息抜きに書いていたネタなので支離滅裂なところもあると思います。
一口目 1食事という名の事件
「流石豪華客船。厨房もしっかりしてるなあ」
遠月を介しての依頼により私は今夜この客船のディナーを任されているので下見も兼ねて先に乗船している。
依頼者はたしか……鈴木財閥だったっけ。さすが世界有数の財閥だ。わざわざ遠月に依頼するなんて。
「この客船の完成記念。だったっけ」
なんでもこの客船はありとあらゆる最新技術をつぎ込まれた最新鋭の客船なんだとか。だからプレオープンも兼ねてセレブや著名人を招待して大規模なパーティーをするらしい。
でもいくら定評のある遠月からの派遣だっていっても
「よりによって私が副料理長とか」
一体何人ここに収容されると思っているんだ。私は他人と一緒に料理するのが苦手だというのに。
なんでも財閥の相談役が手抜きは出来ないと私たち十傑を推して一度会食で私の料理を食べたことのある会長夫妻が私を指名したのだとか。
「……成るようにしかならないか」
自分で言ってて虚しくなるけどこれも仕事だ。現実を受け止めてしっかり任務を遂行しないとね。
――――――
と気合いを入れていた私だったけどさ……
「(まさか殺人事件に遭遇するなんて誰が思うだろうか!!)」
被害者はこの客船の主に雇用の方を担当していた人事総括の永倉吉信さん。私は遠月から直接派遣されてきたので知らないけど結構横暴な人だったそうで今回の人事にしてもかなり強引に進めたらしく、多方面で恨みのようなものを買っていたらしい。
この点だけ見れば私は無関係だ。
しかし問題は……
「(死因がアレルゲンの過剰摂取によるショック死……)」
つまり私たちが担当していた料理で起こったことなのだ。
しかも他のシェフは皆一緒作業していたけど私はほぼ除け者状態だったからなあ……同じ場所で作業していたとしても証言してももらえるってこと自体望み薄っぽそうだし。
いわゆる黒に近い灰色の状態なのだ。
「犯人が分かりました」
「ほ、本当かね毛利くん!」
「勿論です。永倉さんを殺害した犯人は――貴女だ、司瑛璃さん!!」
やっぱり……そうなるよね……推理とか必要ないくらいの状況証拠が盛りだくさんあるもんね。
でもまだ調べてる途中だよね!?なんでそんな不完全な状態で犯人指摘しようとしてるの?!
「貴女は彼を米アレルギーだと知りながらも素知らぬ顔で料理を提供し殺害した!」
「ま、待ってください!私はそんなことしていません!アレルギーのことだってお客様全員分を把握しています!」
「犯人は皆そういうものです」
だめだ、この場にいる全員が私だと思っている。
でも私だってやってもいないような罪を着せられるなんてごめんだ。
なにか、なにかないのか。反論できるような要素は……
「ちょっと待ったー!!」
「!」
聞き慣れた声に思わず声のした方を見る。そこには―――リンドウたちがいた。
「な、なんだね君たちは!」
「なんだも何もねーよ」
「僕らは初めからここの招待客としてこの場にいましたからね」
「リンドウに一色……なんでここに」
「司が最新型の豪華客船に招待されたっていうから司の名前出して身内専用の優待券使った!」
「極星寮の方でもでも誰が行くのか話し合ったんですけど、なかなか決まらなくて、結局ジャンケンで僕が勝ったので僕が行くことになったんです」
「な、なるほど」
だから最近何時にも増して上機嫌だったのか。と私が納得したことで場の空気を元に戻そうと刑事さんが咳き込んだ。
「ゴホン。お知り合いですかな?」
「あ、はい二人は同じ学園の同じ組織に所属する私の仲間です」
「遠月茶寮料理学園高等部三年。十傑評議会第ニ席――小林竜胆」
「同じく遠月茶寮料理学園高等部二年。十傑評議会第七席の一色慧です」
「なるほど、ご学友、ということですか」
「はい」
「それでなんだって言うんです?司さんが犯人ではないとでも?」
「そのまさかだっていったらどうする」
「なにい?!」
納得がいかないのか私を犯人と断定した毛利さんはリンドウを睨みつけた。
「証拠はあるのか証拠は!!」
「毛利君、落ち着き給え!」
「証拠っていうけどそういうあんただって状況証拠でしか犯人特定の理由わかんねーんだろ」
「僕らの知る司先輩はそんなせっかく作った料理を凶器にするようなことをする人ではありません。食材を最高の状態で最高の料理として提供する。そんな料理の事に関してプライドの高い彼女がすることだとは思えません――再捜査、していただけますか?」
心強い二人の登場により私は犯人(ほぼ確定)→犯人(仮)へと浮上したのだった。