ゼロの使い魔 ~ほんとはただ寝たいだけ~   作:真暇 日間

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side ルイズ・ら・ヴァリエール

 

なんか混ざってるんだけど……!?

……まあ、いいわ。もう。どうでも。

 

さて、そんなわけで今夜もシエスタを部屋に連れ込んで抱く。私を柔らかく包み込んでくれるシエスタはとてもいい匂いがして、そして私がちょっと悪戯をした時に上げるかわいい声に溺れてしまいそうになる。

ああ、もう。シエスタ。どうしてシエスタはそんなに可愛いの? 答えは聞いてないけどね。

そう、どんな美辞麗句を並べても、どれだけ素晴らしい詞に唄ったとしても、それはただの言葉の羅列以上の意味を持つことはない。

ならばただ一言、『シエスタだから可愛い』。この一つだけで十分なのよ。

 

「……けれど、ルイズ様? 口に出して誉められるのは、余程の事が無ければ嬉しいものですよ?」

「ええ、そうね。……可愛いわよ、シエスタ」

 

私はそう言って、シエスタの頬にキスをする。ちょびっと頬を主に染めているシエスタの胸に軽く鼻を埋め、そのままゆっくりと呼吸をする。

 

「んっ……」

 

くすぐったかったのか、シエスタはぴくっと体を震わせた。けれど私はシエスタの体を堪能することを止める気はない。ただ、シエスタが嫌がることを強制する気も無い。

それに、シエスタはシエスタで眠った後の私を撫でたり抱き締めたり頭に鼻を埋めて匂いを嗅いだりしてるみたいだし、お互い様でギブアンドテイクな関係なのよ。

 

……と、そんな裏話はどうでもいいから放置するとして、シエスタとこっそり二人きりで話をする。別にシエスタを部屋に連れ込んだ理由はシエスタの身体を隅々まで堪能するためではない。こうしておけば夜に私の部屋に近付こうとする奴や、隣の部屋の誰かさんのように覗いてくるようなこともなくなるからやっているだけ。

確かにシエスタは可愛いし、柔らかいしいい匂いだし、学院ではレア姉様の次に信頼できる相手だけど、だからと言ってなんでもかんでもそっちに繋げるのは……ねぇ?

 

そう言うわけで、シエスタと私でレア姉様を探しに行くつもりでいる。そろそろ寂しくなってきたし、修行の成果もそれなりに出てきているのに次の段階に進めないので密度を上げて無理矢理補っている状態が続いているしね。

 

「……だから、もう何日かして手紙の一つも届かなかったらちょっと迎えにいこうと思うのよ」

「なにが『だから』なのかはよくわかりませんが、迎えに行くと言うことは理解しました」

「そう言うことだから、できればシエスタもついてきてくれないかしら?」

「勿論です。戦争で行方不明になったレア様を探しに行く為だと言えば、休みの一週間や二週間は簡単に頂けます。学院のことは高弟メイドに任せればいいですしね」

 

高弟メイドとか初耳だけど、まあいいわ。とりあえず準備はしておかないとね。旅はきついことが多いし、昼に行動する事を考えれば朝の鍛練も密度が薄くなるか短くなることを覚悟しなくちゃ。

ちなみに虚無魔法にあった『窓』を試してみたら、普通にレア姉様が見えた。見知らぬおっぱい革命主義者と談笑していたので、どうやら無事ではあるらしい。

窓なら開ければ話せるかなと思ったけれど、残念なことに虚無魔法の『窓』はそこら辺の融通が効かないらしく、話すことはできないようだった。

似たような魔法に『異界窓』とか言うのもあったけれど、使ってみたらよくわからない場所に繋がったので二秒で消した。

そのくせ消費する精神力は『窓』の数十倍もあるかもしれないってくらいあるんだから、どう考えてもあるだけ無駄な魔法よね!言っちゃ悪いけど、始祖ブリミルは何を考えてこの魔法を作ったのかしら? 正直理解できないわ。

 

……まあ、いいわ。どうでも。明日は早いし、もう寝ちゃいましょう。

シエスタを抱き締め、目を閉じる。するとシエスタも私の事を抱き締めてくれて、とても安心する。

 

……ああ、ちなみにこうしてシエスタを呼ぶ理由は、薬とかを使わないと一人で寝れない体になっちゃったから。レア姉様が毎夜毎晩私の事をよしよしと撫でてくれるあの暖かさとか、抱き締められながら眠る時の一人じゃないって言う安心感とか、そう言うのに包まれて眠るのに慣れてしまったから。

お陰で学院に戻ってきてから始めの数日は眠れなくて、シエスタに頼んで来てもらって漸く眠れるようになったんだから。

 

……まあ、寝る前にはちょっとだけシエスタにイタズラしたり甘えたり甘えさせたりしてるんだけど、こんなのを見せられるのはシエスタだけよね。

隣の誰かさんは始めのうちは聞き耳をたてていたようだけど、暫くシエスタとイチャイチャしてから普通に寝ることを繰り返していたら途中から聞き耳をたてることはなくなった。趣味が悪いと自覚して辞めたのか、それとも進展しないと踏んで聞くのを辞めたのか、はたまたただ単に飽きただけか……。

 

「飽きただけね。間違いなく」

「おや、あの方は地味な基礎練習にずっとついてきておられますが」

「必要なこと以外はいい加減なのよあの女。一度友義を結ぶと義理堅いみたいだけど、本当に譲れない線まではずかずか入り込んで適当に荒らしていくのがあいつなんだから、騙されちゃ駄目」

 

私がそう言って言葉を切ると、シエスタは少しキョトンとした後で薄く笑い始めた。

 

「……ルイズ様は、ミス・ツェルプストーの事をよく御覧になっているのですね」

「ツェルプストーはラ・ヴァリエールの敵だものそりゃよく見るわよ」

 

クスクスと笑うシエスタは『そう言うことにしておきましょう』と意味深に笑い、シエスタの顔を見上げていた私の視線を頭を抱き締めることで下げさせる。視界のほとんどがシエスタの胸元に占められ、鼻は胸に挟まれてなんだか甘ったるい匂いに包まれる。

 

「さあ、ルイズ様。そろそろお休みください」

「……うん、そうするわ」

 

もぞもぞと収まりのいい場所を探して頭を動かし、ぴったりの場所を見つけてそこで動きを止める。

ぎゅっとシエスタの身体を抱き締め、けれどシエスタなら逃げられないと言うことはない程度に力を込める。

 

「……それじゃ、おやすみ、シエスタ。また明日」

「はい、お休みなさいませ。よい夢を」

 

シエスタの優しい声とゆっくりした心音を子守唄に、私は意識を落としていくのだった。

 

…………すぅ……。

 

 

 

 

 

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