――前言撤回。
裏方に回りはしたけど、今年の選抜もちゃんと見ておこう。
――――――楽しみだなあ。
―――――――――
「10時58分―――そろそろか」
タイムテーブルや出場者の名簿などの書類を見つつA会場に目をやる。皆独自に考えたカレーのベースともいえるスパイスを合わせている。
「…あれ?」
審査員席が一脚だけ空いてる…?どういうことだろう。開始は11時だからもう審査員は出揃ってるはずなんだけど…今回の審査員のリストを探し人物たちに当てはめる。港坂巻人、香田茂之進―――千俵なつめ!
じゃああの空いている席はなつめさんの席か。
「お題が『カレー料理』になった時点で予感はしてたけど…これは一年生にはちょっと難関かな?ま、でも…」
こんなところで終わるような子じゃあないよね。
私は気を取り直して本格的な調理に移行する前にある程度仕事を片付けようと書類に目を通した。
*****
「それで、あの子はどこ?第一席なんだからこの運営に関わってないわけないでしょ?」
「…司一席なら今回は裏方に回ってますからここにはいませんよ」
「!?なんですって!!…せっかくあの子に会えるチャンスだったのにっ」
千俵なつめは悔しそうにショックを受けた後思い切り叡山を睨むが叡山本人のどこ吹く風のような態度を見て諦める。
「まったく…叡山クンの口車に乗せられて来たけど…しょせん学生が本当に私を楽しませてくれるのかしら」
「けっ、金だけよこせばいいのによ」
「何か言ったかしら?」
「いいえ?心ゆくまで秋の選抜をお楽しみ下さい。なつめ様」
この時点で既に心が折れかけている生徒もいるが二人は気にも止めずに話を進めていく。
「一言」
「ハイハイ」
『―――いいこと?この国のカレー産業は戦後拡大の一途を辿り…今やカレーは国民食として完全に成熟した!この現状に…私は退屈しています』
『求めてるの!経営者としてカレーを愛する者として日本のカレーの未来を切り開く発想を―――』
『さ、みせてちょうだい?私をゾクゾクさせてくれるカレー料理…』
―――秋の選抜の火蓋が切って落とされた。