ゼロの使い魔 ~ほんとはただ寝たいだけ~   作:真暇 日間

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side 織斑ルイズ

 

今日もいい天気。けして能天気な訳じゃなくて、単に洗濯物日和であるだけ。

空には太陽が輝き、所々に小さな雲が浮いている。それでいながら風は涼しく、昼寝をするには丁度良さそうだ。

 

……これで、私の前に盗賊さえ居なければ完璧だったのに。しかも食いつめて盗賊になった訳じゃなく、明らかに自分達が楽しみたいがために人から物を奪うタイプの盗賊。最悪ね。

……私? 私は一応国に貢献しているし、犯罪者からしか貰ってないもの。それに、かなり市場にも流して経済の活性化に貢献してるしね。

 

そう言うわけで、気付かれない内に盗賊を“マジックバリア”で押さえ付ける。

押さえ付けて押さえ付けて押さえ付けて……そのまま地面にめり込ませてやる。

そして土の精霊に頼んで私の“マジックバリア”の上に土をかけて、目立たないようにしてもらう。

死体はとてもいい肥料になるそうだけど、外道の死体もそうなのかしら?

 

……もしそうなら、私の死体もいい肥料になりそうね。私って結構外道だもの。あくまで『結構』だし『それなりに』外道ってだけだけど。

でも、私は外道と言うかむしろただのドSなのかも。可愛がるのが結構好きだし、純粋無垢な相手が汚れていく所とか可愛すぎると思うこともあるし。

 

……いや、純粋な相手云々って言うのはほら、今まで誰も入ったことのない場所に一面に降り積もった新雪を踏むときの得体の知れない感覚に似たなにかであって、けして性的な意味ではないことをここに宣言させてもらうわ。

 

「……相棒。相棒の言うそいつは、一般的には『征服感』つってだなぁ……」

「つまり、嫌がるデルフリンガーを身体的な快楽だけで堕とし切っておねだりさせて自分から処女を奪うように懇願させてから自分の手で破瓜を迎えさせたときの感覚と同じようなものだと、デルフリンガーはそう言うわけね?」

「まるでマジでやったことがあるみたいに言うの辞めてくんね? 俺は綺麗な身体だからな!? 女の身体になった事もねえからな!!」

「…………ふふふ♪ そうね」

 

……ああ、よかった。前に悪戯したことはバレてないみたいね。私の方から確認できなかったからちょっと心配だったのだけど、どうやら心配する必要はないらしい。

本来は私がなにもしなければどんな姿になるかを確認しただけだからあまり気にする事は無いんだけれど、まさか私がなにもしていなくてもあんなに美人になるなんて思ってなかったから……不意打ち食らってびっくりしちゃってるのよね。当然ながら服も無かったし。

……デルフリンガーの一部にペイントしてから“変化”させたら肌にそのペイントが反映されたりもしたけど、それについてはまた今度ね。

それと、何度も言うけれど手は出してないわ。基本からかうためにやってるだけだし。

 

「それじゃあ戻りましょうか。ねぇ、デルフリンガー」

「おう、相棒の好きにしな。俺は相棒についてくよ」

 

……あらあら、嬉しいことを言ってくれるじゃないの。今日は美味しいシチューにしましょう。

 

「また話が飛んだなオイ。別にいいけどよ」

 

 

 

 

 

side ルイズ・ラ王・ヴァリエール

 

……なんだかつっこみたい。凄くつっこみたい。私はかっぷめんじゃないわよと全力でつっこみたい。かっぷめんがなんなのか知らないけど。

 

と、そこで私が目を開けると、私の目の前には眠り続けているシエスタの顔が。どうやら流石のシエスタも昨日のあれは堪えたみたい。

確かに昨日はシエスタの誘惑に負けて色々とシエスタを相手に悦しんでしまった。適当な町で宿に入り、シエスタに色々イタズラをしながら眠った。エレオノール姉様にやっちゃったイタズラなんてただの前準備にすら届かないものだったと言えちゃうくらい、かなり丹念に。

“サイレント”はやっぱり使えないけど、“マジックバリア”で部屋を包めば外から中で起きていることを聞かれる事はないから、シエスタの可愛い声は私にしか聞かれていない。他人に聞かせるなんてもったいないこと誰がするもんですか。

 

眠り続けているシエスタが起きるまで……と自分に言い聞かせながらイタズラを再開する。シエスタが起きちゃったらそこでおしまい。そう決める。

 

まずは耳。軽く中に息を吹き掛け、反応を見る。

これで起きたらそこでおしまいだけれど、例え起きちゃってもこの程度なら本当に他愛ないイタズラで済む。その割に刺激が強いから、これで起きなければもうちょっとやってしまっても大丈夫。

そのまま耳朶を唇で挟み、柔らかさを楽しむ。私の頬とシエスタの頬が触れ合い、髪が私の鼻先で揺れる度にシエスタの甘い香りが私の鼻腔を満たす。

歯を当てないようにしながらはむはむと何度も耳朶を唇で噛み、時々きゅっと優しく引っ張ってみたり、唇に挟まっている部分を舌先でペロリと嘗めてみたりとシエスタの耳を堪能してから次は首筋へ。こちらも耳と同じようにまずは唇で楽しむ。

 

……耳に舌を入れてにゅるにゅるしないのかって? そんなことしたらいくらシエスタがよく寝てるって言っても起きちゃうでしょ。

……それに、いくらなんでもそれは私にはレベルが高すぎると思うの。耳の穴に舌を入れるだなんて……恥ずかしいわ。

 

そう言うわけで次は首筋。首筋と言ったら大体顎先から鎖骨のラインくらいまでだと思うんだけど、異論は認める。でも私はそう思ってるから直さない。

手始めに耳の真下に唇を落とす。痕がつかないように吸い付いたりはせず、ただ唇を触れさせるだけの軽いもの。

つんつんと啄むように首筋をつつき、時々舌先で細く舐める。するとたぶん汗だろうしょっぱい味と、シエスタ自身の肌の味だろう甘みがした。

 

「……ん……んぅ……」

 

……っと、どうやら時間切れのようね。残念だわ。

 

私はシエスタからぱっと離れてベッドを降りる。それじゃあ、シエスタが起きたら着替えさせてもらいましょうか。

目覚めたばかりのシエスタはきょろきょろと辺りを見回して、私の姿を見つけて頭を下げた。

 

「……おはようございます。ルイズ様」

「おはよう、シエスタ。身体に変なところはない?」

「その事についてですが、一つ申し上げたいことがございます」

 

真っ直ぐと私の目を見ながらシエスタは言う。何かしらね?

 

「……言ってみなさい」

「では遠慮なく。……このヘタレ」

「ちょっ!?」

 

突然のシエスタの暴言に目を白黒させる。え? 何それどう言うこと?

 

……まさか!?

 

とあることに予想がついてしまった私はシエスタの顔を見つめて……

 

「はい、初めから起きておりました」

 

…………穴があったら入りたい。そう思ったのは母様の訓練から逃げ切る事ができなかったあの日以来の事だった。

 

 

 

 

 

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