地獄の姉弟《ヘルツインズ》~赤と白を宿した双子 作:デンドロビウム
ゼノヴィアが何とか納得してくれて良かった。
まあ、それはそれとして
「アザゼルさん、今回ってどういう事だったんですか?」
「ああ、軽く聞き出した内容だと、前々から俺の方針が気に入らなかったコカビエルが聖剣盗んで魔王の妹がいるここで事件起こして再び戦争起こそうとしたらしい。源太郎のおかげで始める前に終わったがな。」
「あはははははー。」
俺は乾いた笑いをした。
「それから、魔剣使い!」
アザゼルさんは祐斗を呼ぶ。
「木場裕斗です。何か?」
いきなり呼ばれた祐斗が怪訝な表情になる。
「まあ、そう警戒するな。お前、聖剣計画の生き残りじゃないか?」
「何故それを!」
祐斗は食ってかかりそうな勢いだ。
「ああ、すまんすまん。髪の色と聖剣を見る目つきが尋常じゃなかったからな。本題はコカビエルの一味に皆殺しの大司教、バルパー・ガリレイがいたんでな、どうしたい?どうして欲しい?」
バルパー・ガリレイ────
皆殺しの大司教と呼ばれ、聖剣の適合者を人工的に作り出そうと非人道的な実験を繰り返し教会を追放されたはず。なんだけど、コカビエルについていたとはね。
「同志の敵を・・・。」
「わかった。無念だったな、俺の対応が早ければ間に合ったかもしれなかったんだがな。」
「それはどういうことですか?」
俺はアザゼルさんに聞く。
「里奈やイッセーにも以前依頼した事あるだろ?
「まさか、それって。」
「そういことだ。聖剣計画や他にも教会の違法施設を俺は潰している。所有者の保護も兼ねてだがな。」
保護以外にもそういう意図もあったのか。
「木場祐斗だったか?これはお前の仲間、同志の因子を集めた物だそうだ。これはお前が持ってるべきだろう。」
そう言ってアザゼルさんは青いクリスタルの結晶の様なものを祐斗に渡す。
「みんな・・・。」
渡された結晶を両手で抱くように包む。
暫く眺めていると結晶から青い光が溢れ出した。
光は次第に祐斗を包んでいく。
「へ〜、魂になっても祐斗を元気づけて想いを託すなんて慕われてるわね。」
いつの間にか来ていた姉ちゃんが、祐斗を見て言ってくる。
「姉ちゃんわかるの?」
「なんとなくだけどね。これはもしかしたら────」
「みんな、ありがとう。」
祐斗の言葉の後に俺にも聞こえるようになった。
『僕らは一人では駄目だった。』
『だけど、みんなが集まれば・・・。』
『聖剣を受け入れて』
『怖くなんて無い』
『たとえ神がいなくとも』
『僕達の心はいつだって』
その言葉を継ぐように祐斗が続ける
「ひとつだ。──そして僕は剣になる──眷属の、仲間の剣に──僕の想いに応えろ!
祐斗が剣を出し上に掲げる。
掲げた剣に白と黒のオーラを纏い、混ざり合わさり、やがて一つになる。
「禁手化《バランスブレイカー》。
「祐斗、いい剣だな。」
俺は駆け寄り声を掛ける。
「うん、ありがとうイッセー君。少し手合わせしてもらってもいいかい?」
早速とはね。剣も望んでるみたいだな。
「オッケー・・・・あ〜、剣持って来てない。」
行った瞬間に何かが飛んできてそれを受け取る。
剣の柄?
「丁度良い、イッセーが頼んでた奴の試作だ。ついでだからテストしろ。」
おお!出来たのか!
「光よ!」
声と共に柄から光で出来た刃が現れる。
「光の剣(仮)だ。注文の機能はついてるぜ!」
「サンキュー、アザゼルさん。じゃあ祐斗、やろうか。」
「ああ!」
二人同時に駆け出す。
ギィン、バヂッ、キン。
数合打ち合う。
「斬れ味と、能力がかなり上がってるな。」
「イッセー君のその剣も相当だと思うけど。」
「ああ、斬れ味と強度、携帯性で作ってもらったからな〜。あと、こんなのとか!」
言いながら刃を撃ち出す。
「うわ!そんな事も出来るなんて。」
何とか避けながら言ってくる。
「もう一個あるんだけど───姉ちゃん!」
「はいよ〜。」
意図を理解したのか呪文を紡ぎ出す。
「紅蓮の炎に眠りし暗黒の竜よ
その咆哮をもて
我が敵を焼き尽くせ!」
「
姉ちゃんが俺に向けて魔法を放つ。
俺は魔法を、剣で受け吸収する。
姉ちゃんの魔法を、吸収した剣の刃部分が赤く染まる。
「おお〜、成功!」
アザゼルさんが感嘆しながら言う。
「ちょ!テストしたんですよね!?」
「ああ、やってはいるが実際見るとな〜。あと、それ以上強力な魔法だと保証しかねるからな〜。」
・・・・・ドラスレだったら剣が爆発とかしたんだろうか?危ない危ない。
それから暫く祐斗とお互い能力を確認し合った。
取り敢えず現場の後始末はアザゼルさんが引き受けてくれたんで、任せて俺達は戻ることにした。
イリナとゼノヴィアは近くの教会で一泊してから帰るらしい。なんかゼノヴィアに師匠とか呼ばれる様になってしまった。
アザゼルさんも祐斗の件と違法施設破壊などしている事でみんなの評価は上がっている。裕斗は戻る時にもアザゼルさんにお礼言ってたしな。
「良いのか悪いのか不思議な一日だったわね。でもわかった事もあるわ。私達はもっと強くならなければいけないわね。」
部室に戻ったリアスが言った。
「いきなりどうしたの?」
姉ちゃんが驚いて聞く。
「元々イッセーや里奈に頼りっぱなしだと考えていたのだけど、その、婚約やイッセーとの事もあって先送りになってたんだけど、今日のコカビエルや聖剣使いの子達、祐斗の
まあ同世代の悪魔から見たらリアス達も充分強いと思うけど確かに裕斗が至ったり俺と姉ちゃん見てるとそう思うのも仕方無いんだろうか?
「なる程ね。丁度良い機会かしら?イッセーもそろそろ
「え!ライザーの時使ってたわよね?」
そうなんだけれども・・・
「本気でキレた時しか発動しないのよ。」
「え・・・。」
リアスが呆然としている。まあ、わからなくもない。
「本当です・・・。なんというか普段は出来るだけ自力で何とかしたいと考えてるせいか自分から発動しようとすると上手く発動しない時が・・・。」
あったりする。
「アザゼルにも笑われてたわよね〜、そんな奴いね〜って。普通は一回出来れば次から自分の意思で自由に出来るんだけどね。祐斗も出来るでしょ?」
「うん、出来るよ。」
・・・・・。
「じゃあ今度の連休に合宿でもする?修行プラン私が考えてあげる。あと場所の手配もね、フフフ。」
あの目はまずい時の目だ!
「姉ちゃ───」
反論しようとしたら物凄い眼光が飛んできて何も言えなくなった・・・こええ。
「反論は無しよ。今回は皆の強化も勿論だけどイッセーの
「イエス!マム!」
反射的に返事したけどまあ、姉ちゃんの言ってる事は間違ってないよな~。
仕方無い、諦めるか。
合宿の事で憂鬱になった俺は溜め息を吐くのだった。
次回は修行回です。