side 織斑ルイズ
デルフリンガーに血を飲ませ続け、出血が止まって傷が完全に治るまでデルフリンガーくちゅくちゅ(指で口の中を弄り回しているだけ。時々漏れる苦しそうな吐息が可愛い)を楽しみ、傷が治ったところで指を引き抜く。
デルフリンガーの唾液が僅かに糸を引き、なんだかとってもアレだけど……まあ、今は真面目な話だからそんなに気にする必要は無いわよね。その銀糸を見てちょっと頬を染めるデルフリンガーが可愛いと言うのはあるけれど。
「……けほ。……それで、いったい何を考えてこんなことをしたんだよ?」
口の端から溢れていた唾液を乱暴に袖で拭き取り、それからデルフリンガーは私を睨み付けるように見つめて問い詰める。なんだか理解できないものを見るような目と、若干の心配が含まれた視線が私の胸を締め付けぬ。
……締め付けぬ。
「締め付けねえのかよ!?」
「私の胸を搾り上げてやりたいだなんて……デルフリンガーのえっち」
「突然冤罪を突き付けられた!?」
「安心して。冗談かもよ?」
「『かも』ってなんだよ『かも』って!?」
「フォアグラはそれの肥大した肝臓よ?」
「鴨じゃねえよ!?」
「詐欺に会いやすい人のことかしら?」
「カモでもねえよ!?」
「エロオコジョ?」
「何の話だよ!?」
私のボケに逐一ツッコミを入れていくデルフリンガー。そのツッコミは的確で美しく、なんと言うか本当にボケ甲斐がある。
そして、そうやってツッコミを入れることで私のボケの頻度が上がっていったりするのだけれど……まあ、それに気付かないで全力でツッコミ続けるデルフリンガーも可愛いわね。
「それで、どうして突然私がデルフリンガーに血を飲ませたのかだけど……」
「ッ……ああ、なんだ?」
一瞬『突然本題に跳ね戻った!?』とかそういうツッコミをしようとしたみたいだけれど、そうやってツッコミを入れたらまた話が大脱線すると思ったようで無理矢理に黙った。
まあ、ツッコミを入れたら脱線するって言う予想については大正解と言わざるを得ないけど、ちょっとつまらない。
「簡単に言うと、繋がりを作るためね。初めから柄とか刀身に血を塗り込んでもよかったけれど、それだと私の魔力を吸いきれずにデルフリンガーが自壊する可能性もあったから、とりあえずデルフリンガーが人形になったら血を飲ませて内側から強化するつもりだったのよ」
「……それで、繋がりを作るとどうなるんだよ?」
「まず、私の魔法ならしっかりかかるわ。“固定化”とか“硬化”とかが繋がりの無い時に比べて数倍くらいの効果を出すことが期待できるし、デルフリンガーを私の杖として扱うことも期待できるようになる」
ついでにデルフリンガーくちゅくちゅも楽しめる……というのは黙っておく。聞かれてないもの。
けれどデルフリンガーは私を睨み付けるのをやめようとはしない。なにかしら?
「……で、それを俺に黙ってた理由は?」
「その方が面白そうだったから♪」
デルフリンガーはその言葉を聞いた途端、その場に崩れ落ちて頭を抱えた。まるで『あまりにもわかりきっていることを聞くなんて、俺は馬鹿か? 馬鹿なのか!? ああもうこうなったら相棒にこの身体全てを浄化してもらうべく夜中に突撃かけるしかねえな』って言うかのように。
「前半はともかく後半は違うっての!なんで俺が虎口に飛び込んだ兎にならなくちゃなんねえんだよ!」
「あら? それって今の状況と何か変わりあるかしら?」
私の部屋で、私に壁際に追い詰められてて、身体は動かせず、まだ時々唇をぷにぷに弄られてて、声を上げても“マジックバリア”で外には聞こえず、剣に戻ろうとしても精霊に対しての感応力は私の方がずっと上だから戻れず、ついでに私の右手がデルフリンガーの両手を纏めて頭の上に押さえ付けている状況。これはもう間違いなく『絶体絶命』と言う奴だろう。
……まあ、この場合危ないのは命じゃなくて貞操だけど。
「……マジでやんのかよ?」
「あら、繋がりが強くなったデルフリンガーならわかるでしょう? 私は実は結構好色なのよ?」
特に身内に対してそれは凄い。イチカとその周りの先輩同輩が相手なら大体相手にして嫌悪感は湧かないし、むしろこっちから巻き込まれに行ったことすらあるくらいなんだから。
……それ以外の相手が触れたら躊躇いなく殺してきたけど。
……と、そんな割とどうでもいいことは放り投げておくとして……もうちょっとデルフリンガーで遊びましょうか。
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※省略されました。省略された内容が読みたければワッフルワッフルと(ry
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デルフリンガーを堪能した。とても美味しかったとだけ言っておくわ。
……さて、今回の旅行の目的も達成したし、そろそろトリステインに戻っておきましょう。あんまり放置しておくとフーケに逃げられちゃうかもしれないし、彼女の土魔法はかなり有用だから逃したくない。ふーけを にがすなんて とんでもない !
些か予想外ではあったけれどジョゼフに連絡をとるための道具も手に入れたし、この世界の四人目の担い手の事も知ることができた。ここでこれ以上を望むのは、いくらなんでも強欲が過ぎると言うものよね。
……だから、ジョゼフとはまず話をするだけにしておいて、実際に会うのはまた今度にしておきましょう。多分シェフィールドもかなり驚いていると思うし、今はまともに話もできるかどうか……無理ね。落としたところグラン・トロワのジョゼフの頭の上だし。
とりあえず明日の朝一で連絡とってみましょうか。ウェストウッドにミョズニトニルンが襲撃してきたら目も当てられないし。
今襲ってきてくれれば私とルイズとシエスタと騎士アニエス(ただし、ネギを持ったシエスタより弱い)がどうとでもできるけど、私達がいなくなってから来られたら大変だものね。もう目も当てられないわ。
だから早めに連絡を取りましょうそうしましょう。この頃のジョゼフは暗躍大好きな癖に弟を殺して落ち込んでらしいから、その辺りを攻めればなんとか……なると嬉しいわ。私にできるのはパワーゲームとそのための周囲の強化だけだから、搦め手には強くないのよね。
世界全てを相手にしても勝つ自信はあるけれど、その時は世界が滅ぶから『戦闘に勝って勝負に負ける』状態になってしまう。そうなったらちょっと困っちゃうもの。
じゃ、頑張りましょう。