地獄の姉弟《ヘルツインズ》~赤と白を宿した双子 作:デンドロビウム
なんとかイッセーを止めた私達にサーゼクス達もやって来ていた。
「色々説明しないとなんだろうけど後日でもいい?」
私の言葉にアザゼルは仕方無いというような感じで
「今回の功労者はお前さんだし仕方無いか。サーゼクスとミカエルもそれでいいか?」
「ええ。」
「かまわないよ。」
ミカエルに続いてサーゼクスもアザゼルの案に了承してくれた。
「それから私はさっき使った力の影響で数日から一週間位寝続けると思うから説明はイッセーに任すわ。とはいえイッセーもさっきの影響で二、三日は動けないでしょうからその後になるわね。でしょ?イッセー。」
「姉ちゃんにはバレてるか。」
「そりゃそうよ。無理矢理暴走させられてその上私達の攻撃受けて平気な訳無いでしょ?」
「まあ、姉ちゃん程魔力の消費は無いし傷もアーシアが治してくれたから二日位安静にしていれば動ける位にはなるかな。」
みんなを安心させる為だろうけど〜・・・そんな生易しいダメージでは無いだろう。
「イッセーがそう言うなら任せるわ。私は限界だから一足先に帰って休ませてもらうわ。」
そう言い私は魔法陣を展開し家に帰った。
姉ちゃんが転移して帰った後俺はみんなに謝罪し、ミカエルさんにこの間の約束を聞いてもらうことにした。
「アーシアの件です。追放した理由とそれについての謝罪をしてもらいたいです。」
俺の言葉にアーシアは驚きミカエルさんは目を伏せる。
「アーシアさんの件に関しては私の力不足が原因です。この会議の前提として聞いているとは思いますが神と魔王は先の大戦で滅びました。天界にはシステムというものがありそのシステムが所謂神の奇跡というものを司っていました。システムはほぼ神が扱っていて神が滅んだ後我々が維持しているのですが不明な所も多く現状維持するので精一杯なのです。」
「それで影響を与えそうなアーシアを追放するしか無かったと。」
俺の言葉にミカエルさんは申し訳無さそうに頷き
「その通りです。アーシアさんには大変申し訳無く思ってます。」
そう言いアーシアに頭を下げた。
「ミカエル様、頭を上げて下さい。確かに追放された時は辛かったですが、その後里奈さんやイッセーさんに家族にしてもらいましたし悪魔に転生した事も後悔してません。今私は幸せです。ですのでミカエル様、どうか気にしないで下さい。」
「アーシアさん、あなたの優しい心に感謝します。」
アーシアは良い子だな、教会を追放されたのに気にしないで下さいなんてな。
「ミカエルさん、一つお願いがあるんですが。」
「なんでしょう?」
「アーシアが祈りを捧げても頭痛がしないように出来ませんか?」
「「!?」」
アーシアとミカエルさんが驚いた表情をしている。
「未だにたまにですがアーシアが祈りを捧げる時があってその度に頭痛がして苦しんでるのを見て可哀想だな〜と思ってたので。」
俺の言葉を聞いてミカエルさんがアーシアに向く。
「アーシアさん、神は居ませんが祈りを捧げてくれますか?」
「はい!これからはミカエル様に祈りを捧げたいと思います。」
「アーシアさん、ありがとうございます。一人位祈りを捧げてくれる悪魔がいてもいいでしょう。天界に戻ったら直ぐに調整しましょう。」
「ありがとうございます!ミカエル様、お兄ちゃん!」
アーシアは喜んで涙を流している。
「では、私はそろそろ戻るとします。先程の件は後日イリナとゼノヴィアを派遣して報告を受けたいと思います。」
「ミカエル、こっちからも報告書あげさせてもらう。」
「アザゼル。わかりました、ではこれで。」
そう言い魔法陣を展開して他の天使と共に帰って行った。
「イッセー君、体は大丈夫ですか?」
ミカエルさんが去ったあとサーゼクスさんがやってきた。
「・・・嘘ついても仕方無いんで言いますが、正直限界近いです。回復までは暫くかかると思います。なので報告は少し遅れるかもです。」
実際暴走の影響だろうけど魔力も体もガタガタだ。アルビオンもまだ意識が戻って来ないしこれは暫くまともに戦えそうも無い。
「あれだけのことをされて現状会話してるだけでも辛いだろう。ゆっくり休んでからで構わないよ。将来の義弟に無理させる訳にはいかないし強制したらリアスに怒られちゃうからね。」
「お兄様!」
サーゼクスさんの言葉にリアスが抗議してるけど照れ隠しみたいで逆に可愛いな。サーゼクスさんもニヤニヤしている。てか将来の義弟て。
「俺はある程度把握してるからな、とりあえずゆっくり休め。無理させる気はないからな、ついでにいい機会だから気持ちにもうちょっと整理つけてこい。じゃないとまた同じ事がおきるかもしれんからな。それじゃあそろそろ俺達も帰るぜ。」
そう言いアザゼルさんも部下と共に帰って行った。
気持ちに整理か・・・逃げられないって事だな。向こうにはバレてるみたいだし。
「ここの後始末は我々がやっておくから皆は帰って休むといい。」
サーゼクスさんがそう言い俺達も帰る事にした。
帰って寝れると思ったが家では両親が待っていて謝罪と説教を同時に食らった。
守ってやれなかった謝罪と俺の精神修行が足りないから今日の事態になったという説教だった。
どちらも愛情表現だと思その日はそれに感謝しながら休む事にした。
それから四日後の放課後、部室には姉ちゃんを除いたリアスの眷属、ソーナ会長の眷属、アザゼルさん、サーゼクスさん、グレイフィアさん、それからイリナとゼノヴィアが集まっていた。
因みに姉ちゃんは目は覚ましているが未だ調子が悪いらしく家でダラダラと休養している。
俺もあれから二日寝込み、今も体調は万全ではないが大分回復したので早めに説明した方が良いだろうという事で皆に集まってもらった。
「とりあえず俺の事からの説明でいいですか?」
「ああ、構わないよ。一応アザゼルから簡単に報告は貰っているからね。」
という事はサーゼクスさんはある程度こっちの事情は理解してるって事か。
「それじゃあ俺の事から説明しますね。あの時カテレアが言っていた通り旧魔王ルシファーの血を受け継いでます。旧姓ヴァーリ・ルシファーと言います。俺は生まれてからあそこで虐待を受けていました。理由はハーフである事と
一気に話したので一旦ここで一息つく。
「その後冥界にいた俺と源太郎達に保護されたってことでいいか?」
アザゼルさんが俺の話を引き継ぐ。
「そうですね。あそこで保護されてなかったらあのまま野垂れ死んでたかルシファーの家に連れ戻されてたかもしれないので今の両親とアザゼルさんには感謝してます。おかげで家族の暖かさと人の温もりを信じる事が出来るようになったので。」
そう言いアザゼルさんに頭を下げる。
「ああ、そういうのはいい。こっちも色々手伝ってもらってたからな。それにだ、実はお前を保護出来たのは偶然では無いんだよ。」
っ!
「それってどういう事ですか!?」
「今なら良いだろう。お前の保護を源太郎に頼んだのはお前の実母でな、源太郎の妹だ。彼女は源太郎と違って普通の人間だ。だが一つだけ能力があってな、源太郎だけにテレパシーを送る事が出来た。それを利用してイッセーの保護を頼んだそうだ。で、冥界に来るために俺が頼まれて一緒に探してたと。」
そんな事があったなんて・・・でも
「そう考えれば色々腑に落ちる部分もありますね。偶然にしては今の両親とアザゼルさんがいたってのは不自然過ぎるなと思ってましたし。」
「まあそうだろうな。おっと、それからお前の母さんな、こっちでその後保護してとある場所に匿ってるから心配するなよ。奴がまだ健在だから会わせる事は出来んが落ち着いたら会わせてやる。」
「ありがとうございます。アザゼルさん。」
俺はアザゼルさんに頭を下げてお礼をした。アザゼルさんが匿ってるなら問題無いだろうし今迄気になっていた実母の事も安心出来る。
「気にするな、源太郎の頼みでもあったし俺もあのままじゃ寝覚めが悪かったからな。イッセーの事は源太郎がちゃんと連絡しているしこっちからも報告はさせている。会わせられないのは申し分ないとは思うが奴に感づかれたら面倒なんでな、そこは我慢してくれ。」
「いえ、保護されてて無事でいるなら今はそれで充分です。母さんにいつか必ず会いに行くって伝えてもらえますか?」
「ああ。必ず伝えてやるよ。」
アザゼルさんの言葉に安堵する。記憶はほとんど無いけど時折感じていた暖かさは覚えている。時が来れば会えると分かっただけでも今の俺には充分だ。
俺は一息ついて
「俺の事はとりあえずこれでいいですか?」
俺の言葉に皆は頷く。
「じゃあ次は姉ちゃんのことですね。あの時見せた姉ちゃんの力の事ですが「赤龍神帝の力よ。」え?!」
声に驚いて扉の方を見ると姉ちゃんが立っていた。
次回は里奈の話です。